子供の夜驚症の原因は?発達途中の脳と日中の興奮が関係

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2017/09/21

夜驚症かもしれない泣いている子供

子供が突然夜に泣きわめいて動き出して…どうすればいいのか分からないというパパママもいらっしゃるのではないでしょうか。

悲しそうに泣く子供の姿は、何かの病気や障害の前兆ではないかと不安になったり、日中に強く叱ったのがいけなかったのかな?などといろいろ考えてしまいますよね。

夜驚症の原因にはどんなものがあるのか?詳しくみていきましょう。

子供の夜驚症の主な原因は日中の体験が深く関係

夜驚症の原因は未だはっきりと解明されていません。現段階では下記が原因として考えられています。

  • 子供の脳がまだ発達途中であること
  • 日中に受けた興奮が影響していること

子供の発達途中の脳が影響している

私たちの睡眠は、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」の二つに分類することができ、この二つの睡眠が一定の周期で繰り返されています。

  • レム睡眠:体を休める睡眠、体は眠っていても脳は起きている
  • ノンレム睡眠:脳を休める睡眠、体も脳も眠っている

通常は、睡眠時間の前半が深い眠りとなり、後半が浅い眠りとなります。眠ってから最初の3時間が睡眠の中で、最も深い眠りになると考えられています。

しかし、夜驚症を発症しやすい幼い子供たちは、まだ脳が成長途中のため、この睡眠サイクルが完成していません。

そのため、眠りと目覚めの切り替えを司る脳の部分がまだ未完成で、上手に働かせることができないのです。

発達途中の子供の脳と睡眠の状態

  • 大人:脳が覚醒している浅い眠りのレム睡眠を経て目覚める
  • 子供:脳が覚醒していない深い眠りのノンレム睡眠時に、昼間の興奮が影響して一気に覚醒することがある

子供の場合、ノンレム睡眠時に、日中の興奮の刺激により脳が一気に覚醒しようとするため、脳がまだ完全に起きていない状態で、興奮状態になってしまうことがあるのです。

これが夜驚症です。泣きわめきながら歩き回っていますが、脳は眠っている状態なので、声をかけても反応しませんし、翌日何も覚えていません。

そして3~10分ほど症状が続いたあと、何事もなかったかのように再び布団に戻り、そのまま眠りにつきます。

つまり夜驚症は、脳が眠っている眠りの深いときに起こるため、入眠から3時間以内に起こることがほとんどなのです。

【夜驚症を引き起こす日中の興奮とは?】
恐怖心やストレス、不安感だけでなく、楽しかった体験など。

日中のストレスや恐怖体験が作用…

夜驚症を引き起こす原因となる日中の興奮とは、恐怖心やストレス、緊張、不安感などです。

例えば、以下のような体験が夜驚症の原因になることがあります。

  • 最近引っ越しをしたばかりでまだ新しい環境に慣れていない
  • お友達と喧嘩をしてしまった
  • 近いうちに習い事の発表会があり緊張している
  • 怖いテレビ番組を見た

楽しかった経験も影響

夜驚症の原因となる日中の興奮とは、恐怖心やストレスなどのマイナスな感情だけではなく、楽しかった体験も影響することがあります。

遊園地や旅行などに行き、子供がはしゃいで楽しんだ日の夜も、夜驚症が起こりやすいことがわかっています。

夜驚症は遺伝によって発症するのか?

カナダのサクレ・クール病院で行われた調査によると、夜驚症は、遺伝的な要因で起こる可能性があることがわかっています。

しかし、夜驚症に関連する特定の遺伝子が発見されたわけではなく、夜驚症の原因には必ずしも遺伝が関係しているとは言えません。

お兄ちゃんやお姉ちゃんが夜驚症だと、下のきょうだいも夜驚症になりやすい傾向にありますが、それが遺伝によるものかどうかまでははっきりしていません。

子供のタイプや障害との関係性

自閉症やADHDなどの発達障害を抱える子供は、その特性によって睡眠のリズムを確立しにくい傾向があるため、睡眠障害を起こしやすいと言われています。

そのため、発達障害を抱える子供はそうでない子供に比べて夜驚症を発症しやすくなります。

その他、夜驚症を起こしやすい性格があることもわかっています。

夜驚症を起こしやすい子供の性格

  • 内向的
  • 感受性が豊か
  • 神経質
  • こだわりが強い

しかしあくまで夜驚症になりやすい傾向があるというだけです。

このような性格の子供が必ず夜驚症になるというわけでも、このような性格でなければ絶対に夜驚症にならないというわけでもありません。

また、子供が夜驚症になるのは、決して親の育て方が悪かったということはありません。夜驚症は成長途中の脳と日中の興奮が大きく関係しています。

育て方が悪かったのではないかと両親が自分を責めたり、必要以上に思い悩む必要
はまったくありません。

どんな子供でも、何かがきっかけで夜驚症になる可能性が充分にあるのです。

夜驚症と発達障害の関係性についてはこちらの記事も参考にしてみてください。

明らかな原因は不明…できる対策から講じていこう

夜驚症になるのは、子供本人にも両親にも問題があるからではありません。脳が成長する過程の中で、誰もがなる可能性があります。

子供が眠るときに添い寝をして落ち着かせたり、子供が怖がっているものに心当たりがあれば取り除いてあげることで防げることがあります。

最近では夜驚症を防止するデバイスも開発されており、病院に行かなくても家庭でできる対策はたくさんあります。

夜驚症は病気ではありません。成長に伴って、思春期頃までには落ち着きます。

まずは両親が夜驚症のことをきちんと理解し落ち着いて対応すること、これが一番の対策です。

夜驚症についてはこちらの記事もチェックしてみてください。

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