熱中症対策グッズ6つを上手に使って、子供を辛い暑さから守ろう!
暑い夏が近づいてくると毎年のように「熱中症に気をつけましょう」としつこい程に聞いたり目にしたりしますよね。
それでも夏になると熱中症での死亡や救急搬送が〇人といったニュースが流れます。夏の暑さが年々厳しくなる中で、親としては子供の身を守っていく努力を惜しまないようにしたいものです。
そこで今回は、熱中症の対策に効果的なグッズをご紹介します。
この記事の目次
対策の前に知っておきたい「子供が熱中症になりやすい」理由
では具体的な対策の前に、子供が大人と比べて熱中症になりやすい理由を見ていきましょう。
体温調節の能力が十分に発達していないため
子供はまだ自分自身の力で調節する能力が十分に発達していないんですね。体重に対して体の表面積が広い子供は、体温が気温に大きく影響されてしまいます。
汗が唯一の熱放散手段となる環境温が皮膚温より高い条件や輻射熱の大きな条件(夏季の炎天下)では、熱しやすい体格特性が熱獲得を促進するとともに、未発達な発汗能力が大きく影響し、子どもの深部体温は大人より大きく上昇し、熱中症のリスクが急増します。
つまり、気温が皮膚の温度より高いようなとても気温の高い条件では、子供は体の内部まで体温が簡単に上がってしまいやすいというわけ。少しの油断でも危険なんですね。
地面に近い程気温は上昇!座り込んで遊んでいると危険
こちらはご存知の方も多いと思いますが、大人と子供では立った時に頭がある位置の気温が大きく違っているということ。
通常気温は150cmの高さで測りますが、東京都心で気温が32.3度だった時、幼児の身長である50cmの高さでは35度を超えていました。また、さらに地面近くの5cmは36度以上になっていました。
大人が暑いと感じている時は、幼児はさらに高温の環境にいることになります。
たとえば、お子さんが道端でアリでも見つけて、座り込んでじーっと眺めていると立って待っているママの高さとは3℃ほども気温が高いという可能性があるということなんですね。
興味のあるものを見つけたら暑さも忘れて熱中してしまうのが子供。しっかり対策をしておく必要がありますね。
1.ひんやり気持ちよく体温調節!肌を直接冷やすグッズ
ここからは機能別に熱中症対策に効果的なグッズをご紹介していきます。
まずは体温調節機能が未熟なお子さんの体を冷やす助けをするグッズを見ていきましょう。
手軽に涼しく!濡らして首にまくスカーフ
こちらは濡らしたスカーフを首にまくことで、気化熱を利用して体温を下げる効果があるグッズ。
吸水ポリマーが入っているタイプや繊維自体が高吸水の機能を持つものなど様々。年々オシャレなものも増えてきていますね。
またエアコンのしっかり効いたところでは、冷たくなり過ぎて逆に危険ということも。気温の高いところでだけ使うように徹底しましょう。
タオルや帽子にシュッ!で気持ちいい冷却スプレー
続いて、濡らしたタオルが凍ってしまうほどの冷却効果がある「とにかく冷たい」ものから、肌に直接スプレーすることができる「涼しい」ものまで様々な種類のある冷却スプレー。
またスプレーから泡状のフォームが出て、それを肌に直接当てることで冷やすというタイプのものも出ています。
必要な時にシュッとスプレーすればいいので、携帯しておいて効果的に使いたいものです。
ただ商品の注意書きにも記載があるように、冷却効果の強いものほど凍傷になる恐れも大きくなってきます。
- お子さんに自分で使わせない
- 肌や服にスプレーするタイプは、同じところに続けてスプレーしない
- 口や目に入らないように十分に注意する
- 用法にない使い方はしない
基本的なことですが、必ず守って正しく使うようにしましょうね。
着るものも大きな影響が!吸水性が高く乾きやすいものを
たくさんのメーカーから暑い夏にピッタリの機能性肌着が販売されていますよね。子供向けのものも、どんどん増えています。
これらの肌着は次のような特徴があります。
- 汗をすばやく吸収する
- 乾きやすい
- サラッとして肌に付きにくく快適
汗を吸ってくれてすぐに乾くので、気化熱の効果で涼しく感じることができるんですね。「うちの子は夏はTシャツ1枚」というママ。こういった肌着を着た方が涼しくなるんですよ。
2.風が当たると涼しさ倍増!風を効果的に送るグッズ
気温がそれほど高くなくても全く風のない日は本当に暑く感じますよね。風は汗が気化するのを助ける重要な役割を持っています。そんな風を送るグッズをご紹介します。
小さくても結構涼しい!携帯ミニ扇風機
手軽に持ち運べる携帯の扇風機も色々な種類が増えてきましたね。
- キャップが付いて携帯しやすい、羽根が外に出ているタイプ
- 首からぶら下げて顔周りが涼しくなるタイプ
- 水や氷を入れてミストと風を送るタイプ
といったところが代表的でしょうか。
1はとっても小さいものもありますよね。羽根がむき出しですが柔らかいので当たっても痛くないというのも特徴。ただ本当に小さいものだとあまり風が来ないですね。
触ると止まるのが面白いからとすぐ指で止めて遊んでしまうことも。遊ぶなら使わせないというルールをしっかり決めておくといいですね。
2は首から下げると、本体の前面から吸い込まれた空気が上部から出てきて、首や顔周りが涼しいという優れもの。
お子さんが使う場合にはストラップが引っ張られた時に簡単に外れるものにすることと、前面の吸気口に髪の毛が入って巻き込まれることがないように注意することです。
3は上部にファンがあり、下の部分についているボトルに水や氷を入れてミストとして出すことができるもの。普通の扇風機より涼しく感じることができます。
音が大きいのが難点という声が多いですが、屋外で使うにはそれほど気にならないようです。また、特に氷を入れた場合にはボトル部分がビチョビチョになってしまいますので、タオルを巻く、ケースに入れるなどしてくださいね。
これぞ元祖携帯扇風機!手はふさがるけれどエコな扇子
今さらグッズとして紹介するまでもありませんが、やはりエコで携帯もしやすい扇子のお手軽さはどんどん見直されていますよね。
暑い時にサッと広げられて、軽くあおげば効率的に風が来て、日よけにもなるし電池切れの心配なし!片手がふさがるのは難点ですが、一本持っておいて損はないですよね。
少しお肌を濡れタオルで拭いてからあおぐようにすると、気化熱で涼しさアップ!昔ながらのグッズも上手に取り入れていきたいものです。
またお出かけには重宝する扇子ですが、子供は触りたがってよく壊してしまうんです。お家では風をあおぐのが楽ですし、うちわの方がオススメです。
最大の対策は室温管理!エアコンと上手に付き合うコツ
特に小さな赤ちゃんのいるご家庭では「エアコンを使うことに抵抗がある」というママもいらっしゃると思います。でもこれほどまでに気温が高くなってしまうようになった今、エアコンはやはり一番効果的な対策です。
また気温がそれほど高くなくても、湿度が高いと汗が乾かないため体温が下がらず熱中症の危険も高くなります。そこで除湿機能のあるエアコンは効果絶大です。
エアコンの設定温度は「26~28℃」と言われますよね。たとえば気温28℃の場合での熱中症の危険度(室内で日射が無い状態)を湿度ごとに比べてみましょう。
- 湿度50%以下…あまり熱中症の危険がない
- 湿度55~70%…注意が必要
- 湿度75~95%…厳重な警戒が必要
- 湿度100%…危険!
これは後でも出てきますがWBGTという暑さ指数を比べたもの。ちなみに気温が32℃まで上がると、湿度50%でも厳重警戒レベルまで危険度がアップします。
室温と湿度を上手にコントロールすることが大切なんですね。
そこでエアコンが苦手な方や赤ちゃんに風が当たってしまいそうで…と躊躇している方にオススメ使い方をご紹介します。
- 設定は28℃で十分
- エアコンの吹き出し口は上か水平方向を向くようにする
- それでも風が直接当たる場合には風量を一番弱くする
- エアコンと向かい合う壁際に扇風機を置き、出来るだけ上を向けて首振りにする
部屋の広さにもよりますが、エアコンも扇風機も風は弱くしても十分効き目はあると思います。扇風機で空気をかき混ぜて効率よく室温を下げましょう。
ちなみに私はエアコンをつける時には29℃に設定しています。それでも十分涼しいですし、生活スペースはエアコンのある位置より低いのでもう少し気温が下がっているもの。30℃に設定できるエアコンもあるので、温湿度計を見ながら調節しましょう。
3.危険を早く知ろう!熱中症に注意すべきかを知らせるグッズ
間違いなく気温が高くジリジリと日が照り付ける屋外なら「これは熱中症の危険あり!」と分かりますが、常にこうした判断をすることは難しいもの。そこで熱中症になりやすい条件にあることを知るためのグッズをご紹介します。
各部屋に置いておきたい!温湿度計
同じ家の中でも部屋によって室温や湿度は違いますよね。そこで普段生活するスペースとお子さんがよく過ごすスペース、寝室くらいには温湿度計を置いておくといいですよ。
こうすることで「今どのくらいかな?」と気にすることが習慣になります。もちろん「暑いな」「ちょうどいいな」といった体感がとても大切なのですが、エアコンをつけるかどうかの一つの基準にもなりますね。
常に携帯してチェックしておこう!熱中症アラーム
熱中症の危険があるかどうかは先ほどもご紹介しましたWBGTという指数が基準となってきます。
暑さ指数(WBGT)は人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい ①湿度、 ②日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。
そしてこの暑さ指数(℃で表す)が28℃(参考気温は31~35℃)になると熱中症患者が一気に増加するといいます。
このWBGTを測ることができ、危険をアラームで知らせるWGBT計が市販されています。アラームで知らせてくれるためお子さんがお昼寝をしている部屋や、車の後部座席に置くなどしても便利ですね。
少しお値段はするんですが危険を早く知り正しく対処するためにも、とても大切な対策。ぜひ一つ携帯しておきたいですね。
4.直射日光を軽減!お日様と上手に付き合うためのグッズ
夏はお日様のパワーを改めて実感する季節。効果的に暑さをしのぐためには直射日光をさけることは大切ですよね。そのためのグッズをご紹介します。
サッと広げれば効果絶大!ぜひ親子で一緒に入りたい日傘
日よけと言えば日傘。お子さんを連れたママは手がふさがっていることが多く、なかなか使えないかと思いますが、折りたたみのものを持っておくといいですね。
日傘をさすのは日焼け防止というイメージのある方もいらっしゃるかもしれませんが、実際に使ってみると本当に涼しいんですよね。
お子さんと歩く際にあまり日陰のない道で少しでも使うようにすると体へのダメージが全然違いますよ。特に道端に何か見つけて立ち止まった場合にはその時だけでも使うようにするといいですね。
嫌がって取っても何度もかぶせて!頭を守る帽子
なかなか嫌がってかぶってくれないんですが、何度でもしつこくかぶせたいのが帽子。頭はもちろん、首を日光から守ることは熱中症の対策に重要なポイント。首がしっかり隠れるようなツバが大きなものやフラップが付いたものを選びましょう。
その帽子にはフラップの部分に高吸水繊維でできたパッドがついていて、水で濡らして使うとひんやり気持ちいいとのことで子供たちも快適な様子。
こういった冷却効果の高い帽子ならお子さんも嫌がらずにかぶってくれるようになるかもしれませんね。デザインにももちろんこだわりたいのが親心ですが、夏はデザインより機能重視で帽子を選べるといいですね。
ベビーカーや車内で暑さを軽減する日よけグッズ
お出かけの際にベビーカーや車を使うこと、多いですよね。こちらも日よけの対策をしていきましょう。
ベビーカーは上のカバーで日よけが出来ますが、どうしても小さくて日が当たってしまう部分が出来てしまいがち。赤ちゃんもまぶしそうで、日差しの向きで対面にしたり前向きにしたりと変えているママも多いのでは?
車はエアコンをつけていても窓から入ってくる日光はかなり暑いものです。窓につけられるシェードやカーテンをうまく利用したいですね。
ただ窓に吸盤で取り付けるタイプのものは窓が開けられないのが難点。ドアにすっぽり被せるようなタイプのものもありますので、取り付けが可能な車種なら検討してみてもいいかも。
エアコンの吹き出し口が前にしかない場合には特に、お子さんを乗せることの多い後部座席は暑くなりがちなので、日よけを含め暑さ対策をしっかりしていきましょう!
5.体の中から予防しよう!水分・塩分補給に効果的なグッズ
熱中症の予防には水分補給が欠かせませんね。ただ水だけ飲んでいればいいわけではないこともご存知かと思います。効果的に水分・塩分を補給していきましょう。
「飲む点滴」とまで言われる脱水に効果的な経口補水液
高齢者が熱中症になりやすい原因として「喉の渇きを感じにくい」ことがあるそうです。ただ子供の場合は大人と比較しても喉の渇きを感じにくいということはないんですね。
それでも何かに夢中になってしまうと水分を摂るのも忘れて一生懸命になってしまいますよね。少しずつでいいので体液のバランスに近い、スポーツドリンクを薄めたものを飲ませると効果的。
もっと効率がいいのが「経口補水液」です。私自身、胃腸炎で脱水気味になった時にお医者さんにも薬剤師さんにも勧められて、少しずつ飲むようにしました。
本来あまり美味しいものではないんですが、水分が足りていない状態だと「すごくおいしい」と感じることが多いんですって。私も体調が悪い時には美味しく、普通の時には正直「うわ、何これ!」という感じでした。
なので水分が足りていない!と思った時の応急処置用として常備しておくと、急な熱や下痢の時のも使えて安心です。ゼリータイプもありますね。
食欲がなくても食べやすい!ミネラルたっぷりの梅干し
まだ水分はお茶か水で摂らせたいというママにオススメなのが梅干しです。
お茶や水などを飲んでも、塩分をとらなければ「熱けいれん」(熱中症の症状の1つ)を起こしてしまいます。
梅干1個と麦茶0.5~1リットルをとることで大体0.1~0.2%程度の塩分を摂取することができます。
適度にブドウ糖を含み、塩分も摂ることができるので熱中症の予防にはピッタリですね。疲労回復に効果的なクエン酸も含まれるので体力が落ちてしまいがちな夏にはぜひ食べさせたいですね。
ただ「子供が梅干し苦手なんです」という声も聞こえてきそう。我が家の子供たちは梅干し大好きで丸ごとでも食べられるんですが、親子で苦手という方もいらっしゃいますよね。
酸っぱくないのは「5~8%」の塩ひかえめの梅干し。さらにはちみつ漬けは甘くて食べやすいです。種は誤飲の危険があるので取り除いて。そのままの味が苦手なら、何かに混ぜてしまうのもオススメ。
離乳食後期から調味料として梅干しをほんの少しから使うことができますが、はちみつ漬けの場合は1歳未満の赤ちゃんには与えてはいけないので注意しましょう。
- 昆布茶につぶした梅干しを混ぜる
- そうめんのつゆに混ぜる
- わかめときゅうり、ちくわをポン酢とマヨネーズ、梅干しで和える
- イワシを調味料と梅干しで煮る
などなど、工夫次第でお料理にも使えます。暑い夏にはさっぱりした酸味で食欲が上がるのでいいですね。美味しい食べ方をぜひ見つけてみてくださいね。
体を冷やす効果アリ!夏野菜・果物を食べよう
夏といえば冷えたスイカが美味しい季節。暑い日でも食べると体の中からスッキリと気持ちよくなる気がします。
他にも夏野菜や南国で取れる果物は体を冷やす効果の高いものが多いです。水分を多く含んでいるので熱中症対策にはピッタリですね。
きゅうり、レタス、トマト、ピーマン、オクラ、ナス、とうがんなど
【体を冷やす果物】
スイカ、バナナ、メロン、キウイフルーツ、パイナップル、マンゴー、パパイヤなど
こういった食材を効果的に食事に取り入れていくことで、熱くなってしまった体を冷やしていきましょう。
6.体調管理は質の良い睡眠から!安眠お助けグッズ
疲れがたまって体力が落ちてしまうと熱中症の危険もUPします。ぐっすり眠って一日の疲れをリセットするために効果的なグッズを見ていきましょう。
寝苦しさも軽減できる!「ひんやり」を感じられる寝具
こちらは積極的に取り入れていらっしゃるママも多いのではないでしょうか?シーツの代わりに敷く敷パッドや掛けた方が涼しいケットなど、汗を吸いやすくて乾きやすく、ひんやりを感じられる寝具がどんどん増えてきましたね。
パジャマも吸水性がよくサラッと乾きやすいものを選びましょう。これらの寝具を組み合わせて使うことで、かなり快適に眠ることができます。
頭の寝汗を軽減できる!頭を適度に冷やすグッズ
頭にびっしょりと寝汗をかくことがからジェルを凍らせて使う冷却枕を使うというママもいらっしゃるかも。
そこで凍らせるのではなく、敷パッドなどと同じく少しひんやりして吸水性、通気性の良い枕ならちょうど良く頭を冷やせますね。
昔から「頭寒足熱」と言いますが、これは「頭を冷やしなさい」ということではなく「足を温めなさい。頭はそんなに温めなくていい」というのが正しい解釈と聞いたことがあります。
それでも寝汗がひどいようなら、室温が高いのかも。エアコンは抵抗があるかもしれませんが27℃くらいに設定して扇風機を併用すると快適に眠れるはず。特にお昼寝の時には室温に十分注意しましょう。
熱中症を徹底予防!グッズを上手に組み合わせよう
たくさんご紹介してきましたが、いかがでしたか?私たち親世代が子供の頃よりも随分暑くなってしまった今、熱中症への対策は十分にするに越したことはありません。
「これさえあれば熱中症は予防できる」という万能なものは、残念ながらありませんので上手に組み合わせて予防していきたいですね。
暑いからと部屋にこもりっきりでは体力が落ちますしストレスも溜まってしまいますよね。しっかり対策をした上でお出かけもして、親子で楽しい夏を満喫してくださいね!