発達障害の特徴は子どもの発達や障害の度合いで様々!成長してみて初めて診断されることも!

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2019/05/13

子どもの発達障害は、テレビ番組でも特集を組まれることも増えていて、パパママの関心度も高まっていますよね。

我が家には、「ある年齢までグレーゾーンだったけれど、その後健常に成長した子」と、「ある年齢まで一見普通に成長しその後発達障害が現れた子」がいます。

また療育訓練を受けるなかで、いろいろな発達をとげていった子どもたちをたくさん見てきました。子どもの成長を見つめていると、健常児と発達障害児の分岐点がどこかとても気になるものです。

  • 健常に発達した子と発達障害を持っている子の発達の分かれ目
  • いろいろな発達障害の状況

など、我が子の発達が気になるママが「知りたい!」と思うポイントについてまとめてみました。

発達障害ってなに?発達障害の特徴と、いろいろな発達障害の種類

そもそも、「発達障害」ってなんなのでしょうか。実は、さまざまなケースが発達障害と呼ばれているのです。

発達障害=「障害」ではなく、発達障害=「病気」でもない

発達障害とは、脳の発達が一般的な人とはちょっと異なる状態を指しています。意外に思われるかもしれませんが、脳や心の「病気」ではありません。

一般的な人とは違った五感や、感じ方、考え方のパターンを持った、いわば「特性」です。左利き・右利きの人がいるように、脳のパターンの個性であり、特性なのです。

「発達障害」には「障害」という文字が入っているので、発達障害と診断されたらすぐ「障害児」に認定されてしまうように感じるママも多いでしょう。しかし、発達障害を持っているからといって、かならずしも「障害児」と認定されるわけではありません。

「障害児」や「障害者」は、社会生活をおくるために適切な支援やサポートが必要不可欠な状態の子どもや人をさす言葉です。

発達障害を持っていても、成長とともにできることが増えていき、自分の力で社会生活が送れるようになる人もたくさんいます。

こういった場合は、「障害児」「障害者」と認定されることはありません。また、認定されたとしても、現在は行政などの手厚いサポートが受けられます。

発達障害についてはこちらにも詳しく載っています。

発達障害は治るの?…聞きたいけれど聞けない疑問をチェック

多くのママが知りたいと思うのは、「発達障害って治るの?」という点でしょう。発達障害は病気ではないので、治療で治すものではありません。

脳の発達の特性なので、その「個性」「特性」を完全に取り払ってしまうことはおそらく難しいでしょう。しかし発達障害を持っている子どもも、確実に成長していきます。発達にあった支援や教育をすれば、できることがどんどん増えていきます。

発達障害には、知的な障害をともなうものと、知的な障害をともなわないものがあります。知的な障害をともなうケースも、成長とともに知能は発達していきます。

知的な障害をともなわないケースで、社会の中で生きていくスキルと適切な支援が得られれば、社会人として独り立ちし、結婚することも可能ですよ。

さらに、一般的な人とは違った「特性」「個性」をもっていることが、大きな強みになることも少なくありません。優れた聴覚や視覚的なセンスを持ち、音楽や絵画の世界などで成功している人もたくさんいます。

子どもの個性に寄り添い、適切な教育をほどこすことの大切さは、発達障害をもつ子も、健常な子どもも変わりません。

発達障害を持つ子の教育に必要なのは、常に行政や教育・福祉に関する情報をキャッチする敏感さと、一般的な考え方にとらわれない柔軟な心です。

また、一部で「発達障害など、子どもの障害は母親の生活の乱れが原因」とまことしやかに言われているようです。

現在、発達障害を引き起こす原因はまだ解明されていません。親がどんなに規則正しい生活をして、食べ物に気をつけていても、発症することもあります。

「わが子の発達障害は、私が原因だ」と悩む必要はありません。それよりも、今後いかに上手に関わり、子どもの社会性を伸ばして可能性を広げるかに心をくだいてあげましょう。

発達障害にはいろいろな種類がある

発達障害と一言で言っても、実はその種類はたくさんあり、一種類の特性を指しているわけではありません。

発達障害と呼ばれる特性には、以下のようなものがあります。

  • 自閉症スペクトラム
  • ADHD
  • 学習障害

また、これらの特性は、さらに細分されます。ちょっと変わった特性を、日本では現在「発達障害」とひとくくりにしていますが、それぞれ特徴も、受けるぺきサポートも違ってきます。

自閉症スペクトラム…昔の「自閉症」イメージとは異なる世界

発達障害の中でも、耳にすることが多いのが自閉症スペクトラム(ASD)です。スペクトラムとは、裾野が広がる状態を指しています。

昔から「自閉症」と呼ばれる特性は存在していましたが、現在は多様化し、さらに分類が細かく分かれています。代表的なものをご紹介しましょう。

自閉症

  • 他人とうまく関わることができない
  • 集団行動など社会的な行動がとれない
  • 特徴的な行動をする・こだわりが強い
  • 知能・言語に障害をもつ

アスペルガー症候群は、自閉症の特徴の中で、知能・言語に障害をもたない状態を指しています。

自閉症には、昔「自分の殻に閉じこもっている人」というイメージがありました。しかし、その認識は正しいとは言えません。

我が家の子どもも自閉症ですが、非常に社交的で明るく、人なつっこい子です。このように、昔の認識とは大いに異なっていることが、最近の自閉症を理解するポイントですね。

アスペルガー症候群は、知的な遅れがなく、逆に知能が高かったり、言葉が達者だったりするため、気付かれないことも多いようです。

最近では大人になってから、「対人関係や社会生活でうまくいかない」、「しんどい」ということが続き、アスペルガー症候群だと気付く人もいるようです。

自閉症スペクトラムは非常に裾野がひろく、重度もさまざまです。大変重い自閉症になると、知的な遅れや言語障害も強くなり、人の顔を認識できない障害を持つこともあります。

また、自閉症スペクトラムは、医師によって広汎性発達障害と診断されることもあります。広汎性発達障害も、自閉症スペクトラムとほぼ同じ特性のことです。

発達障害をとりまく医学の研究が目まぐるしく進み、行政の認識が追い付かない点もあり、いろいろな名前で呼ばれています。自閉症スペクトラム、もしくは広汎性発達障害と診断された場合は、広義の発達障害だなとやんわり認識しておくと良いですね。

注意欠陥/多動性障害…「ADHD」ってなに?

最近、「ADHD」という言葉をよく見かけます。ADHDも発達障害のひとつで、「注意欠陥/多動性障害」とも呼ばれています。

簡単に説明すると、「落ち着きがなく、注意力がない状態」です。多動性障害を持つ子どもは、びっくりするくらいのスピードで走り回ることが多いですね。

我が家の子どもも多動性障害を持っていますが、身体能力が高く、瞬発力があって慣れない人ではとても追いつけません。車道や駅のホームでも平気で駆け出すため、絶対に手を離すことができません。

うっかり玄関のカギを開けておくと、飛び出して行方不明になってしまいます。また、椅子に座っていることが極端に苦手なので、「先生の話を落ち着いて聞く」ということは不可能です。

しかし、いつも動き回っているかといえばそうでもなく、自分が気に入った遊びをしている時などは、驚くほどの集中力を見せます。

注意欠陥/多動性障害「ADHD」は、子どもが幼いころには多動の側面が強く出ることが多いようです。成長とともに多動性はしずまっていく子が多く、そこからは注意欠陥の側面が気になりはじめるようです。

大人であっても、「異常にだんどりが苦手」「注意力がなく人の話を聞くことができない」など、ADHDを持つ人は意外といます。

ADHDについてはこちらも参考にしてみてください。

学習障害…ハリウッドスターも抱えていると言われる障害のひとつ

学習障害は、LDとも呼ばれています。知的な発達の遅れがないのに、勉強が極端に苦手、という子の場合は、LDが疑われます。

LDにもさまざまな種類があり、読むこと・書くこと・計算することなどに特徴が現れることが多いようです。字を読むことができないので苦労して台本を覚えた、というハリウッドスターがいたり、近年注目され始めている障害のひとつですね。

発達障害は併発することもある…幼児期は診断できないことも

ここまで読んでくださった方の中には、「このライターの子どもは、自閉症スペクトラムなの?多動性障害なの?」と思われた方もいるのではないでしょうか。

我が家の子どもは、自閉症スペクトラムで多動性障害が併存しています。こういった傾向のある子は非常に多く、特に幼いころは多動が強い子が多いですね。

発達障害は発達にさまざまな異変が起きる特性なので、成長とともに劇的に変化していくことも少なくありません。

学校に通い始めてから学習障害がはっきりしてくる子もいれば、成長とともに多動性障害が薄らぐ子もいて、幼児期にははっきりとした診断名がつかないことが多いですね。

自閉症スペクトラムとADHDを併発している子もたくさんいますが、アスペルガー症候群と学習障害が併存しているケースもあるようです。

また、なぜか発達障害、特に自閉症やADHDは圧倒的に男の子に多いという傾向があります。子どもの同級生は全員発達障害ですが、全員男の子です。もちろん女の子で自閉症を持っている子もいます。

さらに、ダウン症など他の障害を持っていて、自閉症も抱えている子もいます。自閉症スペクトラムは非常に裾野が広いため、ふもとの方に位置づけられる人の場合は、「自閉症」ではなく「自閉傾向の強い人」と呼ばれます。

「場の空気や雰囲気を読めない発言をしてしまう」「人の顔色がうかがえない」「妙なこだわりが強い」などの特性が強い人は、自閉傾向が強いのかもしれません。

「ちょっと違うな」と思うポイントは?子どもによって大きく違う

小さな子どもを持つママは「うちの子は大丈夫かしら?」と心配になってしまいますよね。どんな特徴が現れたら、注意が必要なのでしょうか。

発達障害を持つ子に現れる特徴とは…ひとつではないポイント

子どもの発達はマニュアル通りにはいきません。兄弟姉妹でも、全く同じようには育って行かないものです。発達障害を持つ子どもも同様で、障害の特徴が現れるのも子どもによってまちまちです。でも、「もしかして」と感じられるポイントはいくつかあります。

  • 目が合わない
  • 言葉の発達が遅い
  • あやしても笑わない
  • こだわりが強く、好き嫌いが異常に激しい
  • 耳が聞こえているのに、名前を呼んでも反応しない
  • 異常に落ち着きがない
  • 集団行動が苦手
  • 手を振る・飛び跳ね続けるなど、同じ行動を繰り返す
  • 言われたことをそのまま繰り返す「オウム返し」が多い
  • パニックを起こしやすい

こうした点が発達障害を持つ子どもに現れやすい特性です。

発達障害のチェックについてはこちらも参考にしてみてください。

しかし、こうした点があったからといって、必ずしも発達障害であるとは限りません。たとえば、我が家の長男は、3歳1か月までほとんどしゃべりませんでした。

非常に活発で走り回ってばかりいたので、見る人が見れば「多動」と感じたかもしれません。また、集団行動がまったくできませんでした。しかし、幼稚園に入園後たった1週間で3語文がしゃべれるようになり、集団行動もできるようになりました。

現在では、知能や学習に遅れもなく、普通の子どもとして成長しています。しかし、幼児健診ではずっと「異常が認められる」と言われ続けていました。

2歳を過ぎた頃に大学病院の児童発達専門医に診察してもらったところ、「言葉が遅いだけで発達障害の可能性はかなり低い」と言われました。

その時のポイントです。

  • 目が合う。
  • 言葉は表出していないが、指さしなどでコミュニケーションできる。
  • 質問の意味を理解し、答える能力がある。
  • ある程度座っていることが可能。
  • 親の顔をよく見る。

当時診察してくれた医師は、こうした点から、長男は健常と判断していました。

一方、次男は言葉の発達こそ遅かったものの、長男となんら変わらない成長を続けていました。しかし、3歳くらいから他の子との違いがはっきり出始め、5歳を過ぎるころには「障害を持っている」ということが明らかになってきました。

長男と次男の違いは、はっきりとはわかりません。しかし、今思えば目が合わない・名前を呼んだ時の反応がにぶいという点が、大きく違っていました。

子どもの発達や、抱えている障害の度合いによって、特徴も変わる

子どもの発達が十人十色なように、発達障害の特徴も人によってさまざまです。次男には自閉症のお友だちがたくさんいますが、同じ特徴の子はひとりもいません。

次男は自閉傾向はあまり強い方ではありませんが、知的な遅れが強く出ており、多動が激しいタイプです。一方で、知的な遅れが軽いにも関わらず、自閉傾向が強く、感情のコントロールがうまくいかないため障害に気付く子もいます。

上に挙げた発達障害児の特徴もごく一部に過ぎません。他にも、聴覚が異常に敏感だったり、視覚が独特だったりと多岐にわたります。

この後の項でくわしく述べていきますが、ママが「育てにくい」「関わりにくい」「なんだか違和感がある」と感じたら、専門の医師などに相談し、診察してもらいましょう。

発達障害が認められても、認められなくても、ママの育てにくさを解消するヒントを得ることができるかもしれません。

発達の遅い子がすべて発達障害とは限らない…成長で変化する

発達障害のなかには、学習障害などある程度年齢が高くならなければ気付きにくいものもあります。

新生児ではわからない!成長してみないとわからない障害もある

そもそも、発達障害は「コミュニケーションや社会性」に関わる障害です。そのため、生後すぐにはわからないことがほとんどです。

後になって「そういえば首の据わりが若干遅かった」「人見知りをしなかった」と感じることはあるかもしれません。

それも、我が家を例にとれば、人見知りは全ての子にありませんでした。首の据わりが遅いことや、歩き出しの遅さも、1ヶ月以上の誤差はありませんでした。

よほど顕著な遅れでなければ、結果論の範疇だと思います。ただし、自閉傾向が強い子の場合は、かなり早い段階で違和感をおぼえることは増えてくるかもしれません。

早く異常を指摘されたケースでは、1歳6ヶ月健診が多いようです。そのころにまったく発語がなかったり、異常に落ち着きがない場合は、指摘を受けるかもしれません。

ちなみに、我が家の次男は3歳児健診まで一切指摘を受けませんでした。行政によってはこうした見落としもあるので、健診結果は絶対ではないことを頭に入れておくと良いですね。

自閉症スペクトラムや広汎性発達障害という診断も、ある程度成長しなければつかないこともあります。これもまた、成長とともに顕著になる特性が多いからです。

最近は早期に療育支援を行った方が効果的と言われているため、行政も発達障害児の発見に力を注いでいます。指摘を受けたら、できるだけ早めに対処しましょう。

発達障害の診断についてはこちらを参考にしてみてください。

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