胎盤剥離が起こったら母子ともに危険なの?症状と影響を知ろう

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2018/03/06

お腹の中の赤ちゃんとママを、臍の緒で繋いでいる臓器のことを胎盤と言います。妊娠すると徐々に形成されて妊娠15週頃に完成します。

胎盤は赤ちゃんに酸素や血液、栄養を送るための大切な臓器です。しかしこの胎盤が何らかの原因で剥がれてしまうことがあります。

胎盤が剥がれてしまうとママや赤ちゃんにどんな影響があるのでしょうか。無事に出産することは出来るのでしょうか。

胎盤が剥がれてしまうと、母体も赤ちゃんも危険です

胎盤は本来赤ちゃんが産み落とされるまで子宮の壁にくっついていて、産後15分ほどしてから剥がれ落ちて胎外に出てきます。これを後産を言います。

しかし、妊娠中にも関わらず胎盤が剥がれてしまうこともあるのです。これを胎盤剥離と言います。

胎盤が剥がれていしまうと、お腹が張って固くなり、不正出血が見られる場合があります。その兆候を見逃さないことが重要です。

▼胎盤剥離の徴候についてはコチラも参考にしてみて!

胎盤剥離が起こることの影響

胎盤剥離が起こると、その後妊娠を継続することが非常に困難になります。それは、胎盤から胎児に送られる酸素などの供給がストップしてしまうからです。

胎盤剥離が疑われる場合は、すぐに病院を受診します。そして音波検査をして胎盤が剥がれているかどうかの診断を行います。

妊娠初期の胎盤剥離
妊娠初期には胎盤剥離が起こりやすいとされています。胎盤が形成されて間もないので、安定していないのです。

妊娠初期に胎盤が剥がれてしまうことはけして珍しいことではない様です。妊娠が分かってからは出来るだけ安静に過ごしましょう。

妊娠中期の胎盤剥離
妊娠32週頃からの妊娠中期には、赤ちゃんの体重が急速に増えて行きます。同時にお母さんの体重も増えやすくなります。

このことが胎盤剥離を起こしやすくなるとも言われています。これを防ぐためにも妊娠中期からの体重管理は大切です。

妊娠後期の胎盤剥離
胎盤剥離は妊娠後期に突然起こることがあります。それまでなんのトラブルもなかった妊婦さんに、突如として剥離起きます。

妊娠後期の胎盤剥離には、赤ちゃんの命を救うために緊急帝王切開を行う必要があります。

一般的に、胎盤剥離が起こってからは迅速な対応が必要です。ママの場合なら3時間以内、赤ちゃんについては1時間以内に必要な処置を受けなくてはいけません。

それでも、胎盤剥離が起こった場合、胎児の死亡や流産が起こる確率は30~50%と非常に高い確率になっています。

母体の死亡率も2%とけして楽観視してはいけない数値になっています。そのため、胎盤剥離の可能性が疑われる場合には、救急車を呼ぶなどして急いで病院に向かってください。

▼胎盤剥離が起こった時のリスクについてはコチラも参考にしてみて!

胎盤剥離の症状は出血と腹痛

胎盤剥離が起きると、先ず大量の出血が起こります。そのためママは出血性ショックをおこしてしまいます。

その他、お腹が張って下腹部に激痛が走ることもあります。妊娠中の出血はとにかく早めの対応が必要ですが、中には出血が子宮に溜まり、外にはあまり出てこないことも。

ですから腹痛に敏感になることはとても重要です。通常の胃腸炎などの腹痛は、痛みは断続的に続くものです。

しかし胎盤剥離を起こしている場合は、子宮全体の痛みが途絶えることなく続きます。これが大きなサインになります。

腹痛に加えて次のような症状があれば見逃してはいけません。

  • 強い吐き気
  • 上腹部にも痛みを感じる
  • 赤ちゃんの動きが感じられない
  • めまいがする
  • 背中が痛くなる

また播種性血管内血液凝固症候群という、体内で血液が固まって血流を阻害してしまう合併症が起きることがあります。

胎盤剥離が起こっている時、このような症状も並行して現れます。特に胎動が感じられなくなるのはお腹の赤ちゃんに何かが起こっているしらせかもしれません。

赤ちゃんの命を守るために、妊娠中の腹痛には敏感になってください。処置が早ければ赤ちゃんが助かる可能性も高まります。

胎盤が剥がれてしまう原因はよく分かっていません

常位胎盤早期剥離とも言われている症状です。どういった原因で胎盤が剥がれてしまうのかは、実はよくわかっていません。

そのために何のトラブルもなかった方が突如として発症して死産、流産になってしまうことも多いのです。

誰にでも起きる妊娠中のトラブルと言われているのです。その中でも、原因とされているものを以下に挙げて行きます。

▼胎盤剥離の原因・なりやすい時についてはコチラも参考にしてみて!

喫煙
母体が喫煙や受動喫煙をすることによって、体中の血流が悪くなってしまいます。それによって胎盤そのものが酸欠になり、組織が壊死を起こします。

また、ニコチンの毒素によって子宮の壁と胎盤の間に血の塊が出来てそこから剥離が起きるということも可能性として挙げられています。

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子宮筋腫
子宮筋腫は子宮の中に出来る堅いこぶのようなものです。胎盤が子宮筋腫のある場所に出来てしまうことによって、胎盤への血流が邪魔されます。

そのために胎盤剥離が起こりやすくなったり、逆子になってしまったりなど分娩に様々なトラブルを引き起こします。

妊娠高血圧症候群
妊娠20週以降に妊婦の体重が急に増加したり、血圧が高くなったり蛋白尿がでる症状を言います。

多くの合併症が起きやすくなり、その一つに胎盤剥離があります。原因は全身の血流が悪くなることで、胎盤の酸素交換が妨げられます。

その結果胎盤の細胞が壊死を起こしやすくなって、剥がれ落ちてしまうのです。

▼妊娠高血圧症候群についてはコチラも参考にしてみて!

すでに一度胎盤剥離を起こしている場合
前の妊娠の時に胎盤剥離を起こしていると、次の妊娠でもまた胎盤剥離になりやすいと言われています。

胎盤剥離を再発する確率は、5.5%から16%と言われています。そのため、一度胎盤剥離を経験した方はそれ以降の妊娠の時にも警戒が必要です。

胎児の奇形
お腹の中の赤ちゃんには、様々な奇形が発症する場合があります。胎児に奇形が見られる場合には、胎盤の形成にも異常が起こりやすくなり、そのために胎盤剥離が起こります。
絨毛膜羊膜炎
お腹の中の赤ちゃんを包んでいる膜は三種類あります。それぞれ脱落膜、絨毛膜、羊膜と言います。

その中で絨毛膜と羊膜に炎症が起こることを絨毛膜羊膜炎と言います。この症状は放置しておくと子宮収縮をおこしてしまい、破水や切迫早産の他、胎盤剥離の原因になります。

▼絨毛膜羊膜炎についてはコチラも参考にしてみて!

胎盤剥離の治療法は帝王切開

妊娠後期の胎盤剥離の場合は、緊急帝王切開を行うことで赤ちゃんの命を救うことが出来ます。

臨月に近くなると赤ちゃんの体の組織も充分育っていますから、胎盤剥がれてしまっても生存率は高くなります。

また輸血や輸液などの処置を行って母体の安全保持をはかります。胎盤剥離の治療は時間との闘いの側面があります。

処置が遅くなれば遅くなるほど母体や赤ちゃんの死亡率が高くなってしまいます。けして頻度は高くありませんが、起これば非常に怖い病気なのです。

妊娠週数が短いと母体が優先されます

妊娠後期以前に胎盤剥離が起きてしまうと、残念ながら赤ちゃんが助かる確率はとても低くなります。

剥がれてしまった胎盤はもう治療することが出来ませんから、出血性ショックからお母さんを救うために、母体が優先されるのです。

また胎盤が剥がれてしまってから妊娠を継続できない場合、赤ちゃんを助けるためにはすぐ胎内から取り出さなくてはいけません。

しかし週数が短い場合は赤ちゃんの身体がまだ出来上がっていません。なのでお母さんの身体の外に出て生き延びられないのです。

とても哀しいことですが、妊娠初期などに胎盤剥離が起こってしまった場合には、赤ちゃんを諦めなくてはならないのです。

急な腹痛には要注意!胎盤剥離は早期の措置を

胎盤剥離は決してよくある病気ではありません。しかし万一発症してしまったら治療が難しい怖い症状でもあるのです。

しかも原因が良くわかっておらず、未然に防ぐことも難しくなっています。そして健康な妊婦さんにも起きる事があります。

また妊娠初期に胎盤剥離が起こってしまうと、高い確率で流産や死産が起こってしまいます。せっかく授かった赤ちゃんを亡くすのは、ママや家族にとって辛いことです。

そうしたことを防ぐために、妊娠中は決して喫煙しない、受動喫煙に気を付ける、体重増加や食生活に注意するなどの工夫をしましょう。

胎盤剥離が後期に起こった場合なら、迅速な対処をすることで赤ちゃんが生き延びられる可能性もあります。

お腹の調子がおかしいな、腹痛が続くな、と言う場合を見逃さずにいつでも病院に行く準備をしておくことも、妊娠中の生活として大切なことです。

▼胎盤剥離の予防がてきるのか?についてはコチラも参考にしてみて!

▼胎盤剥離が起きた時の対処法についてはコチラも参考にしてみて!

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