卵アレルギー克服の第一歩!まずは病院で負荷試験を受けよう

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2017/11/27

アレルギーの負荷試験を受けている赤ちゃん

卵アレルギーは子どものアレルギーの中でも特に多いアレルギーです。

少量を食べただけで蕁麻疹や嘔吐等の症状が出て、除去しているお子さん、さらには、血液検査で数値が高くて食べるのを見送っているお子さんも多いのではないでしょうか?

実際に色々な量のアレルゲンを口にして、どんな症状が出るのかを調べるのが「経口負荷試験」です。

ごく少量から試験はスタートしますが、直接アレルゲンを食べるので、アナフィラキシーショックをおこすという危険性があります。

重篤な症状がおきても対応できる専門の医療施設でおこなう必要がある「卵アレルギーの経口負荷試験」についてご紹介しましょう。

負荷試験に進むには子どもの様子や成長も関係。まずは血液検査からが主流

卵アレルギーの検査は一般的に初めに血液検査を行います。その後、子どもの成長や様子を見ながら食物経口負荷試験を行うというのが主流になっています。

アレルギー検査を受けられる年齢は、「○歳以上から」という明確な決まりはありません。必要であれば、低月齢の赤ちゃんでも可能ですが、採血をするにも赤ちゃんへの負担が大きいです。

なので、アレルギーの症状や様子を見ながら主治医と相談して進めていくと良いでしょう。

アレルゲンを特定する目安になる血液検査

血液検査
アレルギー検査の中でも最も一般的な方法で、血液検査をして「IgE抗体」というたんぱく質がどのくらいあるかを調べる。

アレルゲンごとに数値を調べて、アレルギーの原因になる食物を特定します。結果は0~6といった抗体価(クラス)で表示されます。スコアが高いほど抗体が多いという事になります。

スクリーニングテストとして行う皮膚テスト

スクラッチテスト
背中や腕等の皮膚に注射針等で軽く擦り傷をつけて、アレルゲンを疑う抗原液を1滴たらして皮膚が赤くなるかを観察する。15~20分で判定でき、すぐに結果が分かります。
パッチテスト
アレルゲンを疑う抗原液を1滴つけた貼付パッチを24~48時間皮膚に貼って、赤くなるか確認する。主に「非即時反応」を見る検査です。

低月齢の赤ちゃんからできる食物除去試験

食物除去試験
アレルゲンの可能性がある食品を1~2週間食べない事により、症状が改善していくかを判断する検査。

授乳中の赤ちゃんが発疹等アレルギー症状が続くようであれば、ママが食事制限をして様子を見ます。

具体的な治療方針を決められる食物経口負荷試験

食物経口負荷試験
実際にアレルギーが疑われる食物を一定の間隔で食べて、症状が出るかどうかを観察。

具体的にどのくらいの量を食べたら、どのような症状が出るのかを確認できます。

どんな状態か知ろう!経口負荷試験の必要性

卵アレルギーは食物アレルギーに分類されます。食物アレルギーを診断する場合、金属アレルギーやアレルギー性鼻炎の様に皮膚テストや血液検査だけでは特定が難しいのです。

食物アレルギーは血液検査や皮膚テストの結果が陽性であっても、食物を食べた時の症状と数値が一致しない事も多くあります。

例えば、血液検査の特異IgE値が高くても食べた時に症状が出なかったというケースや、反対に陰性でも食べるとアレルギー症状が出る場合もあります。

また、血液検査でスコアが「クラス5」という結果でも実際に食べると湿疹がでるだけの場合や、「クラス3」でもアナフィラキシー症状が出るという事もあります。

つまり、実際に食べてみて、どのくらいの量でどんな症状が出るのか分かるのは、「経口負荷試験」だけという事です。なので、不必要な食物除去が続かないように、この検査を受けて正確な判断をする事が大切です。

アレルギー治療は「正しい判断に基づいた必要最低限の食物除去」が基本です。血液検査での数値等は目安になりますが、あくまでも実際に食べてみてどうかという事が「必要最低限の食物除去」につながります。

日本小児アレルギー学会の「食物アレルギー診療ガイドライン2012年版」にも食物経口負荷試験が最も信頼性が高いと記載されています。

あせらず少しずつ!病院での経口負荷試験の進め方

食物経口負荷試験は、基本的に1日で出来るのは「1品目」です。複数の食物を同時にしてしまうと、アレルギー反応が起こっても、どれに対しての反応か分からなくなります。

医療機関によって方針が異なる場合もありますが、「日本小児学会のガイドライン」があり、これを基準にして行われます。例えば、卵なら3つのステップになっています。

ステップ1
ゆで卵の卵黄のみ
負荷開始量…卵黄1g    総負荷量…卵黄1個
1g→2g→4gと段階的に増やして様子を見る。
ステップ2  
ゆで卵の全卵
負荷開始量…全卵微量   総負荷量…全卵1/16~1/8個
卵を含む加工食品を食べる。
ステップ3
ゆで卵の卵白
負荷開始量…卵白1g   総負荷量…全卵1/2~1個
1/32→1/16→1/8→1/4と段階的に増やして様子を見る。

アレルゲンを疑われる食物を30分ごとに3~6回徐々に分割して症状を観察していきます。年齢によって、ステップ1か2からのスタートになります。

どんな食品を使うのかは病院によって異なりますが、原則は20分以上茹でた固ゆで卵になります。

【我が家の場合】
3歳での負荷試験だったので、ステップ2でした。血液検査で「クラス5」だったので、標準より少ない「全卵1/64個」からのスタートでした。ものすごく微量です。

サツマイモケーキに固ゆでした全卵1/64個まぜたもので開始しました。味自体はサツマイモケーキなので、子どもも喜んで食べていました。

負荷試験前の注意事項と当日の体調管理

経口負荷試験前に服用を中止しておくお薬があります。抗アレルギー作用のあるお薬を服用していると、実際の症状が分からなくなることがあります。

  • 抗ヒスタミン薬:72時間前から服薬中止
  • β-刺激薬:12時間前から服薬中止
  • テオフィリン:12時間前から服薬中止
  • 経口DSCG:12時間前から服薬中止
  • Th2サイトカイン阻害薬:12時間前から服薬中止
  • ロイコトリエン受容体拮抗薬:24時間前から服薬中止
  • 経口ステロイド:1ヶ月程度

当日に風邪症状や発熱・下痢等が見られた場合、治癒後1週間程度は経口負荷試験を延期します。

また、家族の中で何らかの感染性の病気の人がいたり、幼稚園や学校等で病気が流行している場合も中止になる事がありますので、必ず主治医に報告して下さい。

当日の流れ

  1. 受付・入院手続き(日帰り入院の場合も。)
  2. 看護師が病室に案内。
  3. 医師による診察。負荷試験内容の説明。
  4. 必要であれば点滴開始。・昼食の時間に栄養士が作った負荷食品により試験開始。
  5. 最小限の量から始め、30分毎様子をみる。
  6. 問題がなければ、少しずつ量を増やします。
  7. 途中で症状が出れば、中断して必要な処置をします。
  8. 最終目標まで摂取できれば、その後1時間ほど変化がないか様子をみます。
  9. 管理栄養士による栄養指導。
  10. 医師による診察で問題なければ退院。

負荷試験中の過ごし方

経口負荷試験中だからといって絶対安静ではありません。キッズスペースがあればそこで過ごせますし、ポータブルDVDプレイヤーを貸してくれる病院もあります。

ただ、注意事項として、血液検査で数値の高い場合や、病院の方針で症状が出た時すぐに対応できるように点滴をしながら負荷試験をする事もあります。

なので、走り回ったり、激しく動く事は避けましょう。お茶やお水は飲めますので、用意しておくと便利です。

経口負荷試験中に症状が出ても病院なので安心

負荷試験中にアレルギー症状が出た場合は、その時点でストップします。先生や看護師が様子を見てくれていますので、すぐに対応してくれます。

症状に応じて内服薬なのか点滴で様子を見るのか判断してもらえて、すぐに治療が出来るので安心です。

アナフィラキシー症状やアナフィラキシーショックを起こした場合は、症状が落ち着いても何時間か経ってから、また症状が出ることもあるので入院して様子をみる場合もあります。

検査後の評価方法と注意点

負荷試験中にアレルギー症状が出た場合は陽性と判断されます。少し時間が経って、2~3時間後や翌日お家で症状が出るというように、遅れて現れた場合も陽性と判断されます。

症状がなければ、もちろん陰性で負荷試験終了から1~2週間後に再度受診します。この間お家でもアレルギー症状が出ていなければ陰性と判断されます。

ステップ1で症状が出なければ、数ヶ月期間をおいて様子を見ながらステップ2へ進みます。徐々に慎重に様子を見ながら食べられる量を確認していきます。

負荷試験後遅れて反応が出る事がある!

負荷試験で症状が出ずに終わっても、数時間後や1日後に現れる事がありますので、注意して様子を見ましょう。

負荷試験中に症状が出た場合は、中断して処置をうけます。症状の強さにもよりますが、お家に帰ってからも1~2日分の抗アレルギー薬が処方されますので、飲み忘れないように服用しましょう。

負荷試験中に呼吸器に症状が現れた場合は、めったに無い事ですが、夜間寝ている時に呼吸が苦しそうになる等、変化がみられる事がありますので注意して様子を見て下さい。

検査後は主治医と相談しながらお家で様子をみる

負荷試験後は先生の方針によっても違いますが、食べられる量が確認できたのでアレルギーが発症しない量までは除去が解除されます。

この量を自宅で食べても症状が出ないか確認します。

一番少ない量でも症状が現れた場合は、除去を続けて主治医と相談しながら時期を見て再チャレンジという事になります。

年齢が上がれば免疫がつき、症状が緩和される場合もあります。

途中まで食べることができて、次の段階でアレルギー症状が出た場合は耐性ができるように意識した指導を主治医から受ける場合があります。

例えば、卵黄1/2はクリアできて、次のステップの全卵1/16で症状が出た場合は、大丈夫だった量の半分の卵黄1/4を1ヶ月間ほど週2~3回のペースで食べます。

症状が出なければ少しずつ増やして様子をみます。自宅で行いながら、一定の期間で主治医に様子を報告しながら進めていきます。

【我が家の場合】
ステップ2で更に卵白の量を基準より少なくしても、アナフィラキシー症状が出ました。そこから1年間は完全除去にし、次は卵黄で負荷試験を行い1/4個食べられました。

その後は自宅で、卵黄1/8を週2回からスタートして、2ヶ月に1回主治医に報告をして量や回数を少しずつ増やしながら様子をみています。

経口負荷試験は保険診療で行えるけど市町村で違いがある

食物経口負荷試験は保健適用されます。基準を満たした施設において9歳未満の患者に対して、年2回が保険診療の対象になります。

経口負荷試験そのものは保険点数で1000点(1万円)になり、3割負担の場合3000円です。その他、入院の場合は入院に関する諸費用がかかりますので、それがプラスされます。

子どもの場合は、「乳児医療証」の提示で料金が変わります。地域により0円になったり、500円になったりするので、市町村のホームページで確認して下さい。
【我が家の場合】
日帰り入院で負荷試験

入院料等6000点+投薬24点=6024点が保険適応になり、私の住む地域は1回診療の上限が500円なのでこの料金です。

昼食に合わせて、負荷試験を行いますので食事代が640円になりますが、入院時食事療養費が適用され、360円になります。なので、合計が500円+360円=860円になります。

少し辛いけど命を守りましょう

子どもはどんどん成長していきます。乳児期や幼稚園・保育園時代は親と一緒に行動しますので、何を食べているのか、アレルギーのあるものを食べないかは把握できます。

小学生になると集団生活が本格的に始まったり、親から離れて行動する事が増えます。誤ってアレルゲンを口にしてしまう事が増えるのも事実です。

この時、まったくアレルゲンを口にしていないと、どんな症状が現れるのかも分からず、緊急の対応が出来ません。

そのリスクを減らすためにも、経口負荷試験でどの程度なら安全か危険なのかを把握して、お子さん自身でも命を守れるようにする事が大切です。
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