産後の不眠症は産後うつの前兆?症状と原因・克服のヒント

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2018/07/08

産後に不眠症になってしまったママ

赤ちゃんが生まれて慌ただしい生活の中、頻繁な授乳や慣れないお世話でママはくたくた。

この時期、ほんの少しでいいから横になって眠りたい…という気持ちとは裏腹に、なぜか目が冴えて眠れなくなってしまうママがいます。

睡眠不足が積み重なるとイライラしたり神経過敏になり、そのまま放っておくと「産後うつ」に進行して長期化するおそれがあります。

いち早く正しいケアを身につけて、新しい生活を乗り切りましょう。

産後の不眠症のおもな症状と原因

新生児のうちは、ほとんどのママが赤ちゃんのお世話に追われて寝不足状態となります。そのため少しでもスキがあれば寝落ちてしまうというのが一般的です。

しかし不眠症になってしまうママは、極度の緊張状態が続いている状態のため神経が過敏になっています。

産後の不眠症の症状は主に3パターンに分けられる!

症状は人によって異なりますが、大きく3つのパターンに分けられます。

  • 緊張状態で寝付きが悪い
  • 悪夢や寝づらさを感じて目が覚めてしまう
  • 眠れてもスッキリしない、疲れがとれない

極度の緊張・ストレスを抱えながら、「授乳の時間だから起きなくては」「赤ちゃんがちゃんと呼吸しているか心配」など気になることが次々に湧いてきて眠れないという状態です。
悪化すると、無意識のうちに家の中を徘徊するなど異常行動につながる場合もあります。

産後の不眠症の原因は「ホルモンバランスの変化」と「育児のストレス」

妊娠中大量に分泌されていた女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)は、出産とともに急激に現象します。

女性ホルモンの減少によって自律神経に乱れが生じ、交感神経優位となることが産後不眠の原因の一つです。

エストロゲンの分泌低下に伴ってセロトニンという物質も減少します。セロトニンは入眠を促すメラトニンと大きな関係があり、この減少によってうまく眠りに入れなくなるとも考えられています。

また、慣れない赤ちゃんのお世話を24時間体制で行わなくてはいけないプレッシャーにより、ママの心身には大きなストレスがかかります。

人はストレスを感じると睡眠を抑制するホルモンが放出されるため、さらなる不眠の深刻化招きます。

その不眠、産後うつに関係しているかも?

産後不眠に関わるホルモンの働きはうつに非常に関係が深く、睡眠不足やストレス状態が続くと「産後うつ」に進行する可能性もあります。

また反対に、産後うつの症状の一つとして「不眠」も指摘されています。

理想的な育児をしようと努力しすぎることで、「うまくいかない」「時間が足りない」などストレスを抱え発症します。

産後うつは10人に1人が発症すると言われており、決して特別な病ではありません。

これって産後の不眠症?セルフチェックしよう

以下に当てはまる数が多いほど危険信号です。特に下の方は症状が進んだ状態ですので、家族や医療機関に早めの相談を心がけましょう。

  • 子供のことが気になって眠れない
  • 眠りたいのに目が冴えてしまう
  • 物音や光が気になって眠れない
  • 眠ってもすぐに目が覚めてしまう
  • イライラしている
  • 悪夢を見る・大量の寝汗をかく
  • 眠ろうとしてもじっとしていられずウロウロしてしまう

こんな人が産後の不眠症に陥りやすい

産後の不眠症には大きく二つの要因があります。ママの性格に関する要因と、社会や家庭の環境に関する要因です。

性格的な要因

産後不眠になりやすいママは、几帳面だったり神経質・完璧主義な性格であることが多いようです。

特にありがちなのが、ネットや周りからの情報に振り回されて疲弊してしまうパターンです。

理想的な子育てをしようとするあまり赤ちゃんのお世話や家事に手を抜けず、睡眠時間を削られてしまうママは要注意。

毎日同じことを繰り返す間に手の抜きどころを覚えるのも重要な育児のコツといえます。

環境的な要因

現代は核家族化が進み、実家の祖父母や親戚の手助けを得られない家庭が多くあります。そんな中でパパも仕事の帰りが遅く育児を手伝ってくれないとなると、育児の負担はママひとりにのしかかります。

初めての育児は分からない・不安なことだらけで、ママはますます追い詰められていきます。

ママが育児に慣れるまで、パパはなるべく長い時間を一緒に居られるように仕事の調整を心がけてほしいと思います。

できることは少なくても、誰かがそばにいてくれるだけで育児の不安は半減するのです。

産後不眠を解消に導く5つのポイント

「あれ?ちょっとおかしいかも」と感じたときに、いち早くケアすることで産後不眠症の重症化をふせぐことができます。

こまめに寝る

5分でも10分でも目を閉じて脳を休めることが重要です。赤ちゃんが眠ったら自分もひとやすみしましょう。

特に授乳中は絶好のチャンスです。「左右5分ずつ飲ませて」と産院で指導されることがありますが、3時間おきに片方ずつでも問題ありません、赤ちゃんがおっぱいを飲み始めたらそのまま自分も一緒に寝てしまいましょう。

また、家族と育児を交代できる時間はしっかりと睡眠に集中しましょう。

混合育児や母乳冷凍ストックに挑戦する

完全母乳育児の場合、ママはなかなか体を休める暇がありません。しかし赤ちゃんがミルクが飲んでくれれば他の家族も授乳できるようになるので、身体的にも精神的にも負担が軽減されます。

赤ちゃんとの生活に少し慣れてきたら、ミルクとの混合育児に挑戦してみましょう。

どうしても母乳をあげたい場合は搾乳で冷凍ストックを作っておくと、ミルクと同じように家族に授乳を任せられますよ。

家事や育児で手抜きをする

掃除や食事の支度など、子供がいなかった頃と同じようにこなすのは不可能だと割り切ってください。がんばりすぎないように時短・省エネのコツをうまく取り入れてみましょう。

  • ネットスーパー・生協宅配・出前などを利用する
  • 産後ケアのヘルパーさんに家事を手伝ってもらう
  • 授乳しながら寝る(上記参照)

など、やり方はいろいろあります。

もっとも肝心なのは、これらのサービスを活用したり、育児書どおりではないことに対して「さぼっている」「自分はがんばれていない」という罪悪感を覚えないことです。

ストレス解消に努める

赤ちゃんのお世話で一日中家の中にこもっていると、人と会話をする機会がほとんどなくなります。これがストレスと感じるママも多いため、できるだけ人との繋がりを持てるように意識しましょう。

公園や育児サロンに顔を出すことで、同じ育児の悩みを持つ大人と会話する機会を得られます。

また、おでかけが難しい場合はスマホでSNSを見たりゲームをしたり、赤ちゃんのこと以外にも関心を向けてリフレッシュしましょう。

人によってストレスの解消方法はそれぞれですが、ママが自分らしくいられることが一番大切なことです。

糖質を摂りすぎない食事を心がける

授乳中は母乳の生成にエネルギーをたくさん使います。そのため食べても太りにくくなり、つい油断してカロリーの高いものを摂取しがちです。

中でも「糖質」は、過剰に摂取すると「どれだけ眠っても眠気がとれない」という不眠の症状につながるおそれがあります。

炭水化物・たんぱく質・食物繊維などと合わせてバランスよく摂取することで、栄養の偏りを防ぎ睡眠の質を高めます。

そのためには間食を控え、3食をしっかりと食べることが大切です。

長期化する前に産婦人科か心療内科に相談を

産後の不眠が長期化すると睡眠障害や産後うつに移行します。そうなる前に、専門家である医師に相談をしましょう。

産後ケアは産婦人科でフォローしていますので、お産をした病院の外来で相談するか、家の近所の産婦人科で話を聞いてもらうのもよいでしょう。授乳中でも服用できる薬や漢方を処方してくれます。

もともと持病がある場合はかかりつけの心療内科へ行くのがベストです。これまでの治療歴を考慮した処方が期待できます。

早めのSOSで家族とともにケアを

産後不眠によってストレスやうつの症状がでると、自分自身が辛いだけでなく赤ちゃんの健康な成長にも影響を及ぼすおそれがあります。そうなる前に一刻も早いケアが必要です。

出産後のママひとりの体では、赤ちゃんのお世話はできません。早めに家族にSOSサインを出して育児や家事を分担し、体と心を休める時間を作りましょう。

家族を頼れない場合は、地域の産後サポートサービスを検討してみて下さい。授乳や沐浴などの育児援助から、買い物や炊事・掃除などの家事代行までお任せできるヘルパーを派遣している自治体もあります。
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