薬は使っていい?妊婦が蕁麻疹になった時に使える薬と治療法

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2017/09/11

蕁麻疹が出てしまった妊婦さん

妊娠中に蕁麻疹が出てしまった時、皮膚科やかかりつけの産婦人科に相談すると、治療薬が処方されることも珍しくありません。

しかし、お腹の赤ちゃんへの影響を考えてお薬を使うことをためらったり不安な気持ちになるママもいるでしょう。

そこで今回は、妊婦さんの蕁麻疹に処方されることのあるお薬とその効用、安全性について紹介します。

まずは診療!妊娠中ということが考慮された治療法を示してもらえる

妊娠が原因で出来た皮膚疾患や蕁麻疹は、出産を経て妊娠が終わることで自然と収まるものがほとんどです。

しかし、原因によっては悪化してしまったり、耐えられない痒みであったりする場合もありますので、遠慮なく病院へ行くようにしましょう。

自己判断で漢方を含めた市販薬を服用したり塗布するのは危険ですので、必ず専門家の意見を聞いたうえでお薬を使うようにしてください。

病院で検査と診察を受けると、蕁麻疹の程度や自分自身の身体の様子をひっくるめて治療方法を考慮し、場合によっては投薬治療が行われることもあります。

基本的に妊娠中の治療であれば、妊娠している母体と胎児に考慮した治療方法と治療薬が示され、決められた用法用量を守れば催奇形性について心配することはありません。

お腹や下半身などお薬を塗る場所によって心配な事が出てくることもあると思いますが、お医者様に相談をして皮膚トラブルを乗り切っていくようにしましょう。

実際にどんなお薬が使われているのか気になる人も多いと思います。

妊娠中の蕁麻疹に処方されることが多い薬について、その効果や特徴、副作用、赤ちゃんへの影響などについて詳しく紹介していきます。

▼妊婦に蕁麻疹が出る原因についてはコチラも参考にしてみて!

【抗ヒスタミン剤】アレルギー反応に効果的

抗ヒスタミン剤とは、アレルギーに対して効果のあるお薬で、アレルギー剤とも呼ばれます。

そもそもヒスタミンとは、アレルギー性の鼻炎やアトピーを含む皮膚炎、咳やくしゃみの原因となるもので、免疫系からの命令を伝達する物質のひとつです。

咳やくしゃみ、鼻炎や皮膚炎などのアレルギー症状を引き起こす原因のアレルゲンが体内に入ると、アレルゲンは細胞を通過して免疫系に働きかけてヒスタミンが過剰放出させ、アレルギー反応を起こします。

妊娠中の蕁麻疹の原因がアレルギー反応であると診断された場合、病院ではこのヒスタミンの作用を抑える抗ヒスタミン剤が処方されることがあります。

また、蕁麻疹以外にも、湿疹や皮膚のかゆみ(皮膚掻痒症や妊娠性痒疹)、花粉症などでも処方されることがあります。副作用は稀に皮膚に赤みや腫れが出ることがあります。

妊娠中に処方される抗ヒスタミン剤の例

抗ヒスタミン剤には塗り薬と飲み薬がありますが、過剰な投与でない限り双方とも妊娠初期から赤ちゃんへの影響は否定されています。

  • アレグラ(内服薬)
  • アレロック(内服薬)
  • クラリチン、ロラタジン(内服薬)
  • セチリジン、ジルテック(内服薬)
  • レスタミン(外用塗布薬)
  • ベナパスタ(外用塗布薬) 
  • オイラックス(外用塗布薬)
  • カチリ(外用塗布薬) など

【ステロイド剤】強力な効果…使用量と指示は厳守

ステロイドとは、腎臓の上端にある副腎から作られる副腎皮質ホルモンで、このホルモンを薬として使用し、体の炎症を抑えたり免疫を抑制します。

皮膚の症状に対しては外用薬(塗り薬)として処方され、局所のアレルギー症状を強力に押さえ込むことが出来る効果がとても強いのが特徴です。

ステロイドは症状を強力に抑える代わりに皮膚の細胞の増生そのものも押さえてしまう危険性もあるため、適切な効果の強さと使用量を守り、使用目的の範囲内で使っていかなければいけません。

必要以上に強い効果のステロイド剤を長期的に用いた場合、皮膚細胞の増殖が抑制されて皮膚が薄くなっていったり、それに伴って毛細血管が浮き上がってくるといった副作用が出る可能性があります。

妊娠中では、主に慢性蕁麻疹、妊娠性湿疹や妊娠性疱疹、アトピー性皮膚炎の治療に対して処方されることがあり、非常に有効なお薬ですが、強いお薬であるがゆえに使用方法を正しく守りましょう。

妊娠中に考えられる影響ですが、一般的にステロイド外用剤の吸収量は極わずかなため、胎児や母乳に対する影響は皆無であると考えられています。

逆にステロイドを使わずに蕁麻疹や湿疹の皮膚の炎症が悪化して痒みがそのままになった場合の悪影響や支障が心配な場合に、有益性を優先してステロイド剤が処方されると考えると良いでしょう。

ステロイド剤は強力なお薬ですので、何か不安なことがあれば処方される際に医師に自分自身の納得がいくまで説明を求めましょう。

妊娠中は外用薬が一般的!処方されるステロイド剤の例

ステロイド剤には内服剤と外用剤がありますが、妊娠中は外用剤の処方が一般的です。主な薬品名称は以下の通りです。

  • リンデロンV
  • マイザー軟膏
  • リドメックス
  • ロコイド など

【保湿剤】赤ちゃんにも使える安心感

保湿剤は、主に妊娠中の湿疹全般とかゆみ全般に対して処方されることが多い外用薬です。

妊娠中は肌が乾燥しやすく、そこから痒みにつながってしまっている人もいます。そういった場合には特に有効なのが保湿剤です。

保湿剤はその名の通り肌を保湿する効果があり、生まれたばかりの赤ちゃんの肌への塗布や授乳中の乳頭保護など全身に使うことが出来、安全性についての心配がないことも安心です。

湿疹やアレルギー性の皮膚炎が重症の場合は、先述の抗ヒスタミン剤やステロイド剤と保湿剤を併用して治療を行うこともあります。

一般の化粧品の保湿クリームは別物!処方される保湿剤の例

代表的な保湿剤は以下の通りです。なお、化粧品の保湿クリームは香料が入っており刺激となる場合もあるので、処方される保湿剤とは別物として考えましょう。

  • ヒルドイド
  • ワセリン(プロペト)
  • ウレパール など

▼妊婦の肌トラブルについてはコチラも参考にしてみて!

妊娠中の蕁麻疹は我慢しないで!薬を上手に使い日常生活も配慮

蕁麻疹は、主な原因となる物質の他に、自分自身がもともと持つ体質、さらにその時の体調や疲労の具合の3要素がそろって、症状が現れると考えられています。

「ある特定の食べ物でじんましんが出る」「この季節になると体が痒くなる」など、思い当たることがあれば、その要素を出来るだけ避けるのも一つの手です。

ただ、原因だけでなく体調によって症状が左右される場合も多く、特に妊娠中は自身の体調管理の他にホルモンバランスの変化、ストレスへの対処やメンタルヘルスのケアなど大変な事柄が多いです。

なので、3つ全ての原因要素を取り除くのではなく、どれか一つでも取り除けるように妊娠生活を見直し、出来る範囲で規則正しい生活や栄養バランス良い食事を心がけるのも効果的です。

それでも皮膚トラブルが収まらない時は、どんな原因にもかかわらず症状を抑えてくれる薬の力を上手に借りながら、ストレスの少ない日常生活を送れるように気を配ると良いでしょう。

▼妊娠中のストレス発散法についてはコチラも参考にしてみて!

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