赤ちゃんの熱の正しい測り方とおすすめ体温計!熱の場合に知っておきたい対処法
赤ちゃんの体調を家庭でチェックするための、簡単かつとても重要な方法が、熱を測ることです。
赤ちゃんの体温の変化は、本人が感じている暑さ・寒さを教えてくれるだけでなく、ウィルスや細菌の感染などの病気のサインでもあります。
体温はこまめに測りたいところですが、まだ体が小さく、手足を動かす赤ちゃんの熱は測りにくいですよね。
そこで、主な体温計のタイプから、熱の測り方や熱があった時の対処法、また赤ちゃんの体調管理におすすめの体温計についても紹介します。
この記事の目次
20秒ほどで測れるタイプが主流!主な体温計のタイプ
体温計は、大きく分けて、10分ほどの時間をかけて実際の体温を測る「実測式」と、数十秒~1分程度の短時間で体温を予測する「予測式」、また人の体から放射されている赤外線を読み取り体温を測る「赤外線式」の3つのタイプに分けられます。
また、わきの間に挟むタイプと、耳やおでこにあてて測るタイプがあります。わきの間に挟んで体温を測るタイプは、実測式と予測式です。また、おでこにかざして熱を測る体温計は、赤外線式です。
ネットショップや薬局でも、たくさんの種類の体温計が売られていて、どれがいいのか迷いますよね。1歳までの赤ちゃんが使いやすい形と、その特徴を紹介します。
赤ちゃんは新生児から大人と同じ体温計を使える
産まれたばかりの赤ちゃんの体温を測る時、専用の体温計を使ったほうがいいの?と思うママもいると思います。
赤ちゃんは産まれてすぐから、大人と同じ体温計を使用できます。産院でも、ママと赤ちゃんは同じ体温計を使います。
赤ちゃんのために専用の体温計を用意しなくても問題ありません。赤ちゃんが家に来てからも、すでに体温計を持っている方は、家族と同じものを使えば大丈夫です。
【水銀体温計】時間がかかるけど正確
昔ながらの水銀を使った体温計は、精度が高いのが特徴です。水銀に熱を加えると体積が増えるという性質を利用して、体温を測ります。
電池を使う電子体温計と異なり半永久的に使用でき、ガラスなので消毒が簡単にできるというメリットもあります。
また、ガラス製のため割れる危険性があり、気化すると有害な水銀が漏れる危険性もあります。清潔な体温計で正確な体温をしっかり測りたいという方は、1本持っておいてもいいでしょう。
【わき計測電子体温計】予測式も正確に測れる
わきの間で挟んで体温を測る電子体温計は、家庭でも多く使われている、もっとも一般的なタイプです。
15秒~20秒程度で予測して体温を測ることができます。さらに正確な体温を測りたいときは、10分ほど挟んでおけば、実測で検温することができます。
【耳式電子体温計】早いのが魅力!でも正しく測るにはコツが必要
耳式体温計は、鼓膜の温度を計測することで体温を測ります。数秒で計測できるので、じっとしていることが難しい赤ちゃんの体温を、すぐに測ることができます。
ただ、体温計を鼓膜にまっすぐに向けないと、耳の皮膚の温度が計測されてしまうため、使い慣れるまでは計測値の誤差が大きいです。
【赤外線体温計】おでこで早く測れて便利!ミルクや湯温も計測できる
赤ちゃんのおでこにかざして熱を測ることができるのが、赤外線式体温計です。数秒で測ることができますが、電子体温計と比べて誤差が生じやすいです。
赤外線式体温計は、赤ちゃんや大人の体温だけでなく、ほ乳瓶の中のミルクの温度や沐浴の湯温を測ることもできます。
価格は、わきに挟むタイプの電子体温計に比べて高めで、3,000円~10,000円前後するものが多いですが、体温の検温以外にも、赤ちゃんのお世話に活躍してくれるのが大きな魅力です。
正確にスムーズに測ろう!赤ちゃんの熱の測り方
それでは、実際に赤ちゃんの熱を測る時の方法や、正確にスムーズに検温するためのポイントを紹介します。
熱を測るタイミングは朝や寝る前などがおすすめ
赤ちゃんの熱は、1日の中でも大きく変化します。そのため、赤ちゃんの平熱を把握するための検温は、一定のタイミングで行いましょう。
時間帯は、朝起きたときや夜寝る前、昼食前、夕方などがおすすめです。
授乳や食事のあとや遊んだ直後、またお風呂上がりや周りの気温が急に上がったときは体温が上がりやすので、おとなしくしている時のほうが、平熱を測りやすいです。
また、赤ちゃんは泣いた後も体温が上がりますので、機嫌の良いときや、泣いた後に寝て、落ち着いた頃に測りましょう。
【わき計測体温計】しっかりわきを閉じて押さえる
体内の温度が反映されやすく、また体に負担をかけずに簡単に検温ができる部位がわきです。体温は口の中などでも測ることができますが、赤ちゃんの検温は、安全で測りやすいわきがおすすめです。
わきでの正しい検温方法は次のとおりです。
- わきに汗をかいているときは拭く。
- わきを開き、くぼみの中央に体温計の先をあてる。
- 体温計が、上半身に対して30度くらいの角度になるようにあてる。
- 体温計を少し押し上げるようにして、わきをしっかり閉じる。
- そのまま動かさないように固定しておく。
- 予測式体温計なら電子音が鳴るまで、水銀体温計や実測式体温計は、10分ほど経ったらわきから取り出す。
検温をする前には、わきの汗を拭きましょう。汗をかくと、熱の伝導率が変わり正しく検温できないことがあります。また、洋服などをはさまないように気をつけましょう。
また、体温計を首の後ろのシワの中に入れて測る方法だと計測結果が不正確になりますので、わきの間に挟んで計測しましょう。
【耳式体温計】できるだけ深く差し込む
耳で測る体温計を使用するときは、耳の穴をできるだけ開き、耳にできるだけ深く体温計を差し込むのがポイントです。
- 耳垢を取り除く。
- 耳の上部分を軽く後ろに引っ張り、耳の穴をまっすぐに開く。
- 体温計の計測部分を、耳の穴に沿って、鼓膜に向けてまっすぐに入れる。
- 計測ボタンを押す。
耳の中が汚れていると正確な計測ができないので、耳垢をきれいに取り除いてから測りましょう。計測部分で耳をぴったりふさぐように、奥に向けて入れるのがポイントです。
人気のある定番アイテムはこれ!おすすめ体温計3つ
では、実際に体温計を用意して、赤ちゃんの体調管理のための準備をしましょう。赤ちゃんの熱を測りやすく、ママに人気のおすすめの体温計を紹介します。
【電子体温計】テルモ電子体温計C231
20秒で予測検温ができる人気の電子体温計です。2,000円前後で販売されているので、値段も手頃。赤ちゃんから大人まで使えるので、家庭にひとつ用意しておきたいアイテムです。
約10分で実測検温もできますが、予測検温でも誤差が少なく、アマゾンなどのユーザーレビューの評価も高いです。
また、ケースや体温計本体を水で洗えるので衛生的です。病院や保育園でも多く置かれているので、安心して使える体温計です。
【耳式電子体温計】オムロン 耳式体温計 MC-510 けんおんくんミミ
耳の中の鼓膜の温度を計測する体温計。最短1秒で測れる、計測の早さが最大の魅力です。
耳の中に、鼓膜に対してまっすぐの方向に計測部分を挿入して計測します。計測部分の方向がずれることで誤差が生じるのを防ぐため、「ぴったりセンシング機能」という、耳の中のもっとも高い温度を記録する機能がついています。
正しく挿入しないと耳の壁の温度を測ってしまうため、計測結果の誤差が多く、慣れるまでは使いづらいという口コミもあります。
【赤外線温度計測器】Aimshine 赤外線放射温度計 非接触レーザー温度計
温度を測りたいものに触れずに計測ができる赤外線温度計測器です。体温を測る体温計モードと、気温や食品の温度を測る温度計モードのふたつの機能が付いています。
赤ちゃんの体温を測るときは、おでこから3〜5cmの距離で体温計を垂直に向けて、計測ボタンを押すだけ。耳でも、5cmほどの距離に耳たぶを近づけて体温を測ることもできます。
ほ乳瓶に入ったミルクの温度や沐浴時の水温、また室温を測ることもできます。赤ちゃんとの生活で役立つ機能が多いのが嬉しいアイテムです。
赤ちゃんの平熱は高め! 普段からこまめに測って体調をチェックしよう
1歳までの赤ちゃんはとくに、大人と比べて体温が高めです。抱っこするといつも熱いように感じてしまい、平熱なのか、熱があるのか迷ってしまいますよね。
そこで、赤ちゃんの体温のこと、そして発熱の仕組みについても知っておきましょう。
1歳までは36.5~37.5度が平熱
産まれて1ヶ月以内の新生児の赤ちゃんは、37度前後が平熱であることが多いです。また、1歳までの赤ちゃんの平熱は、一般的に36.5~37.5度といわれています。
1歳までの赤ちゃんは、体温が37度後半~38度を超えたら熱があると判断するケースが多いです。
保育園のルールでも、37.5度を超えると登園を控えることが定められているので、37.5度を超えると体調面で何かの問題があると見なされると言えるでしょう。
体温が低すぎる時も注意が必要
赤ちゃんの熱を測ると、体温計の表示が36度を下回る場合もあります。ただ、赤ちゃんは脇が小さくて体温計をしっかりと挟めておらず、正しく測れていない可能性もありますので、まずはしっかり測り直してみましょう。
夜間や明け方、汗をかいたあとなどに体温が下がることもありますが、数回測っても体温が低く、顔色がすぐれなかったり、ふだんと様子が違うことがあれば、体を温めて病院を受診しましょう。
平熱は個人差あり!子供の平熱を知っておこう
赤ちゃんの平熱は個人差があります。そのため、産まれてすぐから、赤ちゃんの平熱がどれくらいなのかチェックしておく必要があります。
赤ちゃんの熱は1日の間でも大きく変わるため、朝起きたときや就寝前など、毎日決まった時間に熱を測り、子供の平熱を知っておきましょう。
また、抱っこして「熱い」と感じても、赤ちゃんにとっては平熱ということもあります。「熱があるのかな?」と思ったらすぐに体温を測り、抱っこで感じる熱さで、だいたいの体温がわかるようになっておくと良いですね。
なぜ熱が出るの?生後6ヶ月以降は発熱しやすくなる
産まれて数ヶ月の赤ちゃんや幼児期は、熱が出ることが多いです。なぜ、乳幼児はよく発熱するのでしょうか?
主な原因は、ウィルスや細菌などによる感染症です。体が病原体と戦っている時に、熱が上がります。また、病気と戦うことで、子供は免疫力を上げていきます。
熱が出たあと、病原体に体が勝って病気が治ると、体の中に免疫が作られます。そのため、次に同じ病原体が入ってきても、発症しないか軽症で収まるようになります。
ただ、産まれてすぐの赤ちゃんは、ママの胎盤を通して授けられた免疫のため、発熱することが多くありません。赤ちゃんは、抗体がなくなる生後5~6ヶ月頃から、さまざまなウィルスに感染して発熱するようになります。
ただ、生後5~6ヶ月までの赤ちゃんが熱を出した時には、特に注意が必要です。敗血症や尿路感染症などの重篤な病気にかかっている可能性もあり、ウィルス感染の場合でも、症状が重症化していることがあります。
検温したら熱が高い…そんな時に知っておきたい対処法と考えられる病気は
赤ちゃんの発熱の原因はさまざまです。身体の暖めすぎによる熱や一時的な発熱であったり、風邪や中耳炎、また他の重い病気の可能性もあります。
一般的に、1歳までの赤ちゃんの平熱は36.5~37.5度といわれていて、これを越えると発熱したとみなすことが多いです。
発熱をしたときは、落ち着いて赤ちゃんの様子をしっかり見て、病院へ行くべきかしばらく自宅で安静にするべきか、判断しましょう。
服の着せすぎ、暖めすぎで体温が上がることも
赤ちゃんは、大人よりも熱が高く、体温調節機能が未発達で体温の変動が大きいため、熱があってもしばらくすると下がったり、病院に行く必要がないケースもあります。
赤ちゃんは、眠いときにも体温が上がることもあります。また、服の着せ過ぎや部屋の暖めすぎによって身体が熱くなっているということも考えられます。
熱が出た時に考えられる病気は?
赤ちゃんが発熱したとき、どんな病気にかかっている可能性があるのでしょうか? 1歳までにかかりやすい病気の一部と、その症状を見ていきましょう。
- 中耳炎
- 症状:急に高い熱が出て頭を振ったりする、耳を触ると嫌がる・激しく泣く、耳だれが出る
- 風邪、気管支炎
- 症状:せき、くしゃみ、鼻水
- 風疹
- 症状:リンパ腺が腫れる、発熱と同時に顔、胸、おなかに発疹が出て、そのあと手足に発疹が出る
- 突発性発疹
- 症状:高熱があってもいつもと変わらず元気だが、2〜3日高熱が続き、急に熱が下がった後に発疹が出る
- 急性扁桃炎
- 症状:扁桃腺が炎症する、のどが痛む、リンパ節が腫れる
- インフルエンザ
- 症状:せき、くしゃみ、鼻水、のどが赤く炎症
- はしか
- 症状:風邪の状態から、口の中に白い斑点ができ、高熱が出て顔と全身に発疹
なお、発熱の原因は上記だけではありません。赤ちゃんの様子がいつもと違う時は、自分で判断せずに、必ず医師の診察を受けてください。
発熱時は赤ちゃんを保温し、熱が上がりきったら薄着に
赤ちゃんが発熱した時は、大人と同じように寒気を感じています。赤ちゃんの手足を触って冷たいようなら、靴下を履かせたり、1枚多く服を着せてあげたりして保温してあげましょう。
熱がさらに上がり、赤い顔をして暑がっているようなら、衣服は薄着にしてあげてください。熱が発散されるように、布団も薄手のものにしてあげると良いです。
赤ちゃんが汗をかき始めたら、体を拭いて着替えさせてあげましょう。汗を吸ったシーツも、取り替えたり、シーツの上にバスタオルを敷くなどして、赤ちゃんが少しでも気持ちよく休めるようにしてあげることがポイントです。
発熱時は水分が失われやすい!こまめな水分補給をしよう
赤ちゃんはもともと体の水分量が多く、また、おしっこをうまく濃縮することができないため、出て行く水分量が多いです。
さらに、発熱時は、皮膚や吐く息からもふだん以上に多くの水分が失われます。そのため、赤ちゃんが発熱した際には、こまめな水分補給が必要です。
自分から「喉が渇いた」と言えない赤ちゃんには、ママが気付いたときにこまめに水分を与えてあげることが必要です。
乳児用イオン飲料には電解質がバランス良く含まれていて、赤ちゃんの体液と同じ浸透圧のため体に吸収されやすいので、おすすめです。
ただ、乳児用イオン飲料は必ず飲ませなければいけないものではないので、赤ちゃんが飲みやすいもので水分を補給しましょう。母乳しか飲めない場合は、いつもよりも授乳の回数を増やすと安心です。
こんな症状なら時間外でもすぐ病院へ!
発熱してもしばらく自宅で安静にしたり、様子を見て翌日病院にかかれば良いこともありますが、すぐに病院へ行ったほうがいいケースもあります。
次のようは症状が表れている場合は、夜間や休日でも、すぐに病院にかかってください。
- ぐったりとしている、意識がない
- 痙攣が5分以上続いている
- 呼吸が苦しそうな時
- 下痢や嘔吐を繰り返している
- 顔色が悪く青白い
- 反応がいつもと違い、様子がおかしい
赤ちゃんの様子をしっかりチェック!病院へ受診する目安
熱があってもふだんと変わらず元気ならしばらく様子を見ても問題ありませんが、せきや鼻水がひどい場合、嘔吐や下痢、発疹がある場合や、眠っていばかりいるなど、熱以外の症状があれば病院を受診しましょう。
赤ちゃんが発熱している時は、他の症状が現れているかどうかをしっかり見てあげることがポイントです。
また、生後3ヶ月頃までは特に、熱が出なくても重篤な病気にかかることがあります。
こちらの記事に熱が出た際の受診目安について詳しく書かれていますので、参考にしてみてくださいね。
▼子供が熱が出た時の受診の目安はコチラも参考にしてみて!
体温を正しく測って赤ちゃんの体調を知ろう!
赤ちゃんの体温は、健康状態を知ることができるバロメーターです。だからこそ、正確にこまめに体温を測ってあげたいですよね。
赤ちゃんの性格や家族のライフスタイルに合った使いやすい体温計を選んで、正しい方法で計測しましょう。
体温をしっかりチェックすることで、赤ちゃんが体調を崩した時や病気になった時に、冷静に判断してケアしてあげましょう。