絵本の読み聞かせが上手くいかない…楽しむコツと実際の効果

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2019/05/23

絵本の読み聞かせで絵本の世界にひきこまれている子供

「絵本を毎日読み聞かせしてあげましょう」というフレーズはいろいろな育児書で目にすると思います。

本が好きな子に育ってほしいと思い、絵本を買って読んであげているけど、以下のような悩みをもっているママは多いのではないでしょうか。

  • 全然聞いてくれない…
  • これでいいのかな?
  • 毎日大忙しで時間がない…
  • 絵本の読み聞かせは本当にしないとダメなの?

そんなママたちに、絵本の読み聞かせをするとどんなメリットがあるか、どうしたらうまくできるかなど、楽しむためのコツをお伝えします。

「クシュラの奇跡」絵本の効果のお話

「クシュラの奇跡」というお話をご存知ですか?

クシュラは1971年ニュージーランドに生まれた少女で、染色体異常と診断され重度の障害を持っていました。

彼女と同じ障害を持つ子供は、生後一年以内に亡くなる確率が90パーセントと言われています。

しかし彼女の両親は希望を捨てずにクシュラを育てます。クシュラを抱きながらたくさんの本を読んで聞かせました。

1日14冊の本を読み聞かせたところ、3歳の後半になる頃には感情や言葉を取得し、知能は障害を持たない子供を凌ぐほどになっていました。

※「クシュラの奇跡 140冊の絵本との日々」 ドロシー・バトラー著を参照

まずクシュラは、ママやパパが抱っこをして毎日絵本を読んでくれたことで愛情を感じ、安心感を得ることができたのだと思います。

それにプラスして、絵本の内容を語られることで彼女の中で世界が広がっていき、奇跡とも呼べる成長につながったのではないでしょうか。

絵本の読み聞かせのメリット4つ!子供の今後に影響する

子どもに絵本を読み聞かせしてあげることのメリットとして以下のことがあります。

  • スキンシップをはかる効果がある
  • 本の内容を繰り返し聞くことで言葉を覚えることができる
  • 絵本のストーリーがこの先はどうなるんだろうと考えることで想像力が身につく
  • 挿絵を見て絵本にどんなことが描かれているか、どういう意味なのかを理解していくことで、物事を認識する力を鍛えることができる

読み聞かせをしてあげる時間が、その子の人格を形成したり今後の行動に大きく影響するのです。

1つずつ詳しく見ていきましょう。

スキンシップをはかる効果がある

子どもは親とのスキンシップをはかることが大事です。

特に生後3年間はママ、パパと深く関わることが大切な期間です。

絵本を読んであげることは、膝の上で読んであげたりと触れ合う機会になり、集中して親子で向き合える時間になるため、スキンシップをはかることに大変役立ちます。

本の内容を繰り返し聞くことで言葉を覚えることができる

子どもは気に入った本を何度も読んで欲しがったり、気に入ったフレーズを何度も読んで欲しがるようになります。

その繰り返し同じ言葉を聞く過程で、言葉を覚え、学習能力も発達させていきます。

ですので、ママが繰り返し本を読むということは子どもの学習能力の発達に効果があるのです。

絵本のストーリーがこの先はどうなる?と考えることで想像力が身につく

絵本には、様々な人物やキャラクター、様々な考え方、そして色々な世界が描かれています。

子どもは、そのお話を聞いて場面や登場人物の気持ちを想像します。そしてお話の先がどうなっていくんだろうと考えることで、想像力が身についていきます。

挿絵を見て理解していくことで、物事を認識する力を鍛えることができる

絵本は文字でストーリーが書かれているだけでなく、様々な魅力のある挿絵も描かれています。

子どもはパパ、ママの声でストーリーを聞きながらそれを見て、この言葉はどういう意味だろう?この絵は何だろう?何をしているんだろう?と考えます。

この考えて分かるようになる過程で、物事を認識する力と理解力をつけていきます。

子どもに絵本を「体験」させてあげよう!

子どもが親に絵本を読んでもらうことは、私たち大人が想像するよりも特別なものです。

子どもは絵本を体験し、学んでいくのです。

具体的にどういうことか、見ていってみましょう。

子どもは読み聞かせから自分の世界を学び、登場人物になりきり物語を体験!

ママが絵本を読んでくれるとき、子どもがそれを見て、聞いて、理解するには全精神を集中させることが必要です。

集中力がつきますし、その過程が言葉を覚えたり、自分の世界がどんなものか学習することにつながります。

また、子どもはお話を聞いているとき、登場人物になりきって、その物語を体験しています。そしてその中で体験したことを自分の生活に取り込んでいきます。

これは、「ストーリーテリング その心と技」エリン・グリーン著 芦田悦子 太田典子 岡崎ルリ子訳という本を読んで学んだことです。

子どもが集中してお話を聞きやすい環境を作ること、また夢中になっているときは邪魔をしないように気を付けたいですね。

そのためには、テレビなどを消して落ち着く環境にし、読み聞かせの最中には別のことを話しかけたりしないようにしましょう。

子どもが絵本の内容を真似するときは褒めてあげて

自分の子どもが、読んであげた本の内容の真似をして転んでみたり、決まったフレーズをひたすら連呼することがありませんか?

それは物語を体験して、学習している証拠です。素晴らしいことです。

アホアホ男子だからとかではないのです!大いに褒めてあげましょう。そのときは、その場で具体的に、心をこめて褒めてあげましょう。

例えば「すごい!絵本に出てきたくまさんがそうやって踊ってたね。よく覚えてるね!」などです。


ただすごい!と言うだけでなく、絵本を理解するためにがんばった経過を褒めるようにするといいでしょう。

映像よりもお話を聞かせた方が記憶に残る!少しだけ絵本の時間を

ローリーン・ブラウンの最近の研究では、テレビなどの映像よりも、お話を読んで聞かせた方が良いという研究結果が出ています。

実験内容としては、6才から10歳の子どもたちを二つのグループに分けて、おなじお話を片方のグループにはテレビで見せ、もう片方のグループにはその絵本を読んで聞かせました。

その後でお話の内容を思い出してもらうと、テレビで見た子供たちは、登場人物を「人」や「ヒョウ」などおおまかな言葉でしか説明できませんでした。

それに対して、お話を読んで聞かせたグループは言葉の音に注意深く、その本に使われた呼ばれ方をそのまま使って説明ができたのです。

これも先ほど紹介させていただいた書籍「ストーリーテリング その心と技」に含まれている内容です。

テレビはいろいろな音がしたり、映像が見えるのに意外な結果です。

テレビやDVDを見せておけば子どもはご機嫌だったりします。ご飯をつくるときなんかは楽で頼ってしまうお母さんもたくさんいらっしゃると思います。

うちの子は絵本が好きじゃないから、読み聞かせはいいか。毎日、家事に子育てに忙しいママたちがそんなふうに思ってしまう気持ちも大変よくわかります。

でも、頑張って少し時間を作り、お話を聞かせる価値は十分にあります。記憶に残る本の読み聞かせを是非取り入れて下さい。

読み聞かせをするときに気を付けたいポイント

楽しく読み聞かせをしているママ
では、いざ絵本を読んであげようとなると、具体的にどうしたらいいのでしょうか。一緒に見ていってみましょう。

読み聞かせに適した心地よい場所をつくる

机に椅子などかっちりした場所でなくていいです。寝転んだりするのもありです。静かでリラックスして楽しめる場所をつくりましょう。

小さい子の場合は膝の上で抱っこなど、スキンシップをはかれるところがおすすめです。

手の届くところに絵本を置いてあげて!

自分から自由に絵本を触ることの出来る環境をつくってあげましょう。「さあ、絵本を読みましょうね。」と、ママが持ってきた絵本に触れさせるのではなく、自分から興味をもったタイミングで絵本に触れさせることが大切です。

ママが持ってきた絵本を読み聞かせることは、ママにとっては「読んであげている」と思っていても、子どもにとっては「読まされている」ことと同じことです。

わたしたちも「させられて」しまうと、嫌になってしまいますよね。子どもだって同じですよ。

親目線でなく、子ども自身が読みたい本を選ぶ

「この子にはこうなって欲しいから・これができるようになって欲しいから、この本を読ませよう。」

気が付いたらそんな親の希望で本を選んでいませんか?

そういった親目線ではなく、子ども自身が興味のあるものを選ぶことも大切です。

いろいろな分野の本を読む

一般的に名作と言われる本ばかり選ぶ必要はありません。文字の少ないもの、図鑑なども大丈夫です。

いろいろな分野の本を見せることで、子どもが意外な分野に興味を持っていることに気付くかも知れません。

絵本はそれなりの値段がしますし、年齢によって読む本は変化します。たくさん買うのは大変なことも。

その場合は図書館を利用し、借りて楽しんでみましょう。子どもがどういった本を好きなのか探すことができます。

また、図書館によるのですが、年齢別におすすめの本を掲載したリストを配布している場合があります。

係の方に確認して、リストがある場合はそこに載っている本を試してみるのもいいでしょう。

表紙や挿絵にも注目しよう

まずは表紙を見せたときに、絵について話し合ったり、どんなストーリーか想像させるといいでしょう。絵本をより広く楽しむことができます。

また、挿絵も注目させると理解が深まります。ストーリーの中で喋っている人物やキャラクターに指差しをながら読んであげると分かりやすく、絵本を体験することにつながります。

読むスピードは子どもに合わせて!

基本はゆっくりと分かりやすく読んであげるのが良いです。

ただ、もし子どもがページをどんどんめくってしまったり、飽きてしまうようであれば、子どものペースに合わせて開いたページを早く読んであげたり、途中でやめても大丈夫です。

同じものを何度も繰り返し読みたがることも多いので、そんなときはめんどくさがらず何度も読んであげましょう。

こうして絵本に興味を持った頃に、ゆっくりと説明しながら読んであげると、絵本の内容についての理解がとても深まるので効果的です!
登場人物によって声に変化を付けて飽きさせないように!

絵本を読んであげるときは、人物に合わせて声のトーンを変えたり抑揚をつけた方が、子どもが絵本の世界に入りやすく、飽きずに聞くことができます。

本の感想を話し合おう

読み終わったら、再度本を開きながらどこが面白かったか、どんなところが嫌だったか、どんなことが分かったかなど、自由な感想を聞いてみましょう。

お互い感想を言い合うのが良いでしょう。親子のコミュニケーションを取る時間にもなります。

その際、一方的に質問攻めにしたり、子どもの感じたことを否定することはやめましょう。読み聞かせが嫌いになってしまう可能性があります…

難しくて理解できなかった言葉や内容も話し合うときに教えてあげることができます。

絵本の内容と現実の世界をリンクさせた会話をする

本に登場したキャラクターや場面を生活の中に結びつけるような語りかけをしてみましょう。

例えば、うさぎが出てくる絵本であれば、「うさぎさんかわいいね。今度一緒に見に行ってみようか?」などです。

ストーリーが身近に感じられるような会話をしましょう。

毎日の読み聞かせで読書の習慣を

一日数分だけでも毎日読み聞かせをして、本を読むことを生活習慣に取り入れていきましょう。

一冊だけなら何とかやってみよう!と思えそうですよね。

くり返し読んであげるのが大切!

子どもは気に入った本ができると何度でも読んでほしいと言ってくるようになります。その場合は嫌がらずに何度でも読んであげましょう。

子どもはくり返し読むことで、ストーリーの先を予測し、楽しむようになります。そして内容を理解していきます。

読んであげる親自身も楽しもう

読んであげる大人が嫌々読んでいたり、つまらなさそうにしていると、子どもに伝わってしまいます。逆に親が楽しそうにやっていることに興味をもつことが多く、親から大きな影響を受けます。

子どもは親の表情や感情にとても敏感です。

大人にとっても素敵だと思える本を一緒に選び、プレゼントしてあげる気持ちで一緒に読み聞かせの時間を楽しむようにしましょう。

はじめのうちは興味を示さなくても、ママが楽しく本を読んでいる姿をたくさん見せてあげるようにしましょう。赤ちゃんはママの行動を常に気にしているものです。

特に小さい赤ちゃんへの読み聞かせ!気をつけたいポイント

まだ小さい赤ちゃんの場合は、しっかりとした読み聞かせが難しいかもしれません。幼児期の子どもほど成長が進んでいないので、少し気を付けたいポイントがあります。

赤ちゃんはお腹の中で聞いたママの声に反応する

妊娠しているとき、おなかの中に赤ちゃんに毎日話しかけてあげていたママは多いのではないでしょうか。

早い人であれば、その頃から絵本を読んであげたママもいらっしゃることでしょう。

赤ちゃんは絵本を見るよりも、お腹の中で聞いていたママの声に反応します。

絵や文字を無理に理解させるよりも、ママの声を聞かせてあげるためにゆっくり丁寧に読み聞かせをしてあげましょう。

また、読んであげるタイミングとしては、赤ちゃんが落ち着いている時間を選ぶようにしましょう。

赤ちゃんに読んであげる本の選び方

月齢の低い赤ちゃんはまだ色や物をはっきりと認識できません。ですので、色のはっきりしたカラフルな絵本を選ぶようにしましょう。

赤・黄・青などの原色に喜んで反応するという話をよく聞きます。

小さい赤ちゃんは本の内容よりも、本自体がおもちゃに思え、舐めたり、投げたりするかもしません。

それは成長の過程なので温かく見守りましょう。焦らず、本に慣らしていけばいいのです。対策としては、コーティングがしてある厚紙の丈夫な本を選ぶことがおすすめです。

本読みが苦手なママにおすすめの方法3つ

どうしても自分が上手く絵本を読んであげられず、気が重くなってしまうママもいらっしゃるかと思います。そんな方はこちらを参考にしてみてはいかがでしょうか。

  • 1回先に読んで内容を把握しておく
  • 言葉のリズムを大切にする
  • 子どもに楽しんでもらう気持ちを大切にする

気をつけ方を見ていきましょう。

1回先に読んで内容を把握しておく

絵本を読んであげるときにお話の先が分かっていないと、しどろもどろになってしまったり、登場人物によってトーンを工夫することは難しいと思います。

ストーリーを頭に入れておくだけでも読みやすくなります。

時間はなかなか無いかもしれませんが、さらさらーっと全体を眺めておくだけでも効果はありますので、是非試してみてください。

言葉のリズムを大切にする

子どもの絵本には擬音語や繰り返される言葉、耳につきやすい言葉など、よく考えられたリズムがあります。

あまり難しく考えずに、それを子どもと一緒に楽しむつもりで読んでみましょう。

赤ちゃんの笑顔を引き出すことができるかもしれませんね。

子どもに楽しんでもらう気持ちを大切にする

本読みが苦手な人は、本を無理やり読まされた嫌な記憶があるのかもしれません。または、音読すること自体も恥ずかしいということもあるでしょう。

最初は難しいかもしれませんが、視点を少し変えて、子どもというお客さんを楽しませる気持ちで読んでみてください。

子どもたちは絵本の読み聞かせで何が一番嬉しいと思うでしょうか?

それは上手く読んでもらうことではなくて、大好きなママが自分のために一生懸命になって読んでくれることではないでしょうか。

子どもを楽しませ、自分も楽しめる時間にしましょう。

絵本を読み聞かせている最中に出くわす困ったこと

ページをどんどんめくってしまったら、前のページに戻すのではなく、開いたページを読んであげるようにしてください。それを繰り返していくうちに、だんだんとその絵本の内容に興味を持つようになっていきます。

また他のことに興味を示してしまったら、一度絵本を読むことをストップしましょう。無理に絵本に興味を引き戻そうとしてはいけません。

ただし、ママは一人でそばでそのまま絵本を読み続けても良いです。ママが楽しそうに絵本を読んでいる姿をみて、また興味を向けてくることもあります。

赤ちゃんがほかの遊びに夢中になっていても、ママが読んでいる文章は耳にはいってくるため、効果が全くないわけではありません。

年齢に合った絵本を読んであげることもとても大事

絵本の選び方には特に決まりはありませんが、なるべく年齢に合った絵本を選んであげると興味を持ちやすいでしょう。

0歳から1歳ころ

この頃の赤ちゃんは視力がまだあまり発達していません。文字が少なく、色をたくさんつかった絵本がおすすめです。

1歳

この頃になると、動物や乗り物、生活習慣(「あいさつ」や「歯磨き」など)など、たくさんのことを理解できるようになります。

男の子は車の絵本、など性別にこだわらず、いろいろなジャンルの絵本を読ませてあげて、好きな絵本を見つけてあげましょう。

「くるくる」や「コロコロ」といった繰り返しのリズミカルな音のある絵本も楽しく読むことが出来るのでおすすめです。

2歳

2歳になると絵本の内容が少しずつ理解できるようになってきます。絵本の好き嫌いがはっきりしてくるのもこの頃です。図書館や本屋さんに立ち寄り、好きな絵本を自分で選ばせるようにしてあげるといいでしょう。

3歳頃から

長いお話の内容も理解できるようになり、主人公の気持ちになって考えることが出来るようになります。あまり内容が長すぎると飽きてしまうので、子どもを観察しながら、程よい長さの本を選ぶようにしましょう。

気負わず、親子で一緒に絵本を楽しもう!

読み聞かせを楽しむ親子

このように、読み聞かせにはたくさんのメリットと効果、また読むときのポイントがあります。

上手く読み聞かせができないと悩むママは、全てをやろう!とするのではなく1つずつゆっくりと試してみてはいかがでしょうか。

マンネリ化した時におすすめ!

  • 動物・果物・乗り物など何でも「これ何かな?」とクイズにしてみる
  • 手作り指人形でミニ劇場を演じてみる
  • 紙芝居を借りてみる
  • ビックブック絵本にもチャレンジ

子どもの個性は本当にいろいろで、興味を持つものもそれぞれちがいます。

字が少なく絵が多いもの、写真が多い動物・電車の図鑑などその子の気に入るものは様々ですしじっくり聞くことが苦手な子もいます。

読み聞かせがうまくいかず悩んでいる方も、「気負わず楽しむ気持ち」を大切にしていきましょう。少しずつの継続が絵本を読む習慣につながります。

絵本の読み聞かせは、ママと子どもの大切なコミュニケーションの時間!子どもにとっては、大好きなママの声を聞きながら一緒に楽しい時間を過ごせる時間なのです。

無理やりではなく、親子で「楽しいな」と感じるような素敵な時間を作り上げ、上手に読み聞かせてあげましょう。

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