分娩時間はいつからいつまで?長すぎる・短すぎることのリスク

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2018/07/17

オリンピック女子柔道金メダリストの谷亮子さんは、初産で分娩室に入ってから約1時間での安産だったそうです。

やはり、アスリートや普段からしっかり運動している人は、分娩時間も短く安産になりやすいのでしょうか?

お産が長引きすぎても、短すぎても赤ちゃんやママにリスクがあります。分娩に掛かる詳しい時間や内容、適切な運動が安産につながる理由などを紹介していきます。

分娩時間はいつからいつまでをカウント?

初めて赤ちゃんを産む人と、赤ちゃんを産んだ経験がある人では、分娩にかかる時間が異なります。

平均では、自然分娩で初産の場合は、所要時間は12時間から15時間、経産婦の場合は、6時間から8時間ほどと言われています。

二人目以降の経腟分娩では、産道が出来ているため掛かる時間の平均も短くなります。

分娩時間は、第一期・第二期・第三期と3つの期に分けられます。それぞれの期ごとの詳しい内容や所要時間、流れを見ていきましょう。

陣痛が10分間隔になったら、分娩時間のカウントスタート

陣痛が規則正しく10分間隔で起こり、そのまま間隔が短くなっていき出産まで進めば、その本陣痛の開始が分娩時間のスタート時間とみなされます。

この分娩第一期は、初産の場合は10時間~12時間、経産婦の場合は4時間~6時間ほどです。

子宮口が3㎝ほど開くと、陣痛間隔が10分程に規則正しくなってきます。この第一期が長丁場となります。

陣痛が遠のいたり、10分間隔だったのが広がっていってしまった場合は、一旦分娩時間のカウントもリセットされます。

分娩時間にカウントされない前駆陣痛が長かった場合などは、母子手帳に書かれる分娩時間のわりに、苦しんだ時間が長かったように感じるかもしれませんね。

分娩第二期は子宮口全開から赤ちゃんの誕生まで

子宮口が10㎝の全開大になってから、分娩台に誘導されて赤ちゃんを出産するまでが分娩第二期です。

初産で1時間~2時間、経産婦で30分から1時間ほどです。

胎盤が出て分娩時間のカウント終了

分娩第三期は、赤ちゃんが誕生してから胎盤が出て来るまでです。医師・助産師が、下腹部を押すなどの介入をして胎盤を出す場合、初産・経産婦とも大体30分以内に終わります。

帝王切開の分娩時間はどれくらい?

経腟分娩の所要時間を見てきましたが、帝王切開の場合はどうでしょうか。以下の流れで、帝王切開が行われます。

  1. 麻酔
  2. 切開
  3. 赤ちゃん誕生
  4. 胎盤の娩出

何事もなければ、手術に掛かる時間は1時間ほどです。経腟分娩に比べて、時間は短いですが術後の回復には時間がかかります。

切迫早産だと分娩時間は短くなるの?

妊娠22週から36週の間での出産となる早産。お腹の強い張りや子宮頚管が短くなるといった症状が出て、早産しかかっている状態の切迫早産では、分娩時間は短くなるのでしょうか。

子宮口が開いてきている時や、子宮頚管が短くなっている時は、入院して子宮収縮を抑える点滴を行い、安静に過ごします。

正産期に入り早産の心配がなくなり、子宮収縮を抑える薬を止めた途端に陣痛が来たという人も結構いるようです。

切迫早産では、子宮口が開いてきているので、陣痛がきてから出産までの時間が早くなるという人もいますが、個人差があります。

赤ちゃんが正産期よりも早く生まれそうになる早産傾向にあっても、適切な処置を受けて正産期での出産を目指します。

生まれる時期が早まりそうになっても、分娩時間が必ずしも短くなるというわけではないようです。

経産婦の分娩時間が短くなる理由

先にも述べましたが、初産の場合に比べて出産経験のある人の分娩時間の平均は、6~8時間と半分位になります。

初産の場合は陣痛が10分間隔で病院への連絡を入れますが、お産の進みが早いので、経産婦では15分間隔での連絡となります。

前回の出産で赤ちゃんの通り道が出来ていているので、子宮口も開きやすく、分娩時間も短くなります。

また、1度出産を経験していると、先に起こることが分かっているので、冷静でいられます。

緊張したりストレスを感じたすることは、お産の進みに影響を与えます。落ち着いて出産を迎えられることも、分娩がスムーズにいく要因となるようです。

分娩時間が短すぎる・長すぎることのリスク

難産やトラブルでお産の時間が長引くことを、分娩遷延と言います。

初産婦の場合は30時間、経産婦の場合は15時間以上かかると、分娩遷延とみなされます。

陣痛が弱い状態が長引き子宮口が開かない微弱陣痛、胎児が子宮の中で頭をうまく回転させられず出てこれない回旋異常などの原因があります。

分娩時間が短すぎると出血多量のリスクが

初産の場合は、10分間隔で陣痛が来たら、病院へ連絡するように指導されている所が多いと思います。

陣痛が強く子宮口の開きが早すぎると、病院へ着く前に生まれてしまうという危険性があります。スピード出産というと楽にポンと生むイメージがありますが、リスクも孕んでいます。

もし病院以外の場合で赤ちゃんが生まれてしまった場合は、落ち着いて救急車を呼ぶ必要があります。

赤ちゃんを産んだ後は、子宮が収縮することで出血が収まっていくのですが、分娩時間が早すぎると、上手く収縮してくれずにママが出血多量に陥るリスクがあります。

これは分娩が長引いた場合にも起こりうるリスクでもあります。

分娩時間が長引くと促進剤や帝王切開の選択も

分娩時間が長引く理由としては、微弱陣痛が長引いて子宮口がなかなか開かないことがあります。

長い場合は2日、3日も掛かり、いつまでも微弱陣痛が続くとママの体も消耗してしまうので、医師の判断で陣痛促進剤が使われることとなります。

また、陣痛の途中で赤ちゃんが下りてこれなくなり、お産が長引いたりストップすることも起こりえます。

赤ちゃんが、酸素不足など危険な状態になるので、緊急帝王切開の処置が取られることもあります。

妊娠中に適度な運動をすることのメリット

妊娠中に、ママの調子に応じて適度な運動をすることで、次のようなメリットが得られます。

出産に耐えうる体力がつく

出産は長丁場で体力勝負です。長い分娩第一期が終わり、いざ分娩台へ上り出産となった時に、しっかりといきんで赤ちゃんを産むためにも、適度な運動で体力をつけておくとよいですね。

骨盤回りの筋肉がしなやかになる

意外と陣痛の痛みは、骨盤や腰回りにきます。骨盤、股関節に相当な負担が掛かるので、運動することで筋肉をしなやかにすると、お産の負担も軽くなります。

体が温まり筋肉がほぐれる

運動をすることで、基礎体温も上がります。冷えは、筋肉を固くします。産道や腰回りの筋肉が固いことが、難産の一因ともなります。妊娠中は、体を冷やさないことが大切です。

体重を適正に保つ

妊娠中に体重が増えすぎると、赤ちゃんが取る産道にも脂肪がつきすぎて、お産に時間が掛かる原因となります。

ウォーキング、マタニティヨガ・スイミングなどで体を適切に動かすことで、体重の増加を適正範囲に保ち、スムーズで安全なお産につながるのではないでしょうか。

運動をしている人の出産時間

冒頭で谷亮子さんの例を出しましたが、参考までに他のアスリートの人はどのような出産を体験されているのでしょうか。

テニス選手の杉山愛さんは、初産で分娩時間が6時間33分、分娩室に入ってからは35分位で出産されたそうです。経産婦と同じくらい早いですね。

バレーボール選手の荒木絵里香さんは、初産で分娩時間が16時間だったそうです。スピード出産ではないですが、初産にしては早いです。

弱い陣痛が続いて子宮口が開かない時には、助産師さんが階段の昇降を勧めることもあり、階段の昇り降りやスクワットをしてお産をすすめたという話も聞きます。

普段から運動をする習慣がない人でも、体調が良ければ妊娠中に適度な運動をすることは安産を目指すためには重要と言えます。

出産は赤ちゃんとの共同作業

陣痛のメカニズムは不思議で、赤ちゃんのシグナルにより始まり赤ちゃんのペースで進んでいきます。

安産といわれる出産時間を目指したいですが、出産に時間が掛かっても、赤ちゃんが自分のペースで頑張ってくれていると考えると、長引くお産を乗り切れる気がします。

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