把握反射とは?手と足それぞれ、ぎゅっと握ったり丸まる姿が可愛い!

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2018/03/03

把握反射をしている赤ちゃん

生まれたての赤ちゃんがママの指をギュッと握っている、可愛い写真を見たことはありませんか?

「我が子が生まれたらやってみたい!」「やったことがある、幸せだよね!」というママも居らっしゃいますよね。

とても愛らしく嬉しいシーンなのですが、実はこれは、原始反射のひとつ“把握反射”というものであることをご存知でしょうか?

無意識(反射)であってもやっぱり嬉しい、把握反射について詳しく見ていきましょう。

把握反射は手・足それぞれに出現!指をギュッと握る反射

把握反射は、「はあくはんしゃ」と読み、指をギュッと握る原始反射のことを指します。

把握とは、私たちが日常でよく使う「状況を把握(≒理解)しました」といった意味の他にも、「ものをしっかりと掴む」という意味があります。指で何かをギュッと掴む仕草をするので、把握反射なのですね。

そして指は、手足それぞれにありますよね。把握反射も、手足それぞれに起こる反射なのです。

  • 手掌把握反射(しゅしょうはあくはんしゃ)
  • 足底把握反射(そくていはあくはんしゃ)

分けるとそれぞれこのように呼ばれ、冒頭で述べた「赤ちゃんがママの指をギュッと握る」反射は、厳密には手掌把握反射となります。

手足・それぞれに意味や特徴があるため、それぞれ分けてチェックしてみてくださいね。

手の把握反射は身を守る基礎となる反射!握る仕草を何度も見てみたくなる

指等で赤ちゃんの手に刺激を与えると、軽い刺激でもギュッと手を握る反応を見せてくれます。

この「無意識のギュッ」が手の把握反射であり、指以外でもペンや“にぎにぎおもちゃ(ベビートイ)”等も、細長いものをギュッと握りしめるのです。

この動きは無意識ではあるものの、赤ちゃんが自分の身を守るための大切な動きとして、生まれる頃には備わっているのです。

また、「“母乳やミルクを吸啜する(吸いつく)”という赤ちゃんにとって自然であることを続けることで、手の把握反射が促進していく」ということも研究によって明かされています。

手の把握反射の出現と消失時期!反射消失後もものを握る仕草は異なる意味を持つ

手の把握反射は、赤ちゃんがまだママのお腹の中にいる頃(28~32週頃)に出現しはじめます。よって、生後間もない赤ちゃんにも、把握反射が見られます。

赤ちゃんが正常に育っていくと、生後4~6ヶ月頃にはこの把握反射は見られなくなっていきます。

しかし、その後も赤ちゃんはママの手やおもちゃを握りますよね?「反射が消えていない…おかしいのでは?」と心配になるかもしれません。

しかし、特に指摘を受けていなければ大丈夫です!私たち大人も物を握ったり掴んだりするように、この頃以降の赤ちゃんがものを握るのは、「反射という無意識」ではなく「意識的に」握るように、ステップアップをしているのです!

手の把握反射がおかしいと脳障害も気になる!早めに相談を

赤ちゃんのてのひらに刺激を与えても、全く反射が起こらない、またはとても反射が弱く感じる。
または、握ったものを一向に離そうとしない、消失していない気がする(生後半年経っても“意識的な動作”とは考え難い動きがある)。

このように、手の把握反射に異常が感じられる場合には、赤ちゃんの脳や上部脊髄に何らかの障害がある可能性があります。

おかしいと思った際には、早めに医師等専門家に相談をするようにしましょう。

足の把握反射は、足の指を力強く内側に曲げる!「サルの名残」が興味深い反射

次に、足の把握反射(足底把握反射)についてです。手と似る部分、異なる部分があるため、それぞれ分けて考えておくと良いでしょう。

指を内側に曲げる反射!“バビンスキー反射”とは指の動く方向が逆

足の把握反射は、赤ちゃんの足底(足の裏)を刺激すると足の指を力強く内側に曲げる反射です。

足の裏の外側をスーッとなぞると指がパッと開く“バビンスキー反射”とは異なりますので、混同しないよう要注意です。

バランスを取っていく等正常な発達に必要な反射!その歴史は深い…

神経や足の正常な発達の確認に重要なこの反射ですが、実は遠い昔人間がサルだった頃の、「サルが足指を踏ん張ってって母親から落ちないようにしていた名残」とも考えられています。

まさに、興味深い(時代からもそう言える)“原始反射”ですね。

足の把握反射の出現・消失時期!手よりも消失時期は遅め

足の把握反射の出現時期は、手と同じく在胎時(28~32週頃)です。ママのお腹の中でも指をギュッと曲げているのを想像すると可愛いですね。

そして、足の把握反射が消えていく時期は、手よりも遅く生後9~10ヶ月頃です。

手同様、大きくなった子供や大人が床にあるものを足で拾い上げたりするのは、反射ではなく意識的な行動ですね。

この足指でものを掴む行動はまだ0~1歳程度の子供にはできませんので、1歳近くなっても足に何かが触れた際に指が内側に曲がるようであれば、反射が残っている可能性が高いでしょう。

足の把握反射が出現・消失しないと、一人歩きに支障が出ることも!早めに相談を

足の把握反射が適正な時期に出現・消失していない場合には、(手同様に)脳や上部脊髄の障害を疑うとともに、頭蓋内出血等深刻な事態に陥っている可能性もあると考えられます。

足の把握反射がいつまでも続く場合には、足の裏に刺激が加わるたびに指が曲がることとなるため、床に足をつけること自体が困難になってきます。

そうなると、つかまり立ち・伝い歩き・一人歩き、といった“歩く”に向けて上手く発達していくことができません。また、軽度の場合でも転倒をしやすい等のリスクがあります。

足の把握反射が出現しない、いつまでも消失しない場合には、早めに医師等に相談をするようにしましょう。

写真や動画に撮っても愛おしい把握反射!小さな手足の力強い握りを思い出に

手や足の指が刺激に反応してギュッと曲がるこの把握反射は、これを知った時にママは「なんだ、私を求めてくれているわけではないんだ…」とがっかりしてしまうかもしれませんね。

しかし、そうではありません!たしかに「ギュッ」という握り自体は反射ではありますが、赤ちゃんはその力強く握った手から、ママのぬくもりや優しさを感じ取っているのです!

しわしわで、たった一本の大人の指より小さくやわらかい、新生児の手。でも、一生懸命生きてママを愛している、守ってあげたい可愛い手。

今だからこその、この把握反射の愛おしい仕草は、確認をするだけでなくぜひ写真や動画に収めて、パパやママの大切な思い出にしてみてくださいね。

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