低体重児のための保険制度。未熟児養育医療制度の活用方法

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2017/10/16

低体重児の子供とママ

小さな体で生れた子供は、内蔵や脳などが未発達な場合があり、長期の入院が必要になります。

治療は新生児緊急救命室(NICU)で行われます。保育器や呼吸器などの機材を使い、1人で生きていけるようになるまで慎重にケアを受けます。

ですが、この間の医療費は高額で、家庭によっては負担出来ないことも。役に立つ国の保険制度を紹介します。

未熟児養育医療制度の活用で医療費助成を!

未熟児とは、早産や胎児発育不全で体が育ちきらずに生まれて来てしまう赤ちゃんのことです。そうした子の養育のための医療費助成制度があります。

「未熟児養育医療制度」とは、低体重で免疫力が低く、様々な病気にかかりやすい子のための医療費を、国や自治体が負担する制度です。

助成金額は自治体によって異なりますが、多くは国の全額負担、あるいは保護者の一部負担で済むようになっています。

NICUでの治療は複雑で、先進医療になり費用もかかります。その金額を、家庭の負担にしないための制度です。

注意しなくてはならないのは、助成されるのは医療費だけと言うことです。通院に掛かる交通費や、入院時の両親の食事代などは自己負担になるので気を付けてください。

▼NICUについてはコチラも参考にしてみて!

ただし、適用対象の赤ちゃんの状態は細かく決められている!

未熟児養育医療制度は誰もが受けられるわけではありません。適用対象になる赤ちゃんの状態は細かく決められています。

大まかに言うと、体重が2000グラム以下であること、自発呼吸が出来ないなどの機能不全がある場合に認可が下ります。

その他には、どの様な場合に適用されるのでしょうか。1つ1つの条件を見ていきましょう。

チアノーゼ
チアノーゼとは、血液中の酸素の濃度が低くなり、全身が酸欠になる症状です。全身に酸素を送るための赤血球と酸素が結合しないことから起こります。

赤血球の数が少なくなっているために、赤ちゃんの皮膚や顔色が青く見えるという特徴があります。

強い黄疸
黄疸は、赤ちゃんの顔や身体が黄色くなる症状です。新生児によく見られる生理現象で、それ自体は問題ではありません。

ですが強い黄疸が続く場合には、呼吸が荒い、ミルクの飲みが悪い、高熱が続いてぐったりするなどの症状が見られます。

けいれん、体が動かない
脳の発達が未熟なために、筋肉への電気信号が混乱して起こります。手足がこわばったり、身体がぴくぴくしたりします。

あるいは口をもぐもぐする動きをします。または、身体がぐったりして全く動かなかったりします。

低体温
新生児の体温は36度~37.5度ほどが標準とされています。新生児の低体温は、34度以下を指します。

赤ちゃんの体温がこの程度の場合助成の適応対象になります。

排便が無い、嘔吐、吐血、血便がある
生後24時間以内に便が出なと、生後48時間以内に嘔吐を繰り返す、吐しゃ物の中に血が混じる、血便が出る、などの症状がある場合には、消化器の異常が疑われます。

このような症状が見られる場合に、未熟児養育医療制度の助成対象になります。病院の先生が判断してくれるはずなので、症状を指摘されたら申請の準備をしましょう。

▼新生児黄疸についてはコチラも参考にしてみて!

未熟児養育医療制度の申請方法

先ず、出生届を出して赤ちゃんの保険証を発行してもらいましょう。申請はそれからになります。

助成を受けるためには、自治体に必要な書類を提出します。お住まいの地域によっては準備するものが変わるので、病院の医療ソーシャルワーカーに相談しましょう。

申請のために必要な書類

先ず必要な書類は次の3種類です。

  • 養育医療給付申請書
  • 世帯調査書
  • 養育医療意見書

養育医療給付申請書、世帯調査書は、ご家族が記入をしてください。養育医療意見書は、生まれた病院の医師に作成してもらいます。

その他自治体によって異なる申請書類です。

  • 所得の分かる書類
  • 住民税を納めているか、免除されているか分かる書類
  • 生活保護受給証明書
  • 子供の健康保険証、など

生活保護受給証明書は、生活保護を受けている家庭にのみ必要になります。この他、所得によって何割か負担しなくてはならないこともあり、その点で地域差があります。

これらの書類を揃えて自治体に提出します。提出先も地域によって異なるでしょうから、保健師さんや市役所等の窓口で確認しましょう。

申請をし、審査を受けて、認可が下りれば助成金を受給することができます。手続きは煩雑ですが、保健師さんたちはエキスパートなので遠慮せず頼りましょう。

申請する場合の注意点

未熟児養育医療制度を申請する場合に、いくつか気を付けておかなければならないことがあります。この点を抑えておかなくては助成が受けられません。

場合によっては、医療費を全額負担しなくてはならなくなります。家計に大打撃になります。申請は迅速に、丁寧に行いましょう。

指定医療機関でなければ申請が出来ない場合もある

養育医療はどんな病院でも受けられるという訳ではありません。指定医療機関と呼ばれる特定の病院に申請しなくては、必要な医療を受けられません。

もし、赤ちゃんが産まれた病院が指定医療機関ではない場合、申請そのものが出来ません。そのため、転院して必要な医師の診断を受けなくてはいけません。

指定医療機関は、大きな病院ならソーシャルワーカーさんが居るので、病院を教えてもらえる場合もあります。

自治体のホームページを検索すれば、市内の申請可能な病院の一覧などが乗っていることもあります。調べて見てください。

申請に期限がある場合も

地域によって異なりますが、養育医療の申請には期限が着いています。その期間を過ぎてしまうと申請が出来ない場合もあります。

一般的に、生後2週間以内に行うものとされています。それ以上に短い期間に期限を設定している自治体もあるでしょう。

赤ちゃんが未熟児で生まれたことが分かったら、早めに申請に必要な書類を揃えましょう。出生後は通常でも手続きが多くて大変です。

所得証明や納税証明など、一度にたくさんの書類の申請には時間もかかりますし、費用ががかかることも有ります。迅速に動くことが大切ですよ。

養育医療以外の赤ちゃんの保険に関する注意点

養育医療を受けることで、高額な医療費を家庭で負担する必要が無くなります。これはとても助かりますね。

ですが、未熟児はいろいろな難病も発症しやすいものです。その場合、民間の医療保険にも頼りたいですよね。

ですが一般の医療保険を申請するには注意点があります。よく確認してください。赤ちゃんの今後に関わることですから。

民間の保険は適用外

一般的な医療保険では、0歳の赤ちゃんは加入を断られます。また、未熟児を理由に入院していた赤ちゃんも、生後1年以内は保険の適用外になります。

あるいは、妊娠中に異状が見つかったり、あらかじめ病気が見つかって治療が必要な場合には、とくに難しくなります。

保険とは健康なほど加入が簡単で、病気のリスクがあると入りにくいという特徴を持っています。

未熟児の赤ちゃんは高い確率で治療の必要があります。そのため保険の適用を断られてしまいまうのです。

高額な医療費を負担してくれる制度、上手に活用しましょう

病気にかかりやすい低体重児には、国が生命維持のための対策を立てています。それが医療費の助成制度です。

低体重、未熟児で子供が生まれたら、医師やソーシャルワーカーさんの指示をよく聞いて、申請のための書類を揃えましょう。

費用の心配がなければ、赤ちゃんも必要な治療を受けることが出来ます。期限が定まっている場合もあるので、遅れずにきちんと申請しましょう。

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