妊婦の岩盤浴は控えたほうがいい理由7つ。デトックスは他の方法で!

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2018/07/04

岩盤浴以外でデトックスをしようとしている妊婦さん

女性人気を誇る岩盤浴は、身体を芯から温め、デトックス効果も抜群です。

妊娠してからも、赤ちゃんのために身体に溜まった毒素を排出したい、と思う妊婦さんはたくさんいらっしゃるかもしれません。

しかし、妊婦さんの身体は、思った以上に不安定でとても敏感。妊娠中の岩盤浴は、充分な効果を得られない可能性がある上、デメリットの方が目につきます。

起こりうる問題点は、一体どんなものがあるのでしょうか。また、岩盤浴以外に妊婦さんが安心して取り組めるデトックス方法についても触れていきます。

妊娠中に岩盤浴を控えた方がいいのはなぜ?7つの理由

妊婦さんにとって、なぜ岩盤浴がデメリットなのか?7つの理由について詳しく見ていきましょう。

  1. 脱水
  2. 貧血・のぼせ
  3. 気分が悪くなる
  4. 転倒の危険
  5. 放射能を受ける可能性
  6. 感染症の心配
  7. 高温で温まることによる胎児への影響

1.脱水:妊婦さんは常に水分が足りていない

妊娠すると、母体は赤ちゃんを守るように整えられていくため、ホルモンのバランスが大きく変化します。汗をかきやすかったり、むくみやすかったりするのもこのため。

さらに、赤ちゃんへ送る血液の量を増やし、羊水に水分を使用していることもあって、母体は水分を蓄える働きが活発になります。

つまり、常に水分が足りないと感じる状態になってしまうのです。

岩盤浴では、大量の汗をかいてデトックスするのが最大の目的。身体の水分の2%を失うと、脱水のはじまりといわれています。

ただでさえも水分が不足しがちな妊婦さんが、大量の汗をかくというのはおすすめしません。

2.貧血:特に脳貧血に要注意!

妊婦さんは、赤ちゃんにたくさんの血液を送っていることから、貧血に注意しなければならないのはよく知られています。

ですが、同じ貧血でも、特になりやすいのは「脳貧血」。脳貧血は、ホルモンバランスの変化によって自律神経が乱れ、血圧の調整機能が低下してしまうことで起こります。

同じように自律神経の乱れが原因で、妊娠中はのぼせやすくなっています。のぼせは頭や顔に熱感が起こるもので、身体が温まり過ぎると起こる可能性が高くなります。

脳貧血で脳への酸素が不足したり、のぼせたりすると、立ちくらみなどの症状が考えられます。寝ている状態から起き上がる岩盤浴では、立ちくらみが起こりやすいといえるでしょう。

3.気分が悪くなる:体温調節機能が低下しています

とにかく妊婦さんは、自律神経が乱れやすいというのを、繰り返しお伝えしています。自律神経は、血液の循環や体温にかかわる機能をコントロールするものです。

体温の変化が著しい岩盤浴では、熱に対する適応能力が低下しているため、気分が悪くなることがあります。

そして大量の汗をかくことによる汗腺への負担と、代謝機能の活発化で、妊娠前よりも疲労感を感じやすくなってしまいます。短時間でも、ぐったりして動けない…なんてことも。

また、妊娠中は臭いに敏感になる方もいらっしゃるでしょう。いつもなら気にならない臭いも、妊娠中は不快に感じて、気分が悪くなる可能性もあるかもしれません。

4.転倒の危険:赤ちゃんへの衝撃は少ないが、母体が心配

岩盤浴によって気分が悪くなり、めまいや立ちくらみが起こった場合に注意しなければならないのは転倒です。

岩盤浴はお湯や石鹸の使用はありませんが、利用者が大量の汗をかくため、床が濡れています。お腹が大きく、足元が見えにいので、妊娠前よりも転倒の危険性が高まっています。

赤ちゃんは羊水やお母さんの骨盤などに守られていますので、比較的影響を受けにくいのですが、お母さん自身が怪我をしてしまう恐れが。これから出産を控えて大怪我をしてしまうと大変です。

5.放射能を受ける可能性:胎児への影響はまだ未調査

岩盤浴では、ラジウム鉱石という石を使用しているところが多いようです。このラジウム鉱石からは、微量の放射能が放出されています。

人体に悪影響があるほどの量ではないということはわかっていますが、胎児への影響はまだはっきり調査されていません。

念のため、妊娠中の利用を禁止している施設も多くあります。特に岩盤浴は、石の上に直接寝転ぶので、密着度が高くなるのも気になるところ。やめておいた方が無難です。

6.感染症の心配:妊娠中は抵抗力が下がっています

岩盤浴はサウナよりも温度が低く、長時間入りやすいのが特徴。

石自体の温度が40〜50度、室温は35度〜45度くらいに設定されているところが多く、加えて湿度も50%〜80%と、発汗しやすい環境が整えられています。

しかしこの環境、細菌・雑菌にとってはとても繁殖しやすい環境といえるのです。

妊娠中は赤ちゃんへ栄養を送る必要があり、母体は栄養不足。妊娠が進むにつれて、睡眠不足にもなりがちです。こうしたことが原因で、母体は気付かぬうちに抵抗力が下がっています。

ささいな雑菌による感染症を起こしてしまうと、母子感染を起こすリスクが高まり、赤ちゃんの成長に影響が出る可能性も。減らせるリスクは減らしていきましょう。

7.高温で温まることによる胎児への影響:神経未発達のリスクも

先ほどお伝えしたように、岩盤浴の石の温度は50度近く。母体の体温が上昇するのはもちろんですが、子宮内の温度も上がります。

お腹の中の赤ちゃんは、汗をかいて体温を調節できませんので、のぼせた状態になってしまいます。

また、高温でお腹を集中的に温め続けることは、胎児の神経発達を阻害してしまうというリスクがあります。

ママは心地よくても、赤ちゃんにとっては熱すぎる結果になっているのです。赤ちゃんへのリスクが事前にわかっているならば、もちろん避けた方がいいですよね。

ちなみに、同じ理由でカイロをお腹に直接貼るのも控えた方がよいでしょう。

安定期ならOKなの?!岩盤浴がしたい妊婦はかかりつけの病院に相談を!

妊娠中に岩盤浴を控えた方がいい理由をご紹介しましたが、産婦人科医によっては、注意点をきちんと守って利用する分には構わない、としている場合もあります。

確かに妊娠中のストレス解消、負担にならない程度で適度に汗をかくことは、母体の健康につながりますが、上にあげたような不安はぬぐえません。

それでも「どうしてもダメなの?」という妊婦さんは、かかりつけの医師に相談してみましょう。

岩盤浴のデトックス効果

岩盤浴は鉱石の遠赤外線効果で、身体を芯から温めてくれます。サウナよりも低温のため、ゆっくりと大量の汗を排出し、身体に溜まった老廃物や毒素を排出する効果が期待できます。

発汗によって毛穴が開き、新陳代謝が活発になれば、美肌効果も。

  • 遠赤外線で体の芯から温め、大量の発汗を促す
  • じっくりと体の老廃物を排出できる
  • 新陳代謝を活発にし、美肌効果も
  • 血流やリンパの流れを良くすることで、冷え性やむくみを改善
  • 体温の上昇で免疫力UP
  • 副交感神経の働きが高まり、リラックス効果、ストレス解消、疲労回復

岩盤浴は、身体表面の汗腺よりも、表皮の奥にある皮脂腺からの発汗が多く、デトックス効果が高いとされています。

さらには、身体を温めることで体温が上昇し、血流やリンパの流れが良くなることに伴って、冷え性やむくみを改善。むくみ解消効果は、なんと入浴の2倍とも!

また、体温が1度上がるだけで免疫力は50%以上もUP。加えて自律神経の中でも、血管がゆるみ、リラックス効果をもたらす副交感神経の働きを高め、ストレス解消や疲労回復などに効果を発揮します。

このようにデトックス効果が非常に高い岩盤浴。妊活中に利用される方も非常に多く、妊娠してからも行きたくなってしまう気持ちは理解できます。

初期・中期・後期の妊婦さんの身体の状態と注意点!初期や臨月は絶対NG!

妊娠の週数によって、どういった部分に特に気を付けるべきなのかについて説明します。

妊娠初期
妊娠したばかりの時期は、お母さんも赤ちゃんもとても不安定。胎盤が完成する16週頃まではつわりのある方も多く、流産の危険も伴います。

つわりにより栄養状態が偏っていることで、脱水を起こしやすくなりますし、ただでさえも気分が悪くなりやすいため、岩盤浴には不向きです。

また、初期から中期にかけては、赤ちゃんの中枢神経や体の器官が大きく形成される時期。例え微量でも、放射線の影響が気になります。

やはり初期は刺激の少ない、安定した生活を送りましょう。

ちなみに、妊活中に岩盤浴を利用する方は多いと思います。そのため、まだ妊娠に気付いていない段階で知らずに岩盤浴を利用してしまった、という状況であれば、さほど神経質になることはありません。

妊娠中期

いわゆる安定期といわれるようになり、比較的自由に動けるのが妊娠中期。どうしても岩盤浴に行きたいのならば、医師からOKが出やすいのもこの時期でしょう。

しかし、だんだんとお腹が大きくなってくることで、子宮が血管を圧迫し始めます。妊婦さんの血液の巡りが悪くなるのは、これも原因のひとつ。つまり貧血になりやすいので、充分な注意が必要です。

妊娠後期
だいぶお腹が大きくなることで足元が見えづらく、バランスも不安定。転倒の危険が高まります。

32週を過ぎると、ふとした刺激で破水する危険もあり、いつ生まれてしまうかわかりません。

岩盤浴で雑菌に感染し、子宮頚管に炎症を起こしてしまうと、子宮収縮、いわゆるお腹が張ってしまい、切迫早産の恐れが。

後期は赤ちゃんを迎える準備期間として、初期と同様、穏やかに過ごすことが一番です。

岩盤浴だけではない!妊婦のデトックスは食事からも可能

とてもデトックス効果の高い岩盤浴ですが、やはり妊娠中はオススメできません。

しかし、身体に溜まった毒素を排出し、赤ちゃんにとって快適な体内環境を整えたい!という妊婦さんの気持ちもよくわかります。

そこで、妊娠中でもデトックスしたい妊婦さんのために、食事によるデトックス方法をご紹介したいと思います。

便秘対策に食物繊維とデトックスウォーター

妊娠中はホルモンバランスの影響で、消化器官の働きが弱まり、便秘になる妊婦さんが多いようです。

便秘は毒素が体内に溜まった状態の代表例!快適な便通は、デトックスの基本といえるかもしれません。

そこで、妊婦さんは意識して食物繊維を摂取しましょう。食物繊維には、水溶性と不溶性の2種類があります。この2種類をバランスよく摂取することで、便の量を増やし、柔らかくして排出しやすくしてくれる働きがあります。

水溶性は、海藻やこんにゃく、不溶性は、豆類・穀類・根菜に多く含まれます。水分も一緒に摂るように意識すると、さらに効果が期待できます。

その水分摂取にオススメなのが、最近話題のデトックスウォーター。

デトックスウォーターとは?

カットした野菜や果物、ハーブなどを入れたミネラルウォーターのことです。

柑橘系の果物は、水溶性食物繊維を多く含みますので、便秘解消にもってこい。肌荒れの解消にも役立ちます。

お好きな果物や野菜をミネラルウォーターに入れるだけのデトックスウォーターは、スムージーと違って熱を発しないので、熱に弱い栄養素や酵素をしっかり摂取できるのもメリットのひとつですね。

代表的な『きゅうり+レモンのデトックスウォーター』

きゅうりにはむくみ防止・炎症抑制・利尿の作用があり、レモンはいわずと知れたビタミンCの宝庫。ビタミンCは肝臓の機能をサポートし、解毒作用を高めるほか、疲労回復効果やストレス抵抗力のUPも期待できます。

1日に1.5ℓから2ℓくらいを目安として、最低でも2時間以上は漬け込み、衛生上作ったその日のうちに飲み切るようにしましょう。6回〜8回くらいに分けて飲むと効果が出やすいとされています。

また、整腸作用には、乳酸菌とオリゴ糖も効果的といわれていますので、併せて取り入れるようにしてみてはいかがでしょうか。

食への意識を高めてみよう

デトックスとはつまり、体内の毒素を排出し、解毒する、という意味ですから、そもそも身体に毒素を取り入れないように気を付けてみるのもひとつの方法です。

添加物を避ける。無農薬野菜に変えてみる。例えばみりん風調味料を本みりんに変えてみたり、自家製のぬか漬けに挑戦してみたり。野菜や果物の自家製ジュースもいいですね。

ママが口にするものは、お腹の赤ちゃんにそのまま栄養として届けられますので、妊娠中は特に気にしたいもの。食への意識を少し改めてみることで、体内環境は変えられます。

心も体も健やかなマタニティライフを

妊娠中の岩盤浴は、医師とよく相談の上、自己責任で!ということでまとまりますね。

汗をかいてデトックスしたい妊婦さんは、散歩をしたり、マタニティヨガやマタニティスイミングなどに参加してみてはいかがでしょうか。

自分で思う以上に、妊娠中の身体は日々変化しています。妊娠前に平気だったことにも敏感に反応してしまい、自分でも戸惑ってしまう妊婦さんも多いことでしょう。

ですが、その反応は、お腹の赤ちゃんからのメッセージかもしれません。赤ちゃんがお腹の中で過ごす期間は1年足らず。過ぎてしまえばあっという間です。

お腹の赤ちゃんと相談しながら、無理のない範囲で楽しみをみつけ、健康的なマタニティライフを満喫してくださいね!

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