産後ケアのための産褥入院。目的を理解して適切に活用しよう!
妊娠中だけでなく産後のケアも大事、という考え方が広まりつつあります。妊娠中よりも産後の方がママの体はダメージを受けているからです。
しかし、長期的な視点でみたら産後に過ごす時間の方がママには負担を掛けるのです。そのため、産褥入院をして体のトラブルを解消しようとする動きが始まっています。
産後ケアを第一に考えるための入院が「産褥入院」
産後のケアは国の少子化対策、あるいは自治体の子育て支援政策の一環として取り組まれるようになりました。
その中で、出産後3週間から8週間の産褥期にあたる時期に一定期間病院に入院して、専門家のケアを受ける「産褥入院」を選ぶママが増えています。
難産の後遺症が残ってしまったり、母乳が出にくかったり、赤ちゃんを産んだ後のママは何かとトラブルを抱えがちです。
- 骨盤が緩んでしまって腰痛が酷い、歩けないほど痛い
- 悪露の量が多くいつまでも止まらない
- 気持ちに変化が起きてしまい赤ちゃんをかわいいと思えない
- 子育てに不安が募って涙が出る
このような症状に専門のケアワーカーが担当に当たってくれるのが産褥入院の特徴です。
そうして元気を養って、子育てに向かってママの状態をメンテナンスしていく。これが産褥期の入院の目的なのです。
虐待防止のために始まった産後ケア
産褥入院の普及に力がいれられるようになった背景に、出産後の赤ちゃんへの虐待が社会問題化したことがありました。
- 実家が遠くて両親に頼れない
- パパの仕事が忙しくて1人で子育てしなくてはならない
このようないわゆるワンオペ育児によって追い詰められたママによる、嬰児の悲しい虐待死事件が多数発生したのです。
少子化が国の課題であると同時に、無視してはならないのが虐待問題です。ママの不安やストレスを軽減することで虐待は防げるものなのです。
上の項目に当てはまる人は、自分のためにも赤ちゃんの健康のためにも産褥入院を検討してみてください。
産褥入院の手順。施設探しと費用の準備
現在産褥入院が可能な施設が全国に増えています。多くは産婦人科クリニックや助産院で、出産した病院にそのまま入院出来るケースもあります。
また産後ケアを専門に行っている施設もあります。「全国の産後ケア施設」で調べると、国内で入院可能な場所が見つかります。参考にしてください。
また自治体の子供家庭課、生活福祉課などの部署に問い合わせると、産褥入院について情報を得られる場合もあります。
助成金がない場合は高額になる入院費
自治体が主導している助産院や産婦人科クリニックなどに入院する場合ならば1日3000円からの費用で入院をすることができます。
しかしこの助成金制度の有無は地域によってまちまちで、採用していない自治体も多いのが現実です。
そのため基本的に健康保険は使えません。入院は食事代などにかかる費用は全額実費負担となります。
助成金交付を受けていない施設に入るとなると、1泊1~3万円と高額の入院費が必要になります。
産褥入院は最低でも1週間入ることが進められるので、最大で21万円の出費になります。経済的な余裕のない方は施設選びをよく検討しなくてはいけません。
保健指導を受けると医療費控除の対象になります
産褥入院は保険の対象になりませんが、入院中に助産師さんから授乳の指導や骨盤のケアなどを受けた場合、それは「保健指導」と言って費用が控除されます。
- 医療費控除
- 年度内に支払った医療費のうち、支払った額が一定の基準を超えた場合に差額分から計算されるだけの所得控除を受けることができる制度
産褥入院の保健指導はこの医療費控除の対象になります。家庭によって経済状況は様々です。どんな人でも安定して医療を受けられるための制度なのです。
入院費が高額になるのが心配な方は、この医療費控除の対象になるのかどうかを病院に相談してみるといいでしょう。
ママと赤ちゃんのケアのために重要な産褥入院
妊娠中よりも出産後の方が大変というママは大勢います。里帰り出産ができなかったりして産後すぐから1人で赤ちゃんを見なくてはならないことも。
そうしたママのストレスを解消したり、出産でこうむった体の不調をケアするために実施されるのが産褥入院です。ママの体だけでなく、赤ちゃんの生活をも考えた制度です。
その場合は医療費控除になるかどうかを検討して、可能な場合は入院施設を探してみるといいですね。
また、出産前から利用できる「ドゥーラ」なども検討の対象としてみてもいいかもしれませんね。
▼ドゥーラについてはコチラも参考にしてみて!
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