子供の人格形成に役立つ教育!親が人の役に立つ喜びを伝えてあげよう
日本では、遠慮することが美徳のようになっていますが、それでは子どもの積極性、主体性が育ちにくくなります。
幼少期から小学校低学年までの人格形成が、その子の性格の基盤となります。人のために何かできる子供に育ってほしいとは思いませんか?
リーダーの性格の共通点でもある「人の役に立ちたい」という志を大切にする育児についてお伝えします。
「人に迷惑をかけちゃダメ」という育て方は子供を萎縮させる
日本では、小い頃から「他人に迷惑をかけてはいけませんよ」と親に言われる家庭環境で育つ子供が多いのではないでしょうか?
いい躾のように思われますが、海外では「人が喜ぶことをしなさい」としつけられます。人の役に立ちなさいということですね。
どちらも、相手の立場に立ってモノを考えるという点では素晴らしいと思いますが、結果を考えたとき、相手のために行動できるかどうか大きな違いがあります。
さらに相手が喜ぶかそうでないかという違いが生まれます。人に迷惑をかけないということは「邪魔しない」「関わらない」「静かにする」と、とても弱いイメージがあります。
親から人に迷惑をかけるなと言われたら、「ひょっとしたら迷惑に思われるかも…」と相手にいいことをするにも迷いが出ます。
「やっぱり出しゃばったことはやめておこう」となるのではないでしょうか。
子供は行動する前から迷惑になることを恐れて萎縮してしまします。
「迷惑をかけない」だけの子育ては子供が過度に慎重になり主体性が育ちません。あくまでも心構え程度に教え、やる気まで奪わないよう気をつけたいですね。
人の役に立つためには、相手の喜ぶことを想像する力が大切
関わった誰かが「ありがとう!」と喜んでくれる姿はとても嬉しく、達成感があります。
「役に立てて良かった」「また何か手伝ってあげよう」と主体性が育ちます。
リーダーの共通点は人の役に立つ人
将来人の役に立つ人物になって欲しいなと、成長した我が子の姿を想像しませんか?「無理無理うちの子は関係ないわ(笑)」なんて苦笑いしないでくださいね。
「迷惑をかけるな」も度が過ぎて将来「別に人に迷惑かけなければいいんでしょ」と引きこもりがちになっては大変です。
大らかに構えてポジティブに「人の役に立つ人物を目指せ!」という教育も選択肢の一つです。
世界的に見ると、キング牧師やマザーテレサなど「リーダー」と呼ばれた人たちの共通点は「人の役に立つこと」ではないでしょうか。
弱者の立場や気持ちを考えられる人に成長して欲しいですよね。志を高く持ってチャレンジする。周りの目など少々のことは気にしない。
誰かに喜んでもらえることに尽力できる人に育ってほしい。そのためには迷惑をかけない教育だけでは足りないのです。
手始めに地域での清掃活動に親子で参加してみてはいかがでしょう。立派な社会貢献になります。小さい時から大人社会と接点を持つことで社会性が育ちますよ。
誰かの為に何ができるか想像する力を育てよう!
相手が喜ぶことをしてあげようと思っても、相手の気持ちが分からなければとんちんかんなことになってしまいます。
誰かの役に立つといえば、ボランティアを思い浮かべますが、このボランティアも的の外れた支援より、一番してもらいたいことができるかどうかが問題です。
状況をよく観察して、何が必要なのかわからなければ「何かしてほしいことある?」と素直に聞いてみるのもいいでしょう。
お友達が困っていたら助けてあげられる。率先してみんなをまとめる。あるいは教室を明るいムードにして盛り上げる…。
大人になって、将来人間関係を築いていく上で「人のために何かしてあげよう」という気持ちはとても大切なことです。
子供のタイプによっていろんな役立ち方があるでしょう。誰かが喜んでくれたり、先生が褒めてくれたりすると、やる気スイッチも入りやすくなります。
やる気スイッチについての詳しい記事です。こちらも是非参考にしてみてください。
やる気スイッチは失敗や体験で入る!子どもの管理教育は危険
http://kosodate-march.jp/wp/kodmo-yaruki67845/
人の役に立ち認められる喜びを体験させよう
小さい子に「人の役に立つことをしてごらん」と言葉で理解させるのは少し難しいような気がしますよね。
言葉ではなく、子供がしたことで誰かが喜ぶような体験をさせてみましょう。身近な小さなことからで構いません。
まず家族の役に立つことからシミュレーション!
いつもそばにいる家族の役に立てないと、外で他人の役に立つのはなかなか難しいです。
子供にできそうな家庭での役割を担ってもらってはどうでしょう。例えば食事の片付けやプランターの水遣り、玄関の靴並べなどの仕事です。
小さなお手伝いですが、毎日の生活の中でのことですからとても助かります。子供も頼られることで自立心や責任感が育ちます。親としても嬉しいですよね。
できれば、「すごいね」「えらいね」という褒め言葉よりも、「助かった」「ありがとう」「感謝している」というお礼の言葉のほうがいいかと思います。
子供は自分の行動で、ママやパパが「助けられて楽になっている」「自分が役立っている」ことがわかりやすいのではないでしょうか。
「協力してくれてありがとう」という意味合いの言葉の方が、役に立ったことがよく伝わると思います。
「褒めて育てる教育」も大切ですが、「認めて育てる教育」の方が、子供のいいも悪いも丸ごと受け止める良さがありますね。
むやみやたらに褒めてばかりだと、実力がなくても褒められて当たり前と思い込むナルシストに育ってしまうかもしれません。
人の役に立つことの喜びや達成感を味あわせてあげましょう。そんな体験の積み重ねが積極的な考えや行動の出来る子供に育ちます。
家庭の外でも、主体的に自分に何ができるか考えることができるようになります。
人の役に立つということは言われてやるものではありません。自分から自主的にやるものですから、日頃から相手のことを考える習慣がついていないとなかなかできないものです。
なんでも手伝わせてくださいと先生にも伝えておく
実は私は懇談や家庭訪問で、「うちの息子にはリーダーシップが取れるような教育を気にかけていますので、いろいろ学校で手伝わせてください。」と伝えていました。
驚かれる読者の方もいらっしゃるかもしれませんが、結構先生は好意的に聞いてくださいます。
おそらく荷物の運搬だとか、ちょっとしたことを手伝わせていたのではと想像します。名前を呼ばれて「ちょっと手伝って」と頼りにされると子供はとても嬉しいと思います。
その成果が気になるかもしれませんのでお伝えしておくと、中学校・高校と気が付けば仲間のお世話をするような立場で頑張っていました。
本人もいつの間にか頼られることに耐性もできたでしょう。でも、しんどい事を頼まれることも多かったようで、決して楽なことではありません。
でも、「君で良かった」「いつもありがとう!」と、先生や友達に感謝されるこ体験は素晴らしい宝物です。
おとなしく消極的に、迷惑にならないようにと育てていたのではこのような体験はできません。過度な慎重さよりチャレンジ精神を育んであげましょう。
大きくなって生活態度が乱れたりした時、過去の感謝された素晴らしい経験が「自分は人の役に立つことができる人間なんだ」と立ち直るための大切な基盤になるはずです。
親の言うことがわからなくても行動は真似する
みんなの役に立ちたいと、そう思える子供になってもらうには、親が手本を見せることが一番です。やはり親の影響は大きいのです。
私が経験した残念なお話をしましょう。私の娘が小学校4年生の頃、学校で環境問題に取り組んでいた時のことです。
娘は一旦帰宅したものの、軍手をし青い大きなゴミ袋片手に通学路のゴミ拾いに行くと言ってまた出て行きました。
どのくらいの量が出るか調べるためのようでした。小1時間ほどして戻ってきた娘がプンプンしながら話し始めました。
途中、歩道の植え込みブロックに腰掛けていた親子がいました。幼稚園くらいの女の子とその母親です。
娘はその前をゴミ拾いしながら通りかかったわけですが、そのお母さんが言った言葉は「お姉ちゃん偉いわねえ。うちの子もお姉ちゃんみたいに育ってほしいわ~」でした。
「言うだけじゃなく、その足元のゴミを子供と一緒に拾って手伝って欲しかったわ!」と、娘はご立腹でした。
確かにその通りです。その辺り周辺だけでも娘を手伝えば、我が子に生きた体験教育をさせることができたのです。
まさしく口だけで親の行動が伴っていない残念な例ですね。
子供は親の行動の真似をするのです。親が手本を示せないことを、子供ができるのか?自分の行動を一度振り返ってみてください。
信頼される子供に育てるには相手の身になって考える癖づけが大切
相手の立場を考えるということを子供に教育するのは大切なことです。「自分だったらどうだろう?」と自分に置き換えて考える方法がわかりやすいですね。
これは人権を大切にできる心の基本です。子供の頃から「自分さえよければ、人のことは気にしなくていい」といった自己チュー教育では先が思いやられます。
相手の痛みを理解しようとする、弱者の立場を思いやれる人間こそ信頼を得られますし、本人も役に立ちたいという気持ちが育ちます。
女の子をいじめたり弱い者いじめはしてはいけないと、しっかり教えることで弱い者の気持ちを汲み取る癖をつけさせましょう。
○○くん○○ちゃんはいつも優しいし、助けてくれるし、手伝ってくれたりする…友達にそう慕われる子供に育ってほしいですよね。
遠慮する気持ちより達成させる経験を与えよう!
迷惑をかけちゃダメばかり気にする傾向だと、意見も言えずチャレンジする機会が減り自信をつけるタイミングを失います。
いいことしよう!と頑張ってみた結果うまくいかなくて、ちょっと迷惑になったとしてもそれは、次回気をつければ済むことです。大したことではありません。
それよりも、相手のことを気にかけ何か役に立とうという価値観が、子供を大きく成長させます。どんどん役立つ経験をさせ達成感を与えましょう。
遠慮することは大きくなって大人になれば嫌というほど機会に恵まれます。できることを小さく抑えることは簡単です。
やったこともないことはやろうと思ってもなかなかできません。「人の役に立ちたい」そう思える子に育てるために、親も手本を見せながら子育てしてみましょう。
損得勘定ぬきの、誰かに喜んでもらいたいという子供の気持ちを、「目立たないようにしなさい」「迷惑かけないように」と大人の都合でつぶさないよう気をつけたいですね。