ホルモンバランスの乱れは不妊の原因に…不正出血の注意点と改善策

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2017/03/12

生理ではない時期に出血が続いて、なかなか止まらないという経験はありませんか?それは不正出血と言って、様々な病気の兆しになっているものです。

不正出血の原因は、ホルモンバランスの乱れが大きいと産婦人科医の間で言われていますが、不妊の原因が隠れている場合もあります。

妊娠したいと思っているのに、なかなか妊娠出来ない方で、不正出血がありはしませんか?その不正出血が不妊の理由かもしれません。

不正出血はどのようにして起きるのでしょうか。そして、健康に妊娠するためには、どのような治療をすればいいのでしょうか。以下に見てきます。

不正出血とは月経以外に出血をすること

生理が始まらない時期に、だらだらと出血が続いてなかなか止まらない状態を言います。産婦人科に相談すると、多くはストレスや疲労などが原因だと言われます。

不正出血とは
月経の時期以外に性器からの出血が見られる症状のこと。生活習慣の乱れやストレスによってホルモンバランスが狂うことによって起きる。
そのほか、様々な病気が原因になっていることもあり、長引く場合には注意が必要。
しかし中には重篤な病気が原因として隠れている場合もあるのです。なので一概にストレスの問題と楽観していてもいけません。

子宮のトラブルは女性にとってとてもデリケートな問題です。ひょっとしたら不妊の原因になっている症状かもしれません。

不正出血の原因として考えられる症状はどのようなものがあるのでしょうか。以下に見てきましょう。

不正出血がある時に考えられる原因と病気の種類

不正出血の原因はホルモンバランスの乱れも大きいですが、別の病気が隠れている場合もあります。

単に体の不調として考えている訳にはいきません。特にホルモンの働きに左右されやすい女性は性器にトラブルを起こしやすいものなのです。

では不正出血の原因として、どのような病気や症状が考えられるのでしょうか。深刻なものはあるのでしょうか。

不正出血を起こしうる様々な病気

不正出血の陰には、本当に様々な病気が隠れています。中には早急な治療が必要なものもあります。

病名 症状 原因 治療
子宮内膜症 子宮内膜症とは、本来なら子宮の中だけにある子宮内膜が、それ以外の場所にまで広がってしまう症状を言います。この症状に掛かると生理痛などがひどくなり、それが原因で気づくことも多いようです。特に症例が多いものに卵巣チョコレート嚢胞というものがあり、子宮内膜症で来院する女性の多くはこの症状に悩んでいます 増殖した子宮内膜が周辺の臓器と癒着しているので、月経が起こって内膜が排出される際に強い痛みを伴います。原因は良くわかっていません。ホルモンバランスの乱れが大きなものだと考えられています。 低量ピルや漢方薬、ホルモン剤などを使った薬物治療の他に、外科的手術を行って蔓延した内膜を除去するという方法もとられています。
子宮内膜増殖症 本来なら卵子が着床するための下地であえる子宮内膜が、過剰に分厚くなってしまった症状です。子宮内膜の細胞の数が異常に増えてしまっている状態で、細胞の形に問題が無いものは子宮内膜増殖症、異常のあるものは子宮内膜異形増殖症と言います。 女性ホルモンの一種であるエスロトゲンが過剰に分泌されることによっておきます。副作用として不正出血が起きる事があります。その他の原因としては、生理不順や肥満などが考えられます。 ホルモンバランスの乱れが原因なので、漢方薬を使って穏やかに治療して行ったり、ホルモン剤を使用して症状を軽くして行きます。また閉経するとエストロゲンの分泌は穏やかになりますので、自然に治癒していく場合もあるようです。
子宮筋腫 子宮と本来出産の時に胎児を外に押し出すため、平滑筋という筋肉でできています。出産の時が来ると、陣痛が起こってこの筋肉が収縮します。子宮の筋力は性成熟期になると発達し、やがて来る妊娠出産の時期に備えるのです。子宮筋腫とは、子宮を形成している筋肉に出来る腫瘍のことを言います。 腫瘍とは言ってもがんとは異なり良性の物です。しかし腫瘍というものは、徐々に大きく成長していくものです。特に子宮筋腫は卵巣が分泌する女性ホルモンよってその生育に影響を受けます。ですから徐々に大きくなっていくものなのです。 ホルモンの影響を受けているので、閉経すると自然に小さくなっていきます。また、妊娠を希望する若い女性の方には外科手術で腫瘍を除去するという方法も取られます。
無排卵性月経 無排卵性月経とは、何らかの理由で月経が止まってしまい、排卵が起こらなくなっている状態です。本来起こる筈の排卵が起こらないため、月経がはじまらず、子宮内に溜まった経血がだらだらと漏れ出している状態です。 ストレスや自律神経の異常が原因と考えられていますが、はっきりしたことは良くわかっていません。 まずホルモン治療を受けて一度出血を止めたのち、正常な月経が来るのを待ちます。産婦人科でホルモン剤を処方してもらえますので、出血自体はすぐに抑えられます。それ以外の対処法としては、規則正しい生活を心がけることが一番す。
子宮内膜ポリープ ホルモンの影響を受けて増殖と排出を繰り返す子宮内膜に、何故か部分的に異常増殖してしまう箇所が出来ることを、子宮内膜ポリープと言います。 自覚症状のないことから見つかりにくい子宮の病気で、不正出血が起こることから受診、発見に向かうことが多い症状です。 癌の様に悪性化することはありませんが、中には不妊の原因になってしまうこともあります。そうした場合には摘出手術を受けることを勧められます。
子宮外妊娠 本来なら子宮内膜に定着するはずの卵細胞が、何故か卵管や子宮頸管、卵巣など、本当ならば着床してはならない場所着床してしまう状態です。 これらの器官は、卵細胞が定着するための場所ではありません。ですから卵細胞が無理やり根を張ろうとすることによって、組織が傷つきます。それによって起こる出血が、不正出血となるのです。この際の出血は量が多くなることがあり、また出血の期間も長くなるのが特徴です。 子宮外妊娠の場合、着床した卵子が成長せずに自然に流産することが望ましいです。その際に流産を促す薬物療法を行うこともあります。赤ちゃんが育ってしまった場合は、卵管破裂の危険があるので手術を行って、場合によっては患部を切除します。
卵巣機能不全 女性の毎月の月経は、エストロゲンとプロゲステロンという女性ホルモンの影響を受けて繰り返されています。卵巣機能不全とは、これらの卵巣ホルモンのバランスの乱れから、生理周期が乱れてしまったり排卵障害を起こしている状態です。 卵巣の発育不全、下垂体に病気があること、あるいはストレスが大きいと考えられています。 ダイエットなどのストレスの原因となっているものを取り除くことが大切です。まだ産婦人科で処方されるホルモン剤での治療もおこなわれます。
子宮頸管ポリープ 子宮の出口部分である膣の先端部分に出来る、腫瘍の一種です。突起状に形成されるので、ポリープと呼ばれています。 大腸などに出来るポリープとはちがって癌になることはありません。しかしこれが原因で不正出血が起こることがあります。 出血の量が多かったり、ポリープがある程度の大きさな場合は摘出手術を行います。患部が膣なので、内診の時に切除が行われます。その際に痛みを感じることはないそうなので、麻酔は用いません。
多嚢胞性卵巣症候群 本来なら一度の月経に一つずつ成熟するはずの卵胞が、一度にたくさん成長してしまい、そのために排卵障害を起こしています。症状としては不正出血の他に、ニキビが多くなる、毛深くなるなどの自覚症状が見られるようです。 これは男性ホルモンの影響によるものです。男性ホルモンは脳から分泌されている黄体ホルモンによって増殖しますが、この症状の場合はその分泌が過剰です。
この過剰に分泌された男性ホルモンの働きによって、卵胞が一度に成熟してしまうのです。そのため卵巣の中に卵がぎっしり並ぶ状態になってしまっているので、排卵が邪魔されます。
排卵誘発剤を使って、増えすぎてしまった卵胞の排出を促し、自然な月経が起こるのを待ちます。
子宮腺筋症 子宮は出産の時に赤ちゃんを外に押し出すために、筋肉でできた組織です。子宮腺筋賞とは、この筋肉組織の中に子宮内膜がもぐりこんでしまう症状です。 組織と組織がお互いを傷つけあっている状態なので、不正出血の原因となります。また、この症状を発症すると強い痛みを発すると言われています。明確な原因は特定されていませんが、やはり生活習慣の乱れやストレスによってホルモンバランスが乱れてることが大きな理由の様です。 薬物治療で直せる場合もありますが、症状が重い場合は子宮の全摘出が行われることもあります。そのため、妊娠を望む方にとっては深刻な事態となりますから、生理痛が激しくなってきたなどの自覚症状がある時はすぐに受診をしましょう。

▼子宮内膜症と不妊についてはコチラも参考にしてみて!

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長期にわたる不正出血は癌の可能性もあります。

病名 症状 原因 治療
子宮がん 子宮の組織の中に腫瘍が出来る女性特有のがんです。性器からの出血量が多い、あるいはおりものが褐色になる、腹痛や排尿、排便障害が挙げられます。 エストロゲンによって子宮内の組織が刺激を受けることによって発症すると考えられています。 抗がん剤治療、放射線治療、進行が重い場合には子宮の全摘出手術などが行われます。
子宮頸がん 子宮がんの中でも、子宮の入り口である膣付近に出来るがんです。 ヒロパピローマウイルスというウイルスの感染によって起こります。 定期検診を受けることで予防、発見が可能になります。定期的ながん検診を習慣づけることが大切です。

その他の不正出血の原因となる癌

不正出血の原因となる症状の中にはがんも含まれていました。その中には、自覚症状がないためになかなか発見されないがんもあります。

深刻化してしまわないためにも、不正出血が長引く場合にはすぐに病院を受診しましょう。かかりつけの婦人科を持っておくと便利です。

女性特有のがんとしてがん注意すべきその他のがん

  • 子宮体がん(あるいは子宮内膜がん)
  • 子宮肉腫
  • 卵巣がん
  • 卵管がん
  • 膣がん

などがあります。自治体の定期検診などで発見切るものありますが、中には詳しく診察してもらわないと分からないものもあります。

その一つの指標となるものがやはり、不正出血なのです。このように不正出血には様々な種類があり、その多くが原因がはっきりしていないものです。

重篤化する生殖機能を失ってしまいかねないこともあります。子宮の全摘出などの症状に発展するまでに、気になったすぐ診察を受けることが一番です。

不正出血が妊娠初期での流産の可能性であることも

実は、妊娠初期に不正出血が見られるときは、それが流産の兆候である場合もあります。

  • 不正出血が見られる
  • お腹のはりや腹痛が感じられる

妊娠12週までに、このような症状が自覚される場合は、流産が進行しているのかもしれません。この場合の対処としては先ず産婦人科を受診することが不可欠です。

しかし産婦人科を受診しても、進行性の流産の場合は妊娠の継続が不可能になってしまうことも多くありません。

そのために初期の流産の予防法として下記の様な方法があります。

  • たばこを避ける
  • アルコール類を取らない
  • 体を冷やさない
  • 異常を感じたらこまめに医師に相談する。
流産は妊婦さんの15パーセントに起こると言われているほど頻度の高いものです。

だからこそ、妊娠初期に不正出血が見られる場合には油断せずにすぐかかりつけの産婦人科に行きましょう。

婦人系の病気が不妊の原因になるので不正出血には注意を

不正出血の原因となる病気を見てきました。症状は実に多岐にわたっていましたが、中に妊活の妨げになってしまうようなものもあるようです。

不妊の原因となる症状には、排卵自体が起こっていない、卵巣の機能が阻害されてしまっている、子宮内膜に異常があって着床が出来ない、などがありました。

しかも多くの症例でその原因が分かっていません。

  • ストレスや生活習慣の乱れ
  • 無理なダイエットによる栄養不足
  • それらによるホルモンバランスの乱れ

これらが例として理由に挙げられます。

不正出血を直して妊娠するために葉酸サプリが効果的

ホルモンバランスの乱れを正す治療法として、葉酸を多くとることが効果的だと考えられています。

葉酸は食べ物からも取ることが出来ますが、より効果的に摂取するためにはサプリを使用するのもいいでしょう。

葉酸サプリが妊活の効果的な理由は主に下記が挙げられます。

  • ビタミンEを多く含んでいる事
  • ビタミンB12を多く含んでいる事

ビタミンEは抗酸化作用が強く、体の老化を防いでくれることにも注目されていますが、ホルモンバランスを整える作用もあります。

またビタミンB12は造血作用が高く、不正出血で失われてしまう血液の補充に役立ってくれます。

このように葉酸サプリには複数の栄養素がバランスよく含まれていますから、妊娠を望む方には積極的に使用していただきたいです。

▼妊活前からの葉酸摂取についてはコチラも参考にしてみて!

不正出血を改善するための日常生活のコツ

不正出血は、ホルモンバランスの乱れが原因で起こることが原因の多くを占めています。そのため、ホルモンの乱れを直すことが大切です。

その一環として、基礎体温を付けるという方法も重要です。もし生理不順の方があれば、生理と不正出血の区別がつきにくいかもしれません。

基礎体温を付けておくと、排卵や月経のタイミングが分かりますから、それが目安となって月経と不正出血の判断が付きます。

その他ホルモンバランスを乱さないポイントはこちら。

  • 体を冷やさない。薄着を避けて半身浴や適度な運動で体を温める
  • 過度にストレスをためないように適度に発散する
  • 質の良い睡眠を心がける。睡眠不足はホルモンの分泌量に影響する
  • 野菜中心を心がけたバランスのよい食事を取る

一番大切なことは、規則正しい生活を行うということです。現代では働く女性にとって難しいことかもしれません。

ですが難しいからこそ、少しずつでいいので自分に合った方法でホルモンバランスとうまく付き合っていけるとよいですね。

生活習慣を整えて妊娠に適した健康な子宮を維持しましょう

不正出血の原因となる症状は数多くありました。そしてその多くは明確な原因が発見されていません。

原因が分からないのに出血が続くことは不安ですよね。それに、中には不妊の原因になっているものや、がんが原因のものもありました。

出血の量が多かったり、時期が長引くときには、そうした深刻な症状の可能性もありますので、早めの病院受診が大切です。

また、ホルモンバランスを乱さないためにも、冷やさない、ストレスを上手に解消する、生活習慣を正す、などの工夫も必要です。

病院で処方してもらえるホルモン剤も効果的ですが、市販の葉酸サプリメントも妊活アイテムとして活躍します。

不正出血は治療したり防ぐことの可能な症状です。健康に妊娠するためにも、健康な子宮内環境でいることを目指しましょう。

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