子どもだってうつになる!原因はスキンシップの欠落かも…

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2016/05/04

子供がうつ病にならないように愛情を注いであげるママ

幼児期・学童期にスキンシップが不足していると、子どもでもうつ病を引き起こしやすくなるそうです。

気づかず放っておくと成長とともに円形脱毛症など、他の症状にもつながってくることがあります。

うつは心と体に症状があらわれますが、子どもは心の状態を説明するのが難しいため治療が遅れてしまいがちです。

早めの対処につながる、知っておきたい子どものうつのサインや症状、原因についてお伝えします。

子供の鬱病の特徴は、心より体の症状が目立つ!

鬱病は大人の病気と思われてきましたが、子供がうまく憂鬱な気持ちを表現しにくいため発見されにくかったのだと言われています。

「お腹が痛い」「頭が痛い」「食欲がない」「眠れない」など体の不調を訴えるだけでは、風邪なのかな?食あたりかな?と他の病気だと判断してしまいますよね。

でも、こういった体の不調の影に鬱が隠れているのです。

心に現れる症状

お子さんの口からどんな状態か説明はないかもしれませんが、表情が暗かったり、いつもと様子が違ったりしませんか?

危険信号を早めにキャッチしてあげましょう。

感情面では、憂鬱な気分が長く続き、不安感や焦りを感じ、いつもイライラと些細なことで怒り出します。また、強い悲しみの感情も湧いたりするようです。

意欲面では、やる気が起きず何をしても楽しくありませんし。人と会うのも嫌になります。集中力がなくなるため着替えるのもお風呂に入るのも面倒になります。

思考面では、一つの考えにこだわりを見せるわりに考えがまとまりません。悪いのは全て自分のせいだと思い込んでいます。

くよくよ過去にこだわり、悲観的な悪い結果ばかり想像するようになります。心の状態が悪いと表情や体の変化に出ますのでよく見てあげましょう。

体に現れる症状

お子さんの体の状態を注意深く見てあげてください。鬱病の症状のせいで、生活リズムも乱れますので見逃さないようにしましょう。

  • 頭痛・微熱
  • 耳鳴り・めまい
  • 肩こり・腰痛
  • 便秘・下痢
  • 胃痛・食欲不振
  • 倦怠感・疲れやすい・胸が苦しい

嫌なことショックな出来事があると、気持ちの持ちようのせいで本当に微熱が出たり、お腹が痛くなったり、下痢をしたりと簡単に体に症状が出るのが子供です。

健康な子供はよく食べよく眠ります。何かいつもと様子が違うと感じたら、通っている保育所・幼稚園の先生にも注意して見ていただくようお願いしてみましょう。

子供ならではの鬱病の原因とメカニズム

発症のメカニズムは子供のうつ病も大人の場合と同じで、脳の働きによって起こると考えられています。

脳内の神経伝達物質が減少し、脳内の細胞間で情報の受け渡しがスムーズにできなくなります。

たくさんある神経伝達物質の中でもセロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンが減ってしまい感情のコントロールが上手く働かなくなるということのようです。

現在、神経伝達物質は100種類以上も存在するといわれていて、そのうち約60種類が発見されています。なかでも、うつ病の治療ではセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミンという3種類が重要視されています。
これらの神経伝達物質がバランスよくはたらくことにより、脳の機能は健全に保たれるのですが、うつ病では過剰なストレスや過労などが引き金となって、これらの物質が減少し、喜怒哀楽のコントロールができなくなってしまうと考えられています。

環境の変化がきっかけになりやすい

先生と相性が悪いとか、いじめいじめられ問題、友達と喧嘩したなどのストレスも関係してきます。

母親が仕事を始めた、引越しや父親の単身赴任、両親の離婚、家族が亡くなったなどの大きな環境の変化も要因になります。

安定し、落ち着いた生活環境は子供の心の安心・安定につながります。大人でも環境の変化に対応するのはストレスがかかります。

子供は不安定な気持ちを上手く話せず、イライラ怒ったり、反抗的になったりするかもしれません。

逆に、急にベタベタと甘えん坊になったり、すぐ泣いたりと両極端な反応が現れることもあります。

特に年少児では、多動が見られたり攻撃的で怒りっぽい行動など、全く鬱病とは思えないような症状が出たりもします。

ひょっとしたら発達障害などと勘違いする危険性も少なくありません。子供の状況を正しく把握してお医者さんに伝えるようにしましょう。

子供の性格と鬱病のなりやすさはあまり関係ない

大人の場合は、「真面目」「几帳面」といった性格の人が鬱になりやすいと聞きます。「責任感が強い人」「頼まれたら断れない人」ということでしょうか。

なんとなく子供も同じように「一生懸命頑張る真面目な子」が鬱になりやすいと思いがちです。

意外に思われるかもしれませんが、そういった”性格”よりも。子育てによる「しつけや育った環境」「乳幼児期の喪失体験」が原因につながるようです。

急激な環境の変化や様々なトラブル、ストレスがきっかけになりやすいのですが、子供自身の受け止め方や、乗り越える心の強さなどで鬱病になるならないが違ってきます。

子供の鬱病のサインを見逃さないで!

小さいうちは自分の心や体の状態を正確に伝えることは難しいと思います。本人自身モヤモヤと気分がすぐれないわけですから機嫌も悪いと思います。

そんな状態ですから頼りになるのはそばにいる親、大人たちです。子供は何かしらサインを出していますので見逃さないようにしてあげましょう。

子供の鬱病のサインには次のようなものがあります。チェックしてみましょう。

  • よく眠れていないようだ
  • ごはんをおいしそうに食べていない
  • 好きな遊びやアニメなど興味がなくなったみたい
  • イライラして習い事も手につかない
  • 乱暴な言葉を言うようになった
  • 疲れているようだ
  • 頭痛や吐き気、腹痛などの身体症状をうったえるようになった
  • ささいなことで怒ったり、暴力をふるったりする
  • 進学や転校などにより、友だち関係に変化があった後、しょんぼりしている
  • 進学校に進学した(まわりの生徒の成績が良いので自信をなくしているようだ)

いろんなサインを挙げてみましたが、親が気づかなければ意味がありません。元気な時の様子と、調子の悪い時の違いを比べる癖をつけておきましょう。

親がうっかり気づかなくても、周囲の友人、保育所や幼稚園で毎日お世話になっている先生が気づいてくれることもあります。

家庭環境で変化があったとか、子供や親が細かいことも気にする完璧主義者だとか、人間関係に神経質だということであれば注意が必要ですね。

今までと様子が違い、いくつか複数当てはまるものが2週間以上続くようなら専門家の先生に診察してもらいましょう。

鬱に気づかず放置すると成長とともに別の症状を引き起こす

子供の様子の変化やストレスサインに気づかず放っておくと、成長するとともに思わぬ病状が出て驚くことになるかもしれません。

原因が幼い時のもので放置されていると症状が悪化します。幼少期の症状の軽いうちに治療することをお勧めします。

  • 円形脱毛症
  • 多汗症
  • サザエさん症候群

円形脱毛症はストレスが原因

ホルモンのバランスが崩れ頭に円形の脱毛が生じるものですが、多くの原因がストレスです。親子の対話を増やしじっくりゆっくり治療する必要があります。

幼少期には「良い子」を演じてそれがストレスとなっていたり、いじめられていたり、家族間の不仲であったり理由はいろいろです。

小さいうちは上手く説明できないことが多いので、専門の医師のもと親子で問題の解決に当たらなければなりません。一般的に80%が1年以内に治るようです。

多汗症で日常生活が困難になることも

多汗症は、生まれつきの体質で自律神経の乱れからによるものもあります。2006年には特定の染色体の原因となる遺伝子が見つかり、遺伝的要素が原因の場合もあります。

また、病気からということもあり、甲状腺機能亢進症や糖尿病、悪性リンパ腫の症状の一つとも考えられます。

手のひらや脇の下、足の裏など部分的に大量の汗を各症状ですが、いつもベタベタ濡れている状態は辛いものです。

本人にすれば、いつも汗っかきで服が濡れているのは恥ずかしいことですので、早めに治療してあげたいですね。

テスト用紙が手の汗で湿ってヨレヨレになったり、友達に手をつなぐことを嫌がられたりして、さらにストレスが重なって悪循環になります。

また、精神的な問題だけでなく、生活習慣の多様化による身体的ストレスも原因になります。

両親が共働きで夕飯時間がばらばらだったり、夜更かしで睡眠不足だったり、急に習い事に行き始めたりなどが挙げられます。

明日から学校と思うと嫌になるサザエさん症候群

サザエさん症候群はブルーマンデー症候群とも言われています。土・日をゆったり過ごして、日曜の夜には「明日から学校か・・・」とため息が出てしまう症状です。

月曜からまた一週間学校が始まると想像しただけで憂鬱になるというものです。これは社会人でも良く感じられることです。

子供の落ち込みが激しいと学校生活に支障をきたします。ひどいと「学校に行来たくない」⇒「遅刻がち」⇒「不登校」⇒「ひここもり」と負のスパイラルにハマることもあるので注意して見ておく必要があります。

親のマイナス思考は子供にも伝染してしまう

家族にうつ病の人がいたりして、親がマイナス思考で、ついつい悪い方へ物事を考えてしまうようなことはありませんか?

子供への言葉がけも「どうせ無理」とか「無駄なことはしなくていい」など言ってはいませんか?

このような投げやりで逃げ腰な声かけは、子供をがっかりさせ自己評価の低い人間にさせてしまいます。

「自分は何をやってもダメなんだ」と思っている自尊心の低い子は欝になりやすい傾向にあります。

他人の評価が気にならない、自己肯定感の強い子に育てたいものです。そのためにも親は子供に勇気の出る、自信のつくような言葉をかけてあげましょう。

鬱にならないためには、スキンシップが有効!

子供へのスキンシップが足りないと、なぜ鬱になりやすいのでしょうか。子供は父親よりも母親と接する時間が長く、母親の存在が重要視されています。

子供の人格形成にも、育児に多く関わる母親が影響を与えることになり、母親の愛情不足・スキンシップ不足が重大疾患のリスクを高めるようなんです。

母親からのスキンシップがなくなると、発育や知能の発達に悪い影響が出て、うつ病の発症も見られるという実験結果が発表されています。

子どもは母親からのスキンシップで愛情を確認し、さらには脳内のセロトニンも増加します。手をつないだり抱っこしたり、肌のふれあいが脳にとてもいい影響を与えます。

愛情のこもった手で触れられると、治癒能力が高まると言われています。お母さんからやさしく撫でられたりすると気持ちいいですよね。

皆さんも記憶がありませんか?母親におやすみのキスをほっぺにチュッとしてもらったり、添い寝で子守唄を歌ってもらったり…

転んだ時には、「痛いの痛いの飛んでけ~」とさすってもらったり、泣いているときは「よしよし泣かない泣かない」と背中をトントンしてもらったりしませんでしたか?

それだけで悲しさも癒されますし、擦り傷のヒリヒリした痛みも和らぐというものです。肉体的な接触によって親からの愛を感じるのです。

これは子供だけに限った事ではなく、親にも優しい気持ちが生まれストレスを癒す効果があります。触れ合いたいという思うのは人間の根源的な欲求なのかもしれません。

特に鬱のような心が不安定な状態にはスキンシップが欠かせませんね。子供の表情が曇っているようであれば、スキンシップを意識的に増やすよう心がけましょう。

砂遊びやブロック遊びなど手を使って遊んでいるときには、一緒に手を添えてあげたりするのもいいですね。抱っこやおんぶもどんどんしてあげましょう。

絵本を読む時も、膝に乗せて読んであげるとお母さんの体温が伝わります。髪をとかしてあげたり、ほっぺやおでこを優しく触ってあげたりすると気持ちいいと思います。

幼少期にこのようなスキンシップが少ないと、心だけでなく体にも悪い影響が出てくるというのですから、心と体はつながっているんだということを実感します。

母親から触れられることがないと、不安感や寂しさ、ひとりぼっちな感覚が強くなるんだろうと思います。育児環境が精神状態に影響するとなると、親の役割は大切ですね。

病院にかかることになっても家族のサポートが大切

子供に鬱の症状が認められ、病院にかかることになってもむやみに不安になることはありません。

心の問題だけに、専門の医師や臨床心理士、カウンセラーと一緒に少しずつ話し合っていきます。話し合いの中で治療法も検討されるでしょう。

家庭でのスキンシップや言葉かけに加えて、病院では次のような治療法もありますので紹介しておきますね。

  • 精神療法
  • 認知療法
  • 薬物療法

精神療法で考え方や気持ちを整理する

精神療法は子供に無理に話をさせたり、心の傷を暴いたりということはありませんので安心してください。

少しずつ信頼関係を築きながら鬱病の原因となっている問題を聞き出します。子供の心に寄り添いつらさを共感します。

効果には少し時間がかかりますが、子供は話せることから話し気分も軽くなっていきます。気持ちを整理することで問題を解決していきます。

認知療法で悲観的な傾向を修正する

鬱病の子供は、悲観的でマイナス思考です。「~でなければいけない」「~しなきゃ」と思い込んだ考え方になっていることが多いのです。

認知療法は、マイナス方向に偏った考え方(認知の歪み)を修正する治療です。まず、診察中の会話からその原因である「認知の歪み」を見つけることから始まります。

例えば、友達がクスクス笑っていただけで、「自分が馬鹿にされている」とマイナス方向に思い込んでしまいます。

それを、「別に笑われるようなことはしていない」⇒「それは何かおもしろいことが起きたから笑っていたのでは?」⇒「深く考えず何が面白いのか聞いてみよう」…

このように段階を経て歪みに気づき、現実的な考え、いろんな考え方ができるよう導き、情緒を安定させるものです。

薬物療法では主治医に症状の変化をしっかり報告しよう

「子供に鬱の薬なんて大丈夫なの?」と心配になりますよね。でも近年の抗うつ剤は副作用も弱く心臓への影響も少ないものが主流です。

薬は十分注意され、最小量から効果を確かめながら徐々に量を増やすようにされています。

薬によって多少違いがあるかもしれませんが、副作用として口の渇き、眠気、便秘等があるようです。

抗うつ剤を飲んだからといって子供の人格が変わるようなことはありませんし、副作用についても必要以上に怖がることはありません。

主治医に毎日の生活の様子を伝えることで薬の調整を行えます。「笑うようになった」「食欲も出てきたみたい」「お通じが悪い」など変化を伝えましょう。

親が率先してポジティブな言葉でプラス思考を実践!

子供の鬱を引き起こさないよう、まず親から自身の言葉遣いや態度をチェックしてみましょう。

子供の前で暗い顔をしていませんか?「無理だ」「ダメだ」「最悪だ」と、落ち込んでしまうような言葉を使っていませんか?子供には嘘でも「いいね!」「良かったね!」「大丈夫!」と笑顔で接しましょう。

劣等感を与えるような言葉より、可能性を広げるような言葉を選びましょう。お母さん自身もストレスをためないようたまには気分転換をしてくださいね。

もし、子供の様子がおかしければ早めに精神科の病院や心療内科に相談し、症状を長引かせないようにしましょう。

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