子供の味覚を育てる方法と、3歳までにできる好き嫌い克服法!

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2017/02/06

『子どもの味覚をきちんと育てて、好き嫌いなく健康な子になってほしい。』ママは誰しも、子どもの食事を考える際、こんなふうに願いますよね。

しかし、いつから、どのように味覚の形成や好き嫌いは始まっていくのか、ママ自身もわからないことだらけですよね。

子どもの味覚の育ち方や、好き嫌いが生まれてしまう原因を知り、家庭でできる食育を親子で楽しんでいきましょう!

基本味と、子供の2つの味覚のメカニズムを知ろう!

赤ちゃんや小さい子供は、甘いものを好みますよね。これには、理由があります。

まず、さまざまな食材には、それぞれが持っている個性“基本味”があります。食材や料理によって、この基本味の特性やバランスが変わってくるので、いろいろな味を楽しめるのですね。

基本味には、以下の5つがあります。

5つの基本味 基本箕が持つシグナル
甘味 エネルギー源のシグナル
塩味 ミネラルのシグナル
酸味 腐敗したもののシグナル
うま味 タンパク質(アミノ酸) のシグナル
苦味 毒のシグナル

※(辛味) 辛味は強い刺激からくる痛覚や温覚などから感じるもので基本味には入っていません 。

【本能的に好む味】子供が甘いものを好むのには理由がある!

上の表の中で、甘味・塩味・うま味の3つは、私たちが生きていくうえで不可欠な(もちろんまだ離乳食の始まっていない赤ちゃんにも不可欠な)エネルギー・ミネラル・タンパク質を見抜くシグナルとなるものです。

ゆえに、人間は、本能的にこれらの味を好みます。母乳にもこの3つの成分が含まれています。

中でも、母乳は甘味が強いとされています。(大人が舐めてもしょっぱさや血液のような味を感じたり、なかなかこの表現には納得しがたいですが…。)

また、お米(お粥)も糖を含んでいて、よく噛みしめるとほんのりと甘いですよね。

赤ちゃんが生まれて初めて口にする液体は母乳やミルクです。また、初めて食事(離乳食)として口にするものはお米(お粥)ですよね。

これらの持つほんのりと口に広がる“甘味”は、赤ちゃんにとって安心感のある味、親しみやすい味なのです。

また、塩味は時に甘味を引き立てたり体液のバランスを保ち、うま味もタンパク質の元であるアミノ酸が安全でおいしい味だということを、自然と小さな子供の脳が理解しているのですね。

よって、子供はこれらの味が本能的に好きで受け入れやすいのです。

【経験によって好むようになる味】子供がピーマンを嫌うのにも理由がある!

一方、上の表からも、酸味と苦味からは、腐敗や毒と、その字面からしてもネガティブな印象を持ってしまいそうなシグナルが発せられています…。

食の経験が少なく、新しいや慣れない味に敏感な小さな子供は、もちろん初めからこれらの味を好まないのです。

子供が苦手なこれらの基本味を持つ食材といえば、ピーマンが代表的ですよね。

なぜ好まないのか、子供が拒否をしてしまうのかというと、小さな子供は、大人のように目の前にある食べ物が腐っていないか、有毒でないか、と確認をすることはできませんよね。

もし、そんな状態の食べ物を不本意にでも口にして「おいしい」と感じ飲み込んでしまったら…病気になってしまったり、命の危険にさらされる可能性だってあります。

腐敗・毒のシグナルを、体が本能的に排除しようとしているのですね。

体の素晴らしい仕組みとも言えます。

しかし、先にも述べたとおり、食材や料理は、5つの基本味が組み合わされてそれぞれの味をつくり、もちろんそれらをバランスよく食べることが健康な体を作ることや成長に大切であることは、言うまでもありません。

では、小さな子供に、酸味と苦味を「食べても大丈夫なもの」そして「おいしいもの」という意識を持ってもらうため(意識を変えていく)ためには、どうすれば良いのでしょうか。

それは、酸味や苦味を口にする経験、そしておいしいと感じた経験を、私たち大人が増やしてあげることです。

子供の味覚は生まれる前から育ち始め、3歳頃にはほぼ決まる!

私たちの舌や口の中には、味蕾(みらい)という感覚器官があり、この味蕾で食べ物や飲み物など口にするものを味わっているのです。

この味蕾の数は、乳児期にはすでに大人と同じくらいの数があります。そして、少しの異物も体の中に入れないように感覚が研ぎ澄まされています。

すなわち、乳幼児期が一番味覚が研ぎ澄まされた時期なのです。そして、その研ぎ澄まされた味覚は、乳幼児期の子供では大人の3倍ほどと言われます。

さらに、人間の味覚は3歳頃にはほぼ決まり、8歳頃には確定すると言われています。

幼児期に嫌いになったものはその後にも影響し、学童期以降に崩れたバランスや好き嫌いを克服しようとするのは難しいということですね。

味覚形成において大切な時期である3歳までの子供に、たくさんの味覚を経験させ、おいしいと感じてもらう(感じられるよう工夫をする)ということが、その子の一生の味覚や好き嫌い、そして健康にも関わってくるということです。

我が子を思う親心から、食育はもう始まっている!

この3歳までの期間は、もっとも大切な食育を実践していくべき期間です。

食育というと、なんだか難しそうに感じてしまうでしょうか。

そんな心配は無用です。

食育は、家庭で子供の食の経験をより良くするためにママがしてあげること、子どもが少し大きくなった際には一緒に食事について考えることなど、ママが日頃から心がけていることも、すべて食育と捉えることができるのですよ!
  • 子どもの苦手な食材の調理方法を工夫すること
  • 楽しく食事ができる雰囲気をつくること
  • 栄養バランスを考えた献立にすること

このように、ママが日頃心がけていることは、実は立派な食育につながっているのです!

しっかりしたからだをつくり、からだがもつ本来のチカラをぐんぐん発揮させるためには、毎日の食事がとても大切です。

あとは、具体的なポイントを押さえて、毎日の食卓で実践をしていくだけですね!

【乳児期】食事は楽しく、食べることに慣れさせて!素材を活かすことも大事

赤ちゃんは生まれてからしばらくは母乳やミルクなどの液体しか口にしませんが、離乳食が始る頃からは、しっかりと食べる楽しさを教えながら味覚の形成をしてあげたいものです

とはいっても、離乳食初期の赤ちゃんは、まだドロドロにしたお粥やさつまいもなど、(アレルギーが心配だという面からも、)食べさせることのできる食材の種類は限られています。

食べる経験がつらいものとならないよう、赤ちゃんの好きな甘味をベースにした食材を使うことが多いですね。

しかし、工夫して時間をかけて初めての離乳食を作っても、赤ちゃんが食べてくれないと悩むママは多いです。

しかし、初めのうちは食べてくれなくともあまり心配はいりません。

そもそも、赤ちゃんはそれまで液体しか口に含んだことがなかったのです。

そんな赤ちゃんは、ドロドロのお粥といえども形のあるものやスプーンなど、初めてのものが口に入ってくると、それを異物とみなし舌で押し出してしまったり、嫌がったりするという反応が出てしまうことは自然なことです。

そんな、離乳食を始めたばかりのころから、好き嫌いが出ないように…ということばかり気負ってしまっていては、ママも大変です。

何日も時間をかけ、赤ちゃんが初めての食べ物(お粥)を口に入れ飲み込むことに慣れてから、次のステップについて考え始めましょう。

赤ちゃんが上のことに慣れてきたら、この時期ならではの食の経験を親子で楽しみながら、離乳食期にできる食育について考えてみましょう。

無理強いは禁物!楽しく食の経験ができる雰囲気を作ろう!

子供の離乳食が始ると、ママはこれまでより一段と忙しくなります。

頭の中も離乳食のことでいっぱいになったり、一生懸命作った離乳食を全部食べてほしいという期待も高まりますよね。

しかし、赤ちゃんが離乳食を拒否してしまったり、期待通りに食べてくれない時もたくさんあるでしょう。上で述べたとおり、これは自然な反応です。

そんな時、ママがイライラして無理やり嫌がる子供の口の中にスプーンを押しこんだり、何時間もかけて離乳食を食べるよう格闘してしまっていては、どうでしょうか。

子供の中で、“食事の時間は嫌な時間”という気もちが芽生えてしまいますよね。

この時期は、食べ物を少しずつでも口に入れる経験ができるだけで十分です。

結果として吐き出してしまっても、口の中で一度はしっかり味わって、少しずつ味覚は形成されていっています。

足りない部分は、母乳やミルクで補えるので、あまり食べなくても栄養面の心配は初めのうちはいりません。

離乳食を作る際にも、「食べてくれたらラッキー」くらいの気もちで、ママも肩の力を抜いて取り組めることが理想です。

ママもニコニコ、子供にとって“食事は楽しいもの”という潜在意識をつけてあげることが、初めのステップです。

「おいしいね」「かぼちゃは甘いね」など、ママが声をかけてあげることで、子供の味の体験を記憶に結び付けてあげやすくなるので、こちらも心がけたいですね。

食事のタイミングを調整し、おいしく食べる機会を作ってあげよう!

大人でも同じなのですが、空腹の時と満腹の時、その後の食事がおいしく感じられるのはどちらのタイミングでしょうか?

もちろん、空腹の時ですよね。その後の食事も、しっかりと味わいながら多くの量を食べることができると思います。

これまで母乳やミルクだけで育ってきた子供の生活リズムに食事(離乳食)が加わる際には、空腹時に食事の時間をもっていけるよう調整をしましょう。

子供の授乳のサイクルを観察しながら、初期(1回食)の段階は、午前中(朝起きてすぐの授乳の次の授乳時間の前)に食事をさせてあげるのが理想です。

おなかが空いた頃に食事を口にすることで、食べ物を拒否しがちだった子供も食べてくれる可能性が上がりますね。

その経験を重ね、味に慣れてくることで、さらに進んでたくさん食べてくれるよう、ステップアップしていくのです。

子供は初めは食事を終えた後に母乳やミルクを飲むことで栄養と満腹感を得ますが、じょじょに食事だけで量と栄養が摂れるように育っていきます。

おいしく食べることのできるタイミングを掴めるよう、子供の生活リズムを把握し整えていくことも、子供の良い食の体験機会を作る大切なママの役割です。

素材そのものの味を経験させてあげよう!

味覚の形成のために、この離乳食の時期に一番初めに心がけたいことは、調味料などで味付けをせず、素材そのものの味を子供に経験させてあげることです。

離乳食期は、これから何万回も口にすることになる一つひとつの食材の味を覚える、初めの大切な期間です。

濃い味にすることや、作られた味による味付けは、特に初期の離乳食期には必要ありません。

食材そのものの味をしっかりと味あわせてあげ、子供が食べにくい場合は、素材の味自体同士を組み合わせてレパートリーを増やすことができるよう心がけましょう。

たとえば白身魚などをそのまま食べにくそうであったり、お米だけのお粥に飽き始めてしまった場合などには、かぼちゃのペーストで味付けをしてあげる、といった具合です。

かぼちゃやバナナ、リンゴなど、素材そのものの甘味を味付けにも活かせる食材もいろいろあります。

味付け無しが基本ですが、子どもの状況を見ながら、自然な甘みを加えた献立を取り入れてみてください。

ただし、作られた甘味を早期から使用することはもちろん、自然な甘味であってもそれを摂取しすぎることは、小児糖尿病を発症するなど子どもの健康被害につながる可能性を高めてしまうこともあります。

甘味は子どもの好む味ですが、乳児期は特に適度な甘味にとどめた食生活になるよう心がけてあげましょう。

天然のだしを活用し、“和の味覚”を育ててあげよう!

離乳食が進んでくると、味のバリエーションやレシピも少しずつ増やしてあげたいですよね。

塩分や脂などで味付けをすると、私たち大人がおいしいと感じる味に近づきます。

子供も、濃い味を付けてあげると好んで食べるかもしれない、とつい調味料で味付けをしたくなってしまうかもしれません。

しかし、脂分や塩分で味付けをすることは、高カロリーになりやすく、上の項目で触れたように、子どもの味覚の正常な発達を妨げます。

この時期に子どもに基本味の内の塩味やうま味を経験させる際には、天然のだしを活用するようにしましょう。

(だしには他の基本味も含まれているため、だしの味は、子供が経験によって好むようになる味に分類されます。)

天然のだしの活用は、昔から私たち日本人の健康を支えてきた、低カロリーで薄味でもおいしく感じられる“味覚の形成に最適な味付け方法”です。

だしの味を幼いころから経験した子どもは、大きくなっても、だしを利かせた低カロリーな食事を好んで食べることができるのです。

天然のだしは、昆布、かつおなどから、私たちが日頃お味噌汁のだしをとる際の工程でとったもので大丈夫です。

(濃いと感じた際は、子供に与える分は薄めてください。残っただしは料理に活用できますね。)

昔ながらの日本の和食のパワーが世界的に見直されている時代です。

健康への善し悪しに関わらずいろいろな食品を手軽に手に入れることのできる現代ですが、この時期にしっかり和の味覚を育て、子供が好んで進んで和食を食べられるよう育ててあげたいですね。

ベビーフードは必要に応じて上手く取り入れよう!

ベビー用品店やスーパーなどにも、今やたくさんの出来合いの離乳食であるベビーフードが並んでいますよね。

ベビーフードは、日持ちもし、持ち運びにも便利なうえ、お手頃価格でさまざまな野菜や栄養素が含まれているので、ついベビーフードに頼ってしまう、というママは多いです。

一方、ベビーフードは塩分過多なのではという不安や、「ママが子供の食事をすべて作ってあげなければ」と使命感にかられ、ベビーフードは絶対使いたくないというママも多いです。

しかし、そんな気もちを抱えたママ自身がしんどさを感じる場合は、どちらの考えにも偏りすぎず、ベビーフードはむしろ必要に応じて上手く取り入れていくべきであると考えた方が良いかもしれません。

たとえば、レバーなど家庭で離乳食用に調理をするのが難しい食材なども、ベビーフードで摂ることで赤ちゃんの味覚を育てる手助けができます。

また、ベビーフードは離乳食の段階に応じて、食材が適度な大きさや硬さにあらかじめ調理をされています。ママは時々ベビーフードを手作りの参考にするのも良いでしょう。

ベビーフードは、食塩度など厳しい基準を満たして商品化をされているので、安心して子供に与えることができる食品です。

外出の際やママがリフレッシュをしたい際など、子供に食べさせることに負い目を感じず、むしろ日頃あまり食べさせてあげられていない食品が含まれたベビーフードを選ぶなど、工夫をしてみましょう。

ベビーフードの塩分が手作りの離乳食より多いということはありませんし、ベビーフードだけ食べていても、塩分のとりすぎになることはありません。むしろベビーフードの味つけは、手作りの離乳食のお手本におすすめしているくらいです。

しかし、製品としてのおいしさや良い香りを求めたり、業務用の大鍋で大量の食材を煮詰めたりすることから、「どうしても感覚として味は濃いめになってしまう」ということは多いようです。

これは、筆者が地域で開催された乳児栄養相談に行った際、ベビーフードメーカーの管理栄養士の方から伺った話です。

大人がベビーフードを試食した際「味が濃い」と感じることはよくあることですが、これは錯覚ではなく事実のようですね。

いろいろな食品を味わうことで、子供の味覚の発達は促されていきますが、やはり、ベビーフードは味が濃い、手作り感に欠けるなどの悩めるポイントもありますので、適度な利用がおすすめです。

【幼児期】五感を使った食体験を通して、子どもの「食べてみたい」気もちを育てよう!

次に、離乳食をやミルクを卒業し、だんだんと大人の食事に近づいてくる幼児期の食育について見ていきましょう。

幼児期は、まだまだ味覚の形成のために大切な時期であるとともに、過去の記憶や見た目などから、特定の食材に苦手意識も持ちやすくなる時期です。

いわゆる、好き嫌いが始りやすい時期といえます。

幼児期の子供は、少しずつママの言葉が理解できるようになったり、自分の思いも伝えられたりと、言葉の発達もめざましいのが特徴です。

この時期にできる調理法や言葉がけの工夫が、子供の味覚の形成や好き嫌いの克服へとつながっていくのです。

もちろん、子供の成長は乳児期からずっとつながってきているので、上の乳児期のポイントもベースとして考えてくださいね。

では、日々の食卓で、親子で楽しい食の体験ができるよう、ポイントを整理します。

よく噛むことを意識させよう!

歯も多く生え、噛むことができるようになった幼児期の子供には、食事の際しっかり噛んで食べることを意識させましょう。

よく噛むことは、口の中全体にたくさんある味蕾を刺激し、味覚が形成されていきます。

味覚を形成していく以外にもたくさんのメリットがあります。

  • 胃腸の負担を軽くする
  • 虫歯になりにくくなる
  • 食べ過ぎを防止できる
  • 歯並びが良くなる
このように、健康や今後の成長のためにも、よく噛むことはとても大切なことです。

また、よく噛むことで、食材や料理の味をよりしっかりと味わえます。

たとえば、ご飯(白米)は口に入れた際にはあまり味を感じませんが、よく噛むことでじょじょに甘みが増してきます。

このような発見を楽しんだり、「おいしくなった」という記憶を重ねることで、子供の食への意欲も増していくのですね。

習慣化していくことで、子供は複雑に組み合わさった味覚を意識することができるようになってきます。

食材の切り方や調理法を工夫しよう!

子供が特定の食材に苦手意識を感じる際、実はその原因が味ではない、ということも多々あります。

筆者は幼児~学童児まで保育施設で携わってきた経験がありますが、たとえば、以下のような子供が多いのが実情でした。

  • お肉が硬くて噛みきれない、飲み込めないから苦手
  • 生野菜(または逆に茹でた野菜)の食感が苦手
  • 魚は骨があるから嫌い(痛い思いをしたことがある、面倒くさい)

このような子どもたちに共通することは、味付けを変えなくとも調理法を工夫してあげると食べられるケースが多い、ということです。

将来的には、どんな調理法で料理が出てきても食べられるようになってほしいものですが、この時期には、ママがひと手間加えてあげることが、子供の苦手意識克服につながることも多いものです。

子供の希望や状況に応じて、調理法を工夫してあげましょう。

  • 肉を細かめに切る、切込みを入れて噛み切りやすくする
  • サラダやおひたし等、野菜の調理法を工夫する
  • 魚の皮や骨は完全に取り除いてあげる

子供が言葉でコミュニケーションを取れるようになっていれば、「やわらかくなった?」「お野菜おいしくなった?」などと、会話をしながら(毎回でなくても良いので)子供の意見を尊重してあげてくださいね。

この工夫は、取り分け食でも簡単に実践できるものなので、ママも気負わず日々の食育に取り入れていくことができますね。

食材そのものに興味を持てるよう工夫してみよう!

子供が野菜嫌いになって困る、という悩みをお持ちのママは多いでしょう。

ピーマンを始め野菜には、酸味や苦味の基本味が含まれていることが多く、また、苦手な野菜ができてくると、色や食感が似ていることから、野菜全般を嫌いになってしまう子供は多いのです。

そんな時、どのように野菜を食べさせるかを考える前に、少し視点を変えて見ましょう。

野菜など、食材そのものが子供にとってあまり身近でないと感じられるのも、子供が苦手意識を感じてしまう一つの原因です。

子供が食材に興味や身近さを感じられる方法の例を挙げて見ます。

  • 野菜が登場する絵本を読む
  • 一緒に野菜を育ててみる
  • 一緒に調理をしてみる

すでに出来上がった料理を食べる際「ピーマン嫌いだから食べない」の一点張りになってしまう子供は、「ピーマンはおいしくないもの」という意識が固まってしまっていることが多いでしょう。

しかし、野菜の気持ちを考えることや、自分で育てたり調理をして思い入れを深めることで、「ピーマンを食べてみよう」と考えが変わる場合もあります。

都市部など家で野菜を育てるのが難しい場合でも、野菜を育てたり収穫を体験できる“貸し農園”もたくさんあります。このような場で野菜を育て、食育をおこなう家庭も増えています。

楽しく意欲的に食べる経験を繰り返すことで、味覚はしっかりと形成されていき、これまで苦手だった食材もおいしいと感じられるようになることも多々あります。

子供の年齢や関心に合わせながら、取り入れてみてください。

盛り付け方を工夫してみよう!

子供が「家では残してしまう食材なのに、それが入っているレストランのお子様プレートはいつも完食する」ということに驚きをもっているママも多いと思います。

上の“乳児期編”でお伝えしたように、食事の雰囲気が違い楽しく感じる、ということも理由の一つです。

しかし、他にも、お子様プレートには子どもが喜ぶ工夫がされていますよね。

それは、盛り付け方です。お子様プレートには、子供がメニューの写真を見た瞬間から「これを食べてみたい!」と思う、魅力的な盛り付け方をされている場合が多いですよね。

(もちろんハンバーグなどメニュー内容そのものの魅力である部分が大きいですが、同じ内容でも、見せ方によって心の動かされ方は変わりますよね。)

また、いわゆる“キャラ弁当”は子供たちに大人気です。

お子様プレートやキャラ弁当のように、子供が喜ぶ盛り付け方を工夫するだけで、普段食べてくれない食材をパクっと食べてくれることも増えるでしょう。

毎日食事の献立を考え調理をするママはちょっと大変になりますが、子供の「食べることができた」という自信をつけてあげるには、この方法が一番だと感じます。

子供が苦手な食材を細かく刻んで、好きな料理に混ぜてみよう!

これは、子供が苦手な食材を細かく刻んで、カレーやハンバーグ、グラタンなどの子供が好きな料理に混ぜてしまうという方法です。

(主に野菜に使える方法です。)

上ののメニューのラインナップや、ファーストフード店の商品に子どもが目を輝かせるという現象からもわかるように、味の濃い(脂の多い)これらの料理は、人間が本能的に好む味ですね。

この味を利用して、経験によって好んでいく味を「おいしい」と感じられるよう工夫するのです。

便利な方法ですが、毎日この方法を用いると、親子ともに濃い味に依存してしまい高カロリーな食習慣になってしまいますので、日々の献立のバランスを考えながら取り入れてみてくださいね。

この方法をおすすめしたいシーンは、以下の2つです。

  • いろいろな方法を試してみても、どうしても子供がその食材を食べてくれない時
  • 効率よく栄養バランスを整えたい時

あまりにも好き嫌いが多いと心配になりますが、子供も大人も少しくらい苦手なものや食べられないものがあるというのは仕方がない、と割り切る気もちも大切ですね。

しかし、苦手なものから栄養を摂りたい場面が多いのも事実です。また、上に同じく「食べることができた」という経験が自信につながることもあります。

もう一工夫してみましょう。

子供が苦手な食材を、子供が好きな味の濃い料理に混ぜることで、子供は気づかずに完食できることもあるでしょう。

その経験を繰り返し、必ずネタばらしは「おいしかった」という満足感の後におこなってください。

初めに伝えてしまうと、子供はスプーンで食材を凝視し選り分けるようになってしまうかもしれません。

また、好き嫌いに関わらず、野菜などをたくさん子供に摂取してほしい際にもこの方法は有効です。

味が濃い料理に混ぜた野菜でも、しっかりと噛むことで野菜そのものの味わいも自然にしっかりと味蕾に伝わります。

好きな料理に野菜をたくさん加え「おいしかった」と思う経験を積むことで、野菜そのものをおいしいと感じられるよう味覚は形成されていきます。

子供の様子を観察しながら、「ひと口」食べることを応援しよう!

大人にとっては日常的なことであっても、子供にとって、最初のひと口を口に入れることは、とても勇気のいることです。

まだどんな味かわからない初めて見る食べ物を口に入れる際には私たちでもドキドキしますよね。

幼い子供にとっては、毎回の食事がこのドキドキの連続なのです。

また、味覚の形成過程にあり味蕾もとても敏感であるため、酸味や苦味を含む食べ物を口にした際、子供は私たちの想像以上にクセの強さを感じているのです。

「ひと口ずつ」が味覚の形成や安心感にもつながる!

離乳食の鉄則も、最初は「ひと口から」ですよね。

新しい食材を始めて与える時は、ママは子どもの様子を見ながらひと口ずつ与えていき、子供は少しずつ味を記憶しながら新しい食材に慣れていきます。

このひと口ずつというのがポイントで、目的はアレルギー反応が出ないかを慎重に見ていくためであると同時に、味覚の形成をサポートするためという意味も大きいです。

子供にとってそれがおいしければ「もっと食べたい」という意欲につながります。

またそれが、この度受け付けない味であったとしても、まだ嫌な経験として刷り込まれていないため、次回の食事でまた「ひと口食べてみよう」という意欲(口を開けるという行為)につながるのですね。

乳児期の子供には、まずはひと口ずつ、ゆっくりしっかりと食材の味を味わってもらいましょう。

苦手なものでもがんばれる、「ひと口だけ」は魔法の言葉!

また、好き嫌いが出てきてしまった幼児期の子供に対しても、この「ひと口」というのが、苦手なものに対してがんばれるか否かの境界線にもなるでしょう。

上で述べた「味覚を育てるために、家庭でできるポイント」を実践しながらも、ママがいきない「今すぐ好き嫌いを克服させなければ」と大きな目標を掲げてがんばりすぎると、子供にも大きな負担となってしまいます。

好き嫌いの克服までは、長い道のりと考え、小さな進歩を褒めることを繰り返していきましょう。

その過程で、ママが子供を安心させてあげられる言葉があります。

それは、「ひと口だけがんばってみよう」という言葉です。

子供は、苦手なものを毎度残さず食べるように言われてしまうと、食べること自体が重荷になってしまい、これは心の安定にも良くないですね。

しかし、ママが自分のために工夫や努力をしてくれていることに気づけた上で、さらにこのように声をかけてもらえると、どうでしょうか。

子供自身も「ひと口だけがんばって食べてみよう」とチャレンジする意欲が湧く場合が多いです。

一方、同じひと口でも、「ひと口だけでも食べなさい!」は、子供を追い詰める言葉です。

ママの言葉がけは、子供にとってとても大きな影響力をもっています。

特定の食材を食べると毎度激しく吐いてしまうなど、明らかに様子がおかしい場合には、アレルギーなどの心配もあるため一度医療機関で相談をした方が良いでしょう。

しかし、過去の経験や先入観から苦手意識を感じているものに関しては、ママの工夫と声かけを続けていくと、自然と少しずつ量もたくさん食べることができるよう、子供は変わっていきます。

子どもの成長に一番大切なことは、ママの気もちが伝わる食育です!

大切な乳幼児期は、味覚の形成や好き嫌いの克服に向けてのママのがんばりどころです。

考えることや準備に忙しくなり少し大変ですが、食の体験を通して、子供の小さな成長の一つひとつを、ママ自身もしっかり見届けることもできるのです。

ママ自身も気負わず、子供と一緒にたくさんの食の体験を楽しんでくださいね。結果として、このことが“家庭でできる一番の食育”にもつながることでしょう!

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