上の子の赤ちゃん返りへの対応・・・6つの対策とパパとの相談事
ママが下の子を妊娠・出産すると、「赤ちゃん返り」をする上の子は多いものです。特に、赤ちゃんのお世話が始まると、ママの関心を惹こうと、ワガママを言ってきかない子もいます。
だからといって、赤ちゃん返りした上の子を厳しく叱るのは逆効果です。赤ちゃん返りは上の子が下の子を受け入れるための準備期間なのです。
ママの愛情が赤ちゃんへ注がれることへの嫉妬心を理解し、上の子に伝わるようにしっかりと手をかけてあげましょう。
2人目の妊娠や出産をきっかけに赤ちゃん返りをした上の子に、どのように対応したらよいのか、考えてみました。
上の子の赤ちゃんがえり・・・6つの対処法
赤ちゃん返りとは、実際の年齢よりも幼い行動をしてしまうことをいいます。卒乳したのにおっぱいやミルクを飲みたがる、抱っこをせがむ、トイレの失敗をしてしまうなどが一例です。
赤ちゃんの真似をしたり、それまで我慢できていたことを嫌がったりすることで、懸命にお母さんに自己アピールをするのです。
でも、上の子の赤ちゃん返りを初めて経験するママにとっては、どう対応してよいのか困るもの。赤ちゃん返りが始まる前に対策を知っておくと、育児への余裕が生まれてくるはずです。
とっても複雑な気持ちを対処できずにいる上の子に寄り添い、思いを受け入れてあげましょう。
▼赤ちゃん返りする原因や症状についてはコチラも参考にしてみて!
- 赤ちゃん返りへの6つの対応法
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- 赤ちゃん返りの言動を叱らない
- 上の子と2人の時間をとる
- 上の子との約束を先延ばしにしない
- 上の子の心の準備期間をとってあげる
- 上の子の複雑な感情を理解する
- 上の子の心の負担になるような変化は控える
それぞれ詳しくみていきましょう。
赤ちゃん返りの言動を叱らない・・・さらに嫉妬心をかき立ててしまう
赤ちゃん返りをする子に、「お兄ちゃんなんだから~~しなさい」「お姉ちゃんなんだから~~しちゃだめでしょ」と叱るのは逆効果です。
えびす子どもクリニックの戒医師(福岡県北九州市)によると、赤ちゃん返りの行動をきつく叱ると、上の子はパパ・ママの愛情を失ったと思って不安になり、嫉妬心を強くする、といいます。
赤ちゃん返りの言動がエスカレートすると、下の子を蹴る・つねる・叩くなどの乱暴をするようになってしまう可能性があります。
でも、それまでできていたことができなくなると、ママは「本当はできるんでしょ、ちゃんとやってよ」と思いイライラしてしまうもの。
5歳の子だったら、3歳になったつもりで接してみましょう。ママに甘えられたり、ママが手をかけてくれることで、自分もちゃんと見てもらえてると感じて安心するものです。
また、哺乳瓶やオムツなど、赤ちゃんと同じことをしたがる場合も叱らないようにしましょう。「そっかぁ、やってみたいんだね」とやんわり答えるうちに、自分には不要のものだとわかっていくはずです。
しばらくすれば、それまでと同じようにいろんなことができるようになるでしょう。できなかったことができるようになったときには、褒めることを忘れずに。
上の子と2人の時間をとる・・・スキンシップも大切に
下の子が生まれる前はもちろんですが、生まれてからも上の子ときちんと向き合って過ごす時間を確保したいものです。
保育園などに預けたことがない方なら、上の子は生まれてからこれまで、ほぼ丸一日ママと一緒に過ごしてきたことでしょう。
その生活があたり前になっている上の子からしたら、ママが少しでも離れてしまうことをさみしく感じてしまうはずです。
下の子の授乳やオムツ替えに加え、上の子やパパの食事の支度など、なにかと忙しくなる産後ですが、だからこそ、上の子と向き合う時間を大切にしてほしいと思います。
また、人は人と触れ合うと愛情や信頼感を感じて安心するものです。情緒不安定になった上の子には、スキンシップを増やしましょう。マッサージを取り入れるのも効果的です。
上の子との約束を先延ばしにしない・・・「後でね」を口癖にしない
家事や育児に忙しいとき、子どもから「ママ、〇〇して」と頼まれると、つい「後でね」と答えてしまいがちです。
でも、その約束、きちんと守れていますか?子どもは「後でね」と言われば、それを信じて待っています。
特に、長子は下の子が生まれる前までは自分が最優先だったことを知っているので、下の子が生まれた途端、自分のことは後回しにされていると感じてしまいます。
上の子からお願いごとをされたときは、できることならすぐに対応する、できなければ「これが終わったらやるからね」と対応できるタイミングを明確にして、約束を守るようにしましょう。
上の子の心の準備期間をとってあげる・・・下の子との慣らし期間と考えよう
赤ちゃん返りは、上の子が下の子を受け入れるための準備期間です。家族が増えるということは、子どもにとって大きな環境の変化です。
環境の変化がストレスとなり、赤ちゃん返りを引き起こす原因となります。どのようにママや赤ちゃんと接したらよいのか、嗜好錯誤している期間とも解釈できるでしょう。
上の子に手をかけているつもりなのに、「ママ見て!」とせがんだり、下の子に暴力をふるうような場合には、上の子に下の子を受け入れる心の準備ができていないのかもしれません。
たとえば、上の子の視界に入りにくいベビーベッドに寝かせる、抱っこ紐ではなくベビーカーを使うというように、上の子に「下の子とママが触れ合っている」と思わせないような工夫をしてみるのもよいかもしれません。
もちろん、これはずっと続けるわけではなく、上の子が下の子の存在を受け入れられるまでのことです。上の子の気持ちが落ち着いてくれば、自分から下の子の様子を気にするようになるでしょう。
上の子の複雑な感情を理解する・・・「嫉妬」や「悔しさ」を受け入れてあげる
2人目を妊娠すると、よく言われるのが「上の子を優先してあげてね」という言葉です。下の子よりも上の子の気持ちの変化に目を向けてあげるべきだ、という考え方です。
この考え方に疑問をもつ方もいるのではないでしょうか。どちらも自分の子供なのに、どちらかだけを優遇するようなことは「贔屓ではないか」と感じることもあると思います。
しかし、贔屓ではなく「上の子の立場を立てる」というように考えてみるのは、どうでしょうか。赤ちゃんと上の子では、感情や記憶力という面で大きな違いがあります。
生まれたばかりの赤ちゃんは、「おなかが空いた」「眠い」「暑い・寒い」などの、快や不快の感情しか感じません。また、このころの記憶を大きくなるまで覚えていることは少ないでしょう。
そう考えると、上の子の成長過程に合わせ、感情を受け入れてあげることは、その子の成長やその後の家族環境のためには大切なことなのではないでしょうか。
赤ちゃんがえりは、上の子の複雑な心境から生まれるものです。その気持ちを受け入れ、認めてあげるような対応をしてあげたいですね。
たとえば、下の子の育児用品を購入する際に、上の子にもハンカチやティッシュなどの「上の子しか使わないもの」を買ってあげるのも「上の子を立てる」ということになるのではないでしょうか。
上の子の心の負担になるような変化は控える
赤ちゃんとの生活が始まる時期に、次のような生活環境の変化があると、上の子の負担になってしまいます。
- 習い事をはじめる
- トイレトレーニングを始める
- 寝室を変える
- 引っ越しをする
- 幼稚園・保育園を転園する
このような生活環境の変化は、子どもにとって大きなストレスとなり、ママのフォローを必要とします。
普段以上にママの愛情を欲している赤ちゃん返りの時期には、強い負担となってしまうので避けた方がよいでしょう。
また、産後はママの体も本調子ではありません。このような変化を産後に始めてしまうと、上の子だけでなく、ママや下の子にも影響がでてしまう恐れがあります。
引っ越しや転園などは、家庭の都合で仕方がない場合もあると思いますが、必要な場合はでるだけ出産前に済ませるなどの配慮をしましょう。
赤ちゃん返り対策にはパパの協力も重要!3つの相談事
上の子の赤ちゃん返りに対処するには、パパの協力が不可欠です。パパが少しでも上の子のお世話を手伝ってくれたり、遊んでくれるたりするだけで、ママは身心を休めることができます。
2人育児がスタートする産後はバタバタしてしまうので、ぜひ、下の子が生まれる前に、パパと育児についての相談をしておきましょう。
ここでは、2人目を迎える前にパパと話しておきたいことを、「赤ちゃん返りへの理解」「下の子の存在の伝え方」「ママの気分転換への理解と協力」の3つにまとめてみました。
1.パパにも「赤ちゃんがえり」を理解してもらおう
まず、2人目が生まれる前にパパに話しておきたいのは、「上の子が赤ちゃんがえりをするだろう」ということです。
- パパにお願いしたい赤ちゃん返りへの対処例
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- パパには、できるだけ上の子に話しかけてもらう
- ママが下の子のお世話で手が離せないときには、上の子の介助をパパにやってもらう
- パパの休日には、上の子を公園へ連れて行ってもらう
- パパに下の子のお世話を頼み、ママは上の子と触れ合う時間を作る
しかし、パパが上の子担当、ママが下の子担当などと担当制にしてしまうと、下の子がママっ子になったり、上の子が欲求不満になってしまいます。
パパもママも、2人の子どもとバランスよく接することができるように工夫し、意識し合うことが大切です。
私には5歳の息子と3歳の娘がいます。娘が生まれるとき、やはり気になっていたのは息子の赤ちゃんがえりでした。
そこで「赤ちゃん返りは起こして当然」と腹をくくり、主人と「上の子にどう対応するか」について話しをしました。
それが功を奏したのか、出産後も息子の赤ちゃん返りに悩まされることはなく、スムーズに下の子を迎えることができました。
もちろん、すべての家庭にこのパターンが当てはまるとは思いませんが、下の子が生まれる前に、旦那様と上の子への対応の仕方について話しをしておくことは大切なことだと思います。
2.下の子のことを上の子にどう伝えるか・・・各家庭で方向性を決めよう
2人目を妊娠したとき、上の子にお腹の中の子の存在をどのように伝えますか?毎日のように「赤ちゃん楽しみだね~」と話す家庭もあれば、それまでの日常と変わらずに過ごす場合もあるでしょう。
下の子の誕生が上の子の負担にならないようにするには、上の子の性格に合わせて伝え方を工夫することがポイントだと思います。
たとえば、妊娠発覚時から上の子と一緒にお腹をなでたり、「早く生まれてきてね~」と声がけをする家庭もあることでしょう。
でも、お腹の子の存在を多く語ることで、上の子が複雑な心境になり、不安定になるのではないかと思う場合には、上の子がお腹の中の子に意識がいかないようにするのも一つの方法です。
上の子が繊細なら、下の子が生まれることを大げさに表現することで不安を感じてしまうでしょうし、好奇心旺盛な子ならママの妊娠を喜び、一緒に出産を盛り上げてくれるかもしれません。
どちらを選ぶかは、各家庭の子育て方針によっても異なってくる部分ですので、一概にどちらが良いとは言い切れません。パパともよく話して決めていくのがよいでしょう。
ぜひ、下の子の妊娠がわかったときには、「上の子にはどのように伝えるか」を一度考えてみてくださいね。
3.ママの心のケアも大切に・・・パパに育児や家事を手伝ってもらおう
2人目が生まれると、家事や育児がそれまで以上に慌ただしくなります。子供達はママの事情なんてお構いなしに、泣いたり、何度も同じことを話しかけてきたりするものです。
不思議なもので、子供の泣き声はその子のママにだけ「不快感」を引き起こします。他の子が泣いていてもなんとも思わないのに、自分の子の泣き声には敏感に反応してしまいますよね。
そうなってしまう前に、できることなら、パパに育児や家事を手伝ってもらえるように相談しておきましょう。
また、何かあったときに頼れる人、相談できる相手をみつけておきましょう。ママの両親でも、お友達でも、いざという時に泣きつける相手がいると気持ちがラクになるものです。
ママが求められる時期を前向きに捉えよう
赤ちゃん返りの原因は、上の子の「自分を守る反応」と「注目を集めたい欲求」から起こると考えられています。
この症状を無理に押し殺すと、子どもの感情に歪みがでてしまうような気がします。上の子の成長過程ということで、しっかりを受け止めてあげましょう。
赤ちゃん返りは、産後のママにとって大きな負担になってしまいますが、対処法のポイントを押さえ、パパとも協力して乗り越えましょう!

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ライオンさん
浣腸嫌がる


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