子供がスズメバチに刺された!アナフィラキシーは?応急処置や治療
みなさんはハチに刺されたことがありますか?私は何度もありますが、本当にとってもすごく痛いんです。子供の頃はギャンギャン泣くほど痛かったですよ。
田舎に住んでいると身近なハチ。都会でも意外とよくみかけます。そこで古くからハチに刺された時のさまざまな応急処置方法が言い伝えられています。
その中には効果があるものもあれば、全く効果が無いものや、逆に悪化させてしまうものもあります。
応急処置方法のウソと本当を見分けて、痛みと不安でいっぱいの子供に素早く適切な処置をしてあげましょう。
蜂に刺された時の応急処置!正しい対処法を知っておきましょう
まずはハチに刺されたときにどうすればいいのか、正しい対処法をご紹介します。慌てず、正しい方法で応急処置をしましょう。
蜂に刺された時の応急処置…針を取りのぞき流水で洗う
まずは、シンプルに「応急処置」をご紹介します。
- その場からすぐに離れる
- 針が残っていたら抜き、傷口を流水で洗う
- 傷口を指先でつまむように毒を絞り出す
- 虫刺されの薬を塗る
- 安静にし、ショック症状・アナフィラキシー症状が出たら即救急へ行く
これが基本の応急処置です。ハチにはいつ刺されるかわからないので、覚えておきたいですね。
では、それぞれの処置について次項から詳しくご紹介していきます。
1.刺されたらその場からすぐに離れる…巣から遠ざかろう
蜂に刺されたら屋外の場合その場所から数十メートル、少なくとも10~20メートルは離れます。
蜂は自分の巣の周辺が行動範囲内です。ハチに刺されたということは、巣の周辺にいるということになります。
他の蜂を刺激すると集団で襲ってくることもあります。そのため、蜂に刺されたら巣から離れるため、数十メートル移動しましょう。
子供はパニックになって騒ぎやすいのですが、騒ぐと余計に蜂を刺激します。必ず静かに逃げましょう。
2.針が残っていたら取りのぞき、傷口を清潔な流水で洗い流す
安全が確保できる場所まで来たら、傷の処置を行います。患部をよく見て、針が残っていたらそっと抜き取りましょう。
蜂の針には毒液が残っている場合があります。乱暴に抜くと毒液がより体内に注入されてしまう可能性もあります。
指でつまむと毒が入っている「毒嚢」という袋を押し出すことがあるので、ピンセットなどの細いものでつまむか、カード状の硬いもので払うように取るとよいそうですよ。
さらに肌の内部で折れて残ってしまうと非常に厄介です。指先でも構わないので慎重に抜き取りましょう。
針が抜けて患部に何も残っていない状態になったら、必ず流水で傷口を洗います。
動物の毒にはさまざまな種類がありますが、ハチの毒は水に溶けやすいという性質があります。そのため流水で洗い流すのが効果的なのです。
清潔が第一なので、ため水では洗わないようにしましょう。水道水で流すようにして洗うのがオススメです。
3.毒液を患部から絞り出す…毒をしぼりながら流水で洗おう
流水で洗い流しながら、患部の中に残っている毒液も絞り出します。絶対に口で吸いだすことはやめましょう。指や爪で圧迫して絞り出します。
最近はアウトドア用品店などに、専用のリムーバーという吸引器が販売されています。
しっかりと患部周囲の毒を吸いだしてくれて便利なので、アウトドアの時は持参すると安心ですよ。
先ほどもご紹介したように、毒を流水で流すと効果的です。内部の毒を吸いだしつつ、患部をもむように洗って洗い流しましょう。
4.適切な薬を塗り、患部を冷やす…薬はこまめに塗り続けよう
ミツバチやアシナガバチなど一般的なハチに刺された場合は、市販薬を塗って対処しましょう。
蜂に刺されたときにおすすめの塗り薬の成分は、「抗ヒスタミン剤入りのステロイド軟こう」です。
商品名でいうと「ムヒアルファEX」などがそうですね。
ただしハチ刺されは普通の虫刺されよりはるかに毒性が強く、症状も強く出ます。一度塗っただけでは効果がでません。
刺された時だけでなく、こまめに薬を塗るように心がけてください。
薬を塗っただけでは、ハチに刺された患部の痛みはなかなか引きません。そこで患部を冷やします。
冷却シートではなく、保冷材や氷をガーゼやタオルに包み、患部に当てましょう。冷やしては薬を塗る、を繰り返しましょう。
そのうちかゆみが出てきますが、かいてはいけません。引っかいて患部が膿んできてしまったり、とびひになってしまったようなら皮膚科へ行きましょう。
5.安静にして様子を見つつ、異常があったらすぐ医療機関へ行こう
よく知られているように、ハチに刺されるとアナフィラキシーショックが起きることがあります。刺されて30分以内が危険です。
そこで、ハチに刺されてから20分~30分は応急処置をしつつ安静にし、様子を見ましょう。毒性や攻撃性が強く特に危険なハチはこういった種類です。
- スズメバチの仲間
- アシナガバチの仲間
スズメバチの仲間は結構多く、素人目にはよくわからないこともあります。
- オオスズメバチ
- ヒメスズメバチ
- キイロスズメバチ
- モンスズメバチ
- クロスズメバチ
ちょっと挙げただけでもこんなにたくさんいます。パッと見ただけでは種類がわからないので、医療機関では「スズメバチらしき大きなハチに刺された」と伝えましょう。
アナフィラキシーショックは、こういった症状です。
- 強い蕁麻疹症状
- 皮膚が赤くなる・かゆくなる
- 唇や舌・まぶたといった粘膜が腫れる
- 息切れ
- 咳き込み
- 呼吸困難・息苦しさ
- 意識の混濁
- 腹痛
- 嘔吐
すべて出るとは限りません。ハチに刺されてから30分以内にいくつかの症状が出て「なんだか体調がおかしいかも」と感じたらすぐに医療機関を受診してくださいね。
もし呼吸困難や意識の混濁など強いアレルギー反応が出たら、迷わず救急車を呼んでください。非常に危険です。
赤ちゃんやごく幼い幼児がスズメバチに刺されたような場合は、ショックが強く出る可能性もあるので、すぐに小児科か皮膚科へ行きましょう。
【エピペン】を用意しておく必要…アナフィラキシーショックの薬
ハチ刺されの対処法を調べると、最近は「エピペン」という治療薬を目にすることが多いでしょう。
- エピペン
-
アナフィラキシーショックを起こした際の緊急的な補助治療剤です。エピペンはドラッグストアで手軽に買える薬ではなく、医師の処方箋が必要です。
アナフィラキシーのリスクが高いと判断された場合、処方してもらえるようです。自分で簡単に打てる特殊な注射器になっています。
ハチ毒にアレルギーがあるかどうかは病院で調べることができます。
これまで、ハチ毒によるアナフィラキシーは二度目以降に起きると言われてきました。でも、最近では初回でも起きることが判ってきたようです。
子供がアレルギー体質で不安がある場合、またパパママで過去に蜂に刺されたことがある人は、専門医に相談してみましょう。
昔ながらの治療法って本当に正しいの?検証してみましょう
古代から日本人はハチに刺されてきました。そのため、いろいろな民間療法が伝わっています。正しい方法、やめた方がよい方法をチェックしてみましょう。
【アンモニアをかける】…間違った方法です!試さないで
古くからよく言われてきた応急処置方法のひとつに、アンモニアをかけるというものがあります。
アンモニアにはハチの毒を中和する効果があると考えられてきたため、こうした方法が良いとされてきました。
実はアンモニア水はタンパク質系のハチ毒を中和することはできません。研究が進み、迷信だったことが明らかになりました。
ただし年配の方にはまだアンモニア水が効果的と信じている人も多いようなので、注意したいですね。
【オシッコをかける】…間違った方法です!絶対子供に教えないで
ハチに刺された時におしっこをかけると良い、と聞いた事はありませんか。昔はまことしやかに言われていた方法です。
昔は尿の中のアンモニアが効くと言われていましたが、現在はアンモニアがハチ毒に対して効果的ではないことが判っているため、おしっこも効果はありません。
おしっこをかけることはハチ毒に効果がないばかりか、傷口から雑菌が入ることもあり大変危険です。
子どもは安易に試してしまうことがあるため、絶対にしないように家庭でも注意をうながしてあげましょう。
【毒はすぐに口で吸いだす】…非常に危険です!やらないで
物語やまんがを読んでいると、ハチなどに刺された時に口をつけて毒を吸いだす描写が出てきます。
そのため、実際に刺された時に口で毒を吸いだした方が良いと思い込んでいる子供も少なくないようですね。
しかし、この方法も間違いです。毒を吸いだすと、口の中の傷から体内に毒が入ってしまう危険性があります。
飲みこまずに吐き出しても、口の中には虫歯や口内炎など、意外に小さなキズがたくさんあるのです。
ハチに刺された時はできるだけ早く毒を体外に出した方が良いのですが、口で吸いだしてはいけません。
専用の毒液・毒針用吸引器を使用して吸いだすか、傷口をぎゅっと圧迫して血と一緒に毒を絞り出し、流水で流しましょう。
【アロエが効く】…人によっては効果あり!でもあくまで民間療法
ハチに刺された時の民間療法には、アロエを塗る・ハチ酒を塗るといったものがあります。そのうち、私は実際にアロエを試したことがあります。
子供の頃に何度もハチに刺されたことがあり、アロエを塗りました。アロエを塗らなかったときはパンパンに腫れて熱を持ち、化膿して大変な目に遭いました。
でも、アロエを塗った時はすぐに腫れが引いて、その後もかなり早くキレイに治りました。
私の場合は効果があったと言えるようです。そこで、我が家では長らくアロエを栽培していました。
使用方法をご紹介します。
- 刺された個所から針を抜く
- 流水で洗い流しながら毒を絞り出す
- アロエの緑の皮部分をはぐ
- 透明なゼリー状部分を患部に貼る
- こまめに取り換えるか、ゼリー部分の汁をこまめに塗る
これだけで、かなり症状が軽減しました。アロエが効いたという人は少なくありませんが、実はまだ科学的な根拠が見つかっていないそうです。
医学的根拠もなく、未知のアレルギーがあることもあるので、初めて使用する際は雑菌に注意し慎重に様子を見てくださいね。
昔は今のように効果の高い軟膏が市販されていなかったので、アロエが効きましたが、今は市販薬の方が安心かもしれません。
かかりつけの小児科の先生いわく「塗り薬はこまめに塗ることが肝心」だそうです。一度で満足せず、こまめに塗って治療しましょう。
またスズメバチに刺された際や全身症状が出た場合は、民間療法に頼らずすぐに病院へ行きましょう。
蜂に刺されないため・刺されたときに困らないための方法
蜂は夏から秋にかけて活発化します。アウトドアだけでなく、ガーデニングでもただ洗濯物をたたんでいるだけでもハチに刺されることはあります。
私は学校へ行こうとただ歩いているだけで刺されてしまったことがあります。不運ですが、そういうこともけっこう多いんですよ。
一番の予防法はハチに刺されないことなのですが、家のハチの巣を駆除しても飛んでくるため刺されてしまうことはあります。
対策法として、ハチに刺されたときに慌てないよう、家にグッズを準備しておきましょう。
- 蜂に刺されたとき用のグッズ
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- 毛抜きやピンセット
- 専用の毒吸引器
- 抗ヒスタミン剤入りステロイド軟こう
まとめて救急箱に入れて置き、アウトドアに行く際はセットのまま持参しましょう。その際は大きなペットボトルに洗い流し用の水も入れていくと安心です。
また蜂に刺されないための服装もあります。
- 蜂に刺されにくい服装
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- 帽子
- 首筋を守るタオルやネックカバー
- 白っぽい長そで上着
- 白っぽい長ズボン
- 靴下
- スニーカーや登山靴
- 逆にハチに襲われやすいスタイル
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- 黒っぽい服
- 黒髪のままの頭
- 半袖・半ズボン・サンダル
- 香水
- 甘い香りのコロン
- お酒の匂い
- ジュースの匂い
ミツバチ以外のハチは、世界が白黒に見えているそうです。より暗い色は黒めに、より明るい色は白めに見えるようですよ。
つまり、原色よりもピンクや黄色・ベージュの方が安心です。紫や茶色など暗めの色は、黒く見えてしまい危険です。
アウトドアはもちろん、山林や川沿いのバーベキュー・ちょっとしたお散歩の際なども注意しておくと安心です。
子供は特に外歩きの際は長そで・長ズボン・首筋のタオルと帽子で素肌の露出を防ぎましょう。マダニ予防にも効果的ですよ。

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リンさん
色覚異常の蜂には色の常識が通用しないと思われます


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