赤ちゃんの頭にへこみ部分があるのはどうして?原因と心配すべき状態

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2017/11/29

赤ちゃんの頭のへこみをなでている様子

生まれたばかりの赤ちゃんは、頭の真ん中あたりがふにゃっとしてへこんでいることがあります。

抱っこをしていてつい頭を撫でた時に、へこみがあってびっくりした新米ママは多いのではないのでしょうか。

何かの病気?どうしてへこむの?と不安なお母さんに、新生児の頭にへこみが出来る理由を解説して行きます。

頭の骨が未発達のため、へこみができるのです

私たちの頭の骨、頭蓋骨は一個の骨ではありません。いくつもの骨が複雑に組み合わさったパズルのような構造をしています。

この頭の骨は、胎児期から徐々に成長しますが、出生後も発達するのです。生まれたばかりのころはまだまだ未完成なのです。

そのために骨と骨の間に無数の隙間が出来ています。一番大きな隙間の事を大泉門と言いますが、他にも小さな隙間が後頭部やこめかみにあります。

大泉門はおでこから少し上辺りにあって、触ってみると柔らかいので骨が無いのが分かります。

骨が無くても大丈夫なの?と思ってしまいそうですが、頭の骨が成長しきらないうちに生まれてくることには、理由があります。

それに骨が無い状態でも、脳は筋膜というもので包まれてしっかりと守られています。だからぷよぷよしていても心配いらないのです。

頭を小さくして産道を通るために、骨の間に隙間があるのです!

赤ちゃんは生まれてくるときにお母さんの産道を通って来ます。その時、頭が大きな状態では、上手く外に出る事が出来ません。

頭の骨がきっちりとはまっている状態では、産道を通り抜ける時に邪魔になります。ですが、骨と骨の間に隙間があると、骨同士が重なりあって頭部を小さくしてくれます。

こうして頭の形を変えて、コンパクトにすることで赤ちゃんはスムーズにお母さんのお腹から出ることが出来るのです。

生まれながらに備わった、おどろきの知恵なのですね。人間は生理的早産と言われる状態で生まれますが、そこには産まれやすくなるメリットがあったのです。

脳が大きく発達していくことを邪魔しない

もう一つ、新生児の頭蓋骨の隙間には意味があります。隙間があるということは、形状に遊びがあるということですね。

赤ちゃんは、身体が出産後めまぐるしく発育して行くように、脳もどんどん大きく成長していくのです。

人として発達していくことに脳の成長は欠かせません。機能が整っていくのに加えて、物理的な大きさも、どんどん増していくのです。

頭の骨がきっちりとはまってしまっている状態では、柔軟性がなく脳が大きくなろうとしてもゆとりがありません。

この状態のままで成長すると、小頭症などの深刻な症状になってしまうこともあります。小頭症は先天的な異常ですが、骨にゆとりが無いことが原因の一つになっています。

刺激したり、ゆすぶったりすることには要注意!

頭の骨が未発達なまま生まれてくるのには、人としての合理的な理由がありました。出生、発達のためには頭蓋骨に形態上のゆとりが必要だったのですね。

しかし、この状態は、脳が固定されていなくて、不安定なままなのです。お水の中にぷかぷか浮いているようなものだと思ってください。

この時期に、赤ちゃんがかわいいからと言って高い高いをしたり、抱っこをして揺さぶったりすることには要注意です。

強く揺さぶると、頭蓋骨の中で脳が動いてしまうので危険です。酷い場合には脳内出血が引き起こされます。

その影響で、視力低下、失明、聴覚障害、運動障害、言語障害、もちろん生命の危険に至ることも有るのです。

赤ちゃんがこんな様子をしていたら危険です。

  • ぐったりしている
  • 痙攣している
  • 長時間眠り続けている
  • ミルクを飲まない、飲んでも吐いてしまう
  • 顔色が暗く、血色が悪い

頭の骨は脳を守っているものですから、未発達ということは脳が無防備だと言うことです。新生児の頭部は慎重に、大事に扱いましょう。

頭のへこみが無くなる時期は個人差大!

頭の骨は徐々に成長して行って、お互いが自然にかみ合っていきます。それに伴って隙間も自然に閉じて行きます。

頭のへこみが閉じる時期は、個人差が大きいと言われています。おおむね1歳半~2歳の間に、閉じてなくなってしまいます。

乳児の1歳半検診の時に医師の診察を受けます。その時に、大泉門、小泉門が閉じているかどうかと触ってチェックしますので、異常があればその時分かります。

大抵は何の問題もなく骨同士が癒着して、その段階で脳の容積も月齢相応に大きくなっています。順調に成長していると言う事なので心配いりません。

頭のへこみが解消されない時に疑われる病気

赤ちゃんの頭のへこみは、早く閉じすぎるてもなかなか閉じなくても、病気の存在が疑われます。もちろん個人差はありますが、一つの目安として知っておいてください。

場合によっては一生続く病気や、脳や体に障害が残るものかもしれません。早めの病院受診が必要です。

1歳以前に大泉門が閉じ始めたら心配…

赤ちゃんの頭を撫でていると、骨の隙間である大泉門があるかどうか確かめられます。あまり刺激するのはよくありませんが、時折チェックは必要です。

1歳半ごろに閉じるのが普通の大泉門が、1歳より以前に閉じてしまっていることも有るかもしれないからです。

大泉門が早く閉じる時に疑われる病気です

  • 小頭症
  • 狭頭症
小頭症
数千人1人の赤ちゃんに見られる疾患。母体のアルコール依存の場合に良く見られるほか、ジカ熱との関連も研究されている。

頭が小さくなってしまう奇形。根本的な治療法が未だ見つかっていない先天性の疾患。

成長後も身体が上手く機能せずに手足に障害が残ったり、寿命が短いなどの弊害がある。

狭頭症
小頭症と同じ病気と考えらえていたが、こちらは後天的な原因があるので厳密には違う疾患。

小頭症と違って脳の機能は正常に発達していくので、頭蓋骨の切開手術をするなどして脳が大きくなるゆとりを作ることで解消に向かえる。

このような病気が疑われます。治療が出来ない小頭症と比べて、狭頭症の場合は早めの対応が求められます。病院でCTを受けてみましょう。

頭の隙間がなかなか閉じない時に疑われる病気

赤ちゃんの頭の隙間がいつまでたっても閉じず、2歳以降も開いている場合は、様々な病気の徴候である可能性があります。

それはどのような病気なのでしょうか。治療が必要な場合、早く受診しなくてはなりません。1つ1つ見て行きましょう

くる病
くる病とは、ビタミンDが欠乏することによって起こる骨の石灰化症状。乳幼児には、骨格異常という形で現れる。

最近日本でも発症例が多く、妊婦さんのビタミンD欠乏が胎児に影響していると言われている。

甲状腺ホルモン欠乏症
先天性甲状腺機能低下症とも言う。生まれつき甲状腺ホルモンが上手く働かない病気。

出生後も黄疸が酷い、ミルクを飲む力が弱い、体重の増え方が悪い、泣き声が小さくかすれているなどの症状が見られる。

脳炎、髄膜炎、脳腫瘍
代表的な脳の疾患。いずれも脳が細菌感染を起こしていたり、悪性の腫瘍が出来ているなど、症状は重篤。

判断の基準として、赤ちゃんが嘔吐を繰り返して止まらないことが挙げられる。

こうした深刻な病気が隠れていることもあるので、赤ちゃんの頭の形状には常に気を配っていましょう。

頭のへこみは普通のこと。でも病気の兆候には気を付けて

赤ちゃんの頭のへこみには、産まれやすくなるため、脳を成長させるためなどの意味がありました。

へこみ自体はどんな赤ちゃんにもあるもので、異常なことではないので心配しないでくださいね。

ただし、閉じる”時期”によっては病気や障害が隠れている可能性があります。早くても遅くても心配です。

あまり刺激するのはよくありませんが、お風呂に入るときなど、へこみの具合いはどうかな?と優しくチェックしてみてください。

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