逆上がりなど鉄棒の教え方!子供のつまずき原因別練習方法で嫌い克服
幼稚園や保育園、小学校で必ずある鉄棒の授業。お子さんが困らないように、事前に公園で前回りや逆上がりを教えてあげるパパママも多いでしょう。
こんな方もいらっしゃるのではないでしょうか?
- 子供の頃当たり前のように回れたのに、いざ教え始めるとどうやって練習したか思い出せない。
- 幼稚園児の時に体操教室に通っていたのに、先生からどのような指導を受けたか忘れてしまった。
- やる気まんまんで息子の前で逆上がりのお手本をしてみたら、いつの間にかできなくなっていた。
お子さんもなかなか上達できず、親自身も教え方がわからず、お困りの方もいらっしゃると思います。
鉄棒でつまずく主な原因は、複数あります。そして、その原因によって練習方法も異なります。
前回りと逆上がりのトレーニング法を、つまずく原因別にご紹介します。つまずく原因がわかれば、運動神経に自信のない方でもきちんと教えられますよ。
運動音痴の筆者も、年長組の娘に鉄棒を教えることができました!こちらを読んで、お子さんに合った教え方を確認してくださいね。
まず最初に取り組んでみて!前回りの練習方法
前回りは下記の手順で行います。
- 鉄棒を握ったら、両足で地面を蹴って鉄棒に飛び乗る
- 腕で自分の体を支え、ツバメ姿勢をする
- 頭を下げた後に膝を曲げ、くるりと回る
前回りができない子は、1~3のどれかでつまずいていると思います。お子さんの前回りを見て、何番が苦労しているかを確認してください。
鉄棒に飛び乗れない場合は、低い鉄棒でジャンプ力の強化を!
鉄棒を握った後、地面を蹴って鉄棒に飛び乗りますよね。これができない子は
- 鉄棒の高さが高すぎる
- 足のジャンプ力が足りない
可能性があります。
鉄棒が高ければ高いほど、飛び乗るためのジャンプ力が要ります。まずは、低い鉄棒で練習をしてください。
お子さんがジャンプするときの両足の開き具合と、地面の蹴り方を確認してください。
ジャンプをするときは、両足は肩幅くらい開くのがベスト。両足を閉じたり、肩幅以上に開きすぎてジャンプをしていたら、改善するようアドバイスしてください。
また、地面を蹴るときに両足で均等な力でジャンプできていますか?重心が左右どちらかに偏っていると、高く跳べません。背筋を伸ばし重心が中央になるようにしましょう。
【ジャンピングスクワットのやり方】
- 両足は肩幅くらい開き、胸を張り背筋を伸ばす
- 膝を曲げて腰を落とす
- 足の裏で床を蹴り上げてジャンプ
室内でもトレーニングできますよね。「寝る前に10回」など、毎日時間と回数を決めて家でも行いましょう。
腕で自分の体を支えられない場合は、腕力と握力の強化を!
鉄棒に飛び乗れたら、お腹を鉄棒につけてツバメ姿勢をします。
鉄棒には飛び乗れるけど、腕で体を支えるツバメ姿勢が上手くできない子は、以下の可能性があります。
- 腕力が不足しているために、肘や背筋が曲がっている
- 握力が不足しているために、鉄棒を握る手が痛くて鉄棒から手を離してしまう
ツバメ姿勢は、肘や背筋が曲がらないよう、腕を伸ばして頭を上空に向けて背筋を伸ばします。
斜め懸垂とは、足を地面につけて斜めに行う懸垂です。皆さんも、小学校の時に体育でやりませんでしたか?
【斜め懸垂のやり方】
- 自分より低い高さの鉄棒の下に足を伸ばす
- 肩幅より少し広めにして鉄棒を握る
- 胸に鉄棒を引き寄せ、ゆっくり戻す
他にジャングルジムに登ったり、うんていをするのも筋力トレーニングになりお勧めです。鉄棒の練習の息抜きにもなりますよ。
「グー、パー、グー、パー」と言いながら行って、指の動きを滑らかにしてください。
筋力アップはマット運動の側転など他の運動にも役立ちます。これを機会に挑戦しましょう!
回れない場合は、恐怖心とお腹の痛みを和らげる工夫を
ツバメ姿勢ができたらくるりと回ります。大人はぐるっと回るだけだと思うのですが、案外できない子も多いです。これでつまずく子は
- 頭から下に落ちていくのが怖い
- 鉄棒が当たるお腹を痛がる
かと思われます。
「頭から下に落ちていくのが怖い」子は「頭から地面へ落ちるのでは?」と恐怖に感じるようです。
気持ちの問題ですから、周りが「くるっと回って!」「頭を下げて!」と言っても怖がってできません。
- ツバメ姿勢をしたら、まず両肘を曲げる(すると、自然と頭も下がります。)
- 頭が90°以上下がりおへそが見えてきたら、両膝を曲げる(膝を曲げると、重心が頭の方に移動するので回りやすくなります。)
本来は肘を曲げずに頭を下げるのが理想です。上半身を伸ばしたまま頭を下げた方が勢いよく回れ、地面に足をつけず連続で前回りができるようになるからです。
しかし、怖がる子は肘を曲げ重心移動させて回ってください。恐怖心がなくなれば、肘や背筋を伸ばして頭を下げ、90°以上回ったら肘と膝を曲げて回りきるようにしましょう。
「肘や膝を曲げる」という表現だと、恐怖感が和らぎますよね!
- ツバメ姿勢をした子どもの斜め前に立ち、補助者が子どもの胸と膝の裏に手を添える
- 子どもが両肘を曲げ頭を下げる際に、胸と膝の裏を支える
- 子どもの頭が90°以上下がり両膝を曲げたら、補助者は下で子どものお尻を受け止める
子どもは「万が一落ちても補助があるから大丈夫」と安心します。慣れたら補助者は手を添える程度にし、最終的には子ども一人で回れるようになります。
恐怖心で回れない子の補助だからと、子供の後ろに立ち背中を押すのは絶対に止めてください。回転の勢いがついて、一層恐怖心が増してしまいます。
「鉄棒が当たるお腹を痛がる」には理由があります。大人は体の重心がおへその辺りにありますが、子供は頭の割合が大きいため重心がおへそより上にあります。
体が成長すれば解決していきますので、長い目で見ましょう。タオルを鉄棒に巻いて回ってみると、傷みが和らぎます。
腕の力をつけてあげて!逆上がりの練習方法
逆上がりは下記の手順で行います。
- 鉄棒を握り、腕を曲げ片足ずつ振り上げる
- 鉄棒に乗る
- くるりと回る
逆上がりができない子も、この1~3のどれかでつまずいていると思います。何番で失敗しているかで、最適な逆上がり練習法も違います。
足を振り上げれない場合は、足を振り上げるコツを伝えてあげて
鉄棒を握ったら勢いをつけて片方の足を最初に上げ、その後もう片方の足を上げます。簡単そうに思えますが、下から上へ普段と反対向きに足を振り上げるには腕の筋力がいります。
- 体を鉄棒の近くに寄せる
- 手は肩幅に開いて、手首を下にする
- 手は逆手でも順手でもやりやすい方でOK
- 足は前後に開く
このポーズをしてから、後ろ側の足から頭上に向かって蹴り上げます。前側の足(軸足)は後ろ側の足(振り上げ足)を追いかけるように地面を蹴ってください。
「鉄棒をつかんで地面を蹴って!」としか説明されていない子は、両足同時に蹴り上げていることもあります。この手順で何度も蹴り上げる練習をしましょう。
大人がいるときは、下記の手順で補助をしながら練習しましょう。足が上がる感覚が得られます。
- 子どもの斜め手前で、大人が片膝をつきます。
- 大人の膝に子どもの軸足を乗せて、蹴り上げます。
- 軸足は、補助者の膝から振り上げ足を空中で追いかけます。
前項の前回りの練習でご紹介した、ジャンピングスクワットも取り入れてくださいね。
鉄棒に乗れない場合は、腕を曲げながら鉄棒にぶら下がる練習を
足は振り上げられたが鉄棒に乗れない場合は、足を振り上げた際に膝や腕が伸びてしまっている可能性があります。
膝や腕が伸びると、鉄棒とお腹の距離も離れてしまい鉄棒には乗れません。
目線が上空に向いているとうまくできません。おへそを見るように伝えましょう。
腕が伸びてしまう場合は、腕力や握力が不足が考えられます。前項の斜め懸垂やジャングルジムやうんてい遊びを取り入れてください。
膝をお腹に着けて、背中を丸めて鉄棒の下で小さく回ります。
自分の体重を腕で支える力は勿論、体を小さくして回るため、鉄棒とお腹が離れて鉄棒に乗る動作も身に付きます。回転の感覚、握力両方が鍛えられお勧めです。
回れない場合は、上半身を起こせるよう腕力を強化して
鉄棒に登れたら、足を下げ上半身を起こし180°回転し着地しますよね。「あとは身体を起こすだけ!」と思うのですが、これができず鉄棒から降りれない子も多いです。
その場合は以下の点を見直してください。
- 足の動きが間違っている
- 腕力が足りず上半身が起こせない
逆上がりの足の動きはこちらです。
- 地面を蹴って足を上げる
- 足を曲げて鉄棒に乗る
- 足をゆっくり伸ばす(すると、自然に頭が上がって足が下がります)
鉄棒に乗れたけど回れないお子さんは、3の足を伸ばす動きができていないかもしれません。
腕力が足りず上半身が起こせないお子さんは、鉄棒で状態を起こす練習をしてください。
鉄棒にお腹をかけ、ぶら下がった状態から上体を起こす練習をします。最初は、大人が子どものふくらはぎ辺りを押してあげる補助をしてもOKです。
意外と筋力がいる鉄棒!コツコツ練習して克服を!
鉄棒は筋力がいります。筋力は一日ではつきませんので、公園の他の遊具でも遊びながら少しづつ強化させてください。
既に鉄棒に苦手意識があるお子さんなら、手で体を支えて登るジャングルジムがお勧めです。ジャングルジムに手でぶら下がったり、お腹をかけて上半身を倒してみるところから始めてください。
お子さんも客観的に自分の動きが見られ、どこでつまずいているかわかり参考になります。
スポーツが嫌いな子は、屋外の気候がいい季節に練習するのもポイントです。暑すぎる、寒すぎるという理由だけで、更に練習が嫌になってしまいます。
また、夏休みや春休みの短期体育教室で、専門家に見てもらうのも一つの手です。