甘やかすと子供がダメになる?甘やかしによる影響や甘えさせとの違い

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2017/11/13

甘やかされず甘えて育った子供

子供の甘えへの対応は「たっぷり甘えせた方がいい」「子供がワガママになるから甘やかさない方がいい」と周りの意見が分かれやすい問題なので、どうしたらいいのか迷ってしまいますよね。

結論から言うと、どちらも正解です。「甘えさせ」は子供の成長になくてはならないものですが、間違えて「甘やかす」と子供をダメにしてしまいます。

でも「甘えさせ」と「甘やかし」の違いは微妙でなかなかわかりづらいもの。実際、子供のために!と思ってやったことが「甘やかし」になりがちなんです。

この記事では「どうして子供の成長に甘えが必要なのか?」から「『甘えさせ』と『甘やかし』の違い」「子供が甘えてきたときの対応」までをお伝えしていきます。

甘えは心のエネルギー!子供の自己肯定感を育む

子供は「甘え」と「不安」を行き来しながら成長していきます。

たとえば、外ではとてもいい子にしていたのに、家に帰ってくるとわがままを言ったりベタベタしてきたりした事はありませんか?

それは、外で頑張っていたときの不安な気持ちを、甘えることで安心するためです。

いわば甘えは「心のエネルギー」。たっぷり甘えることができた分、外で頑張ることができるし、自分に自信を持つことができるようになります。
  • すべてに安心感がもてる
  • 人目を気にしせず自分を出せる
  • 他人に優しくできる
  • 自立できる

甘えられる時期に十分に甘えられた子は、このようにのびのび育っていくことができるのです。

甘えられなかった子は自分に自信が持てない

甘えられなかった子は「心のエネルギー不足」で自分に自信が持てないため、以下のように育っていきます。

  • おどおどして自分を出せない
  • 人の目や評価を気にする
  • 親が信頼できないので言うことを聞かない
  • 自分に存在価値を見いだせない
  • 寂しさや不安感を抱えたまま育つ

甘やかすと子供がダメになる!「甘え」との付き合い方が大切

子供の「甘え」に親が応えることはとても大事なことですが、ここで1つ注意があります。

それは、『甘えさせ』と『甘やかし』は全く違う!ということ。

『甘えさせる』と、子供はのびのび育って自立できます。ですが、『甘やかし』をしてしまうと、子どもは依存的になって自立できなくなってしまうのです。

『甘えさせ』と『甘やかし』の違いは「誰の想いを満たすのか?」です

『甘えさせ』と『甘やかし』の違いは・・・ズバリ!「誰の想いを満たすための行為なのか?」です。

『甘えさせる』とは、子供の想いを満たしてあげるための行為です。

「抱っこして!」「ママ話を聞いて!」という子供の要望に応えて、「僕(私)はここにいていいんだ」という安心感を与えることです。

『甘やかし』とは親自身が満足するための行為です。

たとえば、子供が望んでないのに物を与えたり、子供が困らないようにと先回りしてなんでもやってあげたりすることです。

自分らしく生きていける強い子を育てるためには、自立を妨げる『甘やかし』に注意しながら子供の「甘え」に応えていく必要があります。

シーン別!甘えとの上手な付き合い方

「どんな場合が『甘やかし』になるのか?」の区別をするのは、なかなか難しいですよね。そこで、よくあるシーン別に【NG例】と【OK例】を解説していきます。

1.「自分でやる!」と言い出したことができず頼ってきたとき

自我が芽生えてくると、いつもは人にやってもらっていることを自分でやりたがるようになります。でも、結局すぐにはできなくて・・・「ママやって!」と頼ってくるときは、どんな対応をしたらいいのでしょうか?

【NG例】代わりにやってあげる・諦めさせる
「●●ちゃんにはまだ難しいからやってあげるね」と代わりにやってしまったり、もう一度チャレンジする機会を奪ってしまうのは『甘やかし』になります。せっかくの「自分でやりたい!」という意欲の芽を摘んでしまい、自立を妨げてしまう可能性があります。
【OK例】子供の心に寄り添いながら一緒に乗り越える
「頑張ったのにできなくて悲しかったね」「ママと一緒にやってみようか」と励ましてあげると、「できると思ったのにできなかった」というショックから立ち直ることができます。
「甘え」を上手に受け止めるには、子供の心に寄り添うことが大切です。子供は自分ひとりで失敗を乗り越えられるほど強くはないので、ママのサポートが必要です。

2.いつも自分でやってることを「やって!」と言う

着替えや靴履きなど、いつも1人でやっていることを「できない!」「やって!」と甘えてきたときはどんな対応をしたらいいのでしょうか?

【NG例】親がやってしまう
そんなときに「しょうがないわね~」と本人ができることまで親がやってしまうのは「甘やかし」になります。
【OK例】子供のやる気を引き出す言葉かけをする
「甘え」を上手に受け止めるには、「この服を着たかわいい●●ちゃんを見せて!」「かっこよく靴を履くところがみたいな~」といった子どものやる気を引き出すような言葉かけをして、自分でできるようにサポートします。
自分でできることをママにやってもらいたがるときは、なにかしらの原因がある可能性があります。たとえば、「下の子が産まれて寂しい」「もっとママにかまってほしい」などです。甘える原因を考えてみると、子どもの本当の想いを知ることができるかもしれません。

3.抱っこをせがんだり、ひざの上に乗ってくる

「抱っこ!」とせがんできたり、黙って膝の上に座ってきたりするときは、どうしたらいいのでしょうか?小さい子なら「よしよし」となるかもしれませんが、もう大きいお兄ちゃんやお姉ちゃんが甘えてきたときは、ちょっと対応に困るかもしれません。

【NG例】甘えを突っぱねる
「今忙しいからやめて!」「もう大きいんだから!」と言って突っぱねてしまうと、子供は不安な気持ちを抱えたままになってしまいます。
【OK例】十分にスキンシップをとって安心させる
子どもがスキンシップを求めてきたときは、抱きしめたり話を聞いたりして、十分に甘えさせてあげます。
悲しいことや不安なことがあったときは誰かのぬくもりを感じたり、話を聞いてほしくなったりするのは子供も大人も同じこと。ベタベタと甘えてくるときはなにか不安になるようなことがあったのかもしれません。しっかりスキンシップをとって安心させてあげましょう。

4.「買って!」と駄々をこねたとき

買い物に行って「これ買って!」と駄々をこねることがありますよね。床に寝転んだり泣き出したりとあまりに激しく駄々をこねられると、どうしていいか困ることもあるかと思います。

【NG例】おねだりを受け入れる
人目が気になって子どものおねだりを受け入れてしまうと、「駄々をこねれば欲しい物が手に入るんだ!」と学習して、もっとワガママを言うようになります。
【OK例】買い物前に約束をしておく
買い物前に「今日は買わない」「一つだけならいいよ」などの約束をして守らせます。
「安いお菓子だから」とおねだりを許してしまうこともあると思います。ですが、小さいうちからおねだりを許してしまっていると、高価なものを欲しがる年齢になったときに困ったことになります。「ダメなものはダメ」としっかりメリハリをつけることが大切です。

5.ママが用事をしているときにまとわりつく

ママが友達と話していたり、家事をしているときなどに「ねぇねぇママ!」とまとわりついてくることってありますよね。「ちょっと待っててね」と言いたくなってしまうところですが、どんな対応をしたらいいのでしょうか。

【NG例】「いい子にしてて!」と交換条件を出す
「お菓子を上げるから静かにしてて」と交換条件をしてしまうと、子どもが「●●してくれたらいいよ」と自分から条件を出してくるようになり、ワガママな子になってしまいます。
【OK例】用事を中断して子供に向き合う
用事の最中に子どもがまとわりついてきたときは、一度中断して子どもに向き合います。
ママ側としては用事を優先したいときもあるとは思いますが、 4歳ごろまでは長い時間待っていることが難しくて当たり前です。ママが他の人と話していたり、用事をしてかまってくれないと、さびしく感じることがあります。

6.「まだ遊びたい!」「まだ寝ない!」と言うことを聞かない

もう帰る時間なのに、公園から帰りたがらない・・・
いつも寝る時間なのに、布団に入りたがらない・・・

あまりに楽しい時間だったり遊びに熱中していたりして、子どもが全然言うことを聞いてくれないと、どうしていいか途方にくれてしまいますよね。

【NG例】子供の希望をきく
「仕方ないわね」と飽きるまで遊ばせたり、夜更かしを許してしまったりと子供の言うことを聞いてしまうのは『甘やかし』になります。
【OK例】子供にけじめをつけさせる工夫をする
「ヨーイドンでおうちまで競争しよう!」と子どもが自分から帰るような声かけをする。「絵本を読んだら必ず寝る」と習慣づけをする。などの工夫をして、けじめをつけさせます。
子どもの気持ちを尊重することと、子どもの言いなりになることは全く違います。

甘えに付き合えないときは事情説明と約束を!

ママが忙しいときや疲れているときに子供から「抱っこ!」「話を聞いて!」と甘えられると、「お菓子をあげるからあっちに行ってて」と『甘やかし』を選択せざるを得ない時もあるかもしれません。

けれど、『甘やかし』では子供の心を満たすことができません。

子供にかまう余裕がないときの対処法としては、事情を説明して「あとでね」と約束をするという手があります。そして、用事がひと段落したら必ず約束を守るようにしましょう。子供はママのことが大好きですから、きちんと説明すればわかってくれるはずです。

子供のタイミングで全ての「甘え」に付き合おうとすると、ママの心が苦しくなることもあると思います。少しずつ親子にとって心地いい「甘えの受け止め方」を見つけていくようにしましょう。

3歳から10歳まではたっぷり甘えさせよう!

脳の発達から考えると、3歳までの時期はもちろん、10歳くらいまでは十分に甘えさせてあげることが大切です。

とくに3歳までは自分という土台作りをしているため「甘え」が重要になってきます。とことん甘えさせて、「僕はここにいていんだ!」「僕は僕のままでいいんだ!」という自己肯定感を育むようにしましょう。

小学生になっても赤ちゃんみたいに甘えてくるときは「お友達とケンカした」「学校で嫌なことがあった」などで心のエネルギーが減ってしまったときです。しっかり甘えさせて心にエネルギーを補充してあげるようにしましょう。

パパとママで意見が違う場合は、話し合いを!

『子どもの甘え』への考え方が、夫婦で違うときはどうしたらいいのでしょうか?

たとえば、「ママは子供の甘えを受け止めたい」「パパは厳しくしつけないと子供がダメになる」と考え方が違うと、どうしていいか悩みますよね。

パパとママの考え方が一致していないと、子供は「この前は怒られなかったのに今日は怒られる」という体験をして、「なにが良くてなにが悪いのか?」がわからなくなってしまいます。

夫婦で考え方を一致させるために、まずは話し合いをしてみましょう。

  • どこを目指して子供を育てていくのか?
  • 良いことと悪いことの基準
  • 家族内で大切にしたいことはなにか?

最初は意見が違いすぎて「分かり合えない!」と思うこともあるかもしれませんが、根っこにある『子供を想う気持ち』は同じなはず。2人の意見が違えば違うほど、お互いに見落としていたことに気づける可能性があります。

夫婦で共通認識を持てば「悪いことをしたらパパが叱って、ママがフォローする」「ママがしんどいときは、パパが甘えさせる」のように役割分担ができるので、子育てがずっとラクになります。対立するのではなく、夫婦で協力する体制を作っていきましょう。

自立した子に育てるために「甘え」と上手に付き合おう

子供の「甘え」は心の成長になくてはならないものです。しっかり甘えさせてもらった子は、心が安定して自立できるようになります。

けれど、子どもの「甘え」をそのまま全部聞いてしまうと、ときには『甘やかし』になり子どもの自立を妨げてしまいます。『甘やかし』に注意しながら、子供の「甘え」に付き合うことが大切です。

「今まで甘やかしてしまってた・・・」とドッキリしたこともあるかもしれませんが、いきなり子供との関わり方を変えるのは難しいことです。無理せずできることから取り入れて、子どもの心に愛情エネルギーをたくさん注いであげてくださいね。
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