大人も読むべき!子どもに「思いやり」を教える時に使いたい絵本6冊

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2015/09/20

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二人目を妊娠・出産した時って喜びはもちろんですが、子供を二人ちゃんと育てていけるだろうか…という不安を感じるものですよね。

上の子が赤ちゃん返りするとか「いいお兄ちゃん・お姉ちゃん」になろうと我慢してしまったりするなんて聞くこともあります。でも実際の心の中はどうなんだろう?と覗いてみたくありませんか?

上の子の複雑な心を知るために、そして寄り添うために一緒に絵本を読むことをオススメします。赤ちゃんがやってきた上の子の心を描いた絵本6冊をご紹介します!

優しい雰囲気の中に上の子の寂しさを描いた絵本2冊

まずはとても優しい雰囲気で描かれた絵の中に、上の子がママに甘えたい気持ちを我慢している切ない心が見えてくる絵本2冊をご紹介します。

1.「ちょっとだけ」寂しさを感じつつも自分で頑張る姿に泣ける

ちょっとだけの絵本画像

「ちょっとだけ」 瀧村 有子 作 鈴木 永子 絵
福音館書店 2007年発行

こちらはご存知の方も多いかもしれませんね。赤ちゃんを迎えた上の子の健気な姿が「泣ける」と話題の絵本です。

鈴木永子さんのとても優しいタッチの絵は見ているだけでもほんわかとした気持ちになれますね。赤ちゃんを抱っこして微笑むお姉ちゃんが表紙。今にも動き出しそうな絵がリアリティを生みだしています。

お姉ちゃんになったなっちゃんは、赤ちゃんのお世話で忙しいママを見て何とか自分で頑張ろうと牛乳を入れたり着替えをしたり…。それが「ちょっとだけ」うまくいくんですよね。

でも一人で公園へ出かける途中に会ったお友達とそのママに「赤ちゃんかわいいでしょう」と言われ「ちょっとだけ」うなずいたところに、なっちゃんの寂しさが現れています。

最後にママに「ちょっとだけ」抱っこしてとお願いする姿は愛おしいですね。ママの対応も素敵。こんな風に子供と温かく接していきたいと思わされます。

今まではたっぷり甘えてきたけれど「自分で頑張らなきゃ!」と思う気持ちと「でも本当はもっと甘えたい」という気持ちが絶妙に描かれています。

こうやって少しずつお姉ちゃんになっていくんだな。なっちゃんが成長していく姿が目に浮かぶようです。

お子さんを「ちょっとだけ」と言わず、いっぱい抱きしめてあげたくなること間違いなし。一緒に温かい時間を過ごしてくださいね。

2.「ねえ だっこして」いじらしい猫の姿が上の子と重なる

ねえ だっこしての絵本の表紙

「ねえ だっこして」 竹下 文子 文 田中 清代 絵
金の星社 2004年発行

こちらもとても優しいタッチの絵。赤ちゃんが生まれた家庭の猫の視点で描かれています。でもこの猫が上の子と重なって何とも切ない気持ちになります。

ママのひざで抱っこされるのが大好きな猫は、赤ちゃんが生まれたことで抱っこしてもらえなくなってしまいます。じーっとママを見つめる猫の表情にはドキッとさせられます。

赤ちゃんにママのひざを貸してあげる。一人で眠れるから…と強がる猫。でも本当は時々でいいから、少しでいいから抱っこしてほしい…。

子供に読んでいて声がつまってしまったというママの声にも納得です。もっと上の子のことを見てあげなきゃ。我慢しなくていいんだよ。という気持ちにさせてくれます。そして自然ともっと上の子を抱っこしたくなる、温かい絵本です。

笑える中にも上の子の心の変化が描かれている絵本2冊

続いて赤ちゃんを迎えた家庭の上の子が少しコミカルに描かれていて、寂しい気持ちを感じつつもちょっと笑ってしまうような楽しい2冊をご紹介します。

3.「ぼくもだっこ」2歳位から読める繰り返しが楽しい絵本

ぼくもだっこの絵本画像

「ぼくもだっこ」 西條 剛央 作 大島 妙子 絵
講談社 2009年発行

主人公は抱っこが大好きなまもるくん。でもママは赤ちゃんが生まれて忙しそう…。そこでまもるくんは家を飛び出してしまいます。

何だかドキッとする展開ですが、そこに動物の赤ちゃんたちが次々と現れて「だっこして」とまもるくんにお願いします。

大きな動物もやってきて最後には8匹も抱っこすることになったまもるくんは、よろよろ、よろよろ…ついにドシーン!みんなで「ママー!抱っこ~!」と泣きだしてしまいます。

動物の赤ちゃんたちをママが迎えに来て、寂しそうな表情のまもるくん。でもちゃんとママも来てくれました!

動物の赤ちゃんを抱っこするまもるくんの表情の変化に心の中が現れています。どうなっちゃうんだろう?というハラハラな展開は分かりやすく、楽しみながら読むことができますね。

作者の西條さんは発達心理学を学び博士号を取得しておられます。単純な話の中に子供の心理や成長の様子が描かれている実は奥の深い絵本です。切ない、泣けるような話はちょっと…というママにピッタリですよ。

4.「リサのいもうと」コロッと変わるリサの心に何だか笑える

りさのいもうとの絵本画像

「リサのいもうと」 アン・グッドマン 作 ゲオルグ・ハレンスレーベン 絵
ブロンズ新社 2001年発行

お馴染み「ガスパールとリサ」シリーズのリサに、妹が生まれるお話。赤ちゃんが生まれるなんて面白くないリサは、赤ちゃんなんて「ゴミバコ」「ゴキブリ」とひどい名前にすればいいと思っています。

友達のガスパールにもそんなちょっとイライラした気持ちを打ち明けるリサ。赤ちゃんが生まれてからはやきもちを焼いている様子が生き生きと描かれていて、そんなリサがとっても可愛くてつい笑ってしまいます。

でもやっぱり気になってこっそり赤ちゃんのところへ行ったリサは、一気に赤ちゃんのことが好きになってしまうんです。

このリサの「極端」で「無茶苦茶」な感じが笑えるんですが、子供ってこうだよなとうなずける部分もたくさんあって見ていて楽しくなってきます。

子供の心がきれいごとでなく、とても真っ直ぐに正直に描かれていて読み終えると何だか清々しい気持ちにもさせてくれる一冊です。ぜひ上の子と一緒にケラケラ笑って読んでくださいね。

上の子の心境がとってもリアル!子供の共感を呼ぶ絵本2冊

最後は上の子(今回はどちらもお姉ちゃん)の心の変化がとてもリアルに描かれていて、親としてどう向き合っていこうかと真剣に考えたくなる作品を2冊ご紹介します。

5.「あなたってほんとにしあわせね!」妊娠後の姉の心の変化

あなたって ほんとに しあわせねの表紙

「あなたってほんとにしあわせね!」
キャスリーン・アンホールト 作 星川 菜津代 訳
童話館 1994年発行

「はじめはわたしだけだった」と自分の家庭を父母と自分だけだったと紹介する文で始まるこのお話。この始まりにとてもドキッとさせられました。

そこからママの妊娠が分かり、4~12月へとママのお腹がだんだん大きくなるところが描かれています。でも「わたし」の心は複雑。ママに赤ちゃんを産みに行ってほしくなかった…。

赤ちゃんを「つぶれたいちご」みたいだと言った私。赤ちゃんがいるなんて「しあわせね!」とみんな言うけれど、そう思えない時もある。私も赤ちゃんになりたい!と思う時もある。

そんなお姉ちゃんの微妙な心の動きがとても自然に描かれています。そんな中、疲れてしまったママを見て「私がママを手伝う大きい女の子」になれるかも!と前向きな気持ちになっていきます。

揺れ動きながらも赤ちゃんとの生活を少しずつ受け入れていくお姉ちゃんの姿に、「ガンバレ!でも無理しなくていいんだよ」と声をかけてあげたくなります。

2~3歳ではまだ分かりにくいかもしれませんが、自分が一番上だったというママから「姉ってこんな気持ち!」と共感の声が多い作品です。

6.「アンジェリーナ おねえさんになる」寂しい姉の姿が切ない

アンジェリーナ おねえさんになるの絵本の表紙

「アンジェリーナ おねえさんになる」
キャサリン・ホラバード 作 ヘレン・クレイグ 絵 おかだ よしえ 訳
講談社 2006年発行

赤ちゃんが生まれてお姉さんになったアンジェリーナ。でもパパもママも赤ちゃんのことばかりで自分のことを見てくれない!バレエの先生にもらったご褒美のお人形にも誰も気づいてくれない…。ママが疲れているのも赤ちゃんのせい!

妹ができるってもっと楽しいことだと思っていたのに、実際はそうではないんだ、寂しいけれどいい子にしなくっちゃと、自分を抑え込んでしまうアンジェリーナ。

じいじ、ばあばがやってきて自分の方にはろくに目も向けずに赤ちゃんのところへ行ってしまい「私のことなんてみんなどうでもいいんだ!」とアンジェリーナはついに爆発してしまいます。

自分の部屋で大暴れする姿にビックリしたみんなが駆けつけ、アンジェリーナは自分の悲しい心の中を正直に打ち明けます。ママとお互いの気持ちを話し合えてスッキリした様子のアンジェリーナが得意のバレエを妹に披露する姿は誇らしげ。

ここまで辛い気持ちを溜めこんで爆発してしまうことは少ないにしても、「赤ちゃん、赤ちゃん」と上の子の気持ちをあまり考えてあげられなかった周りの対応に、自分はこうなっちゃいけないと思わされますね。

「赤ちゃんが生まれたら、とにかく上の子を優先してみてあげよう」と言われる理由がこの絵本に凝縮されている気がします。

実際に上の子に読むと涙ぐんで見ていたという声も。4、5歳の女の子には特に共感できる部分がたくさんあると思います。こちらはシリーズもので他にもたくさん絵本が出ていますので、ぜひ読んでみてください。

きっとこういった試練を乗り越えて、とっても優しいお姉さんに成長するんだろうな。子供との関わり方を考えさせられる1冊です。

上の子と絵本を読もう!贅沢な時間をじっくりと楽しんで

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いかがでしたか?お子さんと一緒に読んでみたいという気持ちになっていただけた1冊があれば嬉しく思います。

赤ちゃんが生まれてからの生活は本当に忙しいもの。ついつい上の子に辛く当たってしまうと悩んでいるママも少なくありません。本当は子供のことが大好きなのに、つい怒ってばかりになってしまうこともあるでしょう。

そんな時、絵本を通してならママの「大好きだよ」の気持ちも、お子さんの「もっと自分を見てほしい」の気持ちもお互いに伝えあえますよね。

絵本を読む時はできれば赤ちゃんが見えないところで1対1で触れ合って!がおすすめです。

愛情をたっぷり注いで、ママ自身も子供に触れて心を満たすことが出来る贅沢な時間を過ごしてくださいね。

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