妊婦さんに蕁麻疹が出る原因…特別な事ではないので慌てないで!

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2017/09/11

蕁麻疹が妊娠中に出てしまい、原因について考えている妊婦さん

妊娠中、肌トラブルに悩まされた経験のある妊婦さんは決して少なくありません。

その中でも、虫刺されと思っていたら肌が赤く腫れ上がって全身へ広がっていく肌トラブルが蕁麻疹(じんましん)です。

蕁麻疹は赤ちゃんや大人、高齢者まで、老若男女誰でも罹患する可能性がある肌トラブルで、妊娠中も例外ではありません。

妊娠中に蕁麻疹を発症してしまうのには、何か原因があるのでしょうか。また、胎児への影響はあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

妊娠中は蕁麻疹になりやすい?考えられる原因

蕁麻疹とは、突然何らかの理由によって皮膚の一部が腫れ上がり、痒みを伴う皮膚の病気です。場合によっては体全体に症状が広がることもあります。

蕁麻疹になると3mm前後の円形の膨疹が現れます。腫れやかゆみが長期化することはあまりなく、数時間から数日で嘘のように引いていくことがほとんどです。

また、腫れやかゆみは一気に全身に広がることもあれば、1つの場所に出来ては消え、また別の場所に出るのを繰り返すなど、様々なパターンがあります。

では、妊娠中の蕁麻疹は、どのような原因が考えられるのでしょうか。

  • 一般的な蕁麻疹のメカニズムと原因
  • 妊娠中の蕁麻疹が多いと言われる理由
  • 蕁麻疹に似ている別の皮膚病
  • 赤ちゃんへの影響

それぞれひとつずつ詳しく見ていきましょう。

一般的な蕁麻疹はヒスタミンが原因

一般的な蕁麻疹が起こるメカニズムははっきりと解明しており、妊娠中に限らず誰でもこの蕁麻疹になる可能性はあります。

蕁麻疹は、皮膚の下にある脂肪細胞が何らかの刺激を受け、ヒスタミンという物質が放出されることで生じます。

ヒスタミンは皮膚の毛細血管を広げる働きがあるため、毛細血管が一気に広がることで皮膚の表面に赤みが出て痒みが生まれ、これが蕁麻疹として認識されるのです。

しかしながら、このヒスタミンが突然放出される理由は未だに解明されていない点が多く、蕁麻疹の根本的な原因は特定できていません。

患者の傾向などから想定されている刺激の内容は以下の通りですが、原因がはっきりと特定されない蕁麻疹も多いのが現状です。

  • 特定の飲べ物に対するアレルギー反応
  • 化粧品、紫外線など肌への外部からの刺激
  • 汗、疲労、ストレスなど

妊娠中は蕁麻疹になりやすい?考えられる原因

女性の場合は妊娠中であっても、妊娠していない時と同じメカニズムで蕁麻疹を発症することがあります。

妊娠によって体質が変化したり、免疫力が低下したり、ストレスや疲れも溜まりやすい環境になるため、少しの刺激で蕁麻疹を発症してしまいやすいと考えられます。

上記の原因が当てはまるのは妊娠中限られた時期ではありませんので、いつでも蕁麻疹が出る可能性があります。

蕁麻疹と間違えやすいので要注意…妊娠中ならではの皮膚疾患

また、蕁麻疹と間違えやすい妊娠中ならではの皮膚疾患が3つあります。「妊娠性痒疹」と「多形妊娠疹(PUPPP)」「妊娠性疱疹」です。

妊娠性痒疹
妊婦さんの100人に1人程度の割合で発生するとみられている、蕁麻疹と似ている皮膚疾患です。妊娠性「湿疹」と呼ぶ方もいますが、正式には「痒疹」です。

特徴は、手足や体の至るところに局所的に発疹が発生し、無意識のうちに血が出るまで掻きむしることもあるほどの強い痒みを伴います。腫れる形は様々ですが、1cm以下の皮膚の盛り上がりが出来る事が多いようです。

原因は分かっていませんが、ホルモンバランスの変化が関係していると考えられています。初産よりも2人目以降の経産婦さんに多く見られ、早い人は妊娠初期の3ヶ月頃から発生し、出産まで続きます。出産すると嘘のように収まります。

多形妊娠疹(PUPPP)
妊娠性痒疹は経産婦さんに多いと述べましたが、初回の妊娠で現れやすいのが「多形妊娠疹(pruritic urticarial papules and plaques of pregnancy: PUPPP)」です。

初産婦さんの妊娠後期に出現することの多い皮膚疾患で、症状の特徴は、腹部を中心として蕁麻疹のような紅斑が四肢など周囲にも出現し、小さな腫れ同士が融合して環状など大きくなります。

妊娠中期以降になる事が多いようですが、詳しい原因は分かっていません。また、こちらもかなり強いかゆみが出ますが、出産後急速に治ります。

妊娠性疱疹
妊娠中もしくは分娩後に発生することがある、自己免疫性の水疱症状です。
強い痒みのある浮腫性の紅斑が出来、体全体に広がっていくのが特徴です。疱疹という呼び名の通り、赤い晴れの中に水泡の湿疹が現れます。分娩直後は症状が治まりませんが、出産してしばらく経つと自然に引くのが一般的です。

これらの他にも、妊娠性掻痒という皮膚には変化がなく痒みだけが現れる症状が出たり、妊娠によって元々ママが経験していたアトピー性皮膚炎やヘルペスなどの皮膚の病気が悪化してしまうこともあります。

▼妊婦の肌トラブルについてはコチラも参考にしてみて!

基本的に胎児への影響はなし

妊娠中に体調が変化するとお腹の赤ちゃんを心配する人も多いと思いますが、ここまで紹介してきた病気については、胎児への影響は認められていません。

ただし、治療方法によっては赤ちゃんへの影響を考慮して薬を選ぶ必要があることもあります。

漢方薬を使う場合やアレルギー剤などの服薬の場合、塗り薬を諒する場合など様々な治療方法がありますので、かかりつけの先生とよく相談をして対処法を決めるようにしましょう。

また、市販薬を自己判断で服用することは症状の悪化につながる可能性もありますので、必ず専門家に相談してからお薬を使用するようにしてください。

▼妊婦の蕁麻疹の薬についてはコチラも参考にしてみて!

妊娠中の蕁麻疹に慌てないで…辛い症状は我慢せず相談

妊娠中に蕁麻疹が出るのは決して珍しいことではありません。ほとんどの場合はストレス解消をしたりよく休息を取ったりといった対策や、妊娠期間が終わり出産を経て自然と治ります。

ただ、もし蕁麻疹の痒みや痛みが我慢できない場合は、冷たいタオルで冷やすなどの対応をしながら、妊婦健診などで医師に相談することも選択肢に入れましょう。

皮膚科ではなく産婦人科でも、妊娠中の肌トラブルには対処してくれる病院がほとんどです。

蕁麻疹は、体に疲れがたまってしまったという合図の事もありますので、無理せずに妊娠生活を送るように心がけられると良いですね。

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