6歳までの子供の心を育てる叱り方!出来ない事に対して叱らないで

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2016/10/04

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子どもを育てる上で、「誉める」と同じくらい重要なのが、「叱る」ということです。

誉めること以上に、難しい叱るということ…。

近年では、家庭の教育力の低下や、叱ることのできない親が増えているなど、社会から批判されることもあり、プレッシャーを感じて悩んでいるパパやママも多いのではないかと思います。

そこで今回は、新米パパやママに伝えたい6歳までの子供の叱り方と、叱る側が大切にしたい心構えを紹介します。

叱ることは必要なのか…「叱る」とは、しつけの1つと考えて

子育てをするのであれば、当然のことのように行う「叱る」という行為。親はなぜ子どもを叱るのでしょうか?

そもそも叱るということは必要なのでしょうか?そんな「叱る」についての基本的な考え方を見つめ直してみましょう。

しつけとは社会で通用する人間に育てること

今は一人では何もできない子ども達も、成長し、学び、思春期を迎え、親から離れていく時がきます。

寂しいようですが、私たちがそうして自立してきたように、子供たちも巣立っていくのです。

最終目的である自立につなげていくためには、我が子を、大きな集団である社会に出て行っても、通用するような人間に育てていくことが重要です。

一度言って伝わるのであれば、叱る必要もないのですが、子どもは、理解し実行できるようになるまで時間がかかります。

良いこと、悪いことの分別もままならないので、絶対にいけないことははっきりと分かりやすく伝えることが重要です。

そのためのツールとして初めて「叱る」という行為が発生するのです。

マナーや社会的なルールなど、一人の人として生きていくために必要なことを、繰り返し伝え、実行できるように育てていきます。

親が子供を叱るのは、社会にでていくための「しつけ」の一つと考えましょう。

叱っても効果がない理由

いくら声を荒げて叱っても、子供はポカンとして、効果がないということがあります。なぜ効果がないのでしょうか?

それは、子どもが何に対してお母さんが声を荒げているのか分からないからです。

子どもが何について叱られているのか分からないのに、大声で「ダメ!」「どうして分からないの!」「うるさい!」などと言葉をぶつけても意味はありません。

このように、子どもが理解していないのに感情で怒ることを繰り返すと、「今日のママは機嫌が悪いんだな」と捉えられ、いくら伝えても、子どもの心に響かなくなってしまいます。

ポイントを押さえた叱り方で、きちんと子どもに伝わるようにしましょう。

成長に合わせて変える!年齢別の叱り方

しっかりと目を見て、子どもと目線の高さを合わせたり、その年齢の子どもに伝わりやすい言葉を選んで話したりするということは、どの年齢でも重要です。

重要なポイントをおさえつつ、年齢に応じた理解力や運動能力の違いを考えて叱り方を変えていくと、子どもにしっかりと伝わりますし、こちらのストレスも少なくなりますよ。

6歳までに、きちんとポイントを押さえて叱ることで、小学校入学後の子育てもやりやすくなり、良好な親子関係を築くことができます。

ここでは、年齢別の叱り方をみていきましょう。

【2歳児】言われたときに行動を止められればOK

2歳のこの時期は、大人の言葉を聞いたり、自分の欲求も言葉で伝えたりすることが段々とできるようになってきますが、理解力はまだまだ未熟で、丁寧に理由を説明しても伝わらないことの方が多いです。

また、足を使った運動が多くなり、身体のバランスをとることも上手になるので、色々なものや場所に自分から関わり、自分でやってみたいと思うようになります。

反抗期や自我が芽生えてくる時期でもあるので、分かっていてもやってしまうということもあるのがこの年齢です。

危険なことややってはいけないことを、「危ないからいけない」などの短い言葉で繰り返し伝えていきましょう。

親が言ったときに、望ましくない行動を止められることができればOKです。何度も同じことを叱ると覚悟して、気長に伝えていきましょう。

【3歳児】簡単な言葉でやってはいけないことを伝える

3歳になると、幼稚園、保育園などに入園する子どもも増え、子どもを取り巻く環境も大きく変化します。

今までは、自分と母親、自分と家族だけの関係だったものに、友達や先生が加わることで、関係に広がりがみられるようになります。

今までは自分の思い通りになっていたものが、友達との関係の中ではそうはいきません。友達や先生との関わりを通して、自分以外の他者の気持ちに気づき始めます。

子どもを叱るときには、簡単な説明を加えて伝えるようにします。

例えば、友達を叩くような場面があれば「友達をたたいたら、痛いよ」、おもちゃを投げるようなことがあれば、「おもちゃがぶつかると、怪我をしてしまうよ」など、因果関係を簡単に付け加えるようにしましょう。

この時期は、言葉を多く覚える時期で、おしゃべりも増えます。

そんな時期だからこそ、自分の行動が周りにどういう影響を与えるのかに気づき、言葉で気持ちを伝えられるようにしていきたいですね。

【4歳児】危険なことを丁寧に伝える

子どもの運動能力が更に向上し、行動も活発になります。活動範囲が広がり、友達と一緒に危険な場所に遠出することも起こりやすい時期です。

遊び方や動向などに気を付け、危険なことをした場合には、何がいけなかったのかを丁寧に伝えましょう。

過去・現在・未来のことを順序だてて見られるようになるので「勝手に出かけると、車にひかれたり、知らない人に連れていかれたりして危ないよ」など、時系列で丁寧に伝えていきます。

また、自分対友達の個の関係だけではなく、周囲にいる他人にも気づくことができるようになります。

小さい子がいるから、自分が我慢しなければならないと思えるのもこの時期です。

「自分が危険なこと」や「他人が危険になること」について気づき始めるこの時期に、丁寧に何がいけないのかを伝え、しっかりと理解させましょう。

【5歳児】周りの人の気持ちに気づかせる

5歳になると、集団の中にいる他者の気持ちに気づくことができるようになってきます。集団の各個人に、それぞれの心の世界があるということを知るのです。

この時期は、「このおもちゃは、お友達も大切につかっているものだから、大事に使ってね」「みんなもやりたい気持ちを我慢しているから、順番を守らないといけないよね」のように、より他者の気持ちに目を向けられるような伝え方をします。

そうすることで、自制心を持つことができるようになり、集団の中で自分をコントロールできるようになってきます。

「周りの人に迷惑になってしまう」ということに敏感になり始めるのも、この時期になります。

自分勝手に遊んで、集団の活動を中断してしまった時などに、「自分の行動がいけなかった」と反省できるようになります。

集団の中で自分を意識できるこの年齢で、集団でのルールの基礎を伝えていくようにしましょう。

【6歳児】社会的なルールやマナーを知り、行動できるようにする

6歳では、数や言葉への興味が高まり、進んで読み書きをおこなおうとします。

今までは、記憶や経験、声掛けを頼りに行動していたものが、文字を読むことで、言葉での指示がなくても、継続して行動できるようになってくる時期です。

「こうえんは、きれいにつかおう」という言葉が書いてあれば、ゴミを捨てたり、散らかしたりして使ってはいけないのだということを再認識し、継続してきれいに使おうと行動できるようになります。

また、友達との遊びでも、一定のルールを守って、遊ぶことができるようになり、社会性が大きく育つ時期でもあります。

この時期には、マナーやルールなど公共の場での過ごし方を意識して伝えるようにしていきます。

大きな声で騒いだとしたら「みんなが使う場所で、そんな大きな声を出すと、迷惑になるよ」など周りに気づかせ、自分で自分の行動を律することができるようにしていきましょう。

ガミガミ言い過ぎないで!叱らなくてもよい行動

本当は叱らなくていい行為まで、叱ってしまうことがあります。どの年齢でも同じ基準で叱るのではなく、子どもの発達年齢に応じて叱り方を変えていきましょう。

子どもの能力的にまだ「できない」ことは叱らない

ボタンがうまくとめられない、チャックがうまくしめられない子どもに「ぐずぐずしないで、早くしなさい!」と言っても、意味はありません。

他にも、おねしょをしてしまったり、トイレトレーニングがうまくできなかったりするのは、子どもの発達がまだ追いついていないからであって、子どもに非はありません。

このように、子どもが一生懸命にやっても、まだ「できない」ことは、叱らないようにしましょう。できないことを叱られるということは、反省の余地もないので、自己肯定感を下げてしまうだけです。

どうしてできないのか、何がそんなに難しいのかをよく観察して、サポートしてあげる方が、子どもにとっても、親にとってもストレスが少なくて済みます。

否定語で注意するばかりではなく肯定語を使いながら頑張っていることに自信を持たせてあげたいですね。

見通しを持って行動することは難しい

子どもが大人と同じような見通しを持ち、自分から計画的に行動していくということはまだ難しいです。

約束の時間が迫っているのに、ゆっくりのんびり着替えをされていると「早くしなさい!」と叱りたくなってしまいますよね。

ですが、この後、ご飯を食べて、歯磨きをして、トイレに行って、出かける。そのためにはこのペースでは間に合わない!という大人と同じような見通しは、子どもにはまだ持てないのです。

時間がないから「早く」と急がせるより、「次は何をするのかな」と次の行動への見通しが持ちやすい声掛けを行った方が、子どももやる気になり効果的です。

子どもの行動のパターンを把握して余裕がもてる時間設定をしてあげることも、一つの技ですね。

叱る前に生活習慣の見直しを!

「しっかりあいさつしないとダメでしょ!」「遊んでいないで早く寝なさい!」そんな風に子どもを叱る前に、少し生活習慣を見直してみましょう。

子どもは親の様子を見て育ちます。父親と母親が毎日あいさつを交わす様子を見ていれば、子どもも自然とあいさつをするものです。

家の中でも、子どもに聞こえるくらい、はっきりと大きな声で、笑顔であいさつするようにしてみましょう。

夜なかなか眠れない子どもの場合は、日中の活動が不足しいる場合があります。

積極的に外に出かけて、思いっきり身体を動かすようにしましょう。

規則正しく、毎日めいっぱい遊べば、子どもを叱る機会を減らすことにきっとつながりますよ。

このように生活習慣を改善するだけで、叱らなくてよくなるものは意外と多いものです。一度、家族で習慣を見直してみましょう。

子どもに伝わらないNGな叱り方

小さいうちから一貫性のある叱り方をしていないと、子どもの年齢が大きくなった時に、全く響かなくなってしまいます。

  • ネチネチ言い続ける
  • 子どもが何に叱られているのか分かっていない
  • 感情をぶつける

このようなNGな叱り方に気を付けていきましょう。

ネチネチ言い続ける

愚痴のようにネチネチいう中途半端な叱り方はよくありません。これでは、子どもは言われていることに反省もしなければ気にもしません。

叱ることは、子どもに善悪の判断を促すということです。悪いこと、いけないことが伝わらないような叱り方では意味がないのです。

叱るなら、端的に分かりやすくが鉄則です。子どもの反省の色を見ながらですが、一度的確な言葉で叱ったなら、あまり引きずりすぎないようにしていきましょう。

子どもが何に叱られているのか分かっていない

子どもの記憶力は思ったよりも短いものです。時間が経過してから、「あの時は、よくなかった」と伝えても、効果がありません。

これは、時間の経過とともに記憶が薄れ、何に対して叱られているのか分からなくなってしまうからです。

年齢が上がれば、長期記憶もできるようになってくるので、効果が得られるようになりますが、幼児期の子どもに記憶をさかのぼらせて、反省させるということはとても難しいことです。

長いお説教も、最初に何について叱られていたのか原因が分からなくなってしまうので、よくありません。

その場であまり反省した様子が見受けられなくても、繰り返し伝えるつもりで、厳しい態度で端的に伝える方が効果的です。

怒って感情をぶつける

怒鳴ったり、手を出したりする行為は、お母さんのストレス発散のようになってしまい、子どもは、何についてそんなに興奮しているのか分からないことが多いです。

暴力は、子どもの心に大きな傷をつくります。常習化してしまうと、子どもは反抗的な態度になったり、常に親の顔色を窺うようになってしまったりします。

虐待は犯罪です。たとえ短い言葉でも、伝えたいことはしっかりと伝わります。感情をぶつけるのではなく、しっかりと目を見て、凛とした態度で伝えていくようにしましょう。

感情的に怒ってしまう場合…原因を考え叱るに移行して!

育児の疲れや仕事のつかれから、つい感情的になってしまうこともあると思います。真面目な方ほど、理想とのギャップを感じ自己嫌悪に陥ってしまいます。

そんな時は深呼吸。何にイライラしているのか原因を考えましょう。

怒ると叱るの違い

「怒る」と「叱る」。どちらも似ているようですが、意味は大きく異なります。

  • 「怒る」…自分のための行為で、怒りの感情をぶつけること。
  • 「叱る」…相手のための行為で、よくない行動を指摘して正すこと。
考え方は人によって違ってくると思いますが、重要なのは、相手のためなのか、自分のためなのかということです。

子どもの未来を考えて、「怒る」と「叱る」を使い分けましょう。

今なぜ叱ろうとしているのか深呼吸して整理する

叱ろうとしているその時に、「なぜ、今叱るのか」と自分に問いかけてみましょう。そして、その質問を自分に投げかけている間に、深呼吸して気持ちを落ち着けるようにします。

頭に血がのぼっている時に、深呼吸なんて出来ない…と思われるかもしれませんが、一歩下がって状況を把握するためにも是非やってみて欲しいことです。

「なぜ?」の問いは、自分が今から伝えたいことを整理する問いでもあります。頭の中で、感情や言葉を整理して、子どもに伝えていきましょう。

「なぜ」の問いが習慣になれば、感情的になることも減ってきますし、心に余裕もできてきます。

この問いによって、諭すことと厳しく叱ることの線引きが自分の中でできるようになり、叱るという行為にも一貫性が生まれます。

子どもしか見えなくならないように、大事な我が子を見失わないように、感情を整理してコントロールしていきましょう。

効果的な叱り方!子供に考えさせてみたり、行動を促すように伝えよう

叱るという行動は、しつけのためにされていることが実は多いのです。

例えば、着替えの時間。一人で着替えが出来るようになるために見守っている際に、「ぐずぐずしないの!」「なんでそんなに遅いの?」「ボタンいつになったらできるようになるの?」などと叱ってしまうケース。

子供にとっては、「ぐずぐずって何?」「なんでってどういう意味?」「ママはなんでこんなに怖い顔をしてるの?」「いつになったらって?」と迷ってしまいます。

そう!子供は自分がなぜ叱られているのかを理解できないのです。

なので、叱らずになぜそれをするのかを伝えていくことが重要になります。

  • 「朝起きて、あいさつをしたらまず何をするんだったかな?」と質問して子供に考えさせてみて
  • 「頑張って一人で着替えてみようか!」と行動を促すように伝えてみて
  • 「時計の針が○○の所に来るまでに着替えを完成させてみよう!」さらに前向きに頑張れるように声かけしてみて
  • 「一人で着替えが出来るようになると、○○ちゃんかっこいいよ!」と褒めてみて

しつけとは、今までに出来なかった事を出来るように導いてあげることです。

出来なくて当たり前の事に対して、子供に叱ってしつけるのではなく、行動を促していく伝え方をしていくことが大切です。

しつけで「叱る」を使うということは、出来ていない子供を責めているということになってしまいます…。

「叱る」はやってはいけないことをやめさせる時に使う手段

叱るということについて、やってはいけないことを止めさせる時と、しつける時の両方を混同して考えている人が多いようです。

しかし、叱るというのは何かをやめさせる時に使うものと思っておきましょう。

食事の時間のことを例に挙げます。

  • 食べ物を粗末に扱うこと→叱るべきこと
  • 一人で食べられるようにしつけたり、様々な食材を食べられるように促す→叱る必要なし

後者の場合は、叱るのではなく、子供の気持ちが「食べたい!」になるように促したり、前向きになれる言葉がけをするほうが効果的ですよね。

しつけと叱ると混同してしまうと、食べられない事に対しても叱り、物を粗末にすることにも叱り、好き嫌いにも叱り、食べることが遅いことにも叱っている、一日中しかり続ける生活になってしまいます…。

今一度、自分がどんな場面で叱っているのかを考えてみてください。そして叱るべき所でない場面については、伝え方の工夫ができないかを考えてみてくださいね。

「叱り方」を考えているは、愛情を注いでいる証拠

「子どもに伝わるようにしたい」「自分の叱り方でいいのか…」そんな風に「叱り方」について深く考えることができるのは、子どもへの深い愛情があるからこそだと思います。

叱り方に技も必要ですが、一番大事なことは子ども達がたくさんの愛を感じながら成長していくということです。

子ども達が自分に自信を持ちながらも、社会で活躍することができる大人になれるように、親として今できる精一杯のことをしていきたいですね。

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