目やに…子供のはやり目(流行性角結膜炎)の症状、目薬や出席停止日数
はやり目は、正式名称を【流行性角結膜炎】という目の病気です。強力な感染力を持つ病気で、子ども達の間では大流行することもあります。
はやり目が集団感染を起こし、学級閉鎖になることもある病気です。はやり目はどんな時期に流行し、どんな症状の病気なのでしょうか。
はやり目の症状をはじめとする特徴や、園をお休みするべき日数・治療や感染予防対策など、知っておきたいポイントをチェックしてみましょう。
この記事の目次
はやり目(流行性角結膜炎)の症状や病気の特徴・重症化の危険性
まずははやり目の症状をはじめ、病気の特徴について調べてみました。はやり目の感染にいち早く気付き、予防にも役立てたいですね。
はやり目の症状…充血とひどい目やにが特徴的な目の病気
はやり目(流行性角結膜炎)の主な症状は、白目の充血と目やにです。結膜炎の「結膜」は、白目の部分です。
その他にも、目だった症状がいくつか出ます。はやり目の症状をピックアップしてみましょう。
- 白目の充血
- 目やに
- 目やにで目があかなくなる
- 涙目
- まぶたの裏にプツプツができる
- 耳の前のリンパ節が腫れ、押すと痛い
- 片目に炎症が起きると、数日後もう片方の目にも炎症が起きる
はやり目が重症化したときは、黒目に傷がつくこともある!
はやり目は、重症化すると角膜(黒目の部分)に傷がついてしまうこともあります。
その他にも、重症化すると出てくる症状があります。注意しておきたいですね。
- 目がショボショボする
- 黒目に傷が残り角膜混濁になる
- 炎症によって偽膜と呼ばれる白い膜がまぶたの裏にできる
白目の充血や目やになどの症状が出たら、素早く対処することが重要です。
はやり目の原因はアデノウイルス8型!ウイルス性の結膜炎
はやり目の原因になっているのは、アデノウイルスというウイルスです。はやり目は、ウイルス性急性結膜炎なのです。
アデノウイルスによる感染症を挙げてみましょう。
- プール熱(咽頭結膜熱)
- 高熱・のどの痛み・結膜炎を起こすウイルス感染症。夏に多く、飛沫感染のほかプールを介して広まることがあるためプール熱と呼ばれる。
- ウイルス性胃腸炎
- ロタウイルス感染症やノロウイルス感染症と同じように、嘔吐下痢症を引き起こす病気。
ロタやノロの流行が秋から春先に集中するのに対し、アデノウイルス感染症は夏を中心に年間通して見られる。
はやり目は、こういったアデノウイルスによる感染で起きる病気のひとつです。
- アデノウイルス8型
- アデノウイルス19型
- アデノウイルス37型
などがはやり目を引き起こし、特にアデノウイルス8型による流行が多いとされています。
はやり目の感染経路は接触感染!患者さんの目やにや涙に注意
はやり目は、感染している人との接触によって広がります。家庭や保育園・幼稚園などの接触が濃厚な場所では、特に流行しやすくなります。
アデノウイルスに汚染されたタオルで顔を拭いたり、ウイルスがついた手で目に触れることで感染します。
また、プール熱同様、プールでうつることもあります。家庭ではお風呂の湯船などを介して感染することもあります。
- 涙
- 目やに
- 糞便
こういった排泄物にウイルスは含まれます。特に目から出る涙や目やにには強力な感染力があるので注意が必要です。
はやり目の流行時期と流行しやすい年齢…夏と乳幼児は要注意
はやり目は年間通して感染の可能性がある病気です。特に多く感染者が出るのは、夏から秋と言われています。
ピークを迎えるのは8月ですが、冬季にも流行することがあります。
はやり目の潜伏期間は1~2週間程度!流行情報をチェック
はやり目の潜伏期間は、1週間~2週間ほどです。比較的長いので、周囲で流行している場合はある程度の期間注意しておくことが必要です。
大人にも感染する病気なので、家族でタオルを共用しているなど危険を感じた場合は発症に気を付けておきたいですね。
はやり目の出席停止日数は専門医に相談!プールは2週間禁止
お仕事をしているママにとって、出席停止の日数は気になるポイントですよね。またプールに入っても良いのかどうかもチェックしてみましょう。
はやり目は学校伝染病のひとつ!1~2週間お休みです
はやり目は、「学校において予防すべき伝染病」に指定されています。感染が分かった場合は、1~2週間ほど幼稚園や保育園を休まなければなりません。
日本では学校保健法によって、流行や感染を予防するべき伝染病が定められています。インフルエンザや水疱瘡もそのひとつです。
伝染病は3種に分けられており、はやり目は第三種伝染病に分類されています。
第三種伝染病は、「病状により医師によって伝染のおそれがないと認められるまで」学校や園をお休みするべき病気です。
はやり目は非常に感染力が強く、完治して目の症状(涙目や目やに)などがおさまるまで登園停止になります。
大人に感染した場合も、会社など職場への出勤停止になります。
流行すると学級閉鎖や園閉鎖になることもあります。感染が分かった場合は、できるだけ早く治るよう、家庭内で広がらないように気を付けたいですね。
最初に受診した時に、医師に登園できる目安を訊いておきましょう。また、園に連絡し、医師による登園許可書が必要かどうかを確認しておくと安心です。
重症化せず、安静にしてきちんと治療すれば、だいたい発症から1週間強で登園できるようになる子が多いでしょう。
2週間かかることもある病気です。お仕事が休めないママは、早めに病児保育を利用する手続きをしておいた方が安心です。
流行性角結膜炎と診断されたら、周囲の人にうつさないように注意しなければなりません。他人へ感染させる恐れのある期間は、約1~2週間です。学校保健法では、流行性角結膜炎は医師が周囲への感染力がなくなったと判断するまで登校を禁止すること、と明記されています。
プールは発症後2週間は入れません!重症化したら1ヶ月休み
はやり目に感染した場合、プールは、短くても発症後2週間は入ることができません。
それ以降は、はやり目の重症度によって違ってきます。1ヶ月以上入れないケースもあります。入っても良いかどうかは、かかりつけの眼科医に相談しましょう。
最近、急性結膜炎(はやり目)にかかりました。(中略)発症後少なくとも2週間はプールに入ってはいけません。治りが遅れたり、角膜や結膜の感染症を起こすことがあります。
はやり目に感染した時に受診する病院および検査・治療
はやり目に感染してしまった時は、どんな病院にいけばいいのでしょうか。また検査や治療法についてチェックしてみましょう。
はやり目の受診と検査…眼科を受診し、迅速検査と症状で診断
はやり目は眼科が専門医になります。赤ちゃんや小さな子どもの強い充血や目やにが見られたら、眼科で診察を受けましょう。
ただし、はやり目に感染した場合でも迅速キットでは結果が陰性になるケースもあります。そういった場合は、周囲の流行状況や症状から診断されます。
はやり目の治療…対処療法が中心!点眼薬をきちんと使用
はやり目には、アデノウイルスに直接効果を発揮する治療薬がありません。治療は対処療法が主になります。
抗体が作られると、ウイルスによる炎症もおさまり症状も良くなっていきます。
直接ウイルスをやっつける薬はありませんが、それ以上炎症を悪化させないようにするための点眼薬(目薬)を処方されることが多いでしょう。
症状によって、処方される目薬は違います。
- 細菌感染(二次感染)を抑えるための抗菌剤が入っている目薬
- 炎症をおさえるための低濃度ステロイド点眼薬
目が充血しているからといって、家庭にある市販の目薬や、別の眼病で処方された点眼薬などを使用することはやめましょう。
はやり目のお家ケア…正しい目薬の使用方法や過ごし方
子供がはやり目になってしまったら、家庭ではどんなケアをすればよいのでしょうか。お家で気を付けたいケアについてご紹介します。
正しい目薬のさし方…手順としてはいけないことを知っておいて
正しい目薬のさし方は、意外と知られていません。まずは正しい目薬のさし方をご紹介します。
- ママの手指をしっかりと洗う
- 子どもをリラックスさせる
- 目薬のキャップを外し、清潔な場所に置く
- 子どもを仰向けに寝かせ、軽く下まぶたを引く
- 目やまつ毛・瞼に触れないよう、目薬を一滴目の中に入れる
- 目を閉じさせる
- しばらく目頭を軽く押さえる
- あふれた目薬はティッシュで拭く
- 目薬を片付け、ママの手を良く洗う
それを防ぐために、子供をリラックスさせて泣かないようにあやし、点眼後はしばらく目を閉じて目頭を軽く押さえてあげましょう。
点眼薬には、1日に何回・何時間おきに点眼すればよいのか明記してあります。忘れずにさしてあげましょう。
目薬をさす場合に、やってはいけないことがあります。注意しましょう。
- 他人の目薬は使わない
- 他人の目薬は絶対に使ってはいけません。同じ病気かもしれないと思っても、ちゃんと眼科を受診して自分の目薬を処方してもらいましょう。
- 目やまつ毛・まぶたに触れない
- 点眼時に目やまつ毛・まぶたなどに触れると、目薬がウイルスに汚染されてしまいます。また目やになどが容器内に入り込むこともあります。
- 点眼後、目をパチパチしない
- 目薬をさしたあとに目をパチパチすると、涙点からのどへ薬が流れて効果を発揮しなくなってしまいます。パチパチするのはやめましょう
- 一度に何滴もささない
- 医師に指定された量以上にたくさんさしても、涙点から出て行ってしまいます。
- 湿布などと一緒に保管しない
- 湿布などメントール成分が入っているものと一緒に保管すると、芳香成分がうつってしみるようになることがあります。
- 子どもの手の届くところに保管しない
- 赤ちゃんや小さな子供が中身を舐めてしまったり、容器ごと飲み込んでしまう危険があります。
はやり目になった時のおうちケア…安静と栄養補給が中心
はやり目にかかってしまった時は、用法用量を守って目薬をきちんと使用することが重要です。それ以外に重要なのは、安静と栄養補給です。
さらに炎症を起こした目をいじることで、雑菌が入って二次感染を起こすこともあります。そうなると、はやり目の症状は長引き重症化することもあります。
- ゆっくり休ませる
- 安静にさせ、体を休ませます。夜更かしさせたり、疲れさせることはやめましょう。
- 栄養バランスのとれた食事をさせる
- 栄養をしっかりとることも重要です。目がうっとうしいため食欲が落ちる子もいますが、食べられるものを用意してあげましょう。
赤ちゃんはご機嫌が悪くなり、離乳食を嫌がることもあります。母乳やミルクなど、のどを通るもので栄養を補いましょう。
- テレビやスマホなどを見せすぎない
- 目に炎症が起きて、通常よりまぶしく感じる子もいます。目が疲れるテレビやスマホなどは、ほどほどにしておきましょう。
はやり目の予防…強力な感染力を持つアデノウイルスを防ぐ
はやり目は非常に強力な感染力を持っている病気です。家庭内で広がることを防ぐために、また家庭内に持ち込まないように予防するための対処法を知っておきたいですね。
はやり目の感染を拡大させない!守りたい5つのポイント
はやり目は、感染者の目やにや涙に触れた手で目を触ることでうつります。感染拡大を防ぐには、ウイルスのついた手や物で目を触れないことが大切です。
- 1.目はティッシュで拭き、その都度捨てる
- 目をタオルやハンカチで何度も拭いていると、ウイルスをまき散らしてしまう可能性があります。
涙や目やにはティッシュで拭き、その都度捨ててウイルスのついたタオルやハンカチを放置しないようにしましょう。
- 2.タオルは共用しない
- 顔拭きタオルはもちろん、手拭きタオルも共用しないようにしましょう。
- 3.お風呂は、感染した人が最後に入る
- お風呂は入っても大丈夫ですが、感染した人が先に入ると他の人にうつる可能性があります。
感染していない人が先に入り、感染者は最後に入るようにしましょう。お風呂はしっかり洗います。
- 4.手洗いをこまめに
- 感染者も、看病する人も、家族もこまめに手を洗うようにしましょう。爪は短く切り、爪の間や指の間・手首までしっかり洗います。
- 5.うかつに目に触れない
- はやり目は空気感染しません。ウイルスがついた手で目をこするなどするとうつるので、感染者がいたり流行中は、うかつに目に触れないようにしましょう。
洗濯の仕方と消毒方法もチェック!すすぎはしっかりが基本です
洗濯は一緒にしても大丈夫だそうですが、すすぎはしっかりしましょう。小さな赤ちゃんがいる家庭では、赤ちゃんのものは別に洗った方が良いですね。
重症化した時の後遺症…角膜(黒目部分)に傷が残ることも
はやり目は、特に重症化することがあります。赤ちゃんや小さな子は特に角膜が濁る状態(角膜混濁)が残ってしまうことがあります。
アレルギー性結膜炎や細菌性結膜炎は後遺症が残りにくいのですが、ウイルス性結膜炎は時に後遺症が残ることがあります。代表的なものが角膜混濁です。
- 光が反射して見える
- まぶしい
- 見えづらい
こういった症状が残ります。こういった視力の後遺症は、角膜の混濁が取れていけば徐々に良くなっていきます。
角膜混濁は抗炎症点眼薬で治療します。1ヶ月から数ヶ月で良くなることが多いのですが、強く傷がつくと1年以上かかることもあります。
角膜の濁りが治ってくると自覚症状も消えていきます。自覚症状がなくなっても、濁りが完全に消えたわけではありません。
きちんと通院を続け、主治医が完治したと判断するまでは点眼薬を使い続けるようにしてくださいね。
アレルギー性結膜炎・細菌性結膜炎の特徴…違いを知っておこう
アレルギー性結膜炎や細菌性結膜炎は、はやり目とよく似ています。違いをチェックしてみましょう。
アレルギー性結膜炎…目のかゆみや充血が起きるアレルギー症状
アレルギー性結膜炎は、目にアレルギーを引き起こす物質がくっつくことで、結膜炎を引き起こす目の病気です。
アレルギー性結膜炎は2種類に分けられます。
- 季節性アレルギー性結膜炎
- 花粉など、特定の季節に現れるアレルゲンが原因になる結膜炎
- 通年性アレルギー性結膜炎
- ハウスダストやコンタクトレンズなど、年間通して触れることの多いアレルゲンが原因になる結膜炎
主な症状をご紹介します。
- 目のかゆみ
- 充血
- 目やに
- 涙目
- ゴロゴロとした異物感
- まぶたの裏のブツブツ
アレルギー性結膜炎専用の点眼薬で治療を行います。おかしいなと感じたらすぐに眼科を受診しましょう。
細菌性結膜炎
細菌性結膜炎は、ウイルスではなく最近に感染したことが原因で起きる目の病気です。
細菌性結膜炎を起こす細菌をご紹介します。
- 肺炎球菌
- インフルエンザ菌
- 黄色ブドウ球菌
ほかにもさまざまな細菌で起きる可能性があります。黄色ブドウ球菌のように普段から人の体に存在する菌でも、体力・免疫力が弱い乳幼児は感染することがあります。
細菌性結膜炎の症状をご紹介します。ウイルス性のはやり目とよく似ています。
- 涙目
- 目やに
- 充血
- ゴロゴロとした目の異物感
治療には、抗菌剤が入っている目薬や軟膏などが使用されます。素人では判断が難しいので、やはり眼科で診察してもらいましょう。
はやり目は登園禁止になる病気!早めに気付いてしっかり治そう
はやり目は、学校感染症に指定されている眼病です。感染がわかったら幼稚園や保育園、大人は仕事を休まなければなりません。
体は元気ですが目がうっとうしく、安静にしていないと長引くので意外とやっかいな病気です。しかも感染力が非常に強いという特徴を持っています。
重症化すると1ヶ月以上続くことがあります。目やにや涙目などの症状がおさまるまでは登園できないので、早めに治すことが大切ですね。
しかしはやり目には特効薬がありません。清潔と安静に注意し、抗炎症作用や二次感染を防ぐ目薬を使いながら、じっくり治る時を待つしかないのです。
流行は8月頃、夏がピークですが、冬に大流行することもあります。周囲での流行情報は常にチェックしておきましょう。
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ミーコさん
私の友達がお兄ちゃんに目を思いっきり蹴られてしまったそうです。それも二回。とても痛く、紫色になり腫れているそうです。この場合どうすればいいのでしょう❓意見お願いします。
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もちこさん
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