産後のマタニティブルーに陥る原因は?セルフチェックで重症化を予防

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2018/03/23

産後マタニティブルーになってしまっているママ

妊娠中や産後に気持ちがイライラしたりして、情緒や体調が不安定になることがあります。これをマタニティブルーと言います。

マタニティブルーは妊娠している時に陥りやすいもと思われがちですが、産後に起きる場合もあるので注意が必要です。

妊娠出産による精神的肉体的な変化はなぜ起こるのでしょうか。状態を悪くしないためのセルフチェックの方法も紹介します。

マタニティブルーの原因はホルモンの変化

妊娠すると赤ちゃんを育てるために子宮の準備をしたり、産道を開くため骨盤の筋肉を柔らかくするホルモンが分泌されます。

女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンがこれにあたります。普段より分泌量が増え、バランスが崩れます。

出産を終えるとこれらのホルモンの量が少なくなり、代わりに母乳を出すためのホルモンであるプロラクチンが増えだします。

このように妊娠出産の時期にはママの体内でホルモンの量が目まぐるしく変わります。この変化が気持ちの不安定さの原因になるのです。

出産の疲れから起こる精神と肉体の変調

産後の1週間~1カ月ごろにもマタニティブルーが起こることあまり知られていません。まだ、出産に対する不安の事だというイメージが強いようです。

そのため出産を終えればマタニティブルーからも解消されると思っていたのに、依然として不安感や焦燥感が続いて困惑するママもいます。

産後のマタニティブルーは、赤ちゃんを産み落とすことによる肉体的ダメージから起こると考えられています。

産道が開くために骨盤が広がり、赤ちゃんを外に出すために大きくなった子宮が収縮しようとするまでにママの体は激しく消耗します。

そのため気持ちが暗くなったり、弱気になったり急に悲しくなって涙が止まらなくなってしまうのです。

誰でも疲労が激しい時は明るいことや楽しい事を考えにくいものですが、産後はその傾向がより強いと言えます。

子育てが始まることで更に体力を消耗

赤ちゃんのお世話は重労働です。2~3時間置きに授乳したりミルクを上げたり、おしめを替えてまた寝かしつけてを繰り返します。

ママはゆっくり体を休めることができず寝不足になってしまいますね。睡眠不足は精神の不調を招きやすいので、マタニティブルーの原因になるのです。

また授乳することも疲れの一因です。母乳を作ることでママの体から血液が失われるので、めまいがしたり倦怠感が酷くなるのです。

産後はこのようになかなか体力を回復することができません。そのため体調も不安定なままなのです。

産後うつとの混同されやすので要注意!

産後うつとは、出産を機に育児ストレスやホルモンの変化によって気持ちがうつ状態になることを言います。

うつ病の一種ですが、気持ちが落ち込む、泣きたくなる、疲れが取れないなどの症状がマタニティブルーとよく似ています。

そのため治療が見送られ、長期的なうつ病に発展してしまうおそれがあります。長い人は何年もかかってようやく回復するということも。

産後うつとの見分け方は、症状が続く期間です。マタニティブルーは多くが一過性のもので短い期間で復調します。

産後うつは出産から1カ月以経っても抑うつ感や情緒不安定が続きます。不調が長引くようなら早めに病院に相談してください。

産後だけでなく、妊娠初期もマタニティブルーが起こりやすい

妊娠初期は特にホルモンのバランスが乱れやすく、体調が悪くなったりつわりのような症状が出たりして妊娠を喜べないこともあります。

そのため、自分の事を母親失格だと思ってしまいお腹の赤ちゃんに申し訳ないと感じてしまう妊婦さんもいるようです。

ですがこうした精神の変調は一時的なもので、症状が出てから1週間から10日ほどで改善していくと見られています。

多くの妊婦さんはマタニティブルーの自覚が薄く、症状が終わった後で「なんであんなにイライラしたんだろう」と冷静に考えることができます。

つまりこの時間が、女性が「自分がママである」ということを受け入れるのに必要な期間なのだといえるでしょう。

周囲の対応がストレスになって発症することも

初期のマタニティブルーの原因はホルモンのためだけではない場合もあります。日本では諸外国に比べて妊婦さんへの配慮がまだまだ足りていないからです。

特に妊娠したばかりの頃はお腹も目立っていなくて、周囲の人にしたら普通の状態と何も変わらないように見えてしまいます。

加えて、「妊娠は病気ではない」という昔からの考え方が根強く、体の辛さへの心遣いを期待できないのが実情です。

こうした心無い対応が精神的ストレスになって、腹が立ったり落ち込んで泣きたくなったりするのです。

ホルモンのバランスは精神状態にも左右されますから、対人関係のストレスはマタニティブルーを助長する要因となります。

臨月に入るころにマタニティブルーになることも!

お産が近づく臨月のころは、体調や精神状態も落ち着いてくるのでリラックスして赤ちゃんと向き合うことが望ましいですね。

でも産前のこの時期情緒不安定になるケースもあります。原因を見てみましょう。

  • 子宮に内臓が圧迫されることの肉的な辛さ
  • お腹が大きくなることで出産、子育ての不安が強くなる
  • 陣痛が怖い、耐えられるか心配

こうした不安から軽いパニックに陥って、旦那さんに当たってしまったり性格が豹変してしまうこともあります。

特に初産のママは出産の時どんなことが起きるのか分からないので、不安も強くなるでしょう。

出産という現実がよりリアルに感じれるようになるからこそ、ストレスも大きくなり心身の不調を招くのです。

セルフチェックのために症状を理解しましょう

マタニティブルーは長期間続くものではなく、ホルモンの分泌が落ち着き妊娠生活、子育てに慣れてくると治まります。

そのため基本的に治療をしないケースが多いですが、中には重症化する場合もあり、医師に相談しなくてはならなくなります。

マタニティブルーの症状の例

主な症状を挙げて行きます。

  • イライラが止まらない
  • 疲れが取れず眠気が覚めない
  • 不安が強くなる
  • 突然涙が出る
  • 食欲が無くなる
  • 食欲が出て食べ過ぎてしまう
  • 自己嫌悪が強くなる
  • 眠れなくなる
  • 旦那をストレスに感じる
  • 周りの人につらく当たってしまう

これはチェック項目でもあります。これらの症状に当てはまるものが多いほど、マタニティブルーになっている可能性が高いと言えます。

マタニティブルーの上手な対処法

ストレスやイライラはそれがあるだけで心も体も辛くなってしまいます。出来るだけ早く解消したいものです。

産前産後のストレスや体の疲れを早く解消する方法を紹介して行きます。またストレスに感じがちな旦那さんとの付き合い方も解説します。

子育てからちょっと離れて気分転換する

ストレスを解消するのに一番の方法は、ストレスの原因から目を離すと言うことです。産後では赤ちゃんが原因であることが多いですね。

ちょっとだけ赤ちゃんと離れて、息抜きをすることがとても大切です。近所におばあちゃんが居る場合は、1日に1、2時間ずつでも面倒を見てもらうといいですよ。

そうでない場合は保育園の一次預かりや、児童養護施設のトワイライトステイを利用するのがおすすめです。

児童養護施設は虐待を受けた子どもが引き取られる場所というイメージが強いので、良い印象がない場合もあるでしょう。

ですが現実には子育てママの受け皿としての側面もあるのです。トワイライトステイでは日中の決まった時間に赤ちゃんを預けることができます。

不安を相談できる人を見つける

妊娠初期や出産を控えた時期は、体の変化や生活の変化に対する不安が強くなります。そんな気持ちを素直に相談できる人を見つけておきましょう。

実家のお母さんが一番の対象ですが、遠くに住んでいる場合には先に出産を経験したお友達や病院のソーシャルワーカーさんなども助けになってくれます。

不安を言葉に出すと言うことは大切です。自分の言葉で自分の気持ちを表現することで「私は今こんな状態なんだ」と脳が理解できるからです。

自治体には子育て相談ダイアルが設置されている場合もあります。電話で話を聞いてもらうことも効果が高いので、ホームページなどで調べてみてください。

旦那をストレスに感じないために会話の時間を作りましょう

旦那さんが産前産後のストレスになってしまうケースもよく見られます。その原因です。

  • 体調が悪いことを理解してくれない
  • 家の事を何もしてくれない
  • 仕事ばかりで子育てに参加しない
  • 子どもの事に無関心

どれも妊娠出産を経験したママにとっては辛い事ばかりです。男性は父性が芽生え父親としての自覚が出来るまで時間がかかるので、こうした傾向が強いのです。

毎日一緒に過ごすパパなので、ストレスに感じることを避けたいですね。そのためには夫婦の会話の時間を増やすことが重要です。

コミュニケーション不足は人間関係悪化をもたらします。辛いことは辛いと言う、相手の話も受け止める。

これを繰り返して、赤ちゃんが生まれるまでに夫婦間の信頼感や絆が深まっていると、おのずとパパを頼りに出来るようになります。

妊娠を通じて起こる変化がマタニティブルーの原因に

お腹に赤ちゃんが出来ることで女性の生活は劇的に変化します。お腹が大きくなることを始め、ホルモンバランスや周囲の人との関係も変わります。

それが体にとって負担となり、心にも体にも変調として現れることがマタニティブルーなのです。

妊娠初期、産前、産後と症状が起きる時期は様々です。セルフチェックを利用して、深刻化を防ぐよう注意してみてください。

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