初節句・初正月・天神講…いつから準備?昔ながらの子どものお祝い

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2015/07/30

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待ちに待った赤ちゃん誕生。パパママはもちろん、両家のお祖父ちゃん、お祖母ちゃんにとっても大きな喜びですよね。

赤ちゃんが生まれることは、父親と母親だけでなく、その周囲の人々にとっても大きな変化です。特にお祝いごとや節句などは、両家の祖父母が関わることも多いですよね。

赤ちゃんが生まれると、子どものためのいろいろな節句を家庭で祝うようになります。では、どんな節句があるのでしょうか。

成長の節目に!昔ながらのお祝いについて知っておこう

日本には昔から子どもの成長や人生の節目にお祝いをする風習があります。子どものための節句もそのひとつです。

今でも祝われている節句「ももの節句」「端午の節句」

誰もが知っていて、今でもよくお祝いされているのが女の子の節句である「桃の節句」、そして男の子の節句である「端午の節句」です。

桃の節句は3月3日に行うのが一般的です。また、端午の節句は5月5日です。5月の節句は「子供の日」として、GW中の祝日に指定されていますね。

生まれた年にするお祝いは「初節句」地域によっては他にもあります

生まれたばかりの赤ちゃんが初めて節句を祝うことを初節句と言います。初節句は節句人形を初めて購入することもあり、華やかに祝う家庭が多いでしょう。

生まれた年に祝うのは、初節句だけではありません。

  • 初正月
  • 天神講

このようなお祝いをする地域もあります。遠方から嫁いだり、パパの実家が遠方にあったりすると、お祝いや節句の風習も大きく異なりますよね。

できれば妊娠がわかったときから、パパママ双方の両親に「節句やお祝いはどうするか」「自分たちで買うか、もしくはどちらの実家が準備するか」など相談しておくとよいでしょう。

女の子の初節句「ももの節句」考えることがいっぱい

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女の子の「桃の節句」。ひな人形はとても華やかで、形やスタイルも地域によってさまざまです。また流行も気になりますよね。

まずは桃の節句の基本を学ぼう

桃の節句は3月3日に、ひな人形を飾って赤ちゃんの健やかな成長を願うための日です。新暦3月に行う地域と、旧暦にそって1ヶ月遅れの4月に行う地域があるようです。

もともとは、古代中国で3月上旬に行われていた厄払いの行事だったという説があります。日本に伝わり、厄払いとして人をかたどった人形にけがれを移して川に流すようになりました。

今でも「流しびな」という風習が残っている地域がありますよね。人の形をした「ひとがた」には、特別な力があると考えられていたようです。

また平安時代になって、貴族のあいだで人形のおままごと「ひいな遊び」が流行し、この厄払い行事と結びついたようです。

江戸時代に入ると、武家社会はもちろん、力を持った商人も増えて、ぜいたくなひな人形が作られるようになりました。

宮中を模した「御殿造り」というものも登場し、きらびやかなひな人形が登場します。しかしだんだんとぜいたくすぎるスタイルはすたれていきます。

昭和に入ると段飾りのひな人形が主流になりました。ママの世代は、こうした緋毛せんを敷いた段飾りのひな人形を持っている人が多いのではないでしょうか。

桃の節句のお祝いは、基本的にひな人形や桃の花を飾り、親しい方を呼んでお祝いの席を設けるというものです。

最近では毎年きちんとお祝いする家庭も少なくなりつつありますが、初節句はやはり特別なもの。しっかりお祝いしてあげたいですよね。

誰がいつ揃えて、いつ飾る?

女の子の初節句で、多くのママの悩みになっているのが「ひな人形っていつ買えばいいの?」ということではないでしょうか。

ひな人形は、お正月明けくらいから売り出しシーズンになります。気をつけてテレビを見ていると、お正月過ぎから急にひな人形のCMが流れるようになりますよ。

売り出しシーズンに入る年明けから、2月上旬ころに買うと良いとされています。この時期はどの人形店でも売り出しをしますし、デパートなどでも特設会場を設けます。

いろいろな人形を見て目を肥やして選んだ方が良いため、年明けからチェックを始めるとよいでしょう。

ひな人形は、古くは母親の実家で購入し、贈るのが一般的でした。今でもママの実家で用意するという家庭は少なくありません。

その一方で、親に頼らずパパママが自分で買うという家庭も増えています。また「初孫だから」とパパの実家で買ってくれる家庭もあるようです。

どちらの実家で買うか、それとも我が家で用意するかは家庭のしきたりによって異なります。女の子が生まれたら、どんなしきたりか早めに双方の両親に聞いておくと良いでしょう。

パパの実家で「こういったものは母方の実家で用意するものだ」と思い込んでいるのに、ママの実家は知らん顔…では、後々こじれる問題に発展しかねません。

まずはパパとママがどうしたいか話し合いましょう。その上で、ママの実家に買ってもらうことになった場合は、「お祝いののしをどうするか」などしっかり話を詰めておきましょう。

では、ひな人形はいつ飾れば良いのでしょうか。ひな人形は、立春の翌日から飾りはじめると良いとされています。節分の豆まきを終えたらひな祭りの準備ということですね。

また、お正月飾りもそうですが、「一夜飾り」は良くないとされています。一夜飾りとは、節句の前日に飾ることを言います。ひな人形はなるべく早めに片付けた方が良いとされる地域も多く、飾りはじめが遅いとあまり長く楽しむことができません。

できれば2月の中旬くらいには飾ることができるよう、購入もできるだけ早めの方が良いでしょう。人気のひな人形は、早めに売り切れてしまうこともあります。

ひな人形をお祝いで用意したい!リサーチが大事です

では、ひな人形にはどういったものがあるのでしょうか。昔ながらのスタンダードなひな人形といえば、七段飾りですよね。

七段飾りは緋毛せんを敷いた階段型の舞台に、お内裏様とおひな様を頂点にしてだいたい15体前後のお人形と、各種調度品が並びます。

ひな人形のお値段はいろいろで、七段飾りであればだいたい40万円前後から、高いものでは400万、500万するものもあります。

さらに七段飾りは非常に場所をとります。飾る時も広いスペースが必要ですし、収納場所もかなりとられます。さらに飾り付けにも時間がかかります。

昔は主流だった七段飾りですが、こうしたことから最近はもっとコンパクトで簡単に飾り付けができるものも人気が出てきました。

七段飾りはちょっと大きすぎる、でもあまり簡素にしたくない、という場合は、三段飾りがオススメです。

三段飾りは塗りなどを施した豪華な土台の上に、お内裏様とおひな様、そして三人官女と調度品を配したものです。「出飾り」と呼ぶお店もあります。

塗りの部分に華やかな蒔絵があるものなどもあり、見た目にも大変美しいおひな様です。また片付けも七段飾りに比べ、かなりコンパクトになります。

お値段も七段飾りと比べるとリーズナブルです。といってもやはりピンからキリまであり、10万円をきるものから30万以上するものまでさまざまです。

好みにもよりますが、人気が高いものは20万円前後からの価格帯のようです。見た目にも豪勢で、高級感があります。

三段飾りよりも気軽に飾ることができ、また収納場所もとらないのが親王飾りです。親王飾りとは、お内裏様とおひな様だけというシンプルなひな人形です。金屏風や桜と橘、ぼんぼりといった一式がセットになっています。

飾り付けも簡単で、片付けもラクなので集合住宅で収納場所も飾る場所もない、という家庭にオススメです。お値段も10万前後ですね。

上手な選び方としては、ポイントをしぼることが大切です。

  • 予算
  • 飾るスペース
  • 収納スペース
  • 飾り付けの手間
  • 好み(最初のインスピレーション)

どれも無理がきかないように見えて、実は予算と飾るスペースは無理がきいてしまうことが多いものです。予算オーバーになる家庭は少なくありません。

飾るのも1ヶ月ほどなので、その時期だけ片付ければ何とかなるかな…と考えてしまいますよね。しかしどうにもならないのは収納スペースです。

1年のうち、11か月は収納期間。その間、ずっと場所を占領し続けることを考えれば、収納スペースは大きな問題です。

そしてもうひとつ見過ごせないのは、飾り付けの大変さです。ママにとっては毎年恒例行事になるため、無理せず飾ることができて片付けられる規模のものを選びましょう。

また、多くの人が「選んで良かった」と感じるのは、やはりインスピレーションにあったもののようです。

できればママも一緒にお店に見に行って、お人形の顔を自分の目でしっかり確認しましょう。顔立ちや装束は、すべて違って個性があるものです。

迷った時は、呼びかけてくるように感じるお人形を選ぶと後悔が無いのではないでしょうか。お人形との縁を、その眼で見抜いてみてくださいね。

忘れないで!飾りつけるときにはコツがあります

ひな人形が家に届いたら、まずは何が入っているのかを確認しましょう。だいたいは飾った状態の「完成図」が写真やイラストで同封されています。

最初に見るべきは、説明書です。何がいくつ入っているのかを確認します。この説明書は後々まで使用するので、ファイルなどに入れてお人形と一緒にしっかり管理しましょう。

まだまだ開封してはいけません。次にしておきたいのは、箱に「入っていたもの」を記入していくことです。箱には一応何が入っているのか箱書きがあることも多いのですが、お店の専門用語だと後々わからなくなることも少なくありません。

そこで、ペンなどでフタに中身を書いていきます。その際「お内裏様・1段左」「おひな様・1段右」「橘・3段左」「桜・3段右」など、どこに飾るものかも書いておくと便利です。

さらに箱の中にどう置くかも記入しておきましょう。顔がどちらを向くのか、天地はどちらかなど、お店が梱包した状態で中身がどう収納されていたのかをフタに記入します。

付箋で貼っておくと、1年後にはすべて剥がれてわからなくなる…といったことにもなりかねません。紙などが保護材として入っていた場合は、同じ箱の中に戻します。

さらに、大きな箱の中に小さな箱を複数収納するようになっているものが多いですよね。そういった場合は、外箱のフタをあけた状態で、写真を撮っておきます。

こうすると、収納する際にどの箱をどこに詰めればきれいに収まるのかが一目瞭然です。片付けが苦手、というママは、面倒でも最初にこうした手順をしっかり踏んでおきましょう。

ひな人形のセットを購入すると、お手入れ用品も一緒に入っていることがあります。毛ほうきや白手袋などです。

飾る時から必要になるのは白手袋です。素手で触ると脂がお人形につき、汚れの原因になります。できればマスクもして飾ると良いですね。

ここまで準備したら、いよいよお人形を開封していきます。といってもお人形を出すのは最後。まずは土台を組み、それから飾り付けをスタートしましょう。

飾り付けが終わったら、一度全体図を写真に撮っておきます。現像したものを雛人形と一緒に収納しておくと、翌年から飾り付けが楽になりますよ。

節句のお祝いって何をするの?

桃の節句には、どのようなお祝いをすればいいのでしょうか。家族のほかには、両家の両親にも声をかけるとよいでしょう。桃の切り花を飾ると華やかです。

初節句にお祝いをいただくこともあります。お祝いを頂いた場合は、節句のお祝いに招待するか、後日半額程度の品物をお返しします。

桃の節句といえば、ちらし寿司やはまぐりのお吸い物が一般的ですね。最近ではひし餅などをかたどったケーキも人気があります。

梅酢やほうれん草で色づけをした酢飯を重ねてひし餅型に重ね、花れんこんやイクラを飾り付けてもとってもキュートですよ。

ちらし寿司の山をふたつ作ってそれぞれに薄焼き卵の衣を着せ、うずらの卵で顔を作れば、ちらし寿司のおひな様ができます。可愛くアレンジしてみましょう。

といっても、主役の赤ちゃんはまだまだ大人と同じ食べ物は食べられません。写真をたくさん撮って、成長した後に初節句のお話をしてあげましょう。

最近は雛人形とセットで可愛い被布がついてくる場合もあります。上から着せかけて写真を撮ると可愛いですね。

片付けは乾燥した日を選んで!

桃の節句が終わったら、すみやかに片付けるという地域が多いですね。できれば晴れが続いて乾燥した日を選んで片付けるとよいでしょう。

下記を用意してください。

  • 羽ほうき
  • 白手袋・マスク
  • やわらかい布
  • 防虫剤
  • カメラ

羽ほうきでほこりを払いながら、箱書きを見て片付けていきます。開封時にしっかり箱書きをしておくと、スピーディに片付けられます。

お人形用の防虫剤が売られているので、入れておくと良いでしょう。また片付けた状態も写真に撮っておくと翌年が楽になります。

一番上に来るように、白手袋や羽ほうき、説明書、飾った状態・片付けた状態を撮った写真などを入れておき、片付けは終了です。

ひな人形って複数いるの?妹が生まれた&双子の場合

ひな人形は、その昔けがれを祓うための大切な儀式でした。そこで本来は、女の子1人1人に対して用意してあげるべきとされています。

とはいっても、ひな人形は大きくて値段も高いもの。七段飾りを姉妹それぞれに買っていては、家がひな人形でいっぱいになってしまいますよね。

そこは時代の流れにあわせて、我が家なりのスタイルを見付けて行けばよいのではないでしょうか。

お姉ちゃんに立派なものを買って、収納も飾るスペースも手一杯という場合は、妹のためにケース入りの親王飾りを用意してもよいでしょう。

また双子の場合は立派なひな人形を1セット用意し、双子それぞれに浮世人形や市松人形、羽子板などを購入してはいかがでしょうか。

浮世人形とは、江戸時代の人々の姿をしたお人形です。女性のしぐさや高貴な子ども、歌舞伎役者などいろいろと美しいものがあります。

ほかにもつるし雛など、可愛らしいひな人形はいろいろあります。手持ちのおひな様とのバランスを考えて、飾り付けも素敵にアレンジしてみてくださいね。

2月に生まれた子はいつお祝いをすればいいの?

赤ちゃんが1月下旬から2月に生まれた場合は、準備が間に合わないこともあります。最近は生まれる前から性別がわかることが多いですが、それも100%ではありませんよね。

生まれてから準備すれば良いので、赤ちゃんが2月前後に生まれた場合は初節句を翌年にまわしても構いません。その方がお人形もじっくり選ぶことができます。

翌年に回す場合は赤ちゃんも1歳を過ぎていて、離乳食も進んでいます。お祝いも盛大にしてあげると良いですね。

男の子の初節句「端午の節句」盛大に祝ってあげましょう

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男の子の初節句も、女の子の場合と基本は変わりません。生まれて1年以内にやってくる、初めての端午の節句をお祝いします。

端午の節句の基本について知っておこう

端午の節句もまた、古代の中国から伝来した行事です。「端午」とは月のはじめの午の日で、もともと中国では3月3日や7月7日など、奇数ぞろ目になる日を節句として祀っていました。

この日はけがれを祓うために菖蒲やよもぎを飾ったりする日とされ、南方ではちまきを食べる風習もあったようです。

日本に入ってきてから、田植え前のけがれ祓いの風習と結びつき、さらに菖蒲が「尚武」に結びついて武家社会に受け入れられ、端午の節句が祝われるようになりました。

端午の節句には、武者人形や鎧兜・こいのぼりやのぼり旗を飾り、かしわ餅やちまきを食べて祝います。花菖蒲を飾り、さらにしょうぶ湯に入る習慣もありますね。

誰がいつ揃えて、いつ飾る?

武者人形や鎧兜などは、3月の桃の節句が過ぎると売り出しがスタートします。最近は人気のあるデザインもあり、売り切れることも多いので早めに見に行きましょう。

飾り付けは、家の中に飾る人形などは春分の日以降、3月下旬から4月上旬くらいに飾りはじめます。こいのぼりなどは4月に入ってから天気の良い日に飾りはじめましょう。

ひな人形同様、前の日に飾るのは一夜飾りと言って嫌われます。余裕がある時に飾りはじめてくださいね。

武者人形あれこれ

武者人形にもいろいろな種類があります。鎧や兜を飾るもの、武者人形タイプなどです。現在は着用できるものもあります。

また、昔ながらの派手派手しい鎧兜は鎌倉時代の様式のものです。現在では戦国時代タイプのいかめしく、シンプルなタイプも人気があります。

特に真田幸村や伊達正宗など、実在の武将の鎧兜を模したものは大変人気があります。パパやママが戦国好きなら、好きな武将のものを選んでも良いのではないでしょうか。

ひな人形と同様、古いしきたりでは母方の両親によって贈られるものでした。しかし今ではパパママが自分で買ったり、パパの両親が贈ることも多くなっています。

赤ちゃんが男の子とわかったら、なるべく早めに節句人形はどうするか、しきたりは重んじた方がよいのか双方の両親に相談しておくとよいでしょう。

お値段は鎧兜が一式になったものなら20万前後から30万以上するものもあります。株と飾りだけであれば、10万前後からになります。

上手な飾り方・片付け方

飾り付け・片付けの基本は、ひな人形と同じです。まず、勝負は購入して最初に梱包を解くときから始まります。

箱からどんどん出してしまうことはせず、時間がかかっても箱に何がどういう状態で入っていたのかをペンできちんと書き込んでいきましょう。

大きな外側の箱に小箱がどう収まっていたのかを写真に撮っておくことも忘れずに。また、塗りや蒔絵が多く、指紋が取れにくいため、白手袋は必ずつけて扱ってくださいね。

一式飾り付けたら、その状態を写真に撮っておき、収納時に箱の一番上に入れておきます。床の間に飾る際、鍾馗図の掛け軸があるのであれば、先に飾っておくと良いですよ。

最初に手をかけておけば、翌年から半分以下の時間で飾り付けることができるようになりますよ。毎年の行事が苦ではなくなります。

お祝いの席にはどういったものがいるの?

端午の節句も、両家の両親など近しい人を招いてお祝いするとよいでしょう。地域によって、ちまきやかしわ餅などを用意します。かぶと型のケーキも販売されます。

お家では、ちらし寿司を平たく長方形に盛って、上に薄焼き卵をかぶせ、いちょう切りの人参やオクラのスライスなどでウロコをつけた「こいのぼり寿司」が可愛くてオススメですよ。

4月に生まれた子はどうすればいいの?

3月下旬から5月はじめまでに生まれた子の場合は、翌年に初節句を祝っても大丈夫です。これもひな祭りと同様ですね。

お祝い飾りって一人一人に必要?弟が生まれた&双子の場合

弟が生まれた場合は、お兄ちゃんと同レベルのものを用意するのが大変ということであれば、弟のために兜飾りやケース入りの武者人形を用意してあげても良いですね。

双子の場合も同様です。また、記念としてそれぞれに名前入りののぼり旗を仕立ててもらってもよいでしょう。

もしくは、、一人目に武者人形や鎧兜を選んだのであれば、次は鯉のぼりをお祝いにしてもいいですね。

地域によっていはお祝いをするところも!「初正月」

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初めてのお正月も、初正月といって特別にお祝いする風習があります。かなりすたれてきてはいますが、今でもきちんとお祝いする地域が残っています。

お正月に子供の為にかざる縁起物は「破魔弓と羽子板」

初正月は、その名のとおり生まれて初めて迎えるお正月のことです。お正月の飾りといえば、門松や鏡餅などが思い浮かびますよね。

でも、お正月には子どものために飾る縁起物もあるんです。

  • 破魔弓・破魔矢
  • 羽子板

破魔弓・破魔矢は、美しく飾られた弓と矢をセットにした縁起物です。破魔弓と呼ばれる地域もあれば、破魔矢と呼ばれる地域もあります。

弓矢には、古くから邪気を祓う力があると考えられていたそうです。弓の弦を鳴らす「鳴弦」という儀礼もありました。鳴弦は、皇室や神社などで今でも行われている儀式です。

こうした歴史から、男の子が生まれた際、けがれを祓い健やかな成長を願うために贈られるようになりました。

羽子板は、羽根つきに使うラケットのことです。羽根つきはお正月の遊びとして知られていますが、最近はあまり見かけなくなりましたね。

羽根つきの起源は平安時代のころという説や、室町時代という説があるようです。いずれにしても古い歴史がある遊びです。

羽根つきの羽には、カラフルな羽と一緒に黒い球がついていますよね。この球は「むくろじ」という植物の種です。むくろじは「無患子」と書くため、「子どもが病を患うことが無い」という意味にかけて縁起物とされてきました。

江戸時代に入ると、羽子板が厄除けの縁起物としてもてはやされるようになったようです。そのころ流行った押絵が豪華に施されるものも登場しました。

これが現在の羽子板飾りの原型です。立体的な押絵があるものが一般的で、羽根つきには使用できませんが、初正月の縁起物として女の子に贈られます。

初正月のお祝い飾りはどう飾る?

初正月に飾る破魔弓・破魔矢や羽子板は、節句人形をあつかう人形店なら販売しています。季節ものなので、シーズンになると売り出されます。

お店にもよりますが、だいたい10月中旬くらいから売り出しシーズンに入ります。飾りはじめるのは12月中旬くらいからがよいでしょう。

桃の節句・端午の節句の節句人形と同じように、初正月の祝いものも古くは母方の実家で贈るものとされていました。

現在ではあまり積極的にお祝いすることもなくなってきましたが、地方によっては必要になります。双方の両親に話を聞いておきましょう。

12月中旬に飾りはじめた正月飾りは、年明け15日くらいまで飾っておくのが一般的なようです。床の間があれば床の間に飾るとよいでしょう。

関東地方に実家がある私は、両親が長男に破魔弓を贈ってくれました。しかし北陸地方のパパの実家では、破魔弓を知りませんでした。

我が家では、お正月だけではもったいないので端午の節句の時に節句人形と一緒に飾っています。羽子板飾りも、おひな様と一緒に飾っても素敵ですよね。

知っていますか?菅原道真公を祀るお祭り「天神講」

みなさんは「天神講」ってご存知ですか。天神講は、天神様、つまり菅原道真公を祀るお祭りのことです。

天神講は北陸の一部に伝わる行事です

天神講は、北陸の一部に伝わる伝統行事です。他の行事と同じように祝う人も少なくなりつつありますが、最近は店舗の広告もあって知られるようになってきました。

他の地域ではほとんど祝われることがないので、他所から嫁いだ私は当初、なぜ家具屋や人形店に「天神様」というのぼりがたくさん立っているのか全くわかりませんでした。

天神講は、菅原道真のお祭りです。菅原道真は平安時代の大政治家であり大学者で、晩年は九州の太宰府に流され、不遇のうちに生涯を閉じました。

しかしその後学問の神様、破邪の神様として祀られるようになりました。道真は誕生日も命日も25日だったので、毎月25日が縁日になったそうです。

福井では、1月25日にあたるその年の初天神の日を「天神講」とさだめ、その日は「天神様」を飾ってお祀りします。天神様とは、菅原道真を描いた掛け軸のことです。福井では男の子が生まれると、「天神様」を贈ります。

福井県など北陸地方は仏間が非常に広く、仏壇も1間あるのが当たり前で、それに合わせて床の間も大変広くとってあります。

この床の間に天神様を飾ります。天神様はだいたい長男に対して贈られるものなので、古い家になると何代分もの天神様があり、並べて飾られることもあるようですよ。

天神様の選び方には決まりごとがあります。それは、描かれている天神様の顔が仏壇の方を向いているものを選ぶ、というものです。

仏壇の方を向いていると、天神様のご利益があって勉学に優れた子になるという伝説があるようですよ。選ぶ時は仏壇と床の間の位置をチェックしておくと良いでしょう。

天神様はお正月から飾りはじめます。そこで、購入する場合は12月下旬までに整えましょう。だいたい母方の実家で用意する家庭が多いようです。

天神講は1月25日で、福井県ではどのスーパーでも焼きガレイを売り出します。この日は焼きガレイを食べる風習があるためです。

初正月の破魔弓よりも、北陸では天神様の方が重んじられることもあります。いずれかを贈るなら、天神様を優先させた方がよいかもしれませんね。

家庭に1本がほとんどのようです

天神講は、長男のための行事とされています。弟が生まれた場合も、その世代の天神様は1本だけ、という家庭がほとんどでしょう。

弟が生まれても特に購入する必要はありません。お正月は天神様を床の間に飾り、弟の初正月を祝ってあげると良いですね。

節句のお祝いで赤ちゃんや家族に素敵な思い出を

古式ゆかしい日本の伝統的なお祝いは、お金と手間がかかるものです。親族同士のつきあいのわずらわしさもあり、最近では簡素化される傾向にあります。

とはいえ、春のお祭りである桃の節句や、初夏を感じさせる端午の節句など、季節の訪れを肌で感じることができる素敵な行事です。

さらに「子どもをけがれや病から守り、健やかな成長を願う」という気持ちは、太古の人々も現代の人々も変わりません。

無理をする必要はありませんが、家庭の状況にあわせた「お祝いのスタイル」を見つけて、家族の思い出を残してはいかがでしょうか。

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