男性不妊の割合は意外と多い…男性不妊のと原因と種類

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2016/10/09

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結婚し、そろそろ赤ちゃんがほしいと思っても、なかなか授かれないカップルは少なくありません。不妊は女性が原因と思われがちですが、実は男性不妊も増えてきているんです。

現代では、不妊治療が必要とされるカップルは10組に1組ともいわれ、約半分の割合で不妊症の原因の男性にあるとも言われています。

ここでは、男性不妊の原因や統計的な割合を見ることで男性不妊についての理解を深めていきましょう。

約半分は男性にも原因がある…男性不妊の割合

古くから日本では、不妊と聞くと、女性に問題があると思われることが多いのですが、男性にも問題があることがあるのです。

不妊の割合を男女別にみて見ましょう。

【不妊症原因の割合】

女性のみに原因がある・・・41%
男性のみに原因がある・・・24%
男女ともに原因がある・・・24%
原因不明・・・・・・・・・11%

引用…WHOによる不妊症原因の割合大阪リプロダクションクリニック

この結果からも分かるように、不妊原因に男性が関係している割合を合わせると、48%の割合で男性側に問題があると言えます。

不妊症は女性だけの問題ではないということを再認識し、夫婦で治療を進めていきましょう!

精子は精細管でつくられる!男性の生殖の仕組み

不妊の原因を知るためには、まずは正常な生殖の仕組みを知っておく必要があります。

もともと精子は、陰嚢の中の精巣(睾丸)でつくられます。精巣内にある精細管という細い管の中で精子のもとになる細胞が生まれ、段々と成長していきます。

成長した精子は精巣上体で運動する機能や受精する能力を高め、射精の時には、精路を通って尿道に出ていきます。

この精子形成の過程や精子の通る道に問題があると、妊娠しにくくなってしまうのです。

急性精巣上体炎や子供のころの鼠径部や腹部の手術が原因になり、精子が通りにくくなることもあります。

意外と簡単にできる!男性の不妊検査

女性に問題が見つからなかった場合、今後の治療を進めていく上でも、男性の検査は必要不可欠です。

また、不妊原因の約半分が男性にあるという統計からも、男性の検査の重要性が分かります。まずは、気負いせずに検査を受けてみましょう。

  • 男性が行う検査の種類
  • 検査内容によって大きく変わる!検査費用
  • 男性不妊専門の病院は意外に少ない…不妊検査は泌尿器科や婦人科で

これらの項目に分けて、詳しく見ていきましょう。

男性が行う検査の種類

問診

病院によって問診のやり方は様々ですが、多くの場合は問診票の質問事項について答えて、その後、医師と直接話しをしていきます。

年齢や職業、おたふくかぜや精巣・鼠径ヘルニアの手術の有無、前立腺炎、糖尿病などの質問があります。

プライベートな内容も含まれますが、不妊治療には欠かせないことなので、正直に答えるようにしましょう。

現在服薬中の薬や飲酒・喫煙なども造精機能に影響を与える可能性があるので、きちんと把握しておくようにします。

視診・触診

精巣サイズや手術痕などの有無、精巣の固さや皮膚の様子を診察します。

この検査によって、カンジダ症やガン、精索静脈瘤などの病気を発見することができ、不妊原因の特定につながります。

精液検査

マスターベーションで採取した精液の量や状態を顕微鏡で観察する検査です。

【精液検査の基準値】

精液量・・・・・1.5ml以上
精子濃度・・・・1500万/ml以上
総精子数・・・・3900万以上
運動率・・・・・40%以上
正常形態率・・・4%以上
総運動精子数(総精子数×運動率)・・・1560万以上

基準値を参考に、精子の数や精子運動率を調べます。精子の状態によっては治療や人工授精、体外受精などステップアップを勧められることもあります。

その他にも、精液の色や粘度を見たり、詳しい検査を行っていったりすることで、病気などを見つけることができます。

正常の場合は、精液の見た目は乳白色で不透明になりますが、無精子症の場合は見た目が透明になり、白血球が混ざる膿精液症では黄色、血液が混じる血精液症では茶褐色になります。

また、詳しく精液を調べることで、抗精子抗体を持っている可能性があるかどうかが分かります。

内分泌検査

血液中の男性ホルモンや性腺刺激ホルモン、プロラクチンなどを調べます。これによって脳下垂体機能や精巣機能が分かります。

染色体検査

精子数によって実施されることがあります。染色体の変化や遺伝異常などがないかを調べます。男性不妊が原因で顕微授精を行う場合には、必要になってきます。

超音波検査

プローブを陰嚢に当て、精巣(睾丸)の様子を観察します。精巣容積や性状、精索静脈瘤の有無などを調べます。場合によっては、精巣内の血流の状態なども調べます。

検査内容によって大きく変わる!検査費用

どの検査を受けるかによっても検査費用は異なってきます。

多くの場合実施される精液検査は、保険適用であれば1回300円~1,000円程度です。

  • 保険適用外であれば、約5,000円~30,000円
  • ホルモン検査などの内分泌系の検査は約7,000円
  • 染色体の検査は10,000円~20,000円

これほどかかります。

男性不妊を専門に扱っているクリニックでは、初回の診察・検査費用が40,000円程度になっています。

検査内容検査方法、や保険が適用されるかどうかは、クリニックによって異なるので、事前に確認するようにしましょう。

男性不妊専門の病院は意外に少ない…不妊検査は泌尿器科や婦人科で

男性不妊を専門にしている病院は意外と少なく、外来も限られています。人口密集地を外れると、専門的な病院を探すことは難しくなってきますよね。

でも大丈夫!専門病院が近くになくても、検査は受けられるんです!

男性不妊の検査は、婦人科のあるクリニックや、不妊専門の病院でも行うことができます。女性の多い病院に抵抗がある人は、泌尿器科でも診てもらうことができます。

今後の治療を考えると、夫婦同じ場所で診察してもらった方が、便利かもしれません。

自宅で精液を採取した場合には、時間の都合もあるので、通院が負担にならない場所の病院を選ぶようにしていきましょう。

まずは自分の症状を把握!男性不妊の種類と主な原因

男性不妊の原因は様々で、原因が特定できないものもあります。

  • 勃起障害(ED)
  • 膣内射精障害
  • 無精子症
  • 乏精子症
  • 精子無力症
  • 精索静脈瘤
  • 無精液症
  • 逆行性射精

ここでは、これらの男性不妊の種類と原因について詳しくみていきたいと思います。

勃起障害(ED)

うまく勃起することができずに性行為ができない障害のことです。

男性の身体も女性と同じで、ストレスやプレッシャー、環境の変化などを感じやすく、とてもデリケートです。

生活のストレスだけでなく、「今日セックスしなければいけない」という気持ちがプレッシャーとなり、障害を引き起こしてしまう場合もあります。

性行為のタイミングを指導するタイミング法などは、不妊治療の最初のステップです。タイミングを意識することも、妊娠の確立をあげるためにはとても重要なことですが、お互いに負担になりすぎないようにしていきましょう。

膣内射精障害

性行為をすることができても、膣内に射精することができない状態です。

加齢による体力や精力、生殖機能の減退や体調不良、睡眠や栄養状態の偏りなどが原因で起こることがあります。

また、膣内射精障害では、マスターベーションの習慣が影響していることが多くあります。

強い刺激や手での感覚に慣れていると、膣内で射精することができなくなってしまいます。自己流のマスターベーションの習慣を改めて、膣内での射精を意識していけるように練習していきましょう。

無精子症

無精子症とは精液中に精子が一匹もいない状態です。無精子症は大きく、閉塞性無精子症と非閉塞性無精子症に分けられます。

閉塞性無精子症は、精子の通り道である精管が閉鎖してしまっているため、精巣でつくられた精子が運ばれないことが原因で起こります。

非閉塞性無精子症は、視床下部や下垂体ホルモン、精巣の異常などによって起こります。無精子症全体の80%はこの非閉塞性無精子症です。

精路再建手術をしたり、精巣又は精巣上体から精子採取し、顕微授精を行ったりすることで、妊娠に至るケースがあります。

乏精子症

精子はいるが、その数が少なく、精液検査において精子の数が1ml中1500万を下回る状態を言います。

精子の数が少ない原因には、精索静脈瘤や造精機能障害などがあります。しかし、すべての原因が解明されているわけではなく、原因不明という場合も少なくありません。

精液中の精子の数によって、人工授精、体外受精、顕微授精などの治療を行っていきます。

精子無力症

数は正常にあるが、運動率が悪いという症状です。精液検査の結果、前進する精子が40%未満の場合に診断されます。

精子の運動性が低いと、卵管に到達する精子が減るので、妊娠しにくくなってしまいます。

乏精子症と重なって発症することが多いです。

精子の質を改善し精子力をアップさせるために、漢方薬やビタミンEを服用したりします。精子の状態により、人工授精や体外受精、顕微授精などの治療を行っていきます。

精索静脈瘤

精巣から静脈へ流れる血液が滞り、血管がこぶ状に腫れるものです。男性不妊の原因としても発症率の多い疾患です。

軽度の場合は、ビタミンEや漢方薬を服用していきますが、根本治療には精索静脈瘤手術が必要です。手術の日程は病院によって様々ですが、日帰り手術を行う病院も増えてきています。

女性の年齢を考慮し、精巣内精子や精巣上体の精子を回収し、顕微授精や体外受精を行うこともあります。

無精液症

精液が尿道へ射出するための精路の収縮が起こらなくなっている状態です。オルガズムや射精した感じはあっても精液が射出されません。

脊髄損傷、骨盤内や大静脈手術の合併症による神経障害、糖尿病などによって引き起こされることがあります。

薬物や電気刺激などで人工的に射精させ、精液を得るという方法もありますが、状況によっては、顕微授精を行った方がよいということもあります。

逆行性射精

射精時に膀胱の出口が閉鎖せず、精液が膀胱に逆流してもらう状態です。

糖尿病や盤内手術の合併症による神経障害、前立腺手術による膀胱頚部の開大などが原因として挙げられます。

治療方法としては、薬物療法で精液が外尿道口から出るようにしたり、膀胱内の精子を回収して、人工授精や体外受精、顕微授精を行ったりするという方法があります。

生活習慣の改善から!男性不妊の治療や対策

男性不妊は、原因に応じて薬物療法や手術などを行っていきます。もともと男性不妊には、先天性と後天性の2つの原因があります。

  • 先天性の遺伝的要因や発達段階で受けた影響によるもの
  • 後天性のストレスやアルコール、喫煙、肥満、糖尿病、精巣の損傷などが原因によるもの

この2つです。

後天性の原因を見ても分かるように、男性の生殖機能と生活習慣は大きく関係しているので、男性不妊を改善していくために、まずは生活習慣を見直していくことが重要です。

ストレスは、不妊の大敵です!これは女性も男性も同じなので、ストレスを溜めない生活やストレスを発散できる環境を整えましょう。

他にも、禁煙や適度な運動、バランスのとれた食事を意識し、健康的な生活を心がけるようにしていきます。

また、サプリメントやビタミン剤、漢方などを取り入れて、改善が見られたという事例もあります。基本の生活を見直し、病院で相談をしながら治療していきましょう。

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夫婦で力を合わせて治療していくことが大切

男性不妊の方の中には、手術や薬物療法、ホルモン治療で不妊治療を行い、検査の数値が良くなったという方もいます。

薬やホルモン療法ももちろん有効ですが、その基礎には健康的な生活があります。バランスのとれた食事を心がけ、適度な運動と良質な睡眠をるとるようにしていきましょう。

健康に生活することで、心と身体の調子が整い、生殖機能も回復していきます。

そして、最も大切にしたいことは「夫婦が仲良く過ごす」ということです。

新しく生まれてくる赤ちゃんも、仲の良い夫婦のもとに生まれたいと思うはずです。どちらかのせいにしてしまうことは簡単ですが、責められることで心は傷つき、大きなストレスを与えることになりかねません。

また、セックスレスも不妊の原因の一つなので、定期的に性交渉を行うことも重要です。

「子供をあきためたころに妊娠した」という夫婦もいますし、セックスの機会があれば、自然妊娠の可能性もゼロではありません。

男性側に問題があっても、女性側に問題があっても、不妊症の治療は、夫婦力を合わせて行っていくようにしましょう。

新しい家族を迎えるために、夫婦二人三脚で頑張っていけるといいですね。

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