1歳になったらMRワクチン接種!未接種の大人も予防接種を

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2016/03/01

ワクチンを接種する子供
MRワクチンは、麻疹・風疹混合ワクチンです。麻疹(はしか)も風疹も感染力が強い病気です。

先進国ではほとんどみられなくなった国も多いのですが、日本では今でも断続的に流行を繰り返しています。

麻疹は古くから恐れられてきた、死亡することもある病気です。

風疹は「三日ばしか」と呼ばれ、麻疹ほど重症にはなりませんが、妊婦さんが感染するとお腹の赤ちゃんに深刻な影響を与えるため問題視されています。

日本で麻疹・風疹の流行を食い止め、子どもたちを病気から守るためには、みんなが積極的に定期接種を受けることが大切です。子どもたちは予防接種を受けて、怖い病気をシャットアウトしましょう。


MRワクチンは1歳から2回接種!同時接種で賢くこなすためのスケジュール

MRワクチンは、以前はそれぞれ別に接種していましたが、現在では麻疹と風疹を同時に接種できるMRワクチンが定期接種となっています。

1歳のお誕生日を迎えたら接種!重要な予防接種のひとつ

MRワクチンは、1歳のお誕生日から接種できます。

1歳代に接種するように推奨されていますが、大切な定期接種のひとつなので、遅れたり忘れたりしないように、できればお誕生日がきたらすぐにでも接種を済ませてしまいましょう。

   

   

MRワクチン 詳細説明
接種の種類
(定期/任意)
定期
ワクチンの種類 生ワクチン(接種後は中27日、4週間後から他の接種が可能)
同時接種について 同時接種可(おたふくかぜワクチン・水痘(水ぼうそう)ワクチン・インフルエンザワクチン等)
接種推奨年齢 1歳~
接種回数 1期(乳児期)1回
2期(小学校入学の前年)1回

※定期接種は、期間内に接種できない場合自己負担になります。病気など理由がある場合は自治体に申請しましょう。

MRワクチンは2期にわけて接種します。

第1期
1歳代で受ける。1回
第2期
小学校入学の前年、幼稚園・保育園の年長さんの間に1回

2期にそれぞれ1回ずつ、計2回の接種が必要です。特に2期目は少し期間があいてしまうので、忘れないように接種を受けましょう。期限は1年間で、それを過ぎると費用が自己負担になってしまいます。

麻疹(はしか)は、近年流行が社会問題となっています。もし地域で流行していて、赤ちゃんが感染するリスクが高い場合は、1歳になる前に任意接種を受けることも可能です。麻疹単独ワクチンの接種は生後6ヶ月から受けられます。

大人の感染も問題視されています。パパやママが感染する可能性もあります。2回接種を受けていない30代前半までの年代の人は、医師に相談の上予防接種を受けましょう。

他のワクチンと同時接種して、効率よくスケジュールをこなそう

MRワクチンは生ワクチンです。予防接種のワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンがあり、生ワクチンの場合は次に他のワクチンを接種するまで4週間(中27日)以上間隔をあけなくてはいけません。

MRワクチンを何か別のワクチンの後に接種する際は、前のワクチンが生ワクチンだった場合、4週以上の間隔をあけます。不活化ワクチンだった場合は1週間(中6日)以上間隔をあければMRワクチンを接種できます。

MRワクチンを接種する1歳のお誕生日には、水ぼうそうワクチンやおたふくかぜワクチンも接種する必要があります。水ぼうそうワクチンは任意接種から定期接種になりました。

おたふくかぜワクチンは任意ですが、おたふくかぜに感染して悪化すると難聴などを発症することがあり注意が必要な病気です。難聴を防ぐためにも接種が推奨されています。

そこで、MRワクチン・水ぼうそうワクチン・おたふくかぜワクチンを同時に接種しましょう。同時接種してもそれぞれの効果や安全性は変わりません。副作用・副反応が重くなる危険もありません。

MRワクチンと同時接種できるワクチン

  • 水ぼうそうワクチン【定期接種】
  • おたふくかぜワクチン【任意接種】
  • インフルエンザワクチン【任意接種】

時期的にインフルエンザの流行前であれば、インフルエンザワクチンの同時接種も可能です。主治医に相談し、1歳からの予防接種スケジュールを改めて組み直してもらってもよいでしょう。

1歳すぎには、四種混合ワクチン・ヒブワクチン・小児用肺炎球菌ワクチンなどの4回目が待っており、予防接種ラッシュです。

これらのワクチン接種のスケジュールを崩さないためにも、3種類のワクチンを同時接種しましょう。

1歳からの予防接種を忘れないように利用したいサービスです。スマホ登録だけで、メールやハガキで予防接種をお知らせしてくれますよ。

ファイザー:予防接種リマインドサービス
http://www.haienkyukin.jp/remind/index.html

定期接種前に麻疹・風疹に感染していても、予防接種を受けよう

麻疹(はしか)・風疹は流行することがある病気なので、定期接種の時期よりも前に感染してしまう子もいます。感染した場合でも、定期接種の時期がきたらきちんとMRワクチン接種を受けておきましょう。

一度麻疹・風疹に感染したことがある人がMRワクチンを接種しても、副反応が重くなったり、健康に支障をきたすことはありません。きちんと免疫をつけるためにも、予防接種を受けてくださいね。

混合だからといって副反応・副作用が強まるわけではない!MRワクチンの安全性

麻疹(はしか)と風疹、2つの病気に効果を発揮するMRワクチンは、副反応・副作用を心配するママも多いですよね。

でも、混合ワクチンであっても、そのせいだけで副反応・副作用が強くなることはありません。

予防接種後に起きる副反応・副作用としては、発熱などが挙げられます。接種後1週間くらい経ってから発熱することがあるので、注意して様子をみましょう。

よく見られる副反応で、たいていは自然と1、2日でおさまります。

予防接種はごくまれにアナフィラキシーショックを起こすことがあるため、MRワクチンを接種後も30分間はクリニックで待機して様子を見ます。当日は暴れたりせず、静かに過ごしてくださいね。入浴しても大丈夫です。

副作用・副反応を心配して予防接種をためらうママもいますが、麻疹は非常に怖い病気で死亡例もあります。また風疹は、妊婦さんが感染すると赤ちゃんに大きな影響を及ぼす危険があります。

子どもの健康を守るためにも、また将来の幸せを守るためにも、やはりきちんと定期接種を受けておきましょう。

麻疹・風疹は近年流行を繰り返しているので、定期接種でしっかり防ぐことが大切なのです。

予防接種を受ける時に持っていくもの

MRワクチンを受ける際に持っていくものをチェックリストにしてみました。忘れ物がないように、お出かけ前に確認しましょう。

  • 母子手帳
  • 健康保険証
  • 印鑑
  • 問診票(事前に貰っていた場合)

MRワクチンは定期接種なので、期間中であれば費用は必要ありません。水ぼうそうワクチンは同じく定期接種なので費用がかかりませんが、おたふくかぜワクチンとインフルエンザワクチンは実費になります。同時接種の場合は費用を準備しましょう。

予防接種を受ける際、忘れてはならないのが母子手帳です。母子手帳には予防接種の履歴をすべて記録するようになっているので、必ず持っていきましょう。

将来子どもが自分の受けてきた予防接種をチェックするための大切な手帳です。子どもが成長してくると忘れがちですが、小学生になっても予防接種の際は必ず必要になるので、大切に保管してくださいね。

予防接種を受ける時には必ず体調チェックが必須!

MRワクチンに限らず、予防接種は子どもの体調をよく見て、異常がないときに受けましょう。

予防接種が受けられない体調不良など

  1. 37.5度以上の発熱がある
  2. 急性の重い疾患にかかっている
  3. 川崎病の発症後2ヶ月の急性期

※ガンマグロブリン療法などの血液製剤を受けた場合は、一定期間予防接種が受けられない場合があります。必ず主治医に確認しましょう。

【麻疹(はしか)】感染力が強く症状も重い!

MRワクチンで防ぐ病気のひとつ、麻疹(はしか)は、どんな病気なのでしょうか。家族が感染する可能性もある麻疹について、詳しく見てみましょう。

「命定め」と呼ばれ、死亡率も高かった麻疹…現在も流行する

麻疹(はしか)は、麻疹ウイルスによって発症する病気です。麻疹は感染力が非常に強く、古くは子どもの命を奪う病「命定め」として恐れられてきました。

欧米や韓国では撲滅した病気ですが、日本では近年まで流行を繰り返しています。

ママからの免疫が切れる生後6ヶ月くらいから感染しはじめます。2008年での流行では、大人が感染して話題となりました。

感染経路は空気感染・飛沫感染・接触感染で、さまざまなルートから感染する危険があります。

しかも免疫を持っていない人がウイルスに感染すると、ほとんど100%発症するとされています。

麻疹は特徴的な経過をたどります。

  1. 潜伏期…約10日間ほど
  2. 感染初期…熱・鼻水・せき・目やになど、風邪のような症状が出る
  3. 発熱後3、4日…高熱が出る。体に赤い発疹が出て、口の中に白いブツブツができる
  4. 発熱後7~10日…非常につらい39度以上の高熱が続く

高熱が下がったあとも3日間は登園・登校が停止になります。

子ども、大人にかかわらず非常に危険な病気です。特に妊婦さんが感染すると流産・早産の危険があります。また合併症を起こすことも多く、中耳炎や気管支炎・肺炎などを発症することも少なくありません。

特に脳炎は危険で、脳炎・肺炎で亡くなる人もいます。さらに麻疹にかかり、治ったと思っていたのに、数年経ってから亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という難病を発症することもあります。

合併症だけでなく、突然知能障害やけいれんなどが起きる非常に恐ろしい病気のであるにも関わらず、治療法が確立されていません。

こうした重症化などの危険性があるため、現在でも麻疹は怖い病気として恐れられているのです。

ワクチン以外の予防策…完全に防ぐ方法は予防接種だけ!

麻疹の感染力は非常に強く、空気感染もするため一般的な手洗いやマスク着用だけで完全に予防することはできません。

やはり麻疹を防ぐのは、ワクチン接種がもっとも確実な予防方法です。

春から初夏にかけてが流行シーズンです。

接種前に万一麻疹の患者さんに接触することがあり、感染のリスクが高まった場合は、72時間以内に麻疹ワクチンの予防接種を受けると効果があるそうですので、できるだけ早く主治医に相談しましょう。

【風疹】発熱・発疹が出る感染症…妊婦さんはハイリスク!

風疹は、妊婦さんが感染すると危険と言われている病気です。妊娠中に風疹の抗体検査をしたことがあるママも多いのではないでしょうか。

軽く済むけれどあなどれない!合併症も起きる「三日ばしか」風疹

風疹は、昔「三日ばしか」と呼ばれていた病気です。風疹ウイルスで発症する感染症です。

麻疹同様、欧米ではほとんど見られなくなりましたが、日本ではいまだに流行を繰り返しています。

発熱し、麻疹と同じように赤い発疹が出ますが、発熱はそんなに重いものではなく3、4日でおさまります。そのため「三日ばしか」と呼ばれていました。首のリンパ節が腫れることも主な症状のひとつです。

潜伏期間は2週間から3週間ほどです。赤ちゃんは1歳くらいから感染するようになります。感染しても症状が出ない場合や、発熱がない場合もありますが、感染力が強いのでそのまま他の人にうつしてしまうこともあります。

風疹は麻疹と比べ軽く済むことが多いのですが、まれに次で挙げたような重い合併症が起きる場合もあります。

風疹脳症

6千人に1人の割合で発症します

血小板減少性紫斑

3千人に1人の割合で発症します。風疹が治ったあと、数週間後に血が止まらなくなる症状が出ます

先天性風疹症候群

妊娠初期の女性が感染したとき、お腹の赤ちゃんに異常が発生することがあります。

妊娠初期の妊婦さんが感染すると危険!先天性風疹症候群

特に注目されているのが先天性風疹症候群です。妊娠中のママがに風疹に感染すると、お腹の赤ちゃんに先天性の障害が出る場合があります。

  • 難聴
  • 白内障
  • 心臓病
  • 精神運動発達遅延など

妊娠前に風疹の抗体検査をして、抗体が無い場合や低い場合は予防接種を受けましょう。

妊娠中の女性は風疹ワクチンを接種することができません。もし妊娠中に風疹の抗体がないことがわかったら、できるだけ人ごみを避け、自分以外の家族にも風疹ワクチンを接種してもらって、感染を防ぎましょう。

MRワクチン以外の予防策…感染力が強く接種が一番の方法

風疹も、麻疹と同じように感染力が強いため、最大の予防方法はMRワクチン接種です。

周囲で風疹が流行し始めたら、予防接種を打っていない場合は、打てるタイミングが訪れているのであれば必ず予防接種を受けましょう。

風疹の予防接種の制度内容は変わりました。

以前は中学生の女の子だけが風疹ワクチン定期接種の対象になっていたため、20~40代前後の男性は感染する可能性が高くなっています。

日本での風しんの予防接種制度は、昭和52年8月から、「中学生の女子」を対象とした学校での集団接種によってスタートしましたが、これまで制度改正のために予防接種の対象者や接種回数などが何度か変更されてきました。この変遷の中で、予防接種を受けられなかった人や受けなかった人、かつ、風しんにかかったことがない人は、風しんに対する免疫がないため、大人になってから風しんにかかるおそれがあるのです。

近年の風しんの予防接種実施率は9割前後となっていますが、定期接種を個別接種で中学生の時に行う必要があった昭和54年から昭和62年に生まれた方では接種率が低くなっていることが分かっています。一方で、昭和37年以前に生まれた方では定期接種の機会がありませんでした。

昭和37年4月1日以前生まれの男女
定期接種が行われておらず、大半の人が自然に風しんに感染し免疫をつけていた。
昭和37年4月2日~昭和54年4月1日以前生まれの男性
中学生の女性のみ対象で、学校で集団接種がされていた。しかし男性は定期接種が行われておらず免疫がない人が多い。
昭和54年4月2日~昭和62年10月1日生まれの男女
中学生の時に性別に関係なく予防接種を受ける対象に。ただし、個別で医療機関で予防接種を受けるというスタイルだったので、予防接種率が低い。
よって、風疹の免疫がない人が多い。
昭和62年10月2日~平成2年4月1日生まれの男女
幼児期に男女とも予防接種を受ける対象となり、接種率は比較的高い。ただし、接種を受けていない人には免疫がない人が比較的多い。

ママをはじめ周囲の妊婦さんや赤ちゃんを風疹から守るためにも、パパも抗体検査や予防接種を受けておきましょう。

MRワクチンをしっかり受けて、麻疹・風疹の流行を食い止めよう

多くの先進国で麻疹や風疹が封じられている中、日本ではまだまだ流行がおさまりません。麻疹は今でも命の危険をともなう重い病気のひとつですし、風疹は先天性風疹症候群を起こす可能性があります。

感染力が強いだけに、確実に防ぐ方法は今のところ予防接種しかありません。

周囲の妊婦さんや小さな子どもたちを危険から守るためにも、予防接種はかかせません。

赤ちゃんには受けるべき時期にきちんとMRワクチンの接種を受けさせること、そして、大人でももし接種をしていない場合は接種をすることで流行を食い止めていきましょう。

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