胎児ドックの検査内容や費用は?受けるメリットやデメリット

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2018/07/11

胎児ドックを受けている様子

胎児ドック(胎児スクリーニング検査)は妊娠中に胎児の発育状況や染色体異常を詳しく調べることで、赤ちゃんの管理や治療を適切に行うことが目的として行います。

近年では妊娠初期から胎児ドックを受ける人も増え、その需要も高まっていると言えますが、デリケートな問題で未だ賛否両論の声も聞かれます。

しかし、受けることで妊婦さんの不安要素を拭えたり、いち早く病気に気づくことができたりとマイナス要素ばかりではありません。

胎児ドッグの検査内容や費用、受けるメリットやデメリットについて考えていきたいと思います。

胎児ドック(胎児スクリーニング)の検査時期や内容・費用について

妊娠中に受ける妊婦健診のエコー検査では、主に胎児の成長具合、羊水量の確認をしていますが、染色体異常や遺伝的異常の確認はできません。

胎児ドックは発育状況や染色体異常、形態的な異常をいち早く見つけ治療を適切に行うための判断基準にもなります。

胎児ドックはどこの産院でも受けられるわけでなく、資格を持った専門医が在中していること、専門機械があることが条件となります。

妊婦健診のように定期的に通うことはなく、妊婦自身が受けたいと思った場合実費で受けることができますが、心理的な負担を伴うこともあるため検査前や検査後もカウンセリングを実施しているところが殆どです。

胎児ドックの検査時期と内容

胎児ドックは、超音波診断装置(エコー)を使用して染色体異常、胎児の発育状況、形態的な異常を調べるため「妊娠初期胎児ドック」と「妊娠中期胎児ドック」の2回検査が行われています。

胎児ドックは発育や異常を推定する「非確定的検査」で、以下について検査します。

  • 発育・形態異常
  • 染色体異常
  • 遺伝的疾患
  • 臓器の疾患

検査時期によって検査目的や内容も違い、初期胎児ドックでは染色体異常のリスク、中期胎児ドックでは形態や臓器の異常をチェックします。

【初期胎児ドック】  妊娠11週~13週
目的 21トリソミー(ダウン症)・13トリソミー・18トリソミー染色体異常のリスクを推定
検査 胎児のNT検査・鼻骨・静脈管血流・三尖弁血流・心拍数の計測
費用 20000~40000円
【中期胎児ドック】 妊娠19~22週
目的 全身のむくみや臓器の異常有無、形態的な奇形や病気を調べる
検査 体・臓器の異常・臍の緒・胎盤・羊水チェック
費用 20000~30000円
NT検査とは?
初期胎児ドックで行うNT検査は、超音波検査で見られる胎児の後頭部の「厚み」を指します。通常より厚い場合は、胎児のダウン症を含む染色体異常、心疾患などのリスクがありますが、妊娠中期以降になるとNTが正常化することもあるので検査時期が重要となります。

胎児ドックの検査費用

胎児ドッグは健康保険が適用されないため、検査費用は全額自己負担になりますが医療機関によって料金も違います。

結果によっては、胎児ドックとクアトロ検査、羊水検査などの追加検査や検査前のカウンセリングなど別途料金が発生することも考えられます。

  • カウンセリング(遺伝カウンセリング)料金
  • 胎児スクリーニング(胎児超音波検査)料金
  • 血清マーカー検査料金
  • 確定的検査料金(羊水検査・絨毛検査)

詳しい費用は検査を検討している医療機関に事前に問い合わせて確認しておきましょう。

胎児ドックと組み合わせてできる検査

初期胎児ドックを受けて染色体異常のリスクが低いと出た場合、より細かい検査を行うために血清マーカーの検査を組み合わせて行うと、別の角度からリスクを知ることができます。

  • 初期血清マーカー検査:妊娠11週~13週
  • 中期血清マーカー(クアトロ検査):妊娠15~17週
血清マーカー検査では、妊婦さんの血液を測定して胎児が21トリソミー、18トリソミー、開放性神経管障害のリスクを推定するもので、確定診断の検査ではありません。

血清マーカーのみを検査しても染色体異常の検出率が低いためあまり意味がなく、胎児ドックと血清マーカー検査を同時に受けることでより安心感を得られることができます。

染色体異常を調べる確定的検査

染色体異常についてより細かく調べるためには、確定的検査を行わないと診断がつきません。確定的検査をすると100%の確率で染色体異常の確認ができると言われています。

  • 羊水検査:妊娠16~17週に超音波で胎児や臍の緒を観察し針を使って羊水を採取
  • 絨毛検査:妊娠12~14週に超音波で絨毛(胎盤組織)の一部を採取

確定検査は、流産や早産のリスクが少なからず伴います。不安や悩みがあるときは医師と相談し、家族の話し合いの中で勧めていくことが大切になります。

胎児ドックを受けるメリットとデメリット

高齢出産や不安要素がある場合、胎児ドックを受けて先天性異常を調べることは家族でしっかり考えていく必要があります。

胎児ドックについては異常結果があった場合の90%が妊娠継続を選択しないという結果もあります。

検査を受けること、診断内容によっては望まない結果になることも含め受け止める覚悟が必要になります。

【胎児ドックを受けるメリット】

  • 心配要素が減り安心して妊娠中を過ごせる
  • 結果が高くても心構えができる
  • リスクが発見できれば設備が整った医療機関を確保しやすい

【胎児ドックを受けるデメリット】

  • 全額自己負担なので料金が高い
  • 結果によって夫婦や家族の話し合いが必要
  • 妊娠中のストレスが大きくなる

検査を受ける前は遺伝カウンセリングを夫婦で行いますが、検査結果によってはその後の対応についても考えていかなければなりません。

胎児ドックのメリットやデメリットを十分考慮し、慎重に決めていく必要があります。

胎児ドックを受ける心構えや家族の話し合いが大切

胎児ドックを受けると、先天性異常の発見や発育状況を知ることができ緊急の場合も態勢が整った医療機関が行けるメリットもある反面、心理的にも強い負担を妊婦さんや家族が抱えてしまうことも否定できません。

「知ってしまう」ことでストレスになる、または妊娠継続について考えてしまうことになれば正しい選択だったのか分からなくなってしまうこともあります。

不安があり、受けようか迷っているときはしっかりカウンセリングサポートを行っている医療機関へ話を聞きに行くことも必要です。

胎児ドックを受けることについて、もし異常があった場合はどうするのか、しっかりと夫婦で話し合って不安を少なくしていきたいですね。

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