妊婦さんの理想の献立一週間!簡単&栄養バランスのポイント
妊娠中の食事はそのままお腹の赤ちゃんの栄養になるので、栄養バランスや塩分、カロリーのほか、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などにも気をつけなければならないため、献立作りに困ってしまう妊婦さんも多いと思います。
でも、毎回食事の栄養バランスを考えすぎると大変ですし、ストレスが溜まっては本末転倒です。栄養バランスはだいたい1週間を通してとれていれば問題ありません。
今回は妊婦さんにとって欲しい栄養がたっぷりの1週間の献立レシピを紹介します。どれも簡単に作れるものばかりなので、メニューを考える時の参考にしてみてください!
この記事の目次
妊婦さんが摂りたい栄養とは?
妊娠中は、お腹にいる赤ちゃんの成長と、妊婦さんの健康のために栄養バランスのとれた食事を心がけることが大切です。妊娠中に特にとりたい3大栄養素は以下のとおりです。
赤ちゃんの成長を促す葉酸
赤ちゃんが育つために欠かせない栄養素が葉酸です。質の良い血液を増やす効果があり貧血予防や、ホルモンバランスを整えつわりが軽くなる効果もあると言われています。
葉酸が多く含まれている食べ物には、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜、納豆などの豆類、いちご、アボカドなどに多く含まれています。
貧血予防に欠かせない鉄分
妊娠中は赤ちゃんに鉄分をとられるため、妊婦さんは貧血になりがちです。フラフラして転んでは危険です。特に妊娠中期以降は鉄欠乏性貧血になりやすいので注意が必要です。
鉄分は、小松菜やほうれん草、レバー、あさりやしじみ、切干大根、高野豆腐などに多く含まれています。ヘルシーな食材ばかりなので、安心して食べることができますね。
骨を作るカルシウム
カルシウムは、赤ちゃんの骨や歯をつくる栄養素です。妊婦さんも、カルシウムが不足すると腰痛などの原因になることもあるため、きちんととりましょう。
カルシウムを多く含む食材は、牛乳やチーズなどの乳製品、小松菜、しそ、干しエビ、ブロッコリー、ごま、海藻類、大豆製品などです。
カルシウムはしいたけなどに含まれるビタミンDと、卵、豚肉などに含まれるタンパク質と一緒にとることで吸収率が上がるので、一緒に組み合わせて食べるのがおすすめです。
妊娠中の献立で無理しないための考え方
妊娠中はただでさえ不安定で、大きくなってくるお腹をかかえしんどいこともありますよね。そんな時に毎回栄養バランスまで考えた献立を考えるのは大変です。
そこで、妊婦さんが無理せず、ストレスなく栄養バランスのとれた献立作りをする時に、おすすめの考え方をご紹介します。
1週間単位で栄養がとれていれば大丈夫
栄養バランスは毎食こだわりすぎなくても、1週間単位でだいたいの栄養バランスが取れていれば問題ありません。1週間あると思うと、おおらかな気持ちで献立作りができます。
昨日は主食がパスタで少し栄養バランスが偏っていたから、今日は野菜たっぷりのスープにしよう、など翌日調整すれば問題ありません。
妊娠中はストレスをためず、ゆったりとした気持ちで過ごすことが大切です。ちょっとくらいカロリーの高いものを食べても調整できるので、気楽な気持ちでいてくださいね。
1日で3つの栄養素がとれればOK
栄養バランスのとれた食事には、次の3つの栄養素が入っていることが理想です。
- エネルギーとなる糖質(ごはんや麺類など)
- 体づくりに必要なたんぱく質(肉や魚、卵、豆類など)
- 体の調子を整えるビタミン・ミネラル類(野菜や海藻、果物など)
一見難しいように思いますが、例えば具だくさんの豚汁を作るだけでタンパク質とビタミンがクリアできます。これにごはんをプラスすれば立派なバランスご飯の完成です。
1日の中で、糖質、タンパク質、ビタミン類、3つの栄養素をとる気持ちで献立作りをしましょう。ただし、糖質だけ、など大幅に偏ると太る原因になるのでバランスが大切です。
彩りがきれいなら栄養バランスがとれる
食品の色にはそれぞれ違った栄養素が含まれているので、いろんな色が並んでいると必然的に栄養バランスがとれた食事ということになります。
栄養バランスのとれた食材の色は次の5色になります。それぞれの色によって特徴があります。
- 赤色:良質なたんぱく質がたっぷり。豚肉、鶏肉、鮭、トマト、人参、いちごなど
- 黄色:ビタミンやカルシウムが豊富な食材です。納豆、チーズ、かぼちゃなど
- 緑色:元気の出る緑黄色野菜です。小松菜、ほうれん草、ブロッコリーなど
- 白色:体のエネルギーを作る色。ごはん、うどん、乳製品、大豆製品など
- 黒色:食物繊維やミネラルが豊富な食材。黒ごま、ワカメ、こんぶ、ひじきなど
毎回の食事に全ての色が入る必要はありませんが、色のバランスの考え方は、今日はこの色が足りてないな、と見た目で判断できるので簡単です。ぜひ実践してみてください。
簡単&栄養たっぷり!1週間の献立レシピ
今回は妊婦さんに積極的にとって欲しい栄養素を含むメインメニューを中心に、献立レシピをご紹介します。
メインに副菜として鉄分を多く含むひじきの煮物や、高野豆腐、切干大根などの昔ながらのおかずを組み合わせると、さらに栄養価が高くなるので、作り置きしておくと便利です。
1日目:鶏胸肉とほうれん草のチーズ焼き(1人分)
- 鶏胸肉 1枚
- ほうれん草 1株
- 塩コショウ 適宜
- とろけるチーズ 1枚
- ほうれん草を食べやすい大きさに切り、茹でておきます
- 皮をのぞいた鶏胸肉に塩こしょうで下味をつけておく
- 鶏胸肉の間に切り込みを入れ、ほうれん草ととろけるチーズを挟む
- ふたをしたフライパンで火が通るまで焼いたら完成
ほうれん草は葉酸がたっぷり含まれた妊婦さんに理想の食材です。鶏胸肉の皮をのぞいて使うことで、良質なタンパク質をとりながらも、ヘルシーに食べられるメニューです。
2日目:鮭のホイル焼き(2人分)
- 生鮭 2切れ
- 塩こしょう 適宜
- しめじ 1/2株
- 玉ねぎ 1/2個
- 黄パプリカ 1/2個
- とろけるチーズ 1枚
- 豆乳 小さじ2
- 味噌 小さじ2
- 生鮭は塩こしょうを両面にふっておく
- アルミホイルの上に、鮭、しめじ、薄切りにした玉ねぎ、パプリカをのせる
- 豆乳と味噌を混ぜたものを2にかけ、上にとろけるチーズをのせる
- 熱したフライパンに少量の水を入れ、3を15分蒸し焼きしたら完成
赤色食材の鮭にたっぷりのきのこと野菜を組み合せた栄養満点のメニューです。ホイル蒸しにすることでカロリーも抑えられるので、ヘルシーにいただけます。
材料は他にも、じゃがいもや海藻類、ほうれん草など冷蔵庫にあるもので自由にアレンジできます。
3日目:野菜たっぷりのミネストローネ(1人分)
- ベーコン 2枚
- 玉ねぎ 1/2個
- にんじん 1/2本
- じゃがいも 1個
- トマト 1個
- コンソメキューブ 1個
- 水 適量
- すべての野菜を5mm角に切りそろえる
- 鍋に油を少々熱し、野菜を炒める
- 少ししんなりしたらかぶるくらいの水とコンソメ入れ10分ほど煮込む
- 塩コショウで味を整えたら完成
妊娠中期には、大きくなった子宮に胃が圧迫されて消化不良になるケースもあります。スープなら栄養もバランスよく食べやすいのでおすすめです。また温かいスープは、体を温めてくれるので、冷えが気になる妊婦さんは積極的に取り入れましょう。
4日目:あさりとブロッコリーのガーリックバター炒め(2人分)
- あさり 100g
- ブロッコリー 1/2株
- しめじ 1/2パック
- バター
- にんにく 適量
- 酒 大さじ1
- しょうゆ 小さじ1
- 塩こしょう 適宜
- ブロッコリーを食べやすい大きさに分け、軽く茹でておく
- あさりを洗い、フライパンにしめじ、にんにく、酒と一緒に蓋をして中火にかける
- あさりの口が開いてきたら、バター、ブロッコリーを入れ塩こしょうで味付け
- 最後にしょうゆを回しかけたら完成
あさりは鉄分を多く含む食材です。緑黄色野菜のブロッコリーと組み合わせることで、栄養バランスがUPします。いろどりもきれいなメインのおかずです。
あさりは非ヘム鉄なので、ビタミンCの多い食材を一緒に摂取すると吸収率がさらにあがるので、副菜は小松菜のおひたしなどを用意するとさらに理想の献立になりますよ。
5日目:野菜たっぷりオムライス(2人分)
- 鶏胸肉 1/2枚
- 玉ねぎ 1個
- ピーマン 1個
- コーン 大さじ4
- 小松菜 1/4株
- ごはん 2膳分
- トマトケチャップ 大さじ2
- 塩こしょう、 適宜
- 卵 3個
- 小松菜は下茹でし粗熱を冷まし、すべての材料をみじん切りに切りそろえておく
- フライパンで野菜を炒め、しんなりしたらごはんをいれてさらに炒める
- トマトケチャップ、塩こしょうで味付けをし、チキンライスを作る
- 別のフライパンで薄焼き卵を作り、2を包んだら完成
ご飯作りが面倒な時は、ワンプレートが楽チンです。良質なタンパク質を含む鶏肉や、葉酸を含んだ小松菜などの野菜をたっぷり入れた栄養満点なオムライスです。
6日目:かじきまぐろの梅しそ巻き(2人分)
- かじきまぐろ 2切れ
- 青じそ 3枚
- 小麦粉 適量
- サラダ油 小さじ2
- プチトマト 2個
- しょうゆ 大さじ1/2
- みりん 小さじ1
- 梅干し 1/2個分
- かじきまぐろは1切れを3等分する。みりんとしょうゆを混ぜたものをまぶす。
- 青じそは縦半分に、梅干は細かく叩いておく
- 1の汁気を切って、梅干を乗せ、青じそで巻く
- 全体に小麦粉をまぶし、フライパンで両面焼き仲間で火が通れば完成
かじきまぐろなどの魚類に含まれるDHAなどのオメガ3脂肪酸は、早産予防や乳幼児の脳の発達や心筋発達、視力向上に不可欠な栄養素です。積極的にとりましょう。
7日目:オクラなめたけうどん(2人分)
- オクラ 10本
- 冷凍うどん 2玉
- ひき割り納豆 2パック
- 納豆のタレ 2パック分、
- なめたけ 大さじ2、
- ウズラの卵 2個
- めんつゆ 適量
- 焼きのり 適量
- オクラをサッと茹でて取り出し、小口切りにしておく
- 冷凍うどんを温め、流水で洗って冷やし、水を切って盛る
- うどんにオクラ、納豆のタレを混ぜ合わせたひき割り納豆、なめたけをのせる
- 生のウズラの卵を③にのせて、めんつゆを回しかけ、焼き海苔を散らしたら完成
オクラのネバネバ成分は食物繊維のペクチンとムチンという成分です。どちらにも整腸作用があるので、便秘になりやすい妊婦さんにおすすめの食材です。
オクラとなめたけを使ったのどごしのよい献立なので、つわりで食欲のないときにも食べやくなっています。簡単に作れるのもうれしいポイントです。
しんどいつわり中の料理を楽にするコツ
つわり中は食欲不振、胃のムカムカ、ずっど船酔いしているような感覚、吐き気…人によって症状はさまざまですが、しんどい思いは妊婦さん共通のものだと思います。
ただでさえしんどいつわりの時期に料理を作り、栄養まで考えなてはならない!となると大変なので、料理をラクにする方法をまとめました。
作り置きをする
つわりが少しでも落ち着いた時間帯を見計らって、料理の作り置きをしておくと、明日のしんどい自分を助けることにつながります。
【妊婦さんにおすすめの作り置きメニュー】
- おにぎり
- カレー
- ハンバーグ
- ひじきの煮物
- 高野豆腐
- 切干大根
おにぎりは小腹がすいた時にもあると重宝します。食べづわりの時なども、おにぎりを口にするとすっと落ち着くこともあります。おかずは一食ずつ冷凍しておくと、解凍するだけですぐに一品が完成するので、余裕のあるときに大量に作って保存しておくと便利です。
宅配に頼る
つわり中のしんどい時期に、宅配サービスを利用したママは多いです。外に買い物に出るのも面倒、という場合も自宅の玄関先まで食材を届けてくれるので、頼りになります。
包丁やまな板を出す手間もなく、すぐに調理できるので利用しない手はありません!
宅配サービスのおすすめは以下のとおりです。
- 安心素材が魅力のOISIX
- 有機野菜や農家直仕入などこだわりの安心食材を使ったOISIXはお値段が少し高めですが、妊娠中の宅配サービスにおすすめです。kitoisixは材料カット、調味料もついているお手軽料理キットで、カフェにありそうなおしゃれなメニューが多数あります。
- お手頃価格のヨシケイ
- ヨシケイはなんといっても1食330円~とお手頃価格が特徴です。毎日の食事なのでリーズナブルだと続けやすいですね。また、全国宅配無料なので、送料を気にせず注文できるのもありがたいところです。調理済み食材や調理キットなど幅広いメニューがあります。
- おなじみコープ初のコープデリ
- コープ会員になる必要がありますが、宅配サービスの種類が幅広く、冷凍弁当のほか、生野菜や食材も同時に注文できるので、スーパーに行く手間がありません。離乳食などのキットもあるので、産後もなにかと便利なサービスです。
- CMで認知度抜群セブンミール
- セブンイレブンの宅配サービスで、日替わり弁当やお惣菜セットなどセブンミール独自のメニュー展開になっています。セブンイレブンの店舗で受け取りできるので、つわりが落ち着いているときは運動がてら好きな時間に行くこともできます。
- ワタミの宅食
- みなさんご存知、大手外食チェーンワタミグループの配達サービスです。お弁当、惣菜の宅配サービスがあり、5日分の献立をまとめて宅配してくれます。多品目、減塩、低カロリーなどコースが多数あるので、好みに合わせて選べるのも魅力です。
それぞれに冷凍の惣菜やお弁当送ってくれるタイプや、料理キットで自宅仕上げなど特徴があるので、自分にあったものを選んでみてください。
パパや両親に頼る
つわりがどうしてもしんどくて、料理できない!という場合は、無理せずパパや両親に頼ってしまいましょう。
「今日は料理を作れなくて…」と素直にお願いすると案外買ってきてくれたりするものです。毎回は通じないかもしれませんが、どうしてもという時は正直にお願いしてみてはいかがでしょうか?
妊娠中のダイエットに効果的な献立とは?
妊娠中は、病院でも厳しく体重をチェックされます。
ちなみに出産時の体重増加の目安は、普通体型の人で7~12kgと言われています。妊娠が10ヶ月なので、1ヶ月に1kg以下のペースで体重が増えていれば基本的には問題ありませんが、この数値をはるかに超えてしまった場合は、気をつけたほうがよいです。
妊婦さんはお腹の赤ちゃんのためにも無理なダイエットをする必要はありませんが、特に増えすぎた場合は今の体重を維持するつもりで行いましょう。妊婦さんが体重管理するためにできるダイエットのための献立を具体的に挙げます。
揚げ物など油ものは控える
妊娠中に油ものを食べ過ぎると、妊婦の肥満や高血圧症を誘発する原因になり、胎児への影響もないとは言い切れません。揚げ物がやたら食べたい、という妊婦さんもいますが、揚げ物は1週間に1度程度にとどめ、焼いたり蒸したりという調理法を選びましょう。
たとえばコロッケなどは、油で揚げるとカロリーが高くなりますが、少量の油をまぶしてオーブンで焼くと、油で揚げたような満足感を得ながらもカロリーが抑えられるので、揚げ物をする前に、代換え調理ができないか探してみるのもおすすめです。
和食中心の食事
和食は調理の過程で油をあまり使わないため、ヘルシーかつ栄養満点なので、妊婦さんの食事に最適と言えます。和食はごはんに魚、野菜を中心としたメニューになります。
ただし、和食にはしょうゆや味噌など塩分の高い調味料が使われます。塩分が多くなると妊娠高血圧症の原因にもなるので、減塩タイプのものを選んでおくと安心です。
おやつはヘルシーフードに
ケーキなどの洋菓子には脂肪分や糖分がたっぷり入っています。そのため、甘いものを食べたい場合は、カロリーが控えめの和菓子や果物などに置き換えましょう。プルーンやレーズンなどのドライフルーツは栄養もあるので、妊婦さんのおやつにぴったりです。
妊娠中の食事の注意点
妊娠中におすすめの栄養素や献立を見てきましたが、逆に妊娠中に食べてはいけない、または控えたほうがよい食事をご紹介しておきます。
- 生の食材
- 加熱しないチーズ
- アルコール
- カフェイン
加熱すると食べられるので、刺身やお寿司より、焼き魚や煮魚を食べるようにしましょう。またチーズも非加熱のため、気をつける必要があります。
カフェインも少量であれば問題ありませんが、取りすぎると流産や赤ちゃんの低体重のリスクが高まると言われています。妊娠中はノンカフェインを心がけましょう。
妊婦さんにおすすめのレシピアプリ
最後に、妊娠中の献立を楽にするために便利な献立アプリをまとめます。栄養バランスのとれた献立を一週間単位で提案してくたり、冷蔵庫の残り物を入力すると献立ができたりと、とても便利です。毎日の献立作りに悩んだら、チェックしてみましょう。
- クックパッド:食材を入力するとおすすめ料理がずらり
- コンダッテ:他の人の毎日の献立を見て参考に出来る
- ソラレピ:栄養士監修の栄養バランスよとれた献立を毎日更新
- Eレシピ:バランスの良い献立を365日毎日提案
- 食材管理人:冷蔵庫にある食材を在庫管理できるアプリ
1週間単位で栄養バランスのとれた献立作りを!
妊娠中にとりたい栄養素や食材を中心に、妊婦さんにおすすめの1週間の献立を紹介してきましたが、いかができたでしょうか?
栄養バランスばかりを気にして必死になることなく、今回紹介した1週間単位での栄養バランスの献立作りを参考に、快適な妊婦ライフを送っていただけることを願っています。

