赤ちゃんに特に多い卵アレルギー!原因・症状・対処法と付き合い方

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2017/11/27

卵アレルギーの赤ちゃん

赤ちゃんの離乳食が始まり、食べ物を口にできるのは成長の証ですね。ママが心配になるのが、アレルギーについてではないでしょうか?

特に気を付けて食べるようにと言われるのが「卵」です。

栄養が豊富で調理もしやすく、多くの料理やお菓子に多く使われているので、食べさせる際に慎重になる必要があります。

実際に子どもが卵アレルギーの場合は、原材料に注意して食べ物を選ばないといけません。

卵アレルギーの原因・症状・対処法、そして卵アレルギーを持っている赤ちゃんが日常生活で注意しなければならない点や予防法についても説明します。

卵アレルギーかどうかが心配…効果的な予防策

以前は除去をして口に入れないようにするのが確実な予防法になると言われ、アレルギーを起こしやすい食べ物は、できるだけ遅い時期から食べる方が良いとされてきました。

卵を食べないため発症する事は無いので、一番確実な方法かもしれません。

しかし、最近ではアレルギー予防の研究も進んできて、2017年6月に日本小児アレルギー学会は「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」を発表しました。

アトピー性皮膚炎の赤ちゃんが、卵アレルギーを予防するために生後6ヶ月から専門の医師の管理の元で、鶏卵をごく少量ずつから摂取すると言うものです。

生後6ヶ月から徐々に食物経口負荷試験の開始し、少しずつ月齢とともに量を増やしていき、完全除去した乳児と比べると鶏卵アレルギーの発症率を8割低減させたとされています。

詳しくは、「日本小児アレルギー学会」のホームページを参照して下さい。

▼卵アレルギーの負荷試験についてはコチラも参考にしてみて!

スキンケアが卵アレルギー改善の近道に!

乳幼児のスキンケアが卵アレルギーの予防につながります。

皮膚のバリア機能が壊れてしまうと、皮膚からアレルゲンが侵入しやすくなってしまいます。よって、肌をきれいに保つ事で、アレルゲンの侵入を防ぐことが出来ます。

実際にアトピー性皮膚炎をもった乳幼児を対象に、スキンケアをしたグループとしていないグループに分けて統計をとったテストを行いました。

その結果、スキンケアを継続して行ったグループの方が卵アレルギーの発症を抑えられたというデータもあるようです。

▼赤ちゃんの乾燥肌対策についてはコチラも参考にしてみて!

卵アレルギーになる原因、はタンパク質と免疫機能が深く関わっている!

卵アレルギーは、卵白に含まれている「オボムアルブミン」や「オボムコイド」と言うタンパク質が関係しています。

この物質がアレルゲンとなり、体が異物だとみなし過剰な免疫反応を起こして、アレルギーを引き起こします。

赤ちゃんの場合は、消化器官や免疫機能がまだ未熟なために、体の中に入ってきたタンパク質を異物と判断してしまいアレルギー反応を引き起こします。

卵アレルギーの症状や強さは人によって個人差がある!

卵アレルギーと一言でいってもその症状は、食べてから反応が出るまでの時間や、どの部位に出てくるか、反応の強さは人によって違います。

軽い症状

半日後経ったぐらいに少し赤くなったり、蕁麻疹が出て数分後には消えてしまうくらい。

強い症状

すぐに口の周りが赤くなり、かゆくなります。皮膚や呼吸器・消化器と言うように全身に症状がでる事もある。

【皮膚に出る症状】

  • 口の周りのかゆみや赤み
  • 皮膚のかゆみ(首回りやお腹周りからかき始めることが多い)
  • 柔らかい部分(口の周り・首回り・お腹等)に蕁麻疹や湿疹が出る
  • 耳が赤くなりかゆくなる
【消化器に出る症状】

  • 強い腹痛
  • 嘔吐
  • 下痢や酷い時は血便が出る
【呼吸器に出る症状】

  • 少しの咳から始まり、止まらなくなる
  • 呼吸するたびに喘鳴が出る
  • 呼吸困難
  • くしゃみや鼻水が出てくる
【粘膜に出る症状】

  • 目がかゆく充血する
  • 唇や下がイガイガしてかゆい
  • 喉がかゆくなったり、苦しくなる

 卵アレルギーは「即時型」が多いが、遅れて症状が出る事も!

卵アレルギーの場合は、「即時型」と言って15分~1時間ぐらいで症状が出るケースが多いです。しかし、卵を食べた半日後や翌日に症状が出る場合があります。

血液検査をしても、症状がすぐ出るのか遅くに出てくるのかは分かりません。

時間をおいてからなので、消化器官に症状が出ても「下痢をしてお腹の調子が悪いのかも。」や、呼吸器であってもくしゃみや鼻水であれば「風邪かな?」とアレルギー反応と気づかない事も多いです。

遅れて症状が出ることを「非即時型」と言って、その時すぐに症状がでるものばかりではない事を覚えておくと良いと思います。

卵アレルギー治療は消化機能の成長がカギを握る!

「卵アレルギーは成長すれば治る」とよく聞きますよね?これには根拠があって、胃腸の消化機能や免疫が成長と共に発達することが関係しています。

これらの発達により、卵に含まれるたんぱく質を「アレルゲンではない!」と判断できるようになるからです。

アレルギーは個人差があるので、全員がという断言はできませんが、小学校に入る頃には7~8割のお子さんが食べられるようになると言われています。

アレルギー症状が出た!その時の対処法はまず受診を

様子がおかしいなと感じたらすぐに、アレルギー科のある病院か、かかりつけの病院へ受診しましょう。

その際にあせらず、いつ何を食べて何分後にどんな症状が現れたのか、出来るだけ詳しく説明します。
蕁麻疹やかゆみが出た場合
病院へ着くまでに出来る対応として患部を冷やします。かゆみは体が温もる事で増強するので、冷やすと落ち着いてきます。
呼吸器に症状が出た場合
寝る体制よりも座る方が呼吸はしやすいです。症状が進むと呼吸困難になる恐れもあります。

喘鳴が強くなってきたり、苦しそうにしている時は救急車を呼ぶという事も頭に入れておいて下さい。

アナフィラキシー症状にエピペンを常備しておこう!

エピペンは、「アドレナリン自己注射」です。アナフィラキシー症状が出た時に注射します。収縮した気管支を広げ、血圧を上げてアナフィラキシー症状を緩和します。

あくまでもアナフィラキシー症状の緩和で、治療したという事ではないので、必ず病院を受診しましょう。

エピペンはドラッグストア等に置いているものではありません。専門の医師が判断して、必要と判断した人に処方されるものです。2011年9月から保険適応になりました。

幼稚園・保育園や学校での卵アレルギーに対しての取り組み

幼稚園・保育園や学校で、卵アレルギーが発症する危険性が一番高いのが給食の時間です。

自治体や通う園や学校によって違いはありますが、厚生労働省や文部科学省がガイドラインで取り組みの指針をまとめています。

幼稚園・保育園での対応

園に給食センターがあるところ
栄養士を配置しているところもあり細かく対応してくれます。入園前に調理担当者と面談をするところが多いです。直接確認が出来るので安心です。
配色サービスを利用している園
栄養士を配置しているところがほとんどで、給食会社から事前にアンケートがあり、アレルギーの内容を伝えて対応してくれます。
小規模で運営している園
対応が難しく何らかのアレルギーがある場合は、お弁当を持参するルールになっているところもあります。

最近では、「なかよし給食」と言って主なアレルゲンとなる卵・小麦・乳製品を使わず、みんな同じ給食を食べる取り組みをしている園が増えてきています。

卵アレルギーを持つお子さんの場合は、幼稚園や保育園を選ぶ際に給食の対応がどうなのか事前に確認する必要があります。

小学校での対応

献立表や加工食品等の原材料表を通して確認をします。卵は基本的に除去の対象になっている事が多いです。

どうしても食べられない日は、お弁当を持参する形になります。公立なのか私立なのかによって対応も違うので、確認する必要があります。

小学校に入ると自分で「エピペン」を持っている子もいるのではないでしょうか?エピペンは学校に置いているわけではありません。医療機関でエピペンを処方された生徒に対して緊急時に行います。

最近では、迅速に対応できるようにエピペンの研修会をしている学校が増えています。先生が緊急時に対応してくれると安心ですよね。

学校給食のアレルギー対応については、市町村により異なります。文部科学省や各市町村のホームページにも載っていますので参考にしてみて下さい。

予防接種ワクチンに注意!

予防接種を打つ際に注意すべき点があります。

【鶏卵が使用されているワクチン】

  • インフルエンザワクチン
  • 麻疹ワクチン
  • おたふくかぜワクチン

「卵アレルギーを持っている方は医師に相談してください。」と病院に貼り紙がしてあったり、問診票に注意書きがしてある場合も。

最近では医療技術の発達とともに、ワクチンも高度に精製されるので、含まれる量はごく微量です。通常の卵アレルギーの方は問題なく摂取ができます。

卵を食べてアナフィラキシーショックを起こしたことがある人は、大丈夫と言われても心配ですよね?

病院によっては「皮内テスト」と言って、実際に摂取する量よりもごく少量を打って反応をみるものがあります。これが陰性であれば摂取できます。

気にしすぎず焦らずに上手く付き合う方法

卵アレルギーに関して専門の先生に相談して、正しい知識を持つ事がまず第一歩です。

そして、体質を知ることが大切で、どこまでの量を食べたら症状が出るのがを把握して、対応して行きましょう。

卵そのものではなくて、ハンバーグ等のつなぎであれば大丈夫な人もいれば、黄身の周りに付いているくらいの微量の卵白で症状が出る人もいます。

アレルギーがあるから全然食べないという事ではなくて、「最低限の除去」という考えが必要です。

最近では、外食するお店でもアレルギー表示されているところが多いので、気を付ければ子どもさんに卵アレルギーがあっても食事を楽しめます。

我が家の場合

5歳の子どもが卵アレルギーでアナフィラキシーを起こしたこともあります。

アレルギー専門の先生に診てもらっていて、何かあれば相談しながら徐々に試していっています。今のところ、加熱した黄身3分の1なら食べられるようになりました。

厳密に言うと、その黄身3分の1の部分に付着している卵白を食べられるようになったと言う事です。あるのか無いのか分からないくらいの量です。

ここまで来るのに3年かかりました。本当に地道ですが焦らずに続けて行こうと思っています。

地道に長い目で見守って克服しよう!

「最低限の除去」続けていきながら、少しずつ食べられる量を増やしていくので、気が遠くなるような作業です。

それに、卵アレルギーが落ち着くまでは、外食や買い物するときに成分を確認したりとママも気を使って大変です。

でも、これらが卵アレルギーを克服していくための大切な一歩になります。

アレルギーによって「食」の楽しみがなくなってしまうのはつらいことです。最近では、アレルギー対応の食材も増えていますので、上手に利用すれば食事が楽しめます。

卵アレルギーは子どもの成長と共に緩和していくケースが多いです。なので、食べられる範囲を探しながら長い目で見守っていきましょう。

▼卵アレルギーの子供向けの市販のお菓子についてはコチラも参考にしてみて!

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