子供のどもり(吃音)は治療できるの?病院の治療法やことばの教室について

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2017/05/15

幼児期のどもり(吃音)は、治療法や薬はありませんが症状を軽くする方法はあります。これは病院などではなく家庭で出来ることです。

治療を必要とするどもりは、本人が自分はどもっていると自覚し、治したいと思っている場合です。

いくつもの原因と要因が重なっていることがあるので、色々な方面から治療する必要があります。

病院での治療、言語障害の子どもたち専門のことばの教室でどんなことがされるのかご紹介します。

幼児期の吃音は病院に行かなくても落ち着いていくと言われている

幼児期の吃音は発達性吃音とも言われ、2~3歳頃に発症することが多いです。脳や言葉の発達によるものと考えられ、成長するにつれて消えていきます。

明確な原因がわかっていないので、治療法や薬がありません。発達性吃音の場合は、病院ではなく家庭での子どもとの付き合い方が大事です。

かなり個人差がありますが、その後も、どもったりどもらなかったりを繰り返し、小学生くらいになると落ち着いているケースが多いです。

本人が自覚している場合は、治療をした方がいい!

幼児期の場合、本人が自覚していない(一次性吃音)は家族との関りが大事なので治療は必要ありません。

しかし自分は吃音だと自覚している(二次性吃音)の場合は相談が必要な場合もあります。

  • 本人が治したいと思っている。
  • 気にしているせいでうまく話が出来ない。
  • 言葉がでないせいで癇癪を起こすなどで辛そう。

これらの場合は、病院(何科を受診すればいいか迷ったらとりあえず小児科へ)や保健センターなどに相談してみましょう。

治療を目的とするのであれば、吃音を扱っている病院やことばの教室といった専門機関があるので相談してみましょう。

検査の方法

吃音症の原因は特定が難しいため、あらゆる観点から検査しないと適切な治療方法がみつかりません。なので通常は複数の検査を行います。

子どもの場合、検査方法は2つです。

直接要因の検査
吃音を発症した直接的な原因を調べます。「吃音小学生用コミュニケーション態度自己評定尺度」というものが使われます。

性格や特定のシーンにおいて、緊張していないか、その時にどういう行動、態度をとるかなどを見る検査です態度、行動パターンなどをみる検査です。

間接要因の検査
吃音を発症した間接的な原因を調べます。「TS式幼児・児童性格診断検査」というものが使われます。小学校に就学する際にも使われることがあります。

これは、子どもではなく親などの近親者がイエス・ノー形式の簡単な質問に回答し、客観的に子どもの性格を診断し、今後どのような教育が必要かをみる検査です。

顕示性、神経質、情緒不安、自制力、依存性、退行性、攻撃性、社会性、家庭適応、学校適応、体質傾向の計11項目を診断します。

病院に相談した場合の治療方法

吃音症の診療科目は特に決まっていません。吃音の知識を持つ医師や言語障害などを治療する言語聴覚士がいれば診察できるようになっています。

通常は耳鼻咽喉科で診断や治療を行っている病院が多いですが、わからなければかかりつけの病院や小児科に相談してください。

吃音は原因が1つではないので、症状や年齢によって変わりますが色んな方面から治療にあたることになります。

主に耳鼻咽喉科、神経内科、精神科、心療内科、リハビリテーション科です。診療科目によって治療法が異なります。

《耳鼻咽喉科・リハビリテーション科》

吃音症を言語障害の一つとしてスムーズに話すトレーニング(言語療法)などを行います。また吃音治療では正しい呼吸法を身につけることで改善につながります。

胸式(きょうしき)呼吸は交感神経が活発になってしまい、体が緊張状態になり言葉がスムーズにでにくくなります。

なので体をリラックスさせる腹式(ふくしき)呼吸を行います。腹式呼吸はお腹を使って深呼吸をし、横隔膜を上下させます。たくさんの空気を送り込むと血液循環が良くなります。

日頃からお腹で呼吸することを意識していれば、心身共に健康な状態で、症状の出る頻度も減らしていく事ができます。

完全に克服させることはできないという意見が多いため、有効性に関しては評価が分かれていますが、手軽にどもりを緩和できるという点では非常に役立つとされています。

《精神科・心療内科》

心理的要因で引き起こされた吃音症に対してメンタル面から治療していきます。カウンセリングや催眠療法と言って催眠術を使って潜在意識に働きかける心理療法もあります。

これは精神面でのマイナス要素を取り除くために、どもらずスムーズに話せているプラスの自分をイメージできるように暗示をかけることで症状の悪化を抑え、どもりを克服しようというのが目的です。

吃音によってうつ病などの二次障害が出ている場合には、効果的に作用すると言われています。

ただし、催眠療法のみで吃音症を完全に克服することは難しく、通常は言語療法などと併用して行います。

幼児期・学童期の吃音は心を治す!

二次性吃音の場合、心因性要因が吃音のきっかけになったり、症状をひどくしている場合がほとんどなので、治療と言ってもカウンセリングや家での親との関わり方を指導されます。

吃音はいろんな心因性要因が重なっていることが多いので、親が気づいていないところで子供がストレスや不安、悩みを抱えていることもあります。

子供としっかり向き合って話をすることで落ち着いてくることもあるでしょう。専門機関でも治療というより、吃音との関りや考え方の指導を中心に行っています。

ことばの教室について

小・中学校には、さまざまな障害や困難に合わせて支援を行ってくれる支援学級が設置されています。

その中には通級指導といって通常の学級と並行して通うものもあります。ことばの教室は言語障害のある子どもが通う支援学級のことです。

地域によって名称が違いますので、調べてみてください。さまざまな言語障害の子が通っていますが、通級指導教室の場合、基本的に一対一で指導してくれます。

1人1人の障害の状態や課題などを担任の先生を中心に親、特別支援のコーディネーター、言語聴覚士の専門家の方たちがといった人が話し合い、その子に合わせた指導法を考えます。

また学校だけではなく、将来の支援も出来るように支援の計画をたてて医療、福祉、就職などの機関に引き継がれます。

吃音について正しく理解し上手に付き合う指導

吃音が治らないことを想定したカリキュラムも組まれています。吃音でも楽しく話せる、自分の伝えたいことが伝わるなどの経験をたくさんさせる指導が行われます。

  • 吃音の友達と出会う
  • 気持ちを話し合ったりする(グループ指導)
  • 発達・認知面の力を育てる
  • コミュニケーションの力を育てる
  • 言語症状・話し方改善
  • 吃音の症状をうまくコントロールする
  • 自分に自信を付ける、自己肯定感を高める
  • 周囲への啓発など

言語症状への指導

さまざまなアプローチをして話す指導を行います。

自由な雰囲気で緊張せずに話すことを経験させる指導
自分の言いたいことを楽に話せた、分かってもらえたという満足感をたくさん味あわせるようにします。

吃音症状が出ないように気を付けるのではなく、症状を伴いながらも楽しく受容的な雰囲気の中で、楽に話をする経験を積むこと、話し方に注意を向けるのではなく、話す内容に注意を向け、話したいことを話すという経験をさせます。

家庭でも日常生活の中での様々な出来事やその時の思いなど、子どもが何でも話せるような状況を作ることも大切ですね。

楽にどもる指導
これはわざと楽にどもることで、苦しい吃音症状が現れるのを防止するというものです。

基本的には苦しい話し方(難発)を楽な話し方(連発、伸発)に変えるものです。

吃音に楽な話し方と苦しい話し方があることを理解させた後、単語をわざと楽に吃る練習をします。

そして実際に、難発や強い予期不安が生じた時に利用できるようにするというものです。

スムーズに話せたという自信を体験させる指導
子どもによっては、スムーズに話せたという経験をもたせることで、自信につながり話す意欲がわいたり、症状にもよい変化をもたらしたりすることがあります。

  • 国語教材などを一緒に読む。
  • リズムを付けて読む。
  • 速度を変えて読む。
  • 変わった読み方をする(お経読み、ロボット読み等)
  • ゆっくり話す(おばあさんに話しかけるように等)

こうした話し方そのものに対する指導は、治癒を目的としているわけではなく児童生徒が話す自信を得たり、少しでも話しやすい話し方を得たりすることが狙いです。

苦手な言葉や場面に対する緊張を取り除く
苦手意識から、不安や恐怖を抱いている場合、過去の失敗経験からもたらされていることが多いです。

その場面を設定し、繰り返し練習する、緊張の低い場面から高い場面へと段階的に練習するなど自信を得る指導をします。

コミュニケーションに関する指導
コミュニケーションはうまく話せるから成立するものではなく、相互の関係や意欲、気持ちが大切であることを理解させるようにします。

どもらないように話すのではなく、どもってもより伝わる工夫、生きたおもしろい表現の工夫をすることなどの指導をおこないます。

具体的な実践として、演劇、詩の朗読、様々な声や話し方による会話・音読、実況アナウンス等の取組みをします。

周囲への啓発
吃音は周囲の態度・反応によっても左右されます。周囲がよい聞き手であると、症状にも、話す意欲等本人の気持ちの面でもよい影響が表れます。

家族や通常の学級の担任等、子どもの周囲に対して、吃音に対する正しい情報を提供していきます。

どもると周囲が嫌な顔をする、悲しそうな顔をする、叱るといったことは悪影響なので、よい聞き手になってもらうよう周りにも話をしておくことが重要です。

また、家庭で吃音の話がオープンにできるような雰囲気を作ってもらえるようにします。

保護者の我が子は吃音だということで様々な不安、心配に寄り添い、必要な情報を提供する、吃音者のグループなどを紹介するなども支援も行います。

ことばの教室へはどうやって入るの?

未就学か就学しているかで違います。

来年度、小学校入学でことばの教室を考えている場合
お住いの地域で行われる就学相談に行きましょう。教育委員会と話し合うことができます。通っている幼稚園・保育園・市役所などで問い合わせてみてください。
小学校に通っていてことばの教室を考えている場合
担任の先生に相談しましょう。そこから教育相談や特別支援のコーディネーターを紹介してもらうことができます。その後はことばの教室の指導員の方たちと面談をして、通った方がいいのか検討されます。

なぜ治療が必要なのか?子どもの将来を考える

吃音は改善しないまま思春期に入ると治すのが難しくなります。

本人が気にしていないのであれば問題ないですが、ほとんどの場合気にしているので吃音だからと諦めたり、話せなくなったりどんどん悪い方向へ行ってしまいます。

そうなるとますます吃音も悪化し、その後の就職活動(面接など)や会社での電話対応などに支障をきたしてしまうことがあります。

大人になってからの改善は、ツボ治療・発声トレーニング・吃音トレーニングのDVDや書籍などがあるので試してみる事ができますが、確実に治癒するかはわかりません。

どうしようと悩んでいるのであれば、子どもの将来を考え、小学生を目安に一度相談しにいってみるとママも安心できますよ。

私の長男(4歳)も吃音ですが、今のところ自覚していないようで、どもりながらめちゃくちゃ喋ります。

酷くなったり落ち着いたりを繰り返していますが、その波に関係なく話を最後まで聞いてちゃんと返事をするというのを心がけています。

この先どうなるのかわかりませんが、あと2年を目安に今は家で出来る事を家族でして見守っていこうと思います!

悩んでるママは心配で苦しいと思いますが、お子さんと会話を楽しんでゆったりたくさん話をしましょう!

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