海外でも人気の水中分娩!メリットデメリットと注意点

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2017/07/26

水中出産をしている妊婦さん

水中出産は、文字通り水の中で赤ちゃんを産むという出産方法です。日本ではモデルや芸能人の方が実践されて、注目されるようになりましたが国内での認知度はまだまだ。

それに比べるとフランスやイギリスなど、ヨーロッパでは人気のあるお産の仕方です。

水中出産とは具体的にどのような手順で行われるのでしょうか。水の中で赤ちゃんをどのように産み落とすのか解説します。

プールの中で出産する水中出産

名前が示している通りに、妊婦さんが水の中にはいって出産する分娩方法です。

水と言っても冷たい水では身体を冷やしてしまうので、体温程度のぬるま湯を使います。

水中出産には水の中ゆえのメリットがいろいろあります。これから具体的な方法を解説して行きます。

専用のプールにぬるま湯を張って出産を行います

水中出産の場合、お風呂大の、人が二人くらい入れるサイズの小さなプールに、羊水と同じ程度の温度のぬるま湯を張ってその中につかります。

体液には塩分も含まれているように羊水にも塩分が溶けているので、水中出産にしようするお湯も同じく塩水です。

水中出産に使う塩類は、赤ちゃんの体の負担にならないように、無添加で天然のものを使います。赤ちゃんは免疫が少ないのでそこに配慮したものです。

水中出産と言って妊婦さんはずっとプールに浸かっている訳ではありません。出産の前、陣痛が強くなったタイミングを計って水の中に入ります。

陣痛を待っている間、プールに入っている時には好きな姿勢を取って痛みを逃がします。仰向けになってもプールの縁を掴んでしゃがんでいてもいいです。

子宮口が全開大になり、いつでもいきめる状態になったときに、プールの中に入ります。水に入っている時間の目安は、1時間ほどとされています。

しかしその後でスムーズに赤ちゃんが生まれるとは限りません。陣痛の具合によっては、一度水の外に出て、タイミングを計り再度水の中でいきむという動作を繰り返します。

時にはママ一人だけでなく、パパも一緒に水の中に入って出産に立ち会うというケースもあります。

水の中で出産することには様々なメリットがあります

なぜ水中出産という方法が人気を集めているのでしょうか。それには次の様な利点があるからです。水中出産を選ぶときの参考にしてください。

陣痛が軽くなる

ぬるま湯につかっていることで、神経がリラックスして筋肉の緊張が解けます。そのため産道の筋肉も柔らかくなり、陣痛の痛みが軽くなるのです。

また、お湯の浮力によって体重を支えてくれるので体位を変えやすく、徐々に強まって行く陣痛を堪えるのに役立つのです。

赤ちゃんへの負担が少なくなる

お腹の中の赤ちゃんは羊水に浸かっているので、常に水の中に浮いている状態です。

水中で出産すると、赤ちゃんが水の中から水の中へ移動することになりますね。胎内から胎外への変化が小さく、ショックを少なくできると言われています。

また、水のおかげで産道との摩擦が少なくなっているので、赤ちゃんの身体が産道から受ける衝撃が軽減できるのです。

ママがリラックスしてお産が出来る

少しぬるめのお湯に浸かっていると、副交感神経が刺激されて、身体はリラックスに導かれます。

身体がリラックスしていると、気持ちも冷静になれるので、陣痛の痛みでパニックを起こしたり、余計なストレスを感じたりせずにすみます。

また水の中は地上とは違い浮力が身体を支えてくれるので、大きなお腹を抱えている苦しさを紛らわすことができます。

いざ赤ちゃんを産み落とす時でも、バスタブの縁をつかんだりすることで楽な姿勢を取りやすいので、その度に痛みを逃がしやすくなります。

また、お湯に浸かっていることで気が緩んで、お産に対する緊張感を和らげることが出来たという体験談も聞かれます。

これらの事が、お産の苦しさを軽減してくれるので、水中での出産方法が注目されているのです。

出産までの時間が短くなる

水中出産だと、お湯に浸かっていることから身体がリラックスしているので余計な力が掛からず、お産が早く進むと言われています。

一般的に陣痛が始まってから赤ちゃんが産まれるまでに15~20時間かかることもありますが、水中出産ならばそれよりもかなり早く産むことが可能な様です。

注意すべき水中出産のデメリット

このように妊婦さんに嬉しい効能が高い水中出産ですが、心配なことが全くないというわけではありません。

水中出産にも注意すべきデメリットはあります。そのことを事前にしっかりと調べておきましょう。元気な赤ちゃんを産むために必要なことです。

赤ちゃんが感染症にかかりやすくなる

赤ちゃんが感染症にかかってしまうというリスクがあるのです。羊水の温度であり、プールの水温の37度前後は、もっとも雑菌が繁殖しやすい温度です。

産まれたばかりの赤ちゃんは、まだお母さんの免疫で守ら獲ているだけの弱い存在です。雑菌が繁殖したプールに産み落とされると非常に危険です。

そのため赤ちゃんが生まれるプールの水質管理をしっかりするのが必須。プール自体の清潔が保たれていなければいけません。

衛生管理をきちんとしてくれる病院か、事前に調べておく必要があります。また、過去に水中出産でトラブルが無かったかも合わせて確認しましょう。

出血の量が多くなってしまう

温水に浸かっている状態は血流が良くなっているので、出産の時の出血量も多くなってしまい妊婦さんが貧血を起こす可能性も高くなります。

妊娠中の大量出血は危険が伴います。時には輸血が必要になる場合もある事でしょう。

血行が良くなること自体は、胎児に送られる血液の量が増えるのでいい事ですが、赤ちゃんが外に出る時は大量の出血が起こるのでリスクとなります。

妊娠中貧血を起こしてしまったことがある方は、この点を頭に入れておいてください。

お湯に浸かっていることで体力を消耗する

ぬるめのと言っても長くお湯に浸かっていると、それだけで体力を消耗してしまいます。またのぼせやすい妊婦さんは特に要注意です。

水の中に入っている目安は1時間ですが、その間に陣痛が弱くなってしまったりすると、もう一度プールの外に出なくてはいけません。

プールから出たり入ったり。その移動だけでも体に相当の負担をもたらします。大きなお腹を抱えての頻繁な移動は苦しいですからね。

特に初産の場合はお産が長引きがちです。水中に長くいることは、余計に体力を消耗しやすく心配です。

結局は通常分娩に移行という形を取られることもあります。「水中出産は意外に体力勝負!」ということも覚えておきましょう。

万一の場合の対応に遅れが出る

分娩中には様々なトラブルが起きるものです。急に陣痛が弱くなってしまったり、赤ちゃんが骨盤に引っかかって出られなくなってしまうなど。

そのような緊急事態の時に、プールの中という状況は、分娩台の上と違って迅速な対処が出来ないのでリスクを伴います。

いきむ力が弱くなるので赤ちゃんが外に出づらくなる

水中では浮力のおかげでママの身体の負担が軽くなりますが、浮力によって身体が浮かんでしまうので、『いざ陣痛が来た時に上手くいきめない…』というリスクもあります。

体に力を入れづらくなってしまうので、括約筋を収縮させようとする力が逃げてしまうのです。そのため陣痛のタイミングをつかみづらく、出産に時間が掛かってしまうこともあります。

またプールに入っているのが自分ひとりだけなので、不安感が高まって冷静さを保てなかったという例もあります。

いきむタイミングが上手くつかめないと、外に出ようとしている赤ちゃんもなかなか産道を下りてくることが出来ません。

赤ちゃんが酸欠になってしまって、深刻な後遺症や脳への障害が残ることもあります。

事前にいきむ練習をしておくことは出来ません。妊娠中にお腹に力を入れることは危険ですからね。

普段お風呂に入る時に、バスタブの縁をつかんだりして、どんな姿勢を取れるのかイメージを持っておくことが大切です。

水中出産が日本ではまだまだ認知度が低い理由

日本ではまだ水中出産をした事例が少ないのが現状です。それは水中出産の認知度は、日本ではまだまだ低いからです。

実施できる病院が少ない

国内で水中出産を実施できる病院は限られています。(都市部ではまだあるものの、地方では実施してくれる病院を探すのは難しいかも…)

出産用のプールなどの特殊な設備や、水質管理のための維持費が病院側の負担となるので、実施に踏み切る産婦人科が少ないのですね。

出産のためにわざわざ県外に移るのは、母体にも家族にも大きな負担になります。

助産院で水中出産を実施してくれるところもありますが、助産院では医療行為は行えないので、いざと言う時は救急搬送してもらう必要があります。

▼産婦人科の選び方・選ぶときのポイントについてはコチラも参考にしてみて!

通常の出産より費用負担が大きくなります

水中出産は特殊な設備が必要になることから、実施する病院としても費用負担が大きくなるため、一般的な病院での自然分娩に比べて金額が高くなってしまいます。

また、水中出産は妊娠中の異常状態ではないので、出産を行う際に保険の申請を行うことは出来ません。

機関にもよりますが、大体5万円から10万円ほど多くかかるようです。加えて緊急時の帝王切開などを行うと、費用負担は更に大きくなります。

余分に費用が掛かるため、一時金だけでは足らないことも。この余分な費用の負担については覚えておきましょう。

水中出産の特徴を知り、ママと赤ちゃんに負担が少ない方法を選んで!

欧米で広く実施されているように、メリットを重視して水中出産を選ぶ妊婦さんも多いのが現状です。

しかし、ヨーロッパ系の女性と日本の女性の体格差、体力差の問題や、日本と欧米の衛生感覚の違いなどから、日本ではなかなか普及して行かない様です。

出産の方法を選ぶときは、良い点を悪い点をきちんと知っておくことが大切です。そのためにも、信頼できる病院や先生を選ぶことが最も重要と言えるでしょう。

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