B群溶連菌感染!妊婦さんや赤ちゃんが重大な病気になる場合も

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2016/07/03

B群溶連菌に感染してしまった妊婦

B群溶連菌は、それ自体は無症状ですが、もし妊婦さんが感染すると前期破水や早産になるかもしれない怖い病気です。

また、新生児には細菌性髄膜炎を引き起こすことがあります。

もし、保菌者だと言われたらどうすればいい?治療法は?などの疑問にお答えします。

溶連菌感染とは、どういう病気なのか

溶連菌は、一般的には咳やのどの痛みを引き起こす子供の病気で知られています。

しかし正確には溶連菌感染症は、レンサ球菌属によって引き起こされる感染症のすべてを指します。

レンサ球菌感染症は、A群、B群、C群、G群に分類されていて、せきやのどの痛みを引き起こす一般的に溶連菌感染と言われているものは、A群レンサ球菌感染症です。

しかし、妊婦さんが特に気をつけてもらいたい溶連菌感染には、B群レンサ球菌もあるんです。

A群レンサ球菌と、B群レンサ球菌で症状が違います

A群レンサ球菌感染症は熱やのどの痛みが主な症状で、子供に多い病気ですが、大人もなることがあり特に妊婦さんも気をつけたい病気です。

B群レンサ球菌感染症は膣内にいる常在菌で、通常時であれば無症状です。

ところが出産時にB群レンサ球菌にママが感染していてそれが赤ちゃんにも感染すると、赤ちゃんに重大な病気を引き起こすことがあります。

ここでは、妊婦さんが特に気をつけたいB群レンサ球菌感染症(GBS感染症)と、最もポピュラーな溶連菌感染であるA群レンサ球菌感染症(GAS感染症)について見ていきたいと思います。

妊婦さんは特にB群レンサ球菌感染症に注意!

B群レンサ球菌は、正式にはB群溶血性連鎖球菌といい英語でGroup B Streptococcusと書き、GBS感染症とも呼ばれます。

絨毛膜羊膜炎をひき起こすことがあります

妊婦さんがGBS感染症にかかると、絨毛膜羊膜炎を引き起こすことがあります。

絨毛膜羊膜炎は、赤ちゃんを包んでいる膜である絨毛膜と羊膜に炎症が起こる病気です。

絨毛膜羊膜炎が起こると、下腹部が痛くなったり、おりものから匂いがしたりすることもありますが、多くは無症状です。

しかし炎症が起きているのをそのままにしておくと、子宮が収縮して破水し、早産や流産、常位胎盤早期剥離などを引き起こすことがあります。

妊娠後期のGBS検査でB群レンサ球菌にかかっているかどうかがわかる

GBSは老若男女問わず持っている菌ですが、無症状です。

症状もないのにGBSに感染していて、絨毛膜羊膜炎になってしまったとしたら怖いですよね。

しかし安心して下さい。妊婦さんは妊娠後期にGBS検査を受けます。

どのような検査かというと、綿棒で膣内のおりものを採取して培養検査をします。

私が妊婦の時は特にこの検査をしたと言う覚えもなく、気づけば母子手帳に「GBS検査 陰性」と書かれていたなぁという感じです。

しかし必ずどこの病院でも実施するというわけでもないようですので、もしこの検査をしたかどうか、するのかどうか知りたい場合には病院で聞いてみましょう。

保菌者だと言われて大丈夫なのか

この検査を妊娠後期にするのは、あまり早く検査をしてしまうと検査後に菌が存在することもあるからです。

また保菌者だと言われても一生保菌者だと言うわけではなく、検査した時にたまたま菌がいたと言うだけのことです。

通常時だと無症状の菌なので、保菌者だといわれて出産後もずっと神経質に気にし続けると言うことはしなくても大丈夫です。

陽性の場合には出産時に抗菌薬を点滴します

もし陽性だった場合は、陣痛開始後ペニシリンなどの抗生物質を予防的に投与しながら分娩に臨みます。

出産前にすぐに菌を治療してほしいと妊婦さんなら思ってしまいそうですが、妊娠中に治療するよりも、出産時に抗菌薬を投与しながら出産に臨む方が効果が高いからです。

ただしこれも百%赤ちゃんへの感染を予防すると言う物ではなく、まれにですが点滴を投与しても感染することもあります。

またGBS検査で陰性と出ても、その後で保菌者となってしまったり、たまたま調べた場所が陰性だっただけで、他の場所に菌がいたりする場合もあり、まれにですが陰性でも赤ちゃんがGBS感染する場合もあります。

帝王切開の場合は赤ちゃんのGBS感染の心配はなし

GBSは膣内や肛門周りにいる菌なので、帝王切開の場合は関係ありません。

GBS感染は、経膣分娩をする際に気をつけなければいけない感染症です。

ただし経膣分娩をしようとしてうまくいかず帝王切開にした場合には、感染予防の抗菌剤を点滴します。

また経膣分娩で予防ができるので、GBSが陽性だからという理由では帝王切開にはならないようです。

赤ちゃんが新生児GBS感染症になってしまったら

しかしながら赤ちゃんが新生児GBS感染症にかかるのはまれなようです。

お母さんの産道にこの菌があると、赤ちゃんに伝播する確率は約40%、そのうち、赤ちゃんが発病する確率は250から800分の1(GBS陽性のお母さんから出生した赤ちゃんの600-2,000分の1、全出生の5,000-20,000分の1)といわれています。

ただし、もし赤ちゃんがGBS感染症にかかった場合、発症率は低くても以下のような重大な病気を引き起こす可能性があります。

  • 呼吸困難
  • 肺炎
  • 敗血症…血液の中に菌が入り、全身症状を起こす
  • 髄膜炎…脳や脊髄の表面を覆う髄膜に感染し、脳炎などを起こす

予防法は手をよく洗うこと

出産後のGBS感染は、お母さんがお世話をする時に手をよく洗うことで感染を予防することができます。

出産後に赤ちゃんをGBS感染症から守るためにも、よく手を洗ってお世話をするように周囲にも気をつけてもらうようにしましょう。

妊婦さんがもしA群レンサ球菌感染症になってしまったら

A群レンサ球菌感染症は、正式にはA群溶血性連鎖球菌感染症といい英語でGroup A Streptococcusと書き、GAS感染症とも呼ばれます。

しかし一般的には溶連菌といえばこの病気を指します。

A群レンサ球菌感染症の症状とは

風邪とよく似た症状で以下のような症状が出ることがあります。

  • 高熱
  • 喉の痛みや赤み
  • イチゴ舌
  • 体中に赤い発疹

重症化してしまう場合もありますが、大人がかかるとたいていは無症状だったり、少し喉が痛いなという程度の軽微な症状の場合も多いようです。

大人はなりにくい病気ですが、妊婦さんは抵抗力が落ちているためにかかることがあります。

A群レンサ球菌感染症は飛沫感染します

A群レンサ球菌感染症は飛沫感染するので、上のお子さんが溶連菌という診断を受けた場合、妊婦のお母さんや同居している兄弟姉妹、お父さんはマスクをしてうがいや手洗いを徹底しましょう。

子供が溶連菌になった場合、母親は無症状でも念のため検査を受けると陽性だったと言うこともあります。

自分は無症状でも周囲に感染させる可能性があるので、家族でかかっている人がいるなどであれば、自分も受診をして確認をしてもらい、薬を処方してもらってキチンと治しましょう。

妊婦さんは抗生物質を飲んでも大丈夫?

抗生物質は胎盤を通じて、赤ちゃんに影響を与えることがあるので注意が必要です。しかし赤ちゃんに影響のない抗生物質もあります。

お医者さんに妊娠中であることを伝えて、安全な抗生物質を処方してもらえば大丈夫です。

与えられた抗生物質は症状が改善しても、全部飲みきるようにしましょう。

溶連菌感染は、キチンと対処をすれば、妊婦さんでも怖くは無い病気です

A群レンサ球菌もB群レンサ球菌も全く違う病気ですが、病院で検査をして早めに対処し、しっかりと対応すれば妊婦さんでも怖くはない病気です。

妊婦さんでも服用できる抗生物質を処方してくれるはずですので躊躇せず、体調がおかしいと感じたら早めに病院へ行き、検査をしてもらうように心がけましょう。

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