妊娠力をつけたい35歳以上の高齢女性の体の外側からの整え方
女性の結婚年齢が上がり、初産年齢が30歳を超えることが珍しくなくなりました。
特に卵子の総数は生まれたときから決まっており増えていくことはありません。卵巣機能だけでなく、体全体として「年を感じる」ことが多くなるのが30代後半から40代です。
高齢になればなるほど意識して『体の内側と外側両方から』妊娠環境を整えていくことが必要ですね。
ここでは主に普段の生活の中で気をつける『外側からの』整え方を紹介します。母胎環境を整え、妊娠力アップをめざしましょう!
この記事の目次
妊娠力のアップの基本は体の状態確認から!
妊娠力をアップさせるためにまず自分の体がどういう状態なのかを確認しましょう。ここでとても有効なのが基礎体温をつけてみることです。
基礎体温をグラフにしよう
生理のリズムを知ることは年齢に関係なく大切なところですが、特にホルモンバランスの変化がある35歳を過ぎてくると特に重要になります。
体のリズムは基礎体温を測ることでつかめてきます。データは一定期間続けないと傾向がつかめてこないため、2ヶ月は面倒でも基礎体温を測ってください。
- 一定期間データが取れたらチェックすること
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下記3点のチェックしてください。
- 低温期と高温期に分かれており、低温期の長さが2週間前後あるか
- 高温期が10日以上続いているか
- 低温期と高温期の平均の温度差が平均0.3℃以上あること
この3つが満たされていれば卵巣機能の問題はないと考えられるので、ひとまず安心です。
全体が気になる方は、一度レディース検診などで妊娠機能全体をチェックする機会も必要になるかもしれません。
妊娠に”卵巣”の状態が良好かどうかは不可欠です。自分で自分がどういう状態なのか判断する材料として『基礎体温をグラフ化すること』はとても意味がありオススメです。
▼基礎体温の正しい測り方についてはコチラも参考にしてみて!
規則正しい生活・血の巡りの良い体・適正体重が大切です
妊娠に大切なのはホルモンバランスが良好なことです。
日付が変わる前に寝る、一日3食など生活に規則的なリズムがつくとホルモンのバランスを良好に保てます。
また、体を温めて血の巡りのいい体を作ることも重要です。体が温かいと血の巡りがよくなります。
よく血が巡っているということは血液に乗って新鮮な酸素が隅々まで運ばれているということです。
これは妊娠力アップに関しても良好な状態です。まずは現状把握、次に温かい体をキープしましょう。では具体的にどのようにしたらよいのか紹介していきます。
▼基礎体温を上げる方法についてはコチラも参考にしてみて!
お医者さんなど第三者に定期的に相談してみる
不妊治療までいかずとも、漢方薬局などで定期的な相談をしてみるのもお勧めです。できれば3か月分程度の基礎体温表を持って行きましょう。
体温の変化や自分の1ヶ月を一緒に反省してもらうと、妊娠を妨げている原因が見えてきます。
高齢な女性は仕事を持っている方もおおいですよね。
この一ヶ月は仕事がハードだった、飲み会が多かった、など自覚がなく過ぎてしまう日々の中に、実は体温を下げたりホルモンバランスを崩す要因が見つかることもあります。
私は漢方薬局に月1で通っていたことがありますが「夏はこまめに汗を拭かないと、空調で汗が冷えて体を冷やしてしまいます。夏場は特に気をつけて!ハンカチをいつも持ち歩いてください。」と注意されたことがあります。
そんなところにも体を冷やす原因があるのか!とびっくりしました。妊娠力を下げてしまう要因の中には自分では気がつかないことも多く含まれているかもしれません。
同じ時間に寝起きする
特にお仕事を持っていて35歳以上だと、キャリアもあり重要なポストについている方もいらっしゃるかもしれませんね。
また、睡眠不足はマイナス思考になりがちです。ネガティブ思考に陥らないためにも十分な睡眠と、寝起きの時間が同じことは大切です。
視床下部はとてもストレスに弱い
引越しなどで新しい環境になったり、部署の異動で新しい人間関係になったりと強いストレスを感じたとき生理がこなかった、という人もいるかと思います。
視床下部が元気になるのはこんな時です。
- 何かにときめいてワクワクしているとき
- よい香りをかいだとき
- 深呼吸などで新鮮な空気がたくさん体に入ったとき
- 喜怒哀楽の感情を開放しているとき
『自分のための時間がちゃんと取れていること』がとても大切です。心からリラックスするときが日常にあるかどうか点検して、好きなことができる時間を確保しましょう!
また、寝る時間がマチマチなど生活のリズムが安定していないと自律神経が崩れやすくなります。自律神経が狂うとマイナス思考になりがちなので、妊娠力も落ちてしまいます。
マイナス思考になるとネガティブな自己暗示をかけてしまう場合もあるので、自分で自分の妊娠力を低下させないように自律神経をしっかり整えていきましょう!
特に高齢で出産リミットが近づいている人はものすごいプレッシャーを感じがちで、妊娠について毎日第一に頭に浮かんできてしまうことが多く、妊活を中心に生活が回ってしまうので要注意です。
多くのホルモンは夜10時以降に分泌される
同じ時間に寝ていたとしてもそれが、夜中の1時や2時だとあまり効果的ではありません。
眠る時間については、特に夜10時にはベッドに入っていることがとても重要です。血液は夜の10時から2時の間に作られます。
また、美肌と関連があるホルモンや成長ホルモンも、分泌の時間が大体10時以降から夜中の2時ごろまでに分泌のピークを迎えます。
日付が変わる前にベッドに入っていたとしてもそれが夜の12時だと、深い眠りにつくのは、さらに1、2時間後、ホルモン分泌のピークを過ぎてしまいます!
また、副交感神経を優位にして眠りやすくする睡眠ホルモンの”メラトニン”には、抗酸化作用があり卵子の老化を防ぎます。
この作用は強い抗酸化作用のあるビタミンEの2倍ともいわれており、メラトニンを分泌することは妊娠力アップにつながります。
メラトニンも分泌は夜10時から上がっていき、0-2時ころに分泌のピークを迎えてどんどん下がっていきます。
夜中に作業したい場合は朝方に切り替えるといいですよ。早起きは最初はつらくても、ホルモン分泌はばっちりになり、バラエティにとんだ朝食メニューを作る時間も捻出できます。
体を動かして適正体重をキープ
年をとるにつれて思いっきり体を動かす機会が減ります。全力で走ったりすることもそうそうなくなりますね。
移動は歩きではなく車に乗ったり、仕事をしている場合は一日デスクであまり動かずする場合が多いかもしれません。
体を動かせば血流が改善されて鉄分も体のすみずみまで運ばれるようになり、全身の血の巡りがよくなります。
「あなたが33を過ぎて妊娠できない44の理由」(幻冬社2015・桜井明弘著p76)によれば、週に1時間運動する時間を増やすと、排卵障害が7%ずつ改善していくことがわかっているそうです。
ただし、「激しい運動」は体に負担をかけてホルモンバランスを崩してしまう恐れがあります。注意してくださいね。
エアロビクスなどの汗を一気にかくような運動よりは、ウォーキングなどゆっくりできる運動がオススメです。一週間に5時間程度の適度な運動がベストです。
翌日に疲れが残るような運動は必要ないので、じわっと汗ばむくらいを目指して体を動かしましょう!
ヨガやストレッチ、ウォーキングはもちろん、家の中でも運動になることはたくさんあります。日常でできる適度な運動としてこういったものを取り入れてみてはいかがでしょうか?
- 雑巾がけをはじめとする家事
- エスカレーターなどを使わず階段を上り下り
- バスや電車にのらずに1駅分歩く
特に体はもともと4足歩行だったことから、床の雑巾がけなどハイハイで室内を移動していくと全身の筋肉をくまなく動かすことができます。
階段の上り下りもほぼ毎日することなのでとてもよい運動になります。使っている筋肉はいつも同じところが多いので、毎日の生活の中にいろいろな動きを取り入れることが重要です。
動かしていないなあと思う筋肉を意識的に動かすことが大切です。大抵は上半身を使った日と下半身を使った日が分かれていると思います。日常ではこんなことができます。
- 脚を伸ばすストレッチ
- こまめに肩を回す
- ちょっと席を外してラジオ体操
どの部分をあまり使っていないかを考えて、使わなかったところを意識してこまめに動かしてみると気持ちがいいです。
毎日体を動かして体脂肪が減ってくると脂肪で圧迫されていた子宮や卵巣まわりに余裕ができて、周辺の血行が改善されます。
それにともなって子宮、卵巣系統の働きが良くなり妊娠率もアップすると考えられます。それだけではなく運動をすると全身の血行がよくなります。
体を動かせばで最終的に子宮・卵巣にいい血流がいくことになり、全体的にみて運動は妊娠環境整えるのに効果的です。
肥満になってしまうと妊娠率が下がります
高齢になっていくと、体を動かす機会が激減する、代謝が悪くなるなど体の老化が原因でついてしまった余分な脂肪は落としにくくなります。
体脂肪率20-30パーセント,BMI17.5以上、BMI25以下を目安にするといいと思います。
ちなみにやせすぎは生命維持が危なくなって妊娠どころではなくなって生理がこなくなるなど妊娠力を下げるので注意してください。
また、サーチュインという老化のスピードをコントロールする遺伝子があり、これはメタボな体では働きません。
適正体重になってくるとこのサーチュイン遺伝子が働き出し体全体のアンチエイジングにも役立ちます。
妊娠しにくい毎日を過ごしていない?妊娠しやすい体の準備が大切!
いきなり妊娠しようと思っても、加齢による体の状況が不利な中では難しいことになります。妊娠しやすい体を準備しておくことはとても大切なことです。
最近の不妊状況は生活習慣的な面が強いので、自分の1日を見直すことが意外と大切です。
現在は一昔前と比べると女性の社会進出が進んで、妊娠適齢期に仕事から抜けられない構造になっていて、体の問題だけでなく社会的にみて妊娠することがとても難しい状況とも言えます。
でも、持っている卵細胞が傷つかないように守ったり、卵巣の働きを落とさないように気をつけることはできます。これが準備にあたります。
自分の1日を見直して改善すると妊娠しやすくなります
40歳で自然妊娠する人もいれば、若くても授かりにくい人もいますよね(若い人でも全体の10-20パーセントは原因不明の不妊)。
元々の体質もありますが、妊娠力には生活習慣も大きく関わっています。
毎日のストレス、ダイエット、と心身ともに無理をしている状態は赤ちゃんを産みやすいからだの状態とはいえません。
35歳以上の方は会社で仕事をしていることも多く、仕事をしているいないに関わらず朝は忙しいものです。たとえばこんな生活していませんか?
- 朝食は食べない、もしくはシリアルやパンだけぎゅうぎゅうに口に詰め込んで行ってきまーす!!
- 夜は飲み会で高カロリー高脂肪のものを食べる。飲み会がなくても自分で調理する暇がなくて調理済み商品を買って食べる
- 夜はぎりぎりまで寝ていたいし、夜も「明日が早いから」と湯船に浸かずシャワーだけにしてしまう
あてはまる方は生活習慣病も要注意!妊活においても不利な体となってしまっていますよ。
朝は食べる順番を意識して食物繊維から食べましょう!
朝は胃の中が空っぽです。ここでパンなどの炭水化物が最初に入ると血糖値の急上昇がはじまります。これが妊活に影響するのを知っていますか?
血糖値が急上昇するときに体の糖化が起こります。それにより老化のホルモンが生成されて臓器老化の一因になります。
食物繊維→味噌汁など→たんぱく質→炭水化物→果物の順番がオススメ!
食物繊維の多い食べ物として野菜がよく知られていますが、野菜の中でも糖質が多い野菜は血糖値をあげるため最初の一口には向かないので気をつけましょう。
トウモロコシやにんじん、トマトなど、甘い野菜は食べすぎないように気をつけてください。
大前提として栄養は相互作用で体の力になります。ばらばらに働いているわけではなくて、協力し合うことで体を作ります。
たとえばパンとコーヒーだけ、の朝食はカロリーは取れても必要な栄養は取れません。忙しい朝にとても難しいことではありますが、家庭科で習った4つの食品群をなるべく意識して食べるようにしましょう。
- 第一群:栄養を完全にするもの:たまごや牛乳
- 第二群:血や肉を作るもの:魚介・肉類・豆・豆製品
- 第三群:からだの調整、調子をよくする:野菜、イモ類、果物
- 第四群:力や体温となるもの:ごはん、砂糖、油脂
コーヒーには牛乳を入れたり(コーヒーフレッシュや粉のコーヒー用ミルクはダメです)、フルーツを付け加えるなどは簡単にできます。
洋食には合わないかもしれませんが、晩御飯ののこりの焼き魚をいっしょに食べるなど、栄養素を組み合わせるちょっとの工夫で相互作用を生み出せます。
▼高齢で妊娠力をつけるための食事の見直し方についてはコチラも参考にしてみて!
お風呂は湯船につかりましょう
シャワーだけだと逆に体を冷やしてしまいます。冷えは血行を悪くして卵巣機能を低下させてしまうと考えられますので、湯船にきちんとつかって体をあたためることが大切です。
じんわりと汗をかくくらいになったら温まってきたということなので血行もよくなって卵巣機能も高まります。スーパー銭湯などでたまに見かける炭酸泉も血行を良くする効果が高いです。
お酒を控えましょう
35歳以上になるとお酒を飲む機会も20代のときより増える人も多いのではないでしょうか?特に仕事上お酒の席が増える人もいますよね。
アルコールの影響はやめればすぐに解消されるものではないため、妊活中は徐々にお酒を減らしていくといいと思います。これも準備が必要で早めに取り掛かるといい項目ですね。
付き合いで何杯も何杯も飲むことは避けて、ゆっくり一杯を味わうのも楽しいですよ!
喫煙している人は妊娠を望んだときからタバコはやめましょう
ニコチンが血管を収縮させることはよく知られています。そうすると血流が悪くなるのでせっかくお酒を減らしても、どんなにお風呂にゆっくり使っても運動しても台無しです。
35歳程度からプレ更年期は始まっている!
現代の日本人女性の現在の平均閉経年齢はおよそ50歳なので、更年期はその前後5年間の45歳から55歳くらいが相当します。
ですが、実際は35歳くらいから卵巣機能がぐっと下がって閉経に向かうので卵胞ホルモンのエストロゲン量の低下は更年期より前に始まります。
加齢によるエストロゲン分泌量が低下すると血中コレステロールが高くなったり、基礎代謝の低下、内蔵型脂肪系の肥満への移行も懸念されます。
自分の見た目も体型も変わってくるので心理的な影響もあります。更年期に向かうプレ更年期の時期に食生活や生活の仕方などの改善をすることはとても重要です。
できるだけ若い時期に日常での体の動きを少しでも活発にさせておくこと、妊娠しやすい体に必要な栄養の取れる組み合わせの食事をする習慣をつけることが大事です。
毎日夫婦生活が一番妊娠率があがる方法です
35歳以上の方の場合、パートナーもそれ以上かそのくらいの年齢であることが多いと思います。
仕事上重要なポストについていて、帰ってくるともうぐったり、若いころより性欲も激減しているなかで、夫婦生活がなくなってしまう夫婦も増えてきているようです。
毎日も頻繁にも無理!となると個人でできる対策としては、やはりできやすいタイミングを狙うことです。
女性のタイミングは基礎体温表や生理周期でである程度つかめます。ベストタイミングが仕事の休みの日に重なるとは限りません。
「今日は早く帰ってきてね!」と言った日はがんばって帰ってきてもらうようにきちんと約束をすることも大切です。
サプリメントの効果は食事内容と比べると微々たるもの
サプリメントで栄養の補助を行う方法もありますが、運動をしたり、食事をバランスよく取ったりすると得られるからだ全体への好影響があってこその補助。
サプリメントをとるにしても、必ず生活習慣を見直しから始めましょう。
こういった成分が入っているサプリメントで補助しながら、生活習慣を見直していくと効果が出そうですね!
婦人科にかかる時期を決めよう
初産年齢が高くて子どもを少数しか産まない現在は、子宮内膜症や子宮筋腫などのリスクが高まります。
発見しない限り対処ができないものなので、一度婦人科にかかることも大切です。検診をうけると足りない栄養素も判明して食生活の改善もしやすくなります。
時には鉄剤など必要なサプリメントを処方してくれることもあるでしょう。サプリメントは過不足なく摂取することが大切です。そういう点で検診の数値は頼りになります。
自分自身で判断しないで検診でデータをとり、それを元に医師のアドバイスを受けることも必要です。
どちらにしろ自分たちでがんばる時期を区切り、たとえば半年まじめに生活を改善してタイミングを計っても妊娠しなかったら婦人科に行こう!などと時期をきめましょう。
区切らないで迷っているとどんどん年齢があがってますます妊娠がしにくくなります。時間がもったいないです。
妊娠に対する自分のからだの現状をキチンと把握して前向きに体をつくりましょう
35歳以上になるとなかなか子どもができにくくなるのは事実です。
- 適正体重で卵巣回りの血流を改善
- 体をあたためて全身血流を改善し体が酸化しないように努める
- 自律神経が狂わないようにしてポジティブに暮らす
体の老化が始まりつつあっても、毎日の体を作っているのは自分です。体の準備をしておくに越したことはありません。
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