保育園への保護者クレーム対応にはコツがある!円満解決のポイント

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2018/08/29

保育士は子どもの成長を直に見ることができ、とてもやりがいのある素敵な職業です。しかし、現場での仕事は大変なことが多いのも事実。

そのひとつが保護者からのクレームです。クレーム対応に悩む保育士さんは意外と多いのではないでしょうか。

そこで、実際にあった要求やクレーム、クレームを減らすために日ごろどういったことに気を付けると良いかをカウンセリングの技術も交えて紹介します。

日々の保育に役立てていただけたら嬉しいです。

色々なタイプの方がいる!保護者対応はとても難しい…

保育士の仕事は子どもを保育するだけではありません。保護者対応も大切な仕事ですよね。

しかし、保育士も人間なので、「この保護者は苦手だな…」と思うこともあるのではないでしょうか。

子どもは大好きだけれど、保護者対応に苦戦して保育士を辞めたくなる人もいるでしょう。

どんなタイプの保護者が保育士を悩ませるのでしょうか。また、何も言ってこない保護者を「この保護者は安心!」と安易に考えるのは危険です。

行き過ぎた干渉や放任主義の保護者は意外と多い

保育の現場に出ていたときに感じていたことがあります。

それは、「過保護すぎる親」と「放任すぎる親」という両極端な親が多いということです。

保育園や保育士に対して様々な要求をどんどん突き付けてきて、保育士は振り回されてしまいます。そんなことを言われても困る…と思ったことのある保育士も多いのではないでしょうか。

また、二極化している親の中には、うつ病などの精神疾患や、発達障害、またその両方をあわせもっている親もいるのです。

その場合、保育士が意図していることが伝わらずにトラブルに発展することがあり、保育士は神経が擦り減るような気持ちになってしまいます。

クレームを言わない保護者も、油断できない!

保護者は日ごろ保育園や保育士に不満を持っていたとしても、実際にはクレームをつけることは少ないです。

クレームを言うことによって、保育士と保護者間がぎくしゃくし、その結果預けている子どもが何かしらの不利益を被るかもしれないと考えるからです。

保育士が保護者との関係を円満にしたいのと同じように、保護者も大切な我が子を預けるからこそ保育士と良好な関係を望むのです。

逆に言えば、クレームを言うということは、その不満が溜まって耐えきれなくなったということです。不信感が募った結果、クレームにつながります。

保護者から実際に言われた要求やクレーム

保護者からは保育園にどんなことを言ってくるのでしょうか?実際にあった話を紹介します。保育士なら経験した人も多いかもしれません。

トイレトレーニングを丸投げ

これは、筆者が保育士として実際に経験した話です。「保育園でトイレトレーニングをしてください」と言う保護者がいました。

トレーニングパンツを持ってきていただくようお願いしても、持ってくる日もあれば忘れる日も多くあって、困りました。

トイレトレーニングは保育園だけで行うのではなくて、家庭での協力も必ず必要なのにもかかわらず、家庭では一切してくれず…。

それではトレーニングが進むわけありませんよね。しかし、保育士に責任がある!という主旨のことを言われることがありました。

保育園と家庭とが連携できていないことは、子どもにとってもよくありません。パンツをはくこともあれば、おむつの日もあり、混乱を招いてしまっていたのです。

こちらは何でも保育園に任せてしまう典型的な放任タイプの親でした。

よその子ばかり!我が子を見てくれていない!

これは保育士仲間から聞いた話です。あるとき保護者から、「〇〇ちゃんばかり可愛がって!うちの子はちゃんと見てくれているのですか?」と言われたそうです。

特定の子どもをひいきして我が子は構ってもらえていない、我が子がかわいそうと思っていたのです。

現場では、手がかかる子がいて、そちらにどうしても気がとられることがあったようです。そして、その様子は保護者からみると、えこひいきをしているようにうつったのでしょう。

同い年といっても月齢によって発達の度合いは変わりますし、個人によっても大きく違いがありますよね。

もちろん、私的な感情で特定の子どもを可愛がることはいけませんが、こういうケースは現場では少なからずあります。

保護者の誤解を解くように誠実に説明しなければいけませんが、保護者が少し過保護かな?と言えるかもしれません。

新人保育士は心配…

若い先生という理由だけで保護者に不安を持たれることや、頼りないと思われることがあります。

たしかに経験不足で、子どもをうまくまとめることができなかったり、子どももベテランの先生の言うことは聞いてくれるのに自分だが言うと聞いてくれない…ということがありますよね。

そういった、あたふたしている姿などを見られると「ほら、だから新人は…」となってしまうのです。

あるとき、筆者が担当している子の保護者と話をしていて、子育てについての相談に乗っていたのに途中で「○○先生はいますか?」と別の先生と話したいと言われたときはやはりショックでした。

ケガさせるなら辞めてほしい

保育士として働いていると、園児同士のトラブルはよく目にします。特に、月齢が小さいと言葉でコミュニケーションが取れないので、つい手がでてしまいます。

おもちゃの取り合いになって思わず噛みつくといった行為は、集団生活をしている以上、起こることです。

普段から気を付けて子どもの様子を観察していても、噛みつくのはほんの一瞬のことで咄嗟に防ぐことができない場合があります。

こういったトラブルはどちらか一方だけが100%悪いということはありません。噛みつきを「された側」の子どもも押したり叩いたりなど手がでていたり、お互い様なのです。

しかし、「した側」のことは保護者に言わない方針の園も多く、保護者は一方的に我が子を傷つけられた、と怒りをぶつけてきます。

そして「あの先生は信用できない。辞めてもらいたい。」と訴えてくる現実に保護者がいます。

もちろん保育中に起こった出来事なので保育園に責任があり、ことの経緯と誠意を込めた謝罪は必要です。

しかし、保護者の中には「保育料払っているんだから、ケガを一切させないのは当然!」と消費者の感覚でいる人もいます。

発表会の配役に異議あり!

こちらも過保護な親の例です。「うちの子はセリフが少ない」と言ってきた保護者を知っています。

その園での配役の決め方は、本人の希望を聞いて、人気の役はじゃんけんするという形をとっていました。

どの役にも見せ場があるように工夫していて、極端に違いがないように配慮していたのですが、苦情を言われてしまいました。

どの保護者も我が子が可愛くて、目立った役をしてほしいと願う気持ちは、筆者も保護者の立場として分からなくはありません。

しかし、セリフの量に対して目くじらを立てるよりも、我が子が発表会に向けて一生懸命練習している姿、本番しっかり頑張っている姿に目を向けてみる方が良いと感じます。

クレーム対応の際に、気を付けるポイント

クレーム対応をする際に、気を付けておくべきポイントがあります。このポイントを押さえておくと、二次クレーム予防策になりますよ。

保護者の話をしっかり聞く

保護者の話を最後まで聞くことです。話している途中で、割り込んで話してはいけません。

どんなに途中で自分が話したくなっても、そこはグッとこらえて耳を傾けてください。そして相手の気持ちを一旦受け入れることが大切です。

相手の感情に振り回されて、こちらまで感情的になってしまうことのないように冷静さを保ちましょう。

話し終えてから、保護者が誤解をしていることがあるならきちんと説明しましょう。

否定は絶対にしない!

否定的な言葉を使用しないことです。

「でも」「それは違います」といった否定は、相手の感情を逆なでしてしまい、余計に怒りをかってしまいます。

ただでさえクレームを言っているときはイライラしている状態のはずなので、それをヒートアップさせてしまうような発言はやめましょう。

具体的に対応策を伝える

保護者からクレームを言われて、ただ謝るだけではなんの解決にもなりませんし、保護者も納得できません。

改善できそうなことであれば、すぐに実践します。かといって、保護者の要求を全部受け入れる必要もありません。

無理難題を言ってくる保護者もいますので、当然お断りする場面もあるでしょう。その際は後に説明しますが、言葉を選んで伝え方に気を付けます。

クレームを最小限に!クレーム対策のために日ごろからできること

できれば、クレームをできる限りなくしていきたいですよね。そのためには、日ごろの振る舞いが大切になってきます。

普段から、これから紹介することを意識してみてくださいね。

保育士としての基本的な姿勢

基本中の基本ですが、自らすすんで挨拶をすること。そして笑顔を忘れずに。保育士に限らず社会人として当たり前のことなのですが、できていない保育士も現にいるのです。

挨拶すらできないようでは、保護者の信頼を得ることはできません!

目を合わせてくれなかったり、挨拶を返してくれない保護者もいますが、めげずに毎日挨拶しましょう。

毎日続けていれば、日がたつにつれて、挨拶を返してくれるようになることだってありますよ。

そして大切なお子さんを預からせていただく、という姿勢でいることが大事です。特に最初は、預けることに対して不安を持っている保護者は多いです。

保育園に通わせて良かったと保護者が感じるかどうかは、園での過ごし方と保育士の対応次第といえます!

連絡帳に必ず目を通す

朝連絡帳を預かったら、目を通しましょう。保護者が記入してくる家での様子を知ることで、その日どういったところに気をつけて保育をすれば良いかが見えてきます。

日々子どもの体調や様子は変化します。きちんと読んで、その日に見合った細やかな保育をするようにしましょう。

保護者が連絡帳に子育ての悩みを書いてくることもありますよね。その場合は、それに対する返信が必要です。

また、連絡帳に一日の様子を書くときは、ネガティブなコメントを書かないようにしましょう。連絡帳は使い終わってからも残しておく保護者は多いです。「こんなことができるようになりましたよ」など成長ぶりも添えると良いですね。

後々読み返したときにほっこりするような明るい内容が望ましいといえます。

丁寧な言葉遣いをする

乱暴な言葉を使うことは絶対にNGです。子どもが通っていた保育園に思わず耳を疑ってしまうような言葉を使う先生がいました。

正直気分が悪くなるだけでなく、子どもが同じように乱暴な言葉を覚え、使いだしてしまうことへの抵抗感も強かったです。

また、子どもを呼び捨てにしたり敬語を使わない保育士にも実際に出会ったことがあります。「親しみを込めている」つもりなのかもしれませんが、嫌悪感を持つ保護者も多くいます。

呼び捨てや、ため口を使う保育士は意外とベテランが多いです。園全体として呼び捨てやあだ名を禁止し、敬語をきちんと使うよう徹底しているところも多いです。気をつけましょう。

勤務中だけでなく、普段から丁寧な言葉を使うようにしておくと安心です。

子どものお手本となるような言葉遣いが保育士には求められます。

伝え方をひと工夫する

伝え方ひとつで、受け取り方も大きく変わってきます!

「アサーション」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。アサーションとは、自分も相手もどちらも尊重しながらも自己表現をするコミュニケーションスキルのことです。

保育現場では、アサーションを用いると、様々な場面で役立ちそうです。

例えば、保護者が停めてはいけない場所に自転車を停めている場合、「お断り」しなくてはいけませんよね。そのときに保護者の人格を否定するような発言は決してしません。

「急いでらっしゃるのですね、それはお疲れ様です。次回からは○○に停めてくださるとありがたいのですが、お願いできますか」

と伝えると、保護者が嫌な気持ちになることは少ないでしょう。

他には、「お願い」をする場合も同様です。登園してくる子どもの中には、まれにオムツを前夜から替えていないだろうなと思える子がいます。

「親なんだから、家を出る前にちゃんとオムツ替えてください!」などと保護者を非難しないことです。

「あなたを尊重しています。できる方だと信じているから伝えています」というメッセージを込めます。

無理のない範囲で協力をお願いしますねと、ハードルを低めにしておくのもポイントです。

アサーションは、保護者対応のときだけでなく、同僚の先生に対して使うと職場内の人間関係も良好に保てますよ。

また保育士は、保育の専門家として保護者にアドバイスを送ることもありますよね。

いくらアドバイスが適切であったとしても、伝え方を誤ると耳を傾けてくれるどころか、不快な気持ちにさせてしまいます。

「それは間違っています」「こうした方が良いです」などという言い方ではダメです!

もし保護者が「はい、そうですか」「分かりました」とアドバイスを受け入れたような反応だったとしても、本音では納得していないことが多いです。

実際、受け入れてくれるどころか、反発されることの方が多いでしょう。

YOUメッセージではなく、Iメッセージで伝えてみて!

伝え方に問題があるのです。アドバイスの主語が「あなた」になっているからです。これは「YOUメッセージ」と呼ばれています。

「あなたは間違っています」「あなたはこうした方が良いです」と言っているのと同じなのです。それでは、自分が否定されたような気分になりますよね。

一方、「Iメッセージ」といって、「私」を主語にすると印象がガラッと変わります!

「そのやり方ではうまくいくか心配です」「こうするともっと良くなると思います」といった感じです。

これは「私」が主語になっています。同じ内容を伝えているのに、こちらの言い方の方が、相手に受け入れてもらいやすいでしょう。

「Iメッセージ」で伝えることをおすすめします!

一日の様子をしっかり伝える

どんなに小さな出来事でも伝えておくことが大切です。

保護者は子どもが保育園でどう過ごしているのか直接見ることができないので、どういう一日だったのかな?楽しく過ごせたのかな?と気になっているものです。

些細なことでも、報告を聞けた保護者は嬉しいのです。

また、ポジティブな内容だけを伝えていれば良いというものではありません。例えば、遊具で頭をぶつけてしまった、というようなケガした場合は必ず報告しなければなりません。

この程度なら報告しなくて良いか…と考えてはいけません。

報告を怠ると後々大変なことになる場合があります。

お迎えにきたときに、必ず一番に伝えましょう。保護者に「ここどうしたの?」と聞かれてからでは遅いのです。聞かないと教えてもらえないんだ、と保護者に思われてしまうと、保育士への不信感が高まっていきます。

また、そのときに重要なのがただ事実を報告するだけではなく、どう対処したのかを説明すること。

「ぶつけたところを冷やしておきました」などの言葉を伝えることで、きちんと対応してくれた、と安心感につながります。

聞き上手を目指す

悩みを持っている保護者がいれば、しっかりと耳を傾け、話を聞くようにしましょう。

相談するときは、心の中に「共感してほしい」「気持ちを分かってほしい」という思いを持っている人がほとんどではないでしょうか。

そんなときに、「こうするべき」といきなり解決策を提案したところで、相談した側の気持ちはスッキリするでしょうか?

きっとモヤモヤした感情が残ることでしょう。なぜなら、気持ちに寄り添っていないからです。

「わかりますよ」と気持ちに共感しているという姿勢を見せると、「ちゃんと聞いてもらえた」と満足感を得るものですよ。

それから、相手の目を見て頷きながら、適度にあいづちをすることでも話を聞いていますというメッセージを示すことになります。

ただし、あいづちは弱すぎても「本当に聞いているのか?」と思わせてしまいますし、オーバーにしても相手からすると良い気分にはならないので注意が必要です。

難しいですが、「ほどよい加減」であいづちを打つようにしてみてください。

あいづちにもいろいろバリエーションがあります。「はい」「へぇ」「なるほど」など状況に応じて使い分けることをおすすめします。

身近な人に聞き上手の人がいれば、その人を参考にするのも有効です!

聞き上手になれば、保護者もどんどん心を開いてくれるはずです!

勇気づけも大切

人はつい欠点に目がいきがちです。長所より短所の方が目につきやすいかと思います。しかし、欠点を指摘されればされるほど、気分は萎えてしまいますよね。

反対に、褒められると嬉しくなるものです。

保護者の「良いところ」「頑張っていること」を見つけて、伝えてみてください。

どんな保護者でも、良い点は必ずあるはずです!

「○○なところ、素敵です」などと勇気づけると、保護者は心が満たされますし、保育士に対する信頼度も上がるでしょう。

それから、感謝の言葉を伝えるのも、勇気づけになります。提出物を期限内に出してくれた、など当然のことであっても「ありがとうございます」と感謝の言葉をかけるようにしてください。

保護者の子育てに対する意欲も上がるかもしれません!

信頼関係を築くことができれば、クレームは減少!

信頼関係はすぐに構築できるものではありませんが、日ごろから積極的にコミュニケーションを取っていれば、少しずつ信用してくれるようになるはずです。

双方に時間の余裕がありそうなときには世間話などもしてください。

この先生は子どもをちゃんと見ていてくれている、相談にも親身になって乗ってくれる、と保護者が感じるようになれば、必然的にクレームの数は減るでしょう!

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