妊娠中の飲酒はどうしてだめなの?母体と胎児への影響

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2017/06/16

妊婦が飲酒をしている様子

妊娠中はお酒を飲むことが出来ません。普段からお酒の好きなお母さんに、この時期はつらいですね。

お腹に赤ちゃんが居る時には、どうしてお酒を飲んではいけないのでしょうか。その理由を知っていないと、ついお酒を飲んでしまうかもしれませんね。

しかし妊娠中に飲酒の習慣が無くならないと、胎児には深刻な影響が残ってしまう可能性があります。

なぜお酒によって赤ちゃんに影響が現れるのでしょうか。安全に出産の日を迎えるために、妊娠中の胎児と母体へのアルコールの影響について解説して行きます。

妊婦さんはアルコールを飲むと影響が出るので飲んではダメ!

妊娠前からなんとなく「妊婦さんはアルコールを飲んだら良くないかもしれない」と考えている方は多いのではないでしょうか。

ただし中には「たくさん飲んだらダメだろうけれど、少しくらいならばいいかもしれない」なんて判断する方もいるかもしれません。確かに一昔前までは妊婦さんに対して「絶対に禁酒」と徹底していなかったのも事実です。

胎児にアルコールが移行するのはわかってはいたものの、それがどこまで影響するのか明確ではありませんでした。事実13年前の妊娠中は「妊娠初期は禁酒で、それ以降特別な日などに少し嗜むくらいならば問題はありません」と言われていました。

ところが妊婦さんが飲酒することで胎児が病気になる事があるとわかり、医学界からもアルコールを販売している会社からも「妊娠中は飲まないように」と忠告されるようになったのです。

アルコールは胎盤を通じて胎児に届きます

お酒に含まれているアルコールは、適量を飲むだけならば体の血流を良くしたり、食欲を増進したりなどのメリットがあります。

しかし、体質的に肝臓でアルコール分解出来ない方や、アルコール依存になってしまって飲酒が止められない人には要注意な飲み物です。

それは、アルコールが微量ではあるものの、毒性のある物質だからです。少量ならば健康に問題はらありませんが、一度に大量に摂取すると下記のような症状が現れる危険性があるのです。

  • 意識がもうろうとする
  • 呼吸困難になる
  • 肝臓、膵臓などの内臓に影響が現れる

最悪の場合には死に至ります。身近な飲み物であるお酒なのですが、実はとても危険な飲み物でもあるのです。

そんなアルコールを妊娠中に飲むとどうなるのでしょうか?胎盤を通じてお腹の胎児にも伝わってしまいます。これは胎児が飲酒をしているのと同じ状態です。

大人でも飲みすぎると健康被害が深刻になるアルコールを、体の機能が未熟な胎児が摂取したらどうなるでしょうか。

アルコールの持っている毒性の被害に遭ってしまうことは避けられません。そのため妊娠中にはお酒を飲むことが出来ないのです。

飲酒の影響で胎児性アルコール症候群になることも

妊婦さんがお酒を飲んでいることによって起こる赤ちゃんの病気を、胎児性アルコール症候群と呼びます。

これは先天性疾患で、中枢神経障害の一種です。妊娠中に飲酒を続けたママから生まれた赤ちゃんに多く見られています。

胎児性アルコール症候群発生率は個人差が大きく、どれだけのお酒を飲んだら発症するのかは分かっていません。

しかし、飲酒を止められなかった母親の30%から、胎児性アルコール症候群の赤ちゃんが生まれているという統計があります。

▼胎児性アルコール症候群についてはコチラも参考にしてみて!

胎児性アルコール症候群のメカニズム

妊婦さんがお酒を飲むことによって、お腹の赤ちゃんの体内にアルコールが流れ込んでしまいます。

アルコールをの分解代謝は体質が大きく関係していて、もともと体の中にアルコール分解酵素を持っていない人はお酒を飲むと、毒素を分解する事が出来ません。

とくに胎児にはこの体質の問題に加えて、内臓がまだ未熟だと言うリスクがあります。アルコールを分解するための肝臓が未成熟なのです。

更に危険なのは体がとても小さいことです。お母さんが微量のお酒を飲んでいるつもりでも、赤ちゃんにとっては大量の飲酒をしている状態になるのです。

特に、妊娠初期の2ヶ月までの期間には、胎児の脳や体の器官が形成される大切な時期です。

この時期に飲酒を続けていると、胎児の神経の発達を大きく阻害してしまいます。体の基礎がつくられていく時期に、大量のアルコールが胎児の体に入るとどうなるでしょう。

そんな大量のアルコールを小さな肝臓で処理しきれません。そして分解出来なかった毒素が体の中に蓄積されて、胎児性アルコール症候群になってしまうのです。

胎児性アルコール症候群の症状

胎児性アルコール症候群の主な症状としては以下のようなものがあります。

  • 顔を中心とした奇形
  • 低体重
  • 脳に障害が残る
  • 知的障害が現れる
  • 小頭症になる
  • ADHDになるリスクが高まる
  • 成人後アルコール依存症になる

これらの症状には治療法が見つかっていません。胎児性アルコール症候群は、発症してしまうと一生付き合わなくてはならない病気なのです。

ですが、胎児性アルコール症候群は、妊娠中の飲酒を止めることによって防ぐことが出来ます。お母さんがお酒を我慢することによって赤ちゃんの健康が保たれるのです。

その点では胎児性アルコール症候群は決して怖い症状ではありません。危険を回避する方法があるのですからね。

生まれてくる赤ちゃんの将来のためにも、妊娠中の飲酒は是非自粛しましょう。飲酒が上のような深刻なリスクを負っていることを常に意識してくださいね。

切迫早産、流産になって母体にもリスクが出る

妊娠中の飲酒は、胎盤が形成される前の超初期の間なら胎児にもママにも影響はありません。だからと言ってお酒を飲んでもいいわけではありませんが。

お腹に赤ちゃんが居る時にお酒を飲むと、赤ちゃんもお酒を飲んでいる状態になり様々な影響が出てしまうと述べました。

それに加えて、流産や切迫早産の原因にもなってしまいます。流産は妊娠が継続できなくなって胎児が母体の外に出てしまう状態です。

そうなると大量の出血を伴うこともあり、お母さんの身体にも大きな負担が掛かります。また同じように切迫早産の危険も伴っています。

流産は体への衝撃も大きいですが、妊婦さんにとっては精神的なショックがとても大きいものです。

一度流産を経験すると、それ以降なかなか立ち直ることが出来ずに、次の妊娠へと向かえない妊婦さんもいます。

これはとてもつらい状態ですよね。そんな事態を招かないためにも、妊娠中のアルコールの摂取は本当に注意が必要なのです。

赤ちゃんの人生が掛かっています!妊娠中は禁酒を実践して

お母さんがお酒を飲んでしまうと、お腹の赤ちゃんに大きな影響が現れることを見てきました。妊娠のごく初期ならばあまり心配ありませんが、2ヶ月頃からが深刻です。

ましてお腹の中の赤ちゃんは体が未熟ですから、ママが飲酒していることによってアルコール毒性の影響をさらに強く受けてしまうのです。

いわば、妊娠中の飲酒には赤ちゃんの人生が掛かっているとも言えるのです。危険を避けるためにも妊娠が分かったらお酒はきっぱり絶つべきです。

でも、不思議なことに、妊娠するとあれだけ好きだったお酒が飲みたくなくなるという人も多いようです。

私自身普段から飲酒の習慣がありましたが、赤ちゃんが出来てから呑みたいという欲求はぴたりと治まりました。

何よりも大事なお腹の子を守ろうとする自然な反応だったのかもしれません。妊娠中は赤ちゃんのことを考えるのが第一ですよね。

赤ちゃんに健康な体を作ってあげられるのはお母さんだけです。禁酒をすれば病気のリスクは無くなります。子供のために、お酒はがまんしてくださいね。

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