妊活には鍼灸がおすすめ!全身のめぐりを整える治療

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2017/12/02

妊活中に鍼灸をしている女性

赤ちゃんを授かるための妊活においては、ただ排卵日やタイミングを気にするだけでなく、妊娠しやすい体を整えておくことが大切です。

生活の見直しやお手頃な市販サプリメントの使用から、本格的な医療機関での不妊治療まで、妊活には様々な方法がありますね。

しかし、医学に基づきながらも薬を使わず、妊活と同時にさまざまな体の不調が取れたり気持ちが落ち着く妊活法があれば、一度試してみたくありませんか?

妊活の一つの方法として、鍼灸治療がおすすめです。

体のバランスと気持ちの安定に有効な鍼灸

日常生活ではあまり聞きなれない“鍼灸”という言葉や、“鍼灸治療”について紹介します。

体全体のバランスを整える鍼灸治療は婦人科疾患にも有効!

日本鍼灸師会のサイトによると、鍼灸治療とは簡単に述べると以下のような治療を指します。

東洋医学または漢方医学の一分野として中国に起源をもつ、日本の伝統治療です。薬等で治療を行う西洋医学とは異なり、細い鍼や灸を用いて治療、体質改善を行います。

さまざまな痛みや症状に効くとされ、不妊を含む婦人科系疾患にも効果があるとされています。

ツボを的確に捉え体に適度な刺激を与えながら、体の滞りを取りめぐりを良くしていくという、薬での治療とはまた異なった根本治療・体質改善治療ですね。

鍼と灸で症状に合ったツボを刺激!プロの元では心配も不要!

また“鍼灸”とは、字の通り“鍼”と“灸”のことで、それぞれ以下のようなものです。

  • 鍼…髪の毛よりもかなり細い鍼(長さ約40mm~80mm、太さ直径0.17mm~0.33mm)を使い、症状に合わせたツボを刺激する
  • 灸…本来はもぐさを皮膚にのせて火をつけ熱刺激を与えるが、簡易な台座灸(せんねん灸等)を使うことが多く、家庭用では「火を使わないお灸」もある
痛みや熱さが気になるかと思いますが、痛点が刺激を感じないほどの細さの鍼を使用することや、灸は鍼灸師(鍼灸の国家資格をもつプロ)が温度管理を行ってくれるため、心配は不要でしょう。

鍼灸治療は、妊活において良いことづくし!

鍼灸治療は、鍼灸院等の治療院において、主に鍼灸師が施術をします。(産婦人等病院もで鍼灸治療を取り入れている所もあるようです。)

一部の器官の不調だけでなく、先天的や日頃の生活の積み重ねでバランスを崩した体全体をみて改善させていくことが望ましい“妊活”という目的においては、鍼灸治療の考え方はとても理に適っているのです!

鍼灸師の方とよく相談しながら、通院頻度や方針を決められると良いと思います。

症状を抑えながら良い体をつくっていく施術

医療には様々な見方や考え方があり、身近な医療の目指すところを大きく分けると、以下の2つになります。

  • 治療…(すでになっている)病気や怪我を治す、症状を軽くするための医療行為
  • 予防(予防医学)…未然に病気を防ぐためにする医療行為、体質改善や免疫の向上等

風邪で高熱がつらい際に通院し解熱剤をもらい症状を抑えるのが“治療”なら、風邪をひかないよう衣類を調節したり少し喉に違和感が出始めた時点で無理せず早めに寝るのが“予防”ですね。

この例でも分かるよう、健康な体作りにおいては予防が肝心です。そして、予防しきれなかった部分に関しては、治療の力もかりつつ良い状態に戻していくことが必要です。

鍼灸治療は、この治療に重きを置きながらも、同時に予防的効果も果たしてくれ、さらに薬も使わず副作用も少ない歴史ある治療なのです!

妊活に置き換えると、以下のことが言えるでしょう。

生理不順や冷え、さらには気持ちが不安定になっている等、不妊と関係する症状を治療するとともに、それらが起こりにくくなるよう予防する。

すなわち、妊娠しにくい体を治療しながら、体質を整え妊娠(しやすい体)を目指していく。

一つ不調を取ってもまた何かしらのきっかけでどこか調子が悪くなったり、はよくあることです。特に婦人科系のデリケートな不調に関しては、体質自体を変えていくことで良い変化が期待できますね!

妊娠しても続けられる!薬を使わないから安心できる!

鍼灸治療は、不妊治療程高額な費用がかかることもなく、「妊娠したかも?」というあいまいなタイミングでも薬の副作用の心配がありません。

また、妊娠したあともツワリやホルモンバランスの変化から起こる心身の不調に対して、鍼灸治療は引き続き受けることができます。(妊婦対応の治療院を探す必要はあります。)

出産直前や分娩時に鍼灸を取り入れている助産院等もありますし、もちろん産後にも必要に応じて治療を受けることができます。

鍼灸治療は、どのようなステージにおいても、安心してその時の体に応じた最適な施術を受けることができるのです!

【治療の流れ】冷えと生理周期改善を目標に!

鍼灸治療は、患者さん個人の体調や体質、鍼灸師の考え方や流派もさまざまなようで、「妊活鍼灸」と看板のある所でも施術方法はさまざまかと思います。

以下、治療について例示しますが、ここからは筆者が妊活鍼灸に通った際の治療についてです。

妊活鍼灸の治療の順序と内容

筆者が体験した妊活鍼灸は、基本的に以下の流れでした。

  1. 問診…初回のみしっかり時間をとって、生活習慣や既往歴、家族構成や仕事等細かいことまで確認がありました。毎度通院時には体調や前回治療からの変化等の確認をされます。
  2. 脈診・舌診…脈の強さや舌の色等も、体質や体調の判断材料になるようです。
  3. 鍼灸治療(仰向け)…体を温めめぐりを良くするために、足先・膝下・お腹周り等を中心に行います。
  4. 鍼灸治療(うつ伏せ)…子宮に近い腰回りを重点的に施術、ということが多かったです。筋肉疲労やストレスが強い場合には、肩や首にも施術してもらいました。
  5. 再度1.2を確認し、問題なければ終了です。効果不足や違和感があればそこを重点的に診てもらえます。

初回は約1時間半、二度目からは約40分ほどの施術でした。通院頻度は隔週です。

これに、頭痛が気になる際は頭痛緩和の鍼、生理痛が酷い時には強めのお灸等、その時々の体調不良を和らげてくれる施術も適宜加えてもらっていました。

長い目での妊活+その時の不調の緩和を同時に進めてもらっていた感じです。

しかし、筆者はたまたまこのように応用的な施術もしてくれる鍼灸院に出会いましたが、妊活治療を含め目的別に別メニュー・別料金となっている施設もあるようなので、よく調べてみてくださいね。

▼鍼灸で妊娠できた体験談についてはコチラも参考にしてみて!

妊活鍼灸の最初の目標は、冷えと生理周期の改善!

妊活鍼灸の最終目標は、もちろん妊娠できる体をつくり妊娠に至ることです。

しかし、妊活鍼灸を始め、体質を整えていく必要のある鍼灸治療は、即効性を期待するものではありません。参考までにですが、筆者は妊活鍼灸開始から妊娠に至るまで、1年でした。

妊活鍼灸の最初の目標は、妊娠しづらい体になっている原因にアプローチをしていくことです。

  • 生理が無い
  • 排卵がうまくいっていない
  • 生理周期がバラバラ
  • 生理痛が酷い
  • ストレスが多い(それ自体は変えられないが、受け止め方でしんどくなるケースも)
  • 着床しても流れてしまったり、子宮環境が整っていない

症状が被る部分もありますが、妊活が上手くいかない体質の一例です。

生理痛を緩和する薬や排卵を誘発する薬を飲むのも一つの治療法ではあるのですが、鍼灸師の方によると、これらは基本的に体の“冷え”が絡んでいる場合が多いようです。

腹巻きやカイロ等で一部分を温めても、体は(血等さまざまなものが)循環しているので、冷え体質を根本改善しないと、たくさんの血流が必要な子宮が温まりません。

その結果、生理痛の悪化等毎月の不調や、周期の乱れ、着床しない・流れてしまう等が起こってしまうことが多いようです。

なので、私もまず冷えを指摘され(自分では実感がなかったのですが)、冷えの改善から生理周期や基礎体温を整えていく治療方針になりました。

▼冷えと妊娠力の関係性についてはコチラも参考にしてみて!

▼生理不順を改善する方法についてはコチラも参考にしてみて!

女性不調改善のツボは、三陰交

妊活鍼灸は子宮を温めて妊娠しやすい体質になることを目指しますが、子宮周り(=お腹あたり)ばかりに施術をするわけではありません。

むしろ、以外ですがお腹よりも足をメインとした施術が多いです。

冷えをはじめ、女性不調には“三陰交(さんいんこう)”というツボが要となっているようです。

三陰交は、内くるぶしの一番出た部分から指4本分ほど上で、生理痛・生理不順といった生理の不調はもちろんのこと、さまざまな女性不調につながる不調にこのツボが有効のようです。

  • 落ち着かない、不安感がある等精神的な不調に
  • 便通異常・胃の不快感等胃腸症状に
  • 頭痛や風邪の引きはじめに

他にも、これらの要素も体が整っていない現れであり、冷えが改善したり体のめぐりが整うことで快方に向かう場合もあります。

体はあらゆる器官がすべて繋がっているため、一箇所が崩れると連鎖的に不調となることもありますが、逆もあります。
「風邪をひきやすいけれど、妊娠等には関係ないのでは…」と思われるかもしれませんが、そうとも限りませんね。日頃の不調改善が、妊活にもつながるのです!

鍼灸師の方の話によると、特に生理の異常(不順や痛み等)があったり妊娠を目指す場合には、足先から三陰交上までを、夏場でも靴下で覆っておいた方が体が整うようです!

鍼灸治療と日頃の生活の見直しで、より効果が上がる

体は冷えているより温まっている方が妊活に適した体となります。衣類等で外側からも、食べ物等で内側からも、いつ妊娠してもOKな(温かく赤ちゃんの居心地の良い)体を目指しましょう!

鍼灸治療と並行して、日頃の生活の見直しや冷えの防止等も大切ということですね。

  • 体を温める食べ物を中心に、バランスの良い食生活をする(飲み物も常温以上を基本とする)
  • 睡眠をしっかりとる
  • 適度な運動をし、体をほぐし循環を良くしておく
  • オンオフを切り替えたり、リフレッシュをしストレスとうまく付き合う
  • ゆったり、体を冷やさない衣類を選ぶ(締め付けすぎると血流の悪化で冷える)
  • 妊活治療の効果を焦らない(崩れた体質の改善にはある程度時間がかかる)

もちろんこれらの心がけができていれば、鍼灸に頼らなくとも自然と女性不調と縁遠い体に近づける可能性も高いでしょう。

鍼灸は、日頃の心がけがより効果に結びつきやすくなるよう、その時々の不調を改善し免疫を高めながらサポートしてくれる。そんな役割かもしれませんね!

▼妊娠しやすい体作りについてはコチラも参考にしてみて!

迷ったらひとつの選択肢に!鍼灸は歴史ある医学!

鍼灸は、良く知らない方が「胡散臭い」「宗教じみている」等と言われることがあるようで、残念ながらそういった“鍼灸サービス”を提供しているサロンもあるようです。

しかし、きちんと資格を持ち日々技術向上に努め、患者さん一人ひとりの悩みと向き合ってくれる鍼灸院・鍼灸師さんがほとんどだと思います!

「医療は信じられるけれど鍼灸は…」と言いつつ「でも薬は使いたくない/副作用が怖い」と思われる方。正直私も鍼灸治療を始める前は少し怖さもありましたので、気持ちはわかりますが…。

きちんとした所で受ける鍼灸は、きちんと治療であり、鍼灸治療は歴史ある医療です!

「絶対にするべき!」とまでは思わないですが、イメージ先行でチャンスをひとつ失ってしまうのはもったいないかなと感じます。

「どんな妊活が自分に合っているか」といろいろと検討している方や、他の方法で臨む結果が得られなかった方等は、ひとつの選択肢として鍼灸治療を考えてみてくださいね。
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