不育症検査はいつ受ければいい?内容や費用についても知っておこう

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2017/08/30

不育症検査を受けている女性

なんども流産を繰り返したり、死産を経験したりした場合、不育症の疑いがあるため原因を究明することが大切です。

不育症の検査を受けたからと言っても、100%原因が分かるわけではありません。検査を受けても、60%以上が原因不明とされています。

それでも、不育症の検査を受けることによって原因が分かれば、次に妊娠した時にどのように管理していけば良いのか判断していくことが出来ます。

不育症の検査を受けるタイミング、検査内容や費用について説明をします。

不育症の検査を勧められるのはいつなのか

妊娠を喜んでいた矢先に訪れる流産や死産…。その不安を少しでも取り除くために、検査を受けたいと考えている人もいます。

妊娠10週までの、1度の流産は胎児の染色体異常による偶発的な流産の可能性があり、不育症の検査をする必要はないとされています。

厚生労働省研究班のホームページ「FuikuーLabo」によると、下記の状態の場合は不育症の検査を受ける事を勧めています。

  • 2回以上流産を繰り返した場合(反復流産)
  • 3回以上流産を繰り返した場合(習慣流産)
  • 妊娠10週以降の流産・死産が1度でもあった場合

不育症の検査を受けて治療をした方、検査では原因が見つからず経過観察の方を含めて、不育症外来を受診した人の約80%以上が、出産に至ったとの報告もあります。

検査をし原因が分かること(偶発的な流産の可能性も含めて)、適切な処置をすることが、次回の妊娠への不安な気持ちを払拭してくれることもあります。

不育症の検査はどこで受ければよいのか

不育症については不育症専門の医療機関を受診することをお勧めします。とはいえ、不育症専門の医療機関はまだまだ少ないのが現状です。

厚生労働省ホームページ内に「全国の不育症相談窓口」が掲載されているので、問い合わせてみるか、近くの産婦人科に相談し、紹介状を書いてもらう方法もあります。

不育症研究機関については厚生労働省研究班「FuikuーLabo」で紹介されています。

不育症専門の医療機関が遠方の場合は、電話相談、メール相談などで自分にベストな病院や受診方法を確認してみることから始めてみて下さいね。

不育症の検査はどんなことをするの?種類や時期について

不育症の検査はどのようなことをするのか…。不育症の検査の種類や検査を受ける時期について説明します。

いつ不育症の検査を受ければよいのか

不育症の検査の進め方は医療機関によっても少し違いが出てきますが、生理中、生理終了後、排卵期など、生理周期毎に検査をしていく必要があります。

流産してすぐは、妊娠ホルモンを継続していて正確な検査結果が出ないため、流産後1度以上、生理を見送った後の受診を勧められることが多いです。

検査は1度では終わらないため、場合によっては初診から2カ月以上に渡って数回に分けて検査が必要になることもあります。

月経周期によって受ける検査内容が変わってきます。受診する予定の医療機関の空き状況とご自分の月経周期を照らし合わせながら、時期を決めていきましょう。

検査の項目と診断される内容

不育症の検査には下記のような検査があります。妊婦健診や不妊症の検査と重複する場合もあるため、受けたことがある検査については確認してみましょう。

検査の種類については、医療機関や検査を受ける人の状態によって異なりますので、項目については参考程度と考えて下さい。

子宮形態異常の検査(X線造影・内視鏡)
先天的な子宮奇形や子宮の内腔(赤ちゃんの部屋)に影響する子宮筋腫などがないか調べます。造影剤を子宮内に入れてレントゲン撮影します。
内分泌代謝異常検査(血液検査)
黄体機能不全、高プロラクチン血症、甲状腺機能異常などの内分泌系に異常がないか調べます。糖尿病についても調べることがあります。

黄体機能や卵巣機能の検査については生理開始1~5日に行われます。

血液凝固異常検査(血液検査)
血液が固まりやすくなる因子が多くないか調べます。
自己抗体検査(血液検査)
自己抗体(自分の細胞などを異物として認識し攻撃)の検査を行います。抗リン脂質抗体が不育症の原因として挙げられますが、抗体の種類は人によって異なります。
感染症検査(血液検査)
クラミジアなどの感染症がないか調べます。
同種免疫異常検査
免疫は本来異物を排除するために働きますが、父親の遺伝子を持っていても赤ちゃんを異物と扱わないようにできています。

赤ちゃん自体を異物とみなしてしまうのが同種免疫異常です。同種免疫異常がないかを検査します。

夫婦の染色体異常検査(血液検査)
夫婦のどちらかに染色体異常がないか調べる検査です。
性格特性検査
環境因子や性格特性について分析し、不安因子がないかどうか調べます。ストレスによる不育症の可能性を考えて検査します。
検査によっては月経中や高温期にしなくてはいけないものもあるため、基礎体温をつけて生理周期を把握しておくことが大切です。

不育症の検査に掛かる費用は?保険対象になるのか

不育症の一般的な費用は保険適応となりますが、有効性が認められていない研究段階の特殊な検査は保険対象外となっています。

初診では保険対象の一般的な検査から行われることが多いです。不育症の検査費用は受ける項目・医療機関によって異なります。

一般的な検査をした後に特殊な検査をする必要がある場合は、保険適用外になり検査費用は高額になります。

検査 検査内容 保険適応
子宮形態検査 子宮卵管造影
子宮形態検査 経腟超音波
子宮形態検査 子宮鏡
内分泌検査 甲状腺機能
内分泌検査 糖尿病検査
夫婦染色体検査 夫婦染色体検査
抗リン脂質抗体 抗カルジオリピンβ2グルコプロテ
イン I 複合体抗体
抗リン脂質抗体 ループスアンチコアグラント
抗リン脂質抗体 抗 CLIgG 抗体
抗リン脂質抗体 抗 CLIgM 抗体 ×
抗リン脂質抗体 抗 PEIgG 抗体(抗フォスファチ
ジルエタノールアミン抗体)
×
抗リン脂質抗体 抗 PEIgM 抗体 ×
凝固因子検査 APTT
凝固因子検査 第Ⅻ因子活性
凝固因子検査 プロテイン S 活性もしくは抗原
凝固因子検査 プロテイン C 活性もしくは抗原

※平成 23 年度厚生労働科学研究費補助金「反復・習慣流産(いわゆる「不育症」)の相談対応マニュアル p14」を元に作表

検査費用のめやす(保険適用時)※医療機関によって異なります
  • 子宮卵管造影検査…4000~5000円
  • 経膣超音波検査…1500円
  • 子宮鏡検査…3000円
  • 血液検査…1000円~9000円

1度の検査で40000円以上かかる場合もあります。トータルで5万円~20万円くらいを見ておいた方が良さそうです。

どのような検査が必要でどのくらい費用が掛かるのか、事前に主治医に確認することが必要です。

保険適用外の検査について助成をする自治体もありますので、検査を受ける前に自治体のホームページなどで確認してみることをお勧めします。

検査結果が出るまでの時間は体や心を癒す時間と考えて

原因が分かれば原因に対して管理していき、分からなかった場合もカウンセリングを受けたことにより、無事に出産まで至った人も多いです。

不育症の検査は結果が出るまでに時間が掛かり、結果が出るまでは子作りを控えるように言われる場合もあります。

妊娠を焦る気持ちもあり、検査結果がなかなかでないとイライラしたり、不安になったりすることもありますよね。

検査結果が出るまでは少し休憩して、体や心を癒す時間に当ててみても良いですよね。原因が分かれば医師と相談しながら前向きに対応していくことが大切です。

▼不育症になるリスク因子についてはコチラも参考にしてみて!

▼不育症の治療法や対処法についてはコチラも参考にしてみて!

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