妊娠中も海に行きたい!妊婦が安全に海水浴を楽しむ方法

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2017/07/08

海に遊びに来ている妊婦さん

夫婦で訪れる海はとてもロマンチック、上の子と一緒なら子供も楽しんでくれますよね。家族の思い出を作るにも、海は最高に素敵な場所です。

しかし、妊婦さんにとって海水浴は危険を伴うという事も忘れてはいけません。衛生面や怪我のリスク、また暑さによる体調の悪化も否めません。

今回は、妊婦さんでも安全に海水浴を楽しむ方法と、注意点をご紹介します。

妊婦さんの海水浴は一般的には否定的!

海外では妊婦さんでも普通にビキニを着て、海水浴を楽しむ姿が見られる国もあります。しかし、日本ではお腹の大きな妊婦さんが海水浴している姿がほとんど見られませんよね。

国内では、妊婦さんの海水浴はタブーである傾向が強いと思います。

産婦人科では「海水浴なんて絶対NG」とする意見だったり「少しならOK」と否定はしなくともあまりお勧めしないというニュアンスが強いでしょう。

その理由は感染症リスクを始め、炎天下での厳しい環境・急な体調変化が影響して母体と胎児に様々なリスクが考えられるからです。

海水浴における妊婦さんの感染症リスク

海は自然そのままなので、病原体や微生物が多く存在し不衛生な環境です。プール施設とは異なり塩素消毒や衛生管理は徹底されていません。

免疫力が低下している妊婦さんにとっては、様々な感染症リスクが考えられます。

海水による感染症について

一般の方でも海水によって稀に感染症にかかる可能性があります。特に体調の優れない妊婦さんは注意が必要です。

感染症名 原因 症状
ビブリオ・バルニフィカス ビブリオ・バルニフィカスという塩水を好む好塩菌 傷口が海水に触れることで感染、汚染した海産物を生食し感染する 傷口は炎症を起こし潰瘍を形成。口から入ると発熱・嘔吐・下痢
海水浴皮膚炎 海水中のプランクトン 水着の中の皮膚に湿疹・かゆみ・軽い痛み

シャワー室や脱衣所での感染症リスク

シャワー室や脱衣所は不特定多数が使用する上、汚れが停滞しやすい場所です。通気性が悪かったり掃除が十分でない場合は感染源に接触しやすくなります。

多くの人が共有して触れるドアノブや蛇口の取っ手、照明のスイッチ、シャワーヘッドなどが感染経路になる可能性があります。

感染した人との間接接触で感染しやすい病気をまとめました。

感染症名 原因 症状
プール熱(咽頭結膜熱) アデノウイルスによる感染症。夏風邪のひとつ。 発熱・結膜炎・のどの痛み・目のかゆみなど。
ヘルパンギーナ コクサッキーウイルスによる感染症。夏風邪のひとつ。 発熱・喉の痛み・口腔に湿疹
手足口病 コクサッ6キーウイルスなどのウイルス感染。夏風邪のひとつ。 発熱・手足と口の中に水疱ができ痛みやかゆみがある。
腸管出血性大腸菌感染症 大腸菌による感染症。夏に流行りやすい。 風邪のような症状のあと、激しい腹痛や下痢・嘔吐・血便
レジオネラ症 レジオネラ菌による感染症。不衛生な浴場や脱衣所で発生する 高熱・筋肉痛・肺炎・下痢など。重度になると意識障害・死亡例も。
流行性結膜炎 黄色ブドウ球菌・アデノウイルスによる目の病気 「はやり目」とも言う。結膜炎の症状、目やに・目の充血

膣内感染の可能性について

膣内感染は健康な状態であれば自浄作用が働き、悪い細菌を取り込まない働きをしてくれます。しかし、体力や免疫が低下していると感染する可能性を否定できません。

夏に多い膣内感染症は「カンジダ膣炎」というものがあります。

感染症名 原因 症状
カンジダ膣炎 カンジダ菌。皮膚にいる常在菌の一種。 夏に多い病気。陰部のかゆみ・痛み・白いオリモノ。

カンジダ菌は人間が持つ常在菌です。膣内には普段から多くの常在菌が生息していますが、膣内の乳酸菌が防御する事で健康な状態を保っています。

しかし、免疫力や体力が低下していると膣内の乳酸菌の防御力がバランスを崩し、感染に至ります。

膣の炎症は細菌ではなく「刺激」でも発症します。石けんやボディソープの他、避妊具などが粘膜を刺激し炎症を起こす事もあります。

そのため、清潔に保とうとして膣を石けんで洗いすぎると、石けん自体が刺激物になりますし、膣内に必要な乳酸菌まで洗い流してしまう事になり逆効果です。

膣は何もつけずに優しく洗い流しましょう。さらに日頃から、体力・免疫力を向上させる生活を心がけましょう。

早産の原因「前期破水」も膣内感染から起きる
陣痛が来る前に破水してしまうのは、子宮内が細菌感染して起きる「絨毛膜羊膜炎」が主な原因です。

膣内感染症が起きると抗生物質を投与し治療を行いますが、子宮内感染が進めば早産に至ります。

クラゲなどの毒を持った生き物にも注意する

海水中には毒を持った生物が多く存在します。クラゲやオコゼ、アカエイなどが安全に思える浅瀬にも生息している例もあります。

刺されると、痛み・しびれ・腫れが生じるだけでなく意識障害が起きる可能性も。妊婦さんが指された事例は見つかりませんでしたが、危険である事には変わりありません。

万が一のトラブルに備え、被害報告がない海水浴場や最低限の処置ができる海水浴場を選びましょう。

妊婦さんが海水浴で気を付けるべき6つのポイント

では、なぜ妊婦さんの海水浴は否定的なのでしょうか。海水浴による危険性やリスク、また夏の気候による体調の変化についてご紹介します。

炎天下の海は疲労しやすい

夏の強い日差しや高温の環境はエネルギーを多く必要とします。何をせずとも、暑い日は疲労しやすいですよね。さらに、砂の上は歩きにくく予想以上に力を使っています。

日常生活とは異なる環境は気分も良くなり、その分疲れに気づかないことも。しかし、体は想像以上にダメージが多いので決して無理は禁物です。

疲労が重なれば免疫力が低下し病気になりやすくなったり、体調を崩して子宮の負担も大きくなります。

体が濡れるとお腹を冷やしてしまう

マタニティ水着はお腹もしっかり水着で覆われているものがほとんどです。

海水浴をすると、濡れたままの水着がお腹にピッタリと張り付いたままになり、お腹や腰回りを冷やしていきます。

日差しが強く気温が高ければいいのですが、曇り空だったり風が吹いていると結構寒く感じますよね。

お腹が冷えると血行不良になり子宮収縮にも繋がるためよくありません。もし海に入って体が濡れたら、早めに水着を脱いで冷やさなようにしましょう。

海に入るとこむら返りしやすい

妊婦さんは普段から足がつる「こむら返り」になりやすい状態です。こむら返りの原因は血行不良が主な原因ですが、海水浴による冷えや筋肉が強張る事でも発生します。

こむら返りの経験がない妊婦さんでも油断は禁物。普段とは異なる環境になれば、突如発生する可能性もあります。

もし海の中で足がつるような事があれば、命に関わる問題になり兼ねません。

▼妊婦が足がつる原因についてはコチラも参考にしてみて!

妊娠中は脱水症状になりやすい

妊婦さんが汗をかきやすいのは気候のせいだけでなく、もともと体温が高く新陳代謝も活発だからです。

さらに、妊婦さんは普段から喉が渇きやすい傾向がありますよね。その理由は、赤ちゃんのために血液を多く必要とするので、水分を多く溜め込むようになっているからです。

妊婦さんは、普通の人よりも多くの水分量を必要としているため、十分に水分を取っていると思っていても、気づかぬうちに脱水状態になっている可能性もあります。

脱水症状になると、頭痛・吐き気の他、めまい・立ちくらみが起きて転倒の恐れもあります。

汗をかきやすい日の水分補給は、真水よりも塩分の入ったイオン飲料やビタミン入りのスポーツドリンクを活用しましょう。

のどが渇いたなと感じる前に、積極的に水分を取るように心がけましょう。

妊娠中は熱中症になりやすい

熱中症は、長時間炎天下に晒される事で体温調整機能が乱れてしまったり、水分を過剰に奪われて熱を放出できなかったりして、体に熱がこもってしまう事で発症します。

妊婦さんは、ホルモンバランスの変化が影響して体温調整機能が乱れがちです。また汗をかきやすいので熱中症になりやすい状態にあります。

熱中症になると、吐き気や頭痛・めまい・倦怠感から始まりますが、普段からつわりなどで胸やけを感じている妊婦さんは、熱中症の症状に気づきにくいケースもあります。

熱中症が重症化すると、低血圧になり血液の循環が悪化したり、その影響で脳に十分な酸素が行き渡らず「熱失神」を引き起こします。

血液の循環が悪くなれば胎児にも影響が出ますし、失神で転倒してしまうと子宮にダメージが残ります。

炎天下で少しでも体調に変化があれば、無理はせずに涼しい場所で休憩するようにしましょう。

妊婦さんの熱中症対策5つ
  • 通気性の良い服を着る。腹帯はメッシュ素材又は無理には着けない。
  • 水分補給はのどが渇く前に行う。
  • 体調の変化を感じたら涼しい場所へ移動する
  • 暑い時は首や脇の下を冷ます
  • パラソルや日傘で日差しを避ける

▼妊婦の熱中症対策についてはコチラも参考にしてみて!

日焼けや海水の塩分は肌トラブルの原因に

妊娠中はホルモンバランスの影響で肌のバリア機能が低下し、普段から肌トラブルが起きやすくなっています。

さらに妊婦さんは黄体ホルモンの分泌が増加する事が影響し、メラニンが過剰に反応し日焼けしやすくなっています。

肌が弱くなっている上に日焼けしやすくなっていると、しわやシミの原因になりやすく乾燥肌にもなります。妊娠中は敏感肌用の日焼け止めでしっかりケアをしましょう。

また、肌が敏感になっていると海水の塩分が刺激になり、ヒリヒリしたりかゆみ・赤みの原因になります。

また、海の塩分は肌の皮脂を落とす働きがあるため乾燥の原因になります。

▼妊婦の日焼け・紫外線対策についてはコチラも参考にしてみて!

妊婦さんが安全に海水浴を楽しむ方法

妊娠中は様々なリスクを抱えていますが、それでも海を楽しみたい!という妊婦さんが安全に海水浴を楽しむ方法をご紹介します。

朝や夕方の日差しが弱い時間に行く

ご主人と二人でビーチを楽しむなら日差しが強い11~15時は避けて、比較的気温が低い「朝や夕方」の日が暮れる前に行きましょう。

子供連れの場合は、朝早めに向かって気温が上がる前に短時間で切りあげるのが理想です。

日差しが強い時間は、近くの水族館などの室内施設を利用したりドライブを楽しんだりと涼しい場所で遊べるといいですね。

足だけ浸かって楽しむ

波の揺らぎや音には独特の癒し効果があり、少し触れたり見たりするだけでもリラックスできます。

体に負担がない程度に膝くらいまで浸かって波の揺れるリズムを感じてみましょう。1人では砂や波に足を取られて転倒する危険があるので、パパと一緒だと安心です。

疲れを感じていなければ、砂浜で海を眺めるだけなら問題ありません。

海水に浸からなくても水着を着て楽しむ

海へ行ったら波辺のパラソルの下でおしゃれな水着を着ているだけでも、楽しい気分を味わう事ができますよね。

最近のマタニティ水着は可愛いくて動きやすいのが特徴です。大抵はお腹が隠れるようになっていて、ワンピースタイプだったり、ショートパンツタイプだったり種類も豊富。

海水に浸からなくても、可愛い水着を着て夏気分を味わってみるのもおすすめです。

最終的には自己責任で判断する

妊婦さんの海水浴は全くNGという訳ではないので、「海賛成派」の妊婦さんもいると思います。どうしても海水に入りたい時は自己責任で行いましょう。

確かに海の力はタラソテラピーという自然療法が存在するだけあって、体に良い影響を与える一面もあります。

海が大好きな妊婦さんが久しぶりに海水でプカプカと楽しんだところ、気分が解放されリラックス効果を感じたり疲れやむくみが取れて、良い影響があったという妊婦さんもいるようです。

無理は禁物!海を楽しむなら観て楽しもう

海は素敵な場所ですが、妊婦さんにとってはリスクも大きい場所です。

お腹の赤ちゃんのためにも無理はせずに、出産後落ち着いてから楽しめるといいですね。

海は見ているだけでも人を癒す力があります。海へ行ったら足で触れたりゆったり眺めて過ごすのがおすすめです。

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