意地悪な子供の心理や特徴は?親は関係ある?する子された子への対処法

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2018/09/10

なぜ意地悪な子はいるのでしょうか。自分の子の周りにそんな子がいるとトラブルになったりして困りますよね。

意地悪な子は、何らかの問題を抱えている場合があります。負けず嫌いや気性が激しいなど、その子の気質にもよります。

育ってきた環境も影響しています。環境によって問題を抱えてしまったり、環境がもともとの気質とうまく調和できなかったなど考えられます。

自分の中にある問題を、他人への意地悪という形で表現してしまうのです。意地悪しないように言っても、根本的な問題の解決にはなりません。

行動の裏にはそうさせる心理があります。その子の心理がわかれば、対処法も見えてきます。「意地悪」への理解を深めて、子どものためにできることを考えてみましょう。

意地悪の特徴、理由によって意地悪する意味も違ってくる

気質や環境によるものなど様々な理由が考えられます。いずれにせよ意地悪をする子自身の問題による場合が多いです。

もともとの気質によるもの

親や先生など周りの人も、うまく対応できないことが多くあります。その子が自分を知りコントロールできるよう対応策を考えていく必要があります。

負けず嫌いで、自分の大事なことや自信のあることにこだわり張り合う
競争心や向上心が強く、常に自分をアピールしたがります。本当の想いを人に見せたがらず、自分の間違いを認めることができません。
これだけは譲れないということに関してプライドを守ろうとします。自分をおびやかす相手をけなしたり、つらい立場へ追いやったりします。
気性が激しいため気分が変わりやすく、感情をコントロールできない
些細なことで怒り、常に正しいと思っている自分を中心に物事を進めようとします。周りや後先のことを考えられなかったり、かまってほしいことをアピールしたりします。
自分の思い通りにいかないと相手や周りを攻撃します。思いこみで反感を持ち、思い通りにするために人の欠点を指摘し、自分より下に見ようとします。

元の動機が好意によるもの

「好きな子に意地悪する」と言われるように、相手に近づこうとする「意地悪」です。動機はもともと「好意」なので、意地悪する当人には悪気がないこともあります。

  • 相手の気を引くため 男の子に多いと言われている
  • 遊びの延長である可能性
「好意」の表現が間違っていて、相手にとっては「意地悪」になっています。相手が望む反応をしてくれないことで「意地悪」に発展する可能性があります。

環境の影響が大きく、問題を抱えてしまったことによるもの

その子が抱えている問題の根本的な解放が必要です。友達や先生、周囲の大人などの関わり方によっては可能です。

自分の問題を相手に投影して、排除したりおとしめようとする
人と自分を比べ、無意識に相手にも自分と同じ想いをさせようとします。人と比べてしまうのは自分に自信がないためです。
排除しようとするのは、その場からなくそうとすることです。自分の問題を投影した相手を攻撃することで、自分の問題を片づけようとしています。
原因 抱えてしまっている問題 家庭環境や生い立ち
自己肯定感の低さ 「ありのままの自分ではダメ」
「自分は価値のない人間」
親、先生などが厳しすぎる
愛情、スキンシップ不足
自分の存在意義への
不安
「相手は自分より優れている」
「相手にはある、自分にはない」
周りの人の放置や無関心
人と比べられる
自分を押さえつけて
いるストレス
「強い者から意地悪された、
自分も弱い者に意地悪する」
「弱い者は意地悪されていい」
年上の兄弟や友達からの圧力

本当は自分に自信がないので、どうすれば自分が認められるかを考えます。親に認めてもらうために家ではいい子を演じ、そのストレスが外での意地悪になったりします。

自分より相手が優れていると感じたら、奪ったりけなしたりします。相手にも自分と同じ想いを味あわせることで「自分だけじゃない」と安心しようとします。
人として、していいことと悪いことの区別がつかない
育ってきた環境で、健全な人間関係を学べなかったと考えられます。人とうまくコミュニケーションをとれなかったり、甘やかしや放置による道徳観の欠如が考えられます。
原因 抱えてしまった問題 家庭環境や生い立ち
社会性の欠如
「自分」という存在の
不在感
「人の悪口や文句を言っていい」
「人はいがみ合うもの」
「自分が何をしても誰も何も言わない」
「自分さえ良ければ人はどうでもいい」
身近な人のいがみ合い
両親のお互いへの不満の
はけ口になった
甘やかしや放置

親などの環境が自分たちのことで忙しいと、子は自分の存在に空虚感を感じます。周囲の出来事をそのまま吸収し、また周囲へ返すだけの人間になってしまいます。

嫌な感情ばかり感じるので、心に蓋をしてしまったのかもしれません。無意識のうちに間違った常識や思いこみを持ってしまったと考えられます。

意地悪な子への対策

自分の子が意地悪されたら親も黙っていられません。子どもと一緒にできることを考えて行動しましょう。

一緒にベストを尽くすことが子どもへの愛情につながります。たとえ状況を変えられなくても必ず伝わるものがあります。

第三者に相談して、状況把握や情報を共有する

 
できれば両者の関係者が理想です。どちらへの働きかけもできるからです。スクールカウンセラーや担任の先生、同級生の親などです。

信頼できる人と状況の認識を共有する
同じように状況を把握している人がいることが大切です。絶対的な解決がされなくても雰囲気が違ってきます。
わかってくれている人がいる、という安心感があります。意地悪された子にも、みんなわかっているよと伝えて力づけましょう。

人によって考えは違います。関係者に限らず、状況改善のためにいろいろな意見に耳を傾けてみましょう。

意地悪された子へのサポート、判決を下さず気持ちをそのまま受け入れてあげる

何があっても味方でいてあげる
何かあったらいつでも子どもが話せるような環境を作っておきます。子どもの話をよく聞いて信頼関係を築きましょう。
子どもの話すことを否定しない
こちらの意見を押しつけたり決めつけたりしない。「それはお前も悪い」などと判決を下すと、心を閉ざし話してくれなくなります。
「いつでも味方だよ」「何かあったらすぐ話してね」「〇〇の気持ち、よくわかるよ」など、何度も伝えましょう。
子どもの感情をそのまま認めてあげる
話を聞きながら子どもの感情を十分に吐き出させてあげましょう。「嫌だったね」「どんな風に感じた?」「悲しかったね」など、気持ちをくり返して言ってあげましょう。

意地悪する子へ働きかけるように促してみる

現状を変えるためにできることを一緒に考え、実践するよう力づけてみましょう。したほうがいいと思っても、子どもの気持ちを第一に考えて無理強いはしません。

意地悪な子と気持ちを伝えあう
自分の気持ちを相手に伝え、相手にも気持ちを尋ねてみるようにすすめてみます。
「自分はこんなことをされると嫌だ。お前のことを嫌いになる」「自分にどうしてほしいのか?」「こういうことをして、あなたは何がしたいのか?」など。
あえて優しくするよう促してみる
人は誰でも優しくされたら嬉しく感じます。嬉しさを態度には出さなくても、相手の心持ちは変わってくるはずです。
相手が集団の場合は、ひとりひとり個別にいる時に働きかけるようにします。
ひたすら無視し関わらないようにする
意地悪な子は、良くも悪くも人からの反応を求めています。働きかけに対して全く反応しなければ、諦めてくれる場合もあります。
反応を求めるあまり意地悪が過激になる場合もあります。周りの人や子どもと密に連携をとって、慎重に見守るようにしましょう。

意地悪された子の、自分への認識を変えさせる

その子を肯定する言葉を、常に口に出して聞かせるようにします。何度も同じ言葉を聞いていると、心の奥底で自分はそうなんだと思うようになります。

自分は意地悪されない人間だと潜在意識に思いこませる
「意地悪される」と常に思っていると「自分は意地悪される人間」と無意識に思いこんでしまいます。
「意地悪をされても、人に意地悪しない〇〇は素晴らしい」「素晴らしい〇〇に意地悪する相手が悪い」「誰も〇〇に意地悪しなくなる」など言ってあげましょう。
意地悪される子は、自分の長所が自分を苦しめてしまっている
意地悪される子の多くは素直で優しいです。人の気持ちに敏感で相手の言うことをそのまま受けとってしまいます。意地悪な子が抱えている問題を引き受けてしまっています。
「意地悪してくる子の言うことは無視していい」「意地悪してくる子の気持ちなんて自分には関係ない」など言葉にすると効果があります。

誰にでも同じように「優しい」という長所が自分を苦しめています。人によっては態度を変えてもいいという認識に変えましょう。

意地悪な子へのサポートこそ必要

意地悪する子がいなければ、される子も存在しません。意地悪する子へのサポートこそが本当の解決につながります。

意地悪な子に必要なものは、無償の愛情と無条件の自己肯定感です。自分の感情をコントロールする方法を学び、自分と相手を尊重できるようになることです。

意地悪する側との直接の話し合いは難しい

親も困っていたり、子どもへの認識が違う場合があります。かえって、こじれてしまう可能性があります。話をする場合は慎重に進める必要があります。

どうしても直接話をしたい場合は、できるだけ第三者を通すようにしたほうがいいでしょう。

気質が激しい場合、親でも対応が難しい

親でも対応が難しかったり、関わり方がわからないことがあります。親をさらに責めてしまう恐れがあり、その子への影響も良くありません。

直接話をする場合まずは、こういうことがあったと出来事を伝えます。それについて知っているかなど、相手の状況についてやんわりと聞いてみましょう。

親同士の認識が違う場合がある

相手の親などに直接言っても、子どもに対する認識が違う場合があります。その時点で話しあいは進まなくなります。

親に問題がある場合は、その子へさらなる圧力がかかってしまう恐れがあります。

意地悪する子に直接言っても解決は難しい

「意地悪しないで」といった注意はその子をさらに押さえつけることになります。その子が抱えている問題の解放が解決につながります。

問題の解放には信頼や、心理的な技術が必要です。通常では難しく、それなりの場所や設定、時間などを揃えなければなりません。

「意地悪」は命と生き方の問題

意地悪はそこにいる人を居づらくさせることです。「そこにいる」という「存在」を否定することなので、命の問題に発展する恐れがあります。

人ならば意地悪したくなるのも自然な感情かもしれません。直接的であれ間接的であれ意地悪に直面した時に、自分はどんな態度をとるべきか考えてみましょう。

意地悪で悩んだ時は、必ず解決できると思うことも大切です。子どもと自分、そして周りの人を信じつづけてみてください。

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