約束を守れない子供に責任感を教える方法と正しい約束の決め方

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2017/06/14

親子で約束について決めている様子

お出かけの時間に間に合わない、おもちゃを片付けるという約束を守れない、ゲームの制限時間を守れない…。

このように、約束を守れない子供とはどう接したらよいか悩む事も多いはず。

子供には「約束を守れる人」=責任感のある人に育ってほしいですよね。

ただ、子供にとって約束を果たすのは簡単な事ではありません。親のフォローが必要です。

では、親は子供にどうやって約束の大切さ、責任を果たす重要性を教えればいいでしょうか。親のサポート方法や親子で約束のルールを決める方法などについて紹介します。

まずは親が約束の目的を整理することから始める

約束を守る子供にするには「約束を守ることの重要性」を分かりやすく教えることが大切です。なぜ約束を守ることが必要なのでしょうか。まずそこから紐解き、子供に分かりやすく伝える術を考えてみましょう。

子供の将来を見据えて約束の大切さを教える

約束を守らなければならない理由は大きく3点挙げる事ができます。

  • 自分の命の危険性がある
  • 周囲の人に迷惑をかけると信頼してもらえなくなる
  • 自分にとって不利益なことになる

子供へ伝えるために具体的に考えてみましょう。

  • 約束の帰宅時間に帰ってこないと事件に巻き込まれる可能性が高くなる
  • 友達と約束した時間に間に合わないと関係性が悪くなる
  • 宿題や勉強をやらないと将来できる事の選択肢が少なくなる
  • おもちゃを片付けないと踏んで怪我をする、居心地が悪く不健康になる
  • お菓子ばかり食べていると病気になる可能性が高まる

約束を守らなければ、将来どんなリスクが存在するのか分かりやすく説明する事が必要です。

約束する目的を親都合にしない

約束の意味や目的を親や他人の都合にするのはよくありません。

  • 約束を破る子・嘘つきは嫌いだから
  • 親には親の都合がある
  • 他人に迷惑が掛かるとママが恥ずかしいから

このように親の都合で約束をすると、親の目ばかりを気にして本来の約束の目的が果たせません。

「約束を守ると親の都合がいい、守らないと自分の不利益になる」という構図では、自主的に約束を守る意欲に繋がりません。

約束を守らせる=責任感と自主性を育てること

約束を守れるようにするには、子供が自主的に責任を果たそうとする意欲を引き出す事が重要です。

約束を守る「責任感」の概念を教えるのは難しい事です。大人でも責任の意味が分からずにビジネス現場で責任感のない人は大勢います。

だからと言って責任感を学ぶ機会がないと、信用をなくしたり不利益なことが多くなり、子供のためにも良くありません。

では、どのように「責任」を伝えていくのが良いのかその内容をご紹介します

責任感を育てれば約束が守れる!責任の意味を伝えよう

責任とは何でしょうか?

【責任】「①自分が引き受けて行わなければならない任務。②自分が関わった事柄や行為から生じた結果に対して負う義務や償い」と定義されています。

責任とは「事柄に対して成し遂げなければならないという決意」があり「自分の起こしたことに対して自分で後始末ができること」です。

そして、重要な視点は責任を果たすために『手法』が問われていないという点です。手法はどうであれ「望む結果」に到達しているかどうかがポイントになります。

分かりやすく大人のビジネスシーンで例えてみましょう。

(A)1人でやっていたら締切時間に間に合いそうにない→しかし自分の責任なので1人でやった→時間に間に合わず相手に迷惑をかけてしまった。

(B)1人でやったら締切時間に間に合いそうになかったので、他人に協力を依頼した→手伝ってもらい時間に間に合った→責任を果たせた

(A)と(B)、どちらが正しいかというと(B)です。任務を実行できた(B)が責任ある行動をしています。

(A)は一見、自分でやり切ろうと努力していますが、責任を果たすという観点から見れば、やり方が間違っています。

つまり、自分1人でやるか他人に協力してもらうかといった手法が重要なのではなく、責任感がある人は「結果」を重要視しています。

「責任感のある人は任務を達成するために事前に管理し適切な方法を考え、望む結果を出せる。結果が伴わない時は自分で後始末ができる」

自主性が芽生える!子供自身で約束を管理する4つのこと

子供に責任ある行動をしてもらうためには、子供自ら管理すべき事柄があります。

  • 約束を忘れないように管理する
  • 自分で時間管理をする
  • 約束を守るための手段を考える
  • 約束が守れなかった時のリスクを知る

責任を果たすにはスケジュール管理とマネジメント能力が必要です。大人でも同じ事が言えますね。

1.約束を忘れないように管理する
子供が約束を守れないのは「約束をうっかり忘れてしまう」ことが大きな一因です。約束を忘れないためにどうしたらいいか親子で考え実行する事が大切です。

大人ならスケジュール帳に書き込む、目につく場所にメモを貼っておくなどの方法を取り入れています。子供も同じ方法が好ましいと思います。

  • 約束した事を書いて部屋に貼っておく
  • 約束ノートを作成する(スケジュール帳の役割として)
  • 1日のスケジュールを予め決めておく
2.自分で時間管理をする
「○時までに宿題を終らせる」「○時までに寝る」とタイムリミットがある約束は、時間管理が必要です。

約束の時間がくる5分前に開始しても約束を守れる可能性が低いのは子供でも分かります。時間管理ができるようになるには前倒しで行動できばければなりません。

そのためには時間管理がしやすい環境作りが重要で、親のフォローが必要な場面です。

  • アラーム設定をする
  • 親に事前に声掛けをしてもらう
  • 5分前行動を覚える
  • 時間になったら部屋の電気やスイッチを切ってもらう
3.約束を守るための手段を考える
先ほども述べたように約束を守るのは、その方法やプロセスが大事なのではなく「結果」が問われます。

約束を守るために1人でできない場面があれば、どういった手段があるのかアドバイスしてあげる事も必要です。

  • 時間に間に合いそうにない場合は他人に手伝ってもらう
  • 事前に準備をしておくなど適切な方法を教えてもらう

例えば「お出かけの時間までにおもちゃを片付ける」といった取り決めがあり、現在の状況では時間内に約束を果たせそうにもないとします。

子供は疲れていて片付ける気にならないし、散らかりすぎてどこから片付けたらいいかわかりません。1人でやっていたら絶対間に合わなくなるのも目に見えています。

こういった時に子供が責任を果たすには、約束を守るにはどうしたらいいか主体的に考えさせることです。

子供が何も考えずにダラダラと1人で片づけをして結局お出かけの時間に間に合わなくなると、せっかくのルールも意味がありません。片付けできない・時間にも間に合わないと二重苦だけが残ります。

また、お出かけの時間に合わせるため片付けをせずに出かけたら責任感が育ちません。

理想の行動としては「他人に手伝ってもらう」という解決策を子供自ら提示してもらう事です。

「僕一人じゃ時間に間に合わないから手伝ってほしい」と言われたら手伝ってあげます。責任を果たすにはどうしたらよいかを考えた結果なので正しい判断です。

親は協力を依頼されたら「じゃママは何を片付ければいい?」と指示を仰ぎます。子供から「ママは本を片付けて、僕は絵具を片付けるから」と子供が自分で考えてくれるように促します。

お出かけの時間までに片付けが終了すれば約束を果たせたということになります。手法はどうであれ、責任ある行動を起こせたという事は評価すべきです。

さらにアドバイスするのであれば、もっと早い時間に片付けを始めたらいい事や、沢山おもちゃを出し過ぎない事などを教えると今後もっと良い結果を出せます。

4.約束が守れなかった時のリスクを知る

約束を守れない=責任を果たせない時には、それなりのリスクがある事を理解させます。

大人の世界では、仕事ができないと給料が減る、失敗があれば責任を取るために辞職する事もあります。責任のない行動ばかりしているとリスクが降りかかってくるのは原理原則です。

子供にとっても、リスクがなければ自主性や責任感を学ぶ事はできません。

例えば、お小遣いがなくなれば何も買えないのが常識ですが、お小遣いがなくなる→親に追加でお金がもらえるでは、「誰かが責任と取ってくれる、面倒を見てくれる、自分は困らない」と考え、約束を守る自主性が薄れていくでしょう。

責任感を育てるには子供に主導権を渡す必要がある

自主性と責任感を育てるには、子供に主導権を渡さなければなりません。”やらされている感”があると、いつになっても責任感は芽生えないからです。

「親に言われたから片付ける」「できないのが分かっているけどやっている」と自主性が育たずに、親がいない時は約束を守れない子供になる可能性もあります。

子供自らが行動を起こすには、親の監視下から抜け出さなければなりません。

  • 親は必要以上に口出ししない
  • 親が先回りして指導しない
  • 子供が納得した約束事である
責任を果たすためには自らが自分に命令を下す司令塔になって、望む結果に対する意欲を管理する必要があります。

子供に主導権を渡す方法には3つのポイントがあります。

  • 子供と一緒に約束のルールを決める
  • 責任を果たすための手段は子供が考える
  • 約束を破った時のリスクは子供と一緒に取り決める

それでは上記のポイントについてさらに掘り下げてみましょう。

約束のルールは子供と決めて!子供と一緒に考える約束の決め方

子供と約束を決める時は、厳しすぎないルールを子供と一緒に考える事が大切です。

約束を守った時の達成感や、守る事で良い結果が待っている事を知ってもらうためには、子供が意欲的に取り組める約束にする必要があります。

例①おもちゃを片付けるという約束の決め方

親の提案「遊び終わったらすぐにおもちゃを片付けてほしい」
子供の提案「寝る前におもちゃを片付けたい」

子供と意見が合わない時は、親なりの理由を伝えましょう。

「ママが小さい時は、遊び終わってすぐに片付けてたよ。寝る前は眠くてやる気がなくなるから」

それでも、子供が納得しない場合はお互いの妥協点を探って決着させます。

「片付けるのはすぐじゃなくてもいいけど、夕飯前までに片付ける」などと双方の意見を取り入れてみましょう。

「夕飯前にやっておけば、その後ご飯食べたりお風呂入ったりとゆっくりできるし、部屋が片付いていれば心地良く夜を過ごせるから」と理由も説明します。

例②ゲームやスマホの使用時間を制限する時の約束の決め方

親の提案「ゲームのやり過ぎで、寝る時間が遅くなったら困る。ゲームは1日1時間にしよう」
子供の提案「寝る時間は変えないから、1日2時間くらいでゲームをクリアするまでがいい」

この場合はなぜ2時間なのか理由を聞いてみましょう。限りある1日の時間帯で2時間ゲームをすると、勉強時間や家族の時間が削られることを意識させます。

妥協点は「ゲームは1日1時間だけど、開始から50分後にセーブポイントがもうすぐだった場合は1時間15分に延長してもOK」とするなど、条件を追加させるのもいいと思います。

ゲームはセーブ(ゲームのクリア条件を保存できる)ポイントがあります。そのポイントまで到達しないと、1時間やったゲームがすべてパーです。最後のボスと戦っているのに今すぐやめろというのもなかなか難しいですよね。

子供の立場にたって考えれば、約束の時間を拒否してくる気持ちもわかります。

時間軸ではなく回数や節目で設定する方が分かりやすい時も
「ゲームは○時間だけ」「お風呂は○時までに入る」などタイムリミットを設けて約束を設定すると難易度が高くなります。

その理由は、物事にはタイミングや節目があるからです。

ママにも経験があると思いますが、「お出かけする時間になったけど食器を洗ってから出掛けたいから少し待ってもらう」などその時の状況によって、決まった時間を前後させてでもタイミングが重要な場面はありませんか?

子供も同じで時間制限があっても、いきなり中断したり次の行動へ移行するには切れ目が悪い時があります。

この絵が完成したら…最後のボスを倒してから…テレビがCMになったら…など大人も少し考えれば理解してあげられる事を、無理にきっちり時間制限を設けて辞めさせる必要があるかどうかを考えてみましょう。

時間で制限するよりも、回数や物事の節目で制限を設定したほうが約束が守りやすい時もあります。

約束を守るために!親のフォロー体制や位置づけを決めよう

約束を守るために親がフォローしてあげる事も必要ですが、親に甘えられてばかりいては、元の子もありません。

親は助けてくれるものではなく「手段」として位置づけてもらうのが良いでしょう。

  • 管理するのは自分であり、親ではない。親は管理しない事を伝える
  • 週に1度は約束が守れているか一緒に振り返る時間を設ける
  • 約束を守れなかった時は改善点を親と一緒に考える
  • 手段に困ったら親が手伝える時は手伝う。その場合の主導権は子供にある

また、約束した事を手伝う時は基準を設けないと「自分でやらなくてもいい」と思ってしまいます。

「ママに時間がある時は手伝えるけど、時間がない時は手伝えない」
「自分でできる状況の時には、手伝うことはできない」
「誰も手伝ってくれなかった場合には、それ相当のリスクが待っている」

このような条件は、大人の世界でも常識です。誰も助けてくれない状況であれば、自分で解決するしかありません。

そして依頼した時に快く引き受けてくれるのは前提に信頼関係がなければなりません。信頼関係は、自分も努力していなければ築けないものです。

「約束を守ろうと頑張っているなら手伝ってあげるよ」と説明したり、「次は1人でできるようにするにはどうしたらいいかな」とステップアップに繋がる提案をしてあげるのも重要です。

約束を守れなかった時のリスクを考えよう

約束を守る力を強めていくには、自分でやったことの結果が明らかに自分に返ってくる仕組みが必要です。

ルールを守れないなら、それ相当のリスクがあることを教えなければなりません。

リスクの設定はルールを決める時に子供と一緒に考えましょう。親が勝手に後から決めたり、ルールを変更するのは避けます。

「寝るまでにおもちゃを片付けられなかったら、今後おもちゃは買わないようにしよう」
「ゲームの時間を守れなかった時は、次の日から3日間ゲームせずに家で勉強するといるルールにしましょう」

子供が納得すれば、約束を守らなかった時に必ず決行します。

リスクを与えそびれると約束を守る意欲を阻害します。ルールを破ったにも拘わらずリスクがないと「約束は守らなくても大丈夫だ」という事を学んでいくからです。

約束の大切さを伝えて責任ある子供に!

「子供が可哀想になって許してしまった…」「次はきちんとやると約束したので許した」という親の気持ちも分かりますが、リスクを決行する事もひとつの約束です。

ここで親が約束を破っては子供を正しく教育する事ができません。

約束の大切さを教えるには、親の忍耐と覚悟が重要です。ちょっと厳しいかもしれませんが、辛くでも冷静に対応する事が望ましいでしょう。

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