0歳から小学生までの予防接種スケジュール立て方徹底ガイド
1ヶ月を過ぎたら各健診や予防接種の受け方の説明会があったり予診票を配られますよね。でも健診や予防接種はびっくりしてしまう程に数が多いんです。
特に平成25年4月からヒブと肺炎球菌の予防接種が任意から定期接種に変わったので、以前より多くなってスケジュールを組むのが大変になってしまいましたね。
今回はそんな大変な予防接種を上手にこなしていくために、特に予防接種の多い2歳になるまでを中心に小学校入学前までのスケジュールの立て方をご紹介します。
同時接種をしないと、なかかな接種回数をこなせない…
本当に種類も回数も多い予防接種ですが、1度受けると4週間以上間隔を空けなければならない生ワクチンもあるため、全てバラバラに接種を受けるには膨大な時間がかかってしまいます。
そこで日本小児科学会では複数の予防接種を同時に行う同時接種を勧めています。
日本の子どもたちをこれらのワクチンで予防できる病気(VPD: Vaccine Preventable Diseases)から確実に守るためには、必要なワクチンを適切な時期に適切な回数接種することが重要である。そのためには、日本国内において、同時接種をより一般的な医療行為として行っていく必要がある。
何度も病院に行く必要がなくなり早目にたくさんの病気を防ぐことができるため母子・医師にとって負担が少ないんですね。
親としては「一度に受けることで赤ちゃんの体に影響が出るんじゃないの?」と不安になってしまうところですが、大丈夫。同時接種をしても「予防の効果は変わらない」し、「体への害や副反応が起こりやすくなるわけではない」ということです。
1)複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、それぞれのワクチンに対する有効性について、お互いのワクチンによる干渉はない。
2)複数のワクチン(生ワクチンを含む)を同時に接種して、それぞれのワクチンの有害事象、副反応の頻度が上がることはない。
海外ではもう同時接種は一般的。ついつい不安になってしまいますが、早くたくさんの病気から赤ちゃんを守るためにも、ぜひ同時接種を取り入れていきましょう。
【0歳】予防接種の嵐!2ヶ月でスタートダッシュを決めよう
一番予防接種の回数が多いのが0歳です。母体からの免疫が切れるとされる6ヶ月までに、出来るだけたくさんの予防接種を受けておきたいところです。どのようなスケジュールが最適なのか見ていきましょう。
【生後1ヶ月】かかりつけの小児科を決めて早目に予約
1ヶ月健診を終えたら、まずお子さんのかかりつけの小児科を決めましょう。口コミや先輩ママからの情報、付近を通った時の雰囲気なども参考になりますね。
「ここがいい」というところが決まったら、早速お子さんが生後2ヶ月になる日の予防接種の予約を入れましょう。
特にインフルエンザの予防接種の時期と重なると、予約の電話をしてみても希望通りの日はもういっぱいと言われることもあります。予約することが必要なので思い立ったら早目に動きましょう。
一度予防接種を受けたら、接種当日に病院で次の予約も入れてしまのがおすすめです。電話で「これとこれと…」とたくさんの種類を予約する大変さを味わうこともなく、予約忘れも防げるからです。
【生後2ヶ月】定期2種と任意2種を同時接種
いよいよ1回目の予防接種。いきなりですが4種類を同時接種します。
- ヒブ感染症 1回目(定期・不活化)
- 肺炎球菌 1回目(定期・不活化)
- ロタウイルス 1回目(任意・生ワクチン)
- B型肝炎 1回目(任意・不活化)
これを別々に受けようとして、仮に生ワクチンのロタだけ先に済ませてしまうとその後4週間は他のものを接種できなくなってしまい、他のワクチンが遅れてしまいます。
その結果、免疫獲得が遅くなり、それだけ病気のリスクが高くなってしまう可能性が高くなります。
ワクチンは混ぜて一度に注射というわけにはいかないので、注射の回数が多くなってしまい可哀想な気もしますが、何度にも分けるよりは負担が小さいことでしょう。
【生後3ヶ月】2ヶ月で接種した4種類の2回目+もう1種類を同時接種
生ワクチンを2ヶ月で接種していますので、4週間以上間隔を空けなければいけません。次は生後3ヶ月になったら5種類を同時接種します。
- ヒブ感染症 2回目(定期・不活化)
- 肺炎球菌 2回目(定期・不活化)
- ロタウイルス 2回目(任意・生ワクチン)
- B型肝炎 2回目(任意・不活化)
- 4種混合(DPT-IPV) 1回目(定期・不活化)
ここで増えた4種混合(3種混合+ポリオ)ですが、これは2012年11月から定期接種になったもの。それ以前は3種混合とポリオは別の予防接種でした。
混合ワクチンは文字通りワクチンを混ぜたものを一度に注射するもの。4種混合については始まって日が浅いため不安の声もありましたが、現在では3種混合ワクチンの製造が終了したため分けて接種することがほぼ不可能になっています。
【生後4ヶ月】ロタが5価の場合は3回目+3種を同時接種
3ヶ月でも生ワクチンを接種していますので、4週間経った4ヶ月に次のワクチンを同時接種します。
- ヒブ感染症 3回目(定期・不活化)
- 肺炎球菌 3回目(定期・不活化)
- (5価の場合のみ)ロタウイルス 3回目(任意・生ワクチン)
- 4種混合(DPT-IPV) 2回目(定期・不活化)
ロタウイルスのワクチンには1価と5価の2種類があり、5価の場合には3回の接種が必要です。間違えないようにしましょう。
【生後5ヶ月】4種混合3回目を忘れずに!BCGは集団接種も多い
BCGが個別接種か集団接種かは各自治体によって違いますので、お住いの地域がどちらかを確認してください。
【個別接種の場合】
- 4種混合(DPT-IPV) 3回目(定期・不活化)
- BCG 1回のみ(定期・生ワクチン)
この2つを同時接種します
- 4種混合(DPT-IPV) 3回目(定期・不活化)を先に接種
- BCGを接種(これまで挙げた全てを接種し、4種混合から1週間以上空けて接種)
集団接種の場合「○月生まれはこの日」と指定されます。今までに挙げた予防接種は、BCGよりも先に受けておいた方がよいものですので、それらの接種が全て終わってから、こちらの接種を受けるようにしましょう。
BCGは生後5~8ヶ月までが接種におすすめの時期。平成17年には一度生後6ヶ月未満に引き下げられ、我が家の子供たちもその時期に接種しましたが、2015年現在では接種する種類も増えたこともあり、推奨時期が変わったようです。
「上の子はもっと早く受けた気が…?」と戸惑うことのないように、自治体からのお知らせと医師の指導を受けて確実にこなしていきましょう。
【生後6ヶ月から1歳未満】B型肝炎3回目と秋ならインフルエンザ
ここまで順調にこなすとができれば、生後6ヶ月から1歳になるまでの間には多くても2回の接種でOKです。
- B型肝炎 3回目(任意・不活化)
- (この半年に10、11月になれば)インフルエンザ(任意・4週空けて2回)
毎年やってくるインフルエンザの時期に備えて接種を受けておきたいですが、季節性のため生後○ヶ月で受ければ良いというものではないのが難しいところ。
ただ、インフルエンザの予防接種を受けることが勧められるのは”生後6ヶ月以上”ですので、この月齢になる前に、たくさんの接種を既に終えておければベストです。そうすればスケジュールに頭を悩ませることにならずに済みますね。
これは医師と相談するのが一番ですが、もし11月生まれで10月に1回目を受けたインフルの2回目と1歳になってすぐの接種が時期的に重なるようなら、同時接種にしてもらうという方法をとってもらえるかもしれません。
【1歳】前半でほぼ完了!気を抜かずに確実に接種を
続いて1歳になってからのスケジュールを見ていきましょう。ここでも同時接種が大活躍します。
お誕生日を迎えてすぐ – 3種類を同時接種
まず1歳になって浮かれる間もなくしっかり接種しておきたいのがこの3種類です。10、11月のインフルエンザの時期と重なっていれば同時接種も可能です。
- 麻しん風しん(MR) 1期(定期・生ワクチン)
- 水ぼうそう (定期・生ワクチン)
- おたふくかぜ (任意・生ワクチン)
水ぼうそうは2014年から定期接種に変わりました。忘れないように同時接種しましょう。
【1歳1ヶ月】つい忘れがちな追加接種3種類
まだまだ気は抜けません。1歳になってすぐの3種類をしっかり受けることが出来たら、また1ヶ月後に接種が待っています。もちろんここでもインフルエンザの時期なら同時に受けてしまいましょう。
- ヒブ感染症 追加(定期・不活化)
- 肺炎球菌 追加(定期・不活化)
- 4種混合(DPT-IPV) 1期追加(定期・不活化)
予防接種のパンフレットなどを見ていると、これらの追加接種は「3回目の接種が終わってからおおむね1年後」と書かれています。
でも「え?まだ1年経ってないじゃない!」と心配しなくて大丈夫。
ここでの「おおむね1年」=「7ヶ月~13ヶ月程度」なんです。
標準的なワクチン接種スケジュール
その他 初回接種については生後2ヵ月以降(生後7ヵ月まで)の期間に接種を開始し、27~56日の間隔をおいて3回、追加接種については初回接種終了後に7ヵ月~13ヵ月後に1回の接種を行います。
なので、一番遅い4種混合の3回目でも生後5ヶ月だったので、1歳を過ぎていればもう大丈夫ですよね。もし最初の接種が5ヶ月の月齢よりも遅れて接種したという場合は、7ヶ月あけて受けるようにしましょう。
【1歳3ヶ月】水ぼうそうの追加接種(1回目の接種が1歳すぐであった場合)
さあ、ここまで続いてきた予防接種の嵐も落ち着きを見せようとしています!水ぼうそうの追加接種を受けましょう。
- 水ぼうそう 追加(定期・生ワクチン)
(ただし1回目の接種から3ヶ月の間隔で受けること)
こちらは追加接種ですので前回いつ受けたかが基準になってきます。1歳3ヶ月ならOKというわけではないので注意しましょう。
【1歳4ヶ月以降から2歳未満】インフル・A型肝炎のみでOK
ご紹介した以外には、1歳を過ぎたらA型肝炎の予防接種を受けることができます。こちらは発展途上国に出かける・長期滞在するという場合には必ず接種しましょう。
日本でも散発的な発生があるということなので、可能なら受けておきたいですね。他には季節が来ればインフルエンザの予防接種を受ければOKです。
【2歳以降】予防接種は激減!だからこそ忘れずに
ここまでに全て済ませておけば2歳のうちはインフルエンザ以外の予防接種はありません。イヤイヤ期の2歳児を注射に連れて行くのは大変!少なくて済むのは嬉しいですね。
3歳以降は日本脳炎が2回+追加1回と、麻しん風しんの2期。必要に応じてインフルエンザでバッチリです。
「少ないから余裕だ」と思っていると、ついつい忘れてしまいがちなので、母子手帳やスケジュールなどはこまめにチェックをしておきましょう。そして接種可能な時期になったら早目に受けましょう。
これで小学校入学までの予防接種は完璧です!
予定が狂っても慌てない!「ずらして調整」で乗り切ろう
いかがでしょうか?見るだけでも嫌になるほどたくさん予防接種がありますね…。予定していた日に体調を崩すことも出てきて、予定通りに進まないこともあるかもしれませんが慌てないで。
ただ、予定がビッシリの生後半年までは体調を崩すことが少ないことが多いので、しっかり接種できる方が多いと思います。仮に少しずれてしまっても生後半年~1歳までの間で十分調整できますよね。
また大切な事として、「今日予防接種を受けに行けない」という連絡をする時に「では◯◯に変更します」と変わりの予約を入れておくという点です。
それまでに体調が戻るかどうかは分かりませんが、元気になってから予約をするとかなり予定のズレが大きくなってしまうことになりますので、早目の予約で大きく遅れることなく接種を終えることが狙いです。
まずはこちらのスケジュールでお医者さんと一度相談してみましょう。
川崎病など、ガンマグロブリンを治療時に投与されたお子さんの場合などは、予防接種が全てずれこんでしまう…なとのケースもあります。ですのでお医者さんとの相談は確認のためにされる事をおすすめします。
お子さんを病気から守るためにも同時接種をうまく利用して確実に予防接種をこなしていけるといいですね!
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