母乳育児・ミルク育児・混合育児!どれがいい?メリットとデメリット

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2016/06/20

子育てに悩みはつきものですが、出産を終えた新米ママが最初に迷うのが「母乳育児か、ミルク育児か、それとも混合育児か?」の選択ではないでしょうか。

2児の乳幼児期に全部のやり方を試してみた筆者の結論は「どれでも大丈夫!」です。一番辛かったのはむしろ結論が出るまでの間に色々悩みすぎたことかもしれません。

今回は自分の経験に基づいたそれぞれの授乳スタイルのメリットとデメリットをご紹介していきます。

今授乳方法でお悩みのママはもちろん、出産を控えたプレママのみなさんも覗いてみて下さいね。


こだわるだけの理由がある!母乳育児5つのメリット

赤ちゃんを出産後、周囲からまず薦められるのが母乳育児です。その理由がどこにあるのか、まず母乳育児の良い点を確認してみましょう。

【母乳育児5つのメリット】

  • バランス良く含まれている、高い栄養価が魅力!
  • 母乳の免疫は赤ちゃんを守ってくれる!
  • ママの身体にも良い面がたくさんある母乳育児
  • 赤ちゃんとの一体感が楽しめる母乳育児
  • 母乳育児は費用と手間要らず

1つずつ詳しく見ていきましょう。

バランス良く含まれている、高い栄養価が魅力!

母乳には赤ちゃんに必要な栄養が全て、適量で含まれていると言われています。

【母乳に含まれる主な栄養素】

  • ビタミン
  • ミネラル
  • タンパク質
  • 炭水化物
  • 塩分
  • ホルモン
  • 酵素脂肪
  • 乳糖

脂肪というとあまり摂取しない方がいいイメージがありますが、母乳に含まれる脂肪は赤ちゃんの発育には必要不可欠な栄養素です!

脂肪中のコレステロールは初乳に多く含まれますが、生後1ヶ月までに減少すると言われています。従って母乳によるコレステロールの摂り過ぎは心配いりません。

母乳はこれだけの高い栄養価がある一方で、消化吸収が早く赤ちゃんの体の負担になりません。

しかも、成長段階や子供の状態に応じて成分が変化するってご存知ですか?この点は、母乳育児ならではの大きなメリットですね。

未熟児を産んだお母さんの母乳と成熟児を産んだお母さんの母乳では、成分がまるっきり違うのです。

タンパク質や電解質が不足しがちな未熟児の赤ちゃんにとっては、未熟児ちゃんのお母さんから出る 「タンパク質や電解質が豊富な母乳」 が最適なのです。

自然の妙と言うほかないでしょう。

また、母乳はミルクに比べ便秘のリスクが少ない傾向に!便がゆるいので、こまめなおむつ替えが必要ですが「うんちが出ない…」と悩むことも少ないようです。

母乳の免疫は赤ちゃんを守ってくれる!

母乳には、ママが持つ免疫情報を赤ちゃんに受け渡すという重要な役割があります。

具体的には、母乳を飲むと腸内でビフィズス菌が圧倒的に増え、他の病原菌をやっつけてくれるので消化器系の病気になりにくいと言われています。

また、呼吸器系の病気や中耳炎にもなりにくく、病気になってしまったとしても回復が早くなると言われています。

また、母乳は「白い血液」と言われるように母親の血液で出来ているためママの血液に含まれる白血球や抗体が赤ちゃんを守ってくれるるのです。

特に重要なのは初乳です!初乳とは出産後2日から3日の間に出るおっぱいをいいますが、さまざまな免疫物質が通常の母乳の約100倍の濃度で含まれています。

ミルク育児を考えているママにも初乳だけは赤ちゃんに与えるよう指導する産院が多いと聞きます。

この他にも、体に余計な負担がかかりにくいので、胃や腸といった消化器官は正常に成長し、口をしっかり使って母乳を飲むので口周りをはじめとした顔の筋肉が発達し、表情豊かになるとも言われています。

そして口から全身へ刺激が渡り、脳への血流が良くなり、脳細胞が活性化し身体の成長や歯の発達に良いといったメリットもあるようです。

ママの身体にも良い面がたくさんある母乳育児

母乳をあげることが母体にも良いと言われる話はよく耳にしますが具体的にはどのようなメリットがあるのでしょう?

子宮収縮が促され、産後の回復が早くなる

赤ちゃんがおっぱいを吸うことで、オキシトシンという物質が分泌されて、子宮回復が促されます。

実は出産を終えたママの体の回復は子宮の回復と大きく関わっています。オキシトシンが分泌されることで、ママはより早く体力を回復することが出来るのです。

女性特有の癌にかかりにくくなる?

妊娠・授乳中は「エストロゲン」の分泌量が抑えられるため、乳癌、子宮癌、卵巣癌など、女性特有のガンになりにくいという統計が出ています。

ほかにも、更年期障害が軽くすむとう説があります。

授乳は産後の良いダイエットにもなる

お腹の赤ちゃんを守るため、妊娠中のママの身体は脂肪が蓄えられやすくなっています。その脂肪が母乳の乳脂肪となって赤ちゃんに授乳されることになるのです。

完全母乳の場合、1日に約600~1000カロリーを消費することが出来ると言われています。これは大雑把に言って一時間以上のジョギングで消費されるカロリー量だと言われています。

赤ちゃんとの一体感が楽しめる母乳育児

授乳自体がママと赤ちゃんにとって大切なスキンシップになりますね。母乳を生成するのは「プロラクチン」ホルモンです。

母性行動に影響を与えると言われ、子供を愛おしいと思う気持ちが芽生え、深まりやすいと考えられています。

次に赤ちゃんがくわえている乳頭へ母乳を運ぶ役割を果たすのが、オキシトシンというホルモンの働きによるものです。

別名愛情ホルモンとも呼ばれる「オキシトシン」ホルモン。具体的にはどのような効果があるのでしょうか。

オキシトシンホルモンは授乳の他、ママが赤ちゃんのことを考えたり、お世話をすると分泌されます。

オキシトシンホルモンが出ることで次のような効果があると言われています。

  • 幸せな気分になる
  • 脳・心が癒され、ストレスが緩和する
  • 不安や恐怖心が減少する

母乳育児は費用と手間要らず

哺乳瓶などの備品が必要なく、高額なミルク代もかからない母乳育児はお財布にも優しい育児方法といえるでしょう。

粉ミルク1缶およそ2500円として最初の1ヶ月(新生児)で2500~4000円かかります。赤ちゃんの飲める量は月齢とともにどんどん増えていきますので、ミルク代の負担は家計にとって小さいものではありません。

また、哺乳瓶を消毒する手間や調乳する時間もかからないため、母乳育児は手間もかかりません。

完母がパーフェクトというわけではない!7つの母乳育児のデメリット

栄養面の他ママやお財布にも嬉しい母乳育児。メリットだけ見ると母乳育児に決まり!となりそうですが、ちょっと待って!

母乳育児にも意外なデメリットがあるんです。筆者が感じたデメリットは次の通りです。

【7つのデメリット】

  • 授乳間隔がミルクより短いので、頻回授乳でママの疲れが溜まりがち
  • ママが体調を崩した時はピンチ!赤ちゃんを人に預けられない
  • おっぱいトラブルが起こりやすい
  • 意外な出費がある?場合によっては高くつく場合もある母乳育児
  • 薬や食べ物など、ママが口にするものに気をつけなくてはならない
  • 母乳育児が上手く行かなかった場合の精神的な落ち込みが大きい
  • 栄養を上手く録り込めない場合も

完全母乳のデメリット、知っておかないとあとあと後悔…なんてことにも。

授乳間隔がミルクより短いので、頻回授乳ででママの疲れが溜まりがち

一般に母乳は量にこだわらず赤ちゃんが欲しがれば欲しいだけ与えて良い、とされています。

消化が良い反面、場合によっては1日中授乳しているような感覚になってしまうこともあります。

この場合、実家など周囲のサポートが受けられ、休みながら授乳が出来るママはいいのですが、出産後すぐに家事も自分でこなさなければならないママには自分の休息時間を確保できないので大きな問題となります。

母乳育児が軌道に乗るまではだいたい3カ月からいはかかると言われています。

確かにこの時期は、小さくて可愛いわが子とのかけがえのないスキンシップを楽しめる期間ですが、一方で長い妊娠生活・出産などでママには心身ともに疲れが溜まりやすい時期でもあります。

今まで頑張ってきた分、自分もちゃんと休まなければならないことをきちんと意識して無理を重ねないようにしましょう。

またおっぱいが出たとしても、子供が必要としている分が毎回出てくれるとは限りませんし、どれだけ実際に出ているのかを目で見て確認することができません。

ママが体調を崩した時はピンチ!赤ちゃんを人に預けられない

母乳はママにしか出ませんから、ママが疲れてしまって一人で休みたい時や体調を崩して病院に行きたいなどの健康トラブルがあった時などは大変!

完全母乳育児で頑張るママは、日頃から体調管理に人一倍気をつけなければなりません。

もし体調を崩した場合は、ミルクにすればいいやと思っていても、ママのおっぱいしか受け付けない…という体になっている赤ちゃんは、哺乳瓶で飲むことを拒否してしまう可能性も…

また同様に、赤ちゃんを誰かに預けて外出するということも難しくなります。

搾乳した母乳を冷凍して赤ちゃんと一緒に預けるなどの方法もありますので、絶対に預けられないわけではありませんが、哺乳瓶では飲んでくれないかもしれないという事は考えておかなければなりません。

そうなってくると、お仕事復帰を考えているママにとっては影響が出ますので、完母で育てる場合も、哺乳瓶で飲めるように練習しておく必要があります。

おっぱいトラブルが起こりやすい

母乳育児では、おっぱいトラブルはつきものです。

乳首が切れてそこから雑菌が入り込み、乳腺炎などおっぱいにトラブルが起こる危険性もあります。

また、沢山飲んでくれる赤ちゃんの場合は、どんどん母乳を作る為おっぱいが張りやすく、それを全て飲んでもらえないと乳腺炎を引き起こしてしまう可能性も。

赤ちゃんが飲みきれなかった母乳は絞って出しておっぱいに残さないようにしなければなりません。

意外な出費がある?場合によっては高くつく場合もある母乳育児

月々のミルク代はかかりませんが、母乳育児をしている時にママは空腹感も普段より強く感じるので、授乳中は自分の食事代が意外とかかってしまった、という話をよく聞きます。

また授乳用ケープ、授乳用の下着(ブラジャー)、母乳で下着を汚さないための授乳パッドなどは揃える必要があります。

母乳育児だからと言って全く費用が掛からないわけではありませんので注意しましょう。費用の目安を見ていきましょう。

授乳ケーブ

授乳中のママ胸元を隠すためのもので、授乳ケープを携帯していれば授乳室がなくても授乳が出来ます。

値段は1000円~3000円ほどですが、デザイン性の高いおしゃれな授乳ケープは5000円前後するのもあります。

授乳用ブラジャー

素材が柔らかく、授乳しやすいように前開きになっているものが多いです。値段は安くて1200円~3000円以上するものまでさまざま。

授乳中は下着が汚れてしまいがちなので、2~3枚は用意したいところです。

授乳パッド

母乳パッドは授乳中のデリケートな乳首を優しく保護し、服へおっぱいが染みこむことを防ぐためのアイテムです。

おっぱいの出がいいママにとっては、1日に何度も取り替える必要が出てきます。最近では使い捨ての授乳パッドが人気ですが、100枚入りで800円前後が平均のようです。

このように、母乳育児であれば費用が全くかからないというわけではないので注意しましょう。

薬や食べ物など、ママが口にするものに気をつけなくてはならない

母乳は母親の血液から作られるので、授乳中のママが油っぽい食べ物や消化の良くない乳製品を摂ると、おっぱいがドロッとした粘着質なものになってしまいます。

それが原因で、乳腺炎のトラブルを招いたり、未熟な赤ちゃんの胃腸に負担をかけてしまうなどのトラブルが発生することがあります。

但し、この点は個人差が大きく出るところ。

体質によりすぐに乳腺炎になってしまうので、油物や甘いものはほとんど摂れないというママもいれば、妊娠前の食生活と同じでも自分も赤ちゃんも全く大丈夫!というママもいます。

従って、ママの毎日の食事管理が大切になってきます。喫煙はもちろん飲酒や風邪をひいてしまった時の服薬なども必ずお医者様の指示に従いましょう。

出産をしてみて、乳腺炎になりやすい体質のママは、日頃食べるものにとても気をつける必要が出てきます。

そうすると、授乳期間が長くなると食べたいものが自由に食べられないという”ストレス”も段々溜まってきて、ママ自体によくありません。

また、母体が何らかの感染症やアレルギー、環境汚染物質などを持っていると、母乳を通し赤ちゃんにも感染してしまう恐れがあります。

母乳育児が上手く行かなかった場合の精神的な落ち込みが大きい

栄養価の高さや免疫力の面から”母乳育児”を推奨する産院や産婦人科が多いと聞きます。

先ほど述べた初乳の重要さもあるので、特に問題がなければ「そういうものかな?」と自然な流れで、まずは母乳育児を選択するママが多いのではないでしょうか。

但し母乳育児が上手く軌道に乗るかどうかは、その時その時のママの状況や赤ちゃんの性格に大きく左右されます。

母乳が思うように出なかったり、小さく生まれた赤ちゃんが母乳を上手く飲めない、などの場合に何とか母乳で頑張りたい!と根をつめて頑張り過ぎてしまうママもいます。

これらのプレッシャーで産後うつになってしまう可能性もあり注意が必要です。

栄養を上手く録り込めない場合も

ママの精神状態や健康状態によっていは、母乳の分泌量が少なくなったり、味が変化して母乳の質が悪くなったりすると、赤ちゃんの飲みが悪くなってしまう可能性があります。

そうなってしまうと、赤ちゃんは栄養不足になってしまいます。健康被害が表れてしまうこともあり、脳への影響が出てしまうことも。

  • 低血糖症や重症な黄疸の表れ
  • 頭蓋内に出血を引き起こす

栄養不足になっていなさそうか、赤ちゃんの様子をしっかりと見てあげてくださいね。

体調を崩してまで母乳育児にこだわらないで欲しい理由を体験から紹介

2500gで小さめに生まれたわが子は、食欲もあまりないようで、おっぱいを自分から欲しがりません。

何とかたくさん飲んで貰いたいと母乳マッサージを受けた後、寝ている赤ちゃんを起こして授乳しようとしましたが、赤ちゃんは怒って泣いて、プイ。

母乳が少しでも出てくるように食生活に気を遣い、産院を退院してからは電車を乗り継いで○○式の助産師外来に母乳マッサージを受けに行きました。保険が効かなかったので料金は一回5000円程でした。

両実家遠方で助けてもらえる手はなく、緊張して過ごす慣れない土地での慣れない新生児育児に、とうとう自分の身体の方がもたなくなり、産後の疲れからか帯状疱疹になってしまいました。

服薬と休養のため完全母乳は断念しました。

あの頃を思い出すと、なぜあんなギリギリまで母乳育児に拘って体調を崩すまで思い詰めてしまったのか…それが疑問です。

妊娠中、楽しみに読んでいたプレママ雑誌では”母乳育児がとても簡単で当たり前のこと”のように書かれていました。

加えて、実母や義理の母たち、助産師さんからも当然に母乳育児を薦められました。

よってミルク育児に切り替えることを「ママの努力不足で赤ちゃんに可哀相なことをしている」と捉えてしまい、そんな根拠のないことで罪悪感だけが募っていきました。

家に赤ちゃんと二人きりで母乳の出ばかり気にしていたあの頃、身体が先に参ってしまわなければ育児ノイローゼになってしまっていたのではないかと思います。

毎回授乳のときには「お願いだから沢山飲んでね…。」と心配そうに赤ちゃんの顔を覗き込むばかりでした。

完全ミルク育児に切り替えてから、ゆっくりとミルクを飲む赤ちゃんの横顔の可愛さにはっとしました。

ミルクに切り替えたことで、私はようやくニコニコと赤ちゃんに話しかけることが出来るようになったのです。

今となっては、もう二度と戻って来ない大切な長男の新生時期。もったいないことをしちゃったなぁ、としみじみ思います。

ミルクでもしっかり育ちます!5つのミルク育児のメリット

昔はミルク育児こそが赤ちゃんのためになる!とされ、母乳が出るママさんでも絞って捨ててミルクを与えていた…というようなこともあったようです。

しかし現代では母乳育児こそ最良!ミルク育児は安易でリスクが多い…など、ミルク育児の人が心を痛めるような情報も。

粉ミルクの缶にも「最良の栄養はお母さんのお乳」と書かれていたり…それらの言葉は、ミルク育児のママたちのストレスのもととなってきました。

しかし最近のミルクはより母乳に近いものが開発され、赤ちゃんを優しく抱きしめてミルクを与えてあげることで親子の絆もしっかりと育つのです。

また、WHOがミルクよりも母乳育児を推奨しているという事を、ミルク育児を否定する理由として出してくる方も。

しかし、WHOのこの推奨は、基本的には発展途上国に向けてのものです。

発展途上国では、綺麗な水が確保できなかったり、哺乳瓶などの衛生面も心配されるので、調乳よりも母乳育児を推奨しているとのこと。ですので、母乳でないから…と引け目に思う必要は無いのです。

ここではミルク育児ならではのメリットを確認してみましょう。

【ミルク育児5つのメリット】

  • 飲んだ量が分かるため、栄養面での不安が少なくなる
  • 赤ちゃんの腹持ちがいいので夜は比較的ぐっすり寝てくれる
  • 誰でも授乳OKなので、育児のサポートが受けられやすい
  • 哺乳瓶やミルクを携帯すればどこでも授乳出来る
  • 乳腺炎など母乳育児につきもののトラブルとは無縁でいられ、断乳がスムーズ

ミルク育児しか出来ない…完母は無理そう…などのママに是非読んでいただきたいです。

飲んだ量が分かるため、栄養面での不安が少なくなる

母乳は飲んだ量を目で見て確認することが出来ないため、母乳がきちんと足りているのか、不安になってしまうママもいます。

一方、ミルク育児では哺乳瓶のメモリではっきりと赤ちゃんの飲んだ量が確認できるので、安心出来ます。

また最近の粉ミルクは各メーカーが重ねる努力により、各種ビタミン、タンパク質、脂質、カルシウム、鉄分など母乳により近い高い栄養価を含むようになってきました。

自分の食事が影響する母乳育児ではママは、一日の食事で十分な栄養を摂れているのかが気にかかることがあります。

一方、ミルクは前述のように基本的に赤ちゃんに必要な栄養を全て含んでいますのでママは自分の食事にそれ程神経質にならなくても大丈夫です。

アルコールなどの嗜好品や甘いものが気兼ねなく取れるのは嬉しいことですし風邪をひいたなど、体調が悪い時に安心して薬が服用出来る点も心強いですね。

ママのストレスの原因を1つは確実に取り除いているといえますね。

赤ちゃんの腹持ちがいいので夜は比較的ぐっすり寝てくれる

ミルクは母乳に比べ、消化の進みがゆっくりなので腹持ちが良いと言われています。ただし、赤ちゃんにより個人差はあります。

母乳で育てられている赤ちゃんよりも、ミルクを飲んでいる赤ちゃんの方がわりかし夜も長く眠ってくれるので、ママも睡眠が取りやすいという話をよく聞きます。

ママ夜ぐっすりと眠れれば、次に日も笑顔で赤ちゃんと接してあげる余裕が生まれます。

誰でも授乳OKなので、育児のサポートが受けられやすい

哺乳瓶での授乳はママに限らず、パパや祖父母、保育園の先生など誰でも可能なので、ママが周囲から育児のサポートが受けやすくなる、というのは大きな利点です。

ミルクを一生懸命に飲む赤ちゃんは本当に愛らしいもの。パパの育児お手伝いデビューに特におすすめなのがミルクでの授乳です。

パパって実は、育児のお手伝いを「しない」のではなくただ「やり方が分からない」という人が意外と多いものです。

いきなりおむつ替えや、赤ちゃんを連れての一人でお散歩や買い物を頼むのはハードルが高いですが、赤ちゃんを腕に抱き、ミルクをあげるのはまだ赤ちゃんの扱いに慣れていないパパから父性を引き出す効果も望めるようです。

哺乳瓶やミルクを携帯すればどこでも授乳出来る

母乳育児では授乳をためらってしまうような人通りのある場所などでも、ミルクであれば準備さえしておけばどこでも気兼ねなく授乳が出来ます。

出産を経験した女性は、母乳にしろミルク育児にしろ授乳の大変さを知っているので、目の前で授乳ケープをつけ授乳するママを見ても、特に何も違和感を感じないでしょう。

ただ、人手の多い公園や大人向けのレストラン、電車などの公の場では、授乳するママの姿が気になってしまうという独身女性や男性の声があることも確か。

授乳ケープで胸元をきちんと隠すようにする、などのマナーさえ守れば大抵の場所で授乳可能ですが、ママ自身が人前での授乳に気兼ねしてしまうというケースもあります。

そんな場合には場所を選ばずに与えられるミルクは便利ですね。

乳腺炎など母乳育児につきもののトラブルとは無縁!しかも断乳がスムーズ

ミルク育児ですと、母乳育児中に多くのママが一度は経験する乳腺炎や、おっぱいの先が切れてしまうような痛い乳頭トラブルとは無縁でいられます。

また、完全母乳だけで育った子は、牛乳やフォローアップミルクなどの飲み物や哺乳瓶だけでなくマグを使うのに時間がかかるという話を周りのママ達から聞きました。

夜の添い乳などのくせもついていないので、比較的早い時期での断乳は、ミルク育児の赤ちゃんの方がスムーズに行くでしょう。

ミルクならではの不安もある?ミルク育児の6つのデメリット

ママにはとても便利なようなミルク育児。でもやっぱりミルク育児ならではの不便さや母乳育児には叶わないこともあります。

ミルク育児のマイナス面を確認してみましょう。

【ミルク育児6つのデメリット】

  • 母乳に含まれる免疫を赤ちゃんにあげられない
  • 作るのに手間とコストがかかる
  • お出かけの際の荷物が多くなる
  • ママの子宮復古やダイエット効果が望めない
  • 周りから母乳育児ではないことをやんわりと非難されることがある
  • 乳児突然死症候群の原因であると間違えられやすい

詳しく説明していきますね。

母乳に含まれる免疫を赤ちゃんにあげられない

ミルク育児では、お母さんからの免疫を赤ちゃんにあげることが出来ません。

最近の育児用ミルクは品質の向上が見られ、かなり栄養価も高くなってきていますが、残念ながらIgAやIgGなどの免疫物質は含まれていません。

また、ママがひいた風邪の免疫は母乳を通して赤ちゃんに与えられるといいますが、これもミルク育児では望めない効果ですね。

ただしミルク育児で育てる場合にも、免疫物質が特に多く含まれるという”初乳”だけでも飲ませることが出来れば、免疫力不足の問題はだいぶ減ると言われています。

作るのに手間とコストがかかる

母乳であれば服をめくればすぐ授乳出来るのに対し、ミルクだと哺乳瓶や消毒用品、粉ミルクなどを揃えなくてはならないのでコストがかかります。

またミルクを作る手間もかかるので、人によってはミルク育児は面倒だと感じるかもしれません。

特に夜中の調乳はママが一度完全に起きて用意する必要があります。真冬などは特に辛く感じますね。

このため、母乳育児とミルク育児の両方を経験したママは、夜間の授乳に関しては横になったまますぐに授乳出来る母乳育児の方が楽に感じられるようです。

この点に関しては、赤ちゃんと眠る部屋にあらかじめポットと白湯を用意しておいてすぐに調乳できるような準備をしておけば、そこまでの負担にはならないのでおすすめです。

お出かけの際の荷物が多くなる

ミルク育児だととうしても、ミルク用品一式(大抵の場合はお湯やお水も)準備してのお出かけになります。

持ち歩かなくてはいけない荷物がそれだけ多くなるというデメリットが出てきます。

ただこの場合にも、お出かけように持ち運びが楽な個別包装のキューブタイプやスティックタイプの粉ミルクが売られていますので、これらを上手く活用しましょう。

  • ちょうど適温になるように温度調整をしたお湯をもっていく
  • ペットボトルの半分だけ白湯を入れていく

などなど、工夫によってだいぶ荷物をコンパクトにすることが出来ます。

ママの子宮復古やダイエット効果が望めない

子宮復古とは妊娠で大きくなった子宮が元の大きさに収縮していくことをいいます。子宮復古は後陣痛と母乳をあげることで促されます。

また授乳は平均して一日600カロリー以上を消費するため、産後の良いダイエットになると言われていますが、ミルク育児では前述の子宮復古やダイエット効果は望めません。

ただミルク育児のママは母乳をあげない反面、授乳によるエネルギー消費のための激しい空腹感は感じないはずです。

自分の食生活をコントロールしやすい状態にあるといえるので、ぜひ計画的なダイエットを実行して、無理なく健康に体重を落としていきましょう。

周りから母乳育児ではないことをやんわりと非難されることがある

完全ミルク育児をしていると周囲から「本当は母乳の方がいいのよ。もう少し頑張ったら良かったのに。」というような言葉をかけられることがあります。

筆者もミルク育児に切り替えた後にふくよかになって来た息子に見知らぬ方が声をかけて下さって、可愛いと褒めて頂いた後に「母乳なの?」と聞かれて気まずい思いをしたことが2、3回あります。

みんな悪気があってのことではないと頭で理解しつつも、居心地の悪さを感じたことを覚えています。

同じような経験はミルク育児をするママたちから良く聞く話なので、言われたら「そんな意見もあるのね~。」と軽く聞き流すようにしましょう。

乳児突然死症候群の原因であると間違えられやすい

ミルク育児をしているママさんたちにとって気になっている、「ミルク育児だと乳児突然死症候群になってしまう可能性が増える」については、実際には違います。

データ上では、確かにミルク育児の赤ちゃんの方が乳児突然死症候群になる可能性が高いようですが、これはミルク自体のせいではありません。

ミルクは一般的に母乳よりも腹持ちがよく、母乳育児の赤ちゃんよりよく眠ってくれるため「目を離してしまいがち」になることが理由であるようです。

目を離した際に異変に気づくことが出来ず…ということなので、ミルク育児でもしっかりと赤ちゃんから目を離さないでいれば問題ないということです。

乳児突然死症候群に関しては「うつぶせ寝」以外には、確たる原因はまだわかっていないのです。

いいとこ取り!混合育児の2つのメリット

今まで紹介させて頂いた母乳育児、ミルク育児それぞれのメリットに加えてここでは混合育児ならではのプラス面を検討してみたいと思います。

【混合育児の2つのメリット】

  • 母乳の栄養素に加え、ミルクだけに豊富な栄養も摂取出来る
  • いつでもフレキシブルに対応が出来るのでママの気持ちに余裕が出来る

母乳育児と、ミルク育児のイイとこ取りができるといいですね。

母乳の栄養素に加え、ミルクだけに豊富な栄養も摂取出来る

栄養価の高い母乳ですが、実は人工ミルクに含まれていて、母乳にはあまりない栄養素もあります。

例えばビタミンDです。ビタミンDが足りないと骨の成長障害が起こる、くる病を発症しやすくなります。

母乳にはビタミンDの含有量が少ないため、併せて日光浴などで紫外線を浴び、ビタミンDを摂取する機会を設けないと赤ちゃんのビタミンDの量が不足してしまうのです。

この点、人工ミルクにはビタミンDが豊富に含まれているため、最近増えていると言われる赤ちゃんのくる病予防に効果があります。

ミルクでカバーしきれない栄養素や免疫職は母乳から、他方、母乳では不安な栄養素はミルクで補充できることが混合育児のとても大きな魅力ですね。

ただし、混合の場合はミルクよりも母乳の比重を大きくするのが基本です。ミルクの比重を高くしてしまうと、下記弊害が出てしまう可能性があるからです。

  • 赤ちゃんがミルクばかり飲む
  • ママの母乳の出が悪くなってしまう

いつでもフレキシブルに対応が出来る!ママの気持ちに余裕が出来る

母乳育児の時には、自分の口にするものが赤ちゃんの身体にいく、ということで自分の日々の食事が偏食になってしまっていないかなど、毎日かなり気を使っていました。

この点、筆者は混合育児に切り替えたことで、赤ちゃんにはミルクで安定したバランスの良い食事も足してあげることが出来る!と思い、気がかなり楽になりました。

また、体調が悪い時やリフレッシュしたい時には、赤ちゃんを預けて横になったり、外出することも可能になるので、ママに育児の負荷が集中することもありません。

先程お話しした「母乳じゃないの?」という悪気はないものの、悲しい気持ちになってしまうような質問にも「母乳もあげています。」と気まずくならない返答を返せます。

混合育児は筆者にとっては、一番気が楽でやりやすい授乳スタイルでした。

やっぱり面倒なこともある?混合育児の2つのデメリット

母乳育児、ミルク育児の良いとこどりの混合育児ですが、裏を返せば両方の授乳スタイルの不便な面も引き受けなくてはなりません。

筆者が感じた混合育児ならではのマイナス面は次の2つです。

【混合育児の2つのデメリット】

  • 母乳育児、ミルク育児両方のアイテムを揃える必要があるのでコストがかかる
  • 母乳とミルクの割合に迷ってしまうことがある

母乳育児、ミルク育児両方のアイテムを揃える必要があるのでコストがかかる

ミルク育児には哺乳瓶や消毒用品、ミルクなどを揃えなくてはならないのでコストがかかります、というお話をしました。

実はコストがかかるのはミルク育児だけではありません。

先にも述べたように、母乳育児のママにも揃えなくてはならないアイテムがいくつかあります。

授乳中の特別な下着や授乳パッド、授乳ケープなどの備品が必要になってきます。両方揃えなくてはならないために意外とコスト高になってしまうのが、混合育児の知られざるデメリットです。

母乳とミルクの割合に迷ってしまうことがある

母乳は赤ちゃんが飲みたい時に好きなだけあげて良いと多くの産院で指導されるのに対し、ミルクは赤ちゃんの腹持ちが良いので、大体3時間くらいを目安にあげるのが良いと指導されます。

あげ過ぎに注意し、良く赤ちゃんの様子を観察しながら母乳とミルクの分量を調整していってあげて下さいね。

どのメーカーのミルク缶にも混合の場合と、完全ミルクの場合の分量の目安が記載されていますので、それを参考にしてみて下さい。

母乳が足りない感じがして2~3ヶ月頃までは混合で来たけれど、母乳育児に移行したいというママは徐々に母乳をあげる回数を増やしていくようにしましょう。

逆に赤ちゃんがミルクの方を好むようで、ミルクを気持ち良く飲んでくれているようなら突然の断乳で乳腺炎になるなどのトラブルに気を付けながら、段々に完全ミルク育児に切り替えていくのもいいかと思います。

もちろん、混合の授乳スタイルが合っているようであれば、そのまま卒乳まで続けるのもいいですね。

母乳とミルクの割合をどうすればいいかは、赤ちゃんによって個人差があるので、どうやって飲むスタイルが赤ちゃんにあっているのかをしっかりと見極めてあげて下さい。

夜寝かす前やお出かけ前、お出かけ時にはミルク、それ以外は母乳/毎回の授乳時に、◯割はミルクで、残りは母乳をあげるなど、割合を決めるのが慣れるまでちょっと難しいかもしれませんね。

方向転換も大事!子供に合わせて授乳スタイルを決めてあげよう

筆者は長男の時に、母乳育児から混合育児を経て、完ミ育児を経験しました。次に長女の時には完母育児を経験しました。

「何が違ったの?」と聞かれればうちの場合は「母乳を良く飲んでくれる子だったかどうか。」に尽きます。

長男は2ヶ月頑張り抜いたけれども、母乳は全然飲んでくれませんでした。飲んでくれないので、母乳の分泌量は何をしても結局は増えてくれませんでした。

長女はただただ食欲旺盛な子で、母乳でもミルクでも何でも良く飲んでくれるので、結局すぐに授乳が楽な完母育児になりました。

今は5歳、3歳になる兄妹ですが、上の子は相変わらず食が細く、下の子は食いしん坊です。

身体の弱い、強いが気にかかるところですが、正直なところ2人とも特に弱くもなく強くもなく似たような健康状態です。

上の子はガリガリながら幼稚園を休むのは年に一度あるかないか、の状態なのでむしろ今は身体が強い方といえるかもしれません。

長男の乳幼児期に、なぜあれほど完全母乳育児に拘ってしまい、毎日ハラハラと赤ちゃんの顔を覗き込んでいたのかそれだけが心残りです。

さっさと方向転換をして、もっとニコニコとミルクで授乳してあげれば良かった。「飲んで、お願いだから飲んで。」という声かけも、「美味しいね。よく飲めてお利口さんだね。」そんな言葉を笑顔でかけてあげたかったなと今になって思います。

どの授乳スタイルを選ぶかはママ次第!臨機応変に楽しんで

母乳育児、ミルク育児、混合育児のメリット・デメリットを紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?

記事に書かせて頂いたように、残念ながら全てが良い面ばかりでマイナス面が何もないという完璧の授乳スタイルはありません。

赤ちゃんには身体の栄養の他にも、ママから心の栄養を貰う必要もあるのです。

それぞれ良い面とマイナス面があるなかで、どの点を重要視するかはその時のママや赤ちゃんの状態や性格によるもの。

絶対にこれが良い!という方法も絶対にこれはダメ!という方法もありません。

母乳育児に拘り過ぎず、赤ちゃんに心の栄養もあげられるように、ママのスタイルに合わせてママが笑顔で授乳出来るスタイルを是非見つけて下さいね。

自分のスタイルが見つかれば、それがママと赤ちゃんにとって一番正しい授乳方法だと思います。

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