朝、子供の目に目やにがビッシリ…の原因は?考えられる病気や対処法
お子さんの目やにが多くて心配しているというママは多いようです。特に朝起きた時に目が開かないほどびっしり目やにがついてしまっている…そんな時はびっくりしてしまいますよね。
子供の目やにが多くなってしまう理由はなんなのでしょうか。
目やにが多く出るときはもしかすると、重篤な目の病気が隠れているのかもしれません。
大切なお子さんの目を守ってあげるためにも、目やにが多い時に家庭でどのように対処していったらいいのか見ていきましょう。
大量の目やには病気に感染しているからかも…原因となる病気
目やにには大きく分けて二つの種類があります。
- 通常の目やに:目の細胞の代謝によって出来るもので「眼脂」と呼ばれる。
- 注意が必要な目やに:目の病気による炎症反応によって起きるもの。
目は代謝の際に、老廃物が目やにとして排出されます。しかし何らかの原因で目に炎症反応が起こっているときは、出る目やにの量が増えたり色が変わったりしてきます。
もし大黄緑色のどろっとした目やにが大量に出る場合、何かの病気に感染している可能性があります。
またさらさらした涙状の目やにの場合でも、アレルギー反応によって目に異常が出ていることが心配されます。
もしお子さんの目やにが朝起きるときに大量に出てしまう様だったら、何か目の病気に罹っていることを疑ってみる必要があります。
目やにが出る原因となる主な病気について
少量の目やにならば誰でも朝になると出るものです。それは目の細胞の正常な代謝の結果なのだと書きました。
しかし目やにが大量に出てしまう時は、その原因が何か深刻な病気であることを考えてみなくてはいけません。
視力を司る目は身体の中でも大切な機関なので、子供に重大な病気が起きてしまうとママも心配ですよね。
どのようなときに目の病気が疑われるか、大量の目やにの原因になる主立ったものを見ていきましょう。
ウイルス性結膜炎…感染力が強く、はやり目とも言われる
お子さんの目やにが大量に出る場合には、主に流行性の感染症が原因かもと疑いましょう。ウイルスを感染源としているもので、非常にうつりやすいのが特徴です。
流行性結膜炎は特に感染力が強いもので、「はやり目」とも言われています。これはまぶたの内側と白目の表面を覆っている結膜がウイルスに感染して起こる炎症反応です。
- 原因となるウイルス
-
アデノウイルス、エンテロウイルス、ヘルペスウイルスなどです。
感染力が強いということは、家庭や学校の集団感染を起こす危険性を伴っているのです。
集団生活の中で感染が広がると、患者数を急増させることになってしまいます。そのため最悪学校や会社の業務が滞ってしまうという大きな不安要素を持っています。
そのため流行性結膜炎に罹ると大人でも出社制限をされたり、子供ならば学校の出席停止措置がとられたりするのです。
こうした感染症は手から手への接触感染で起こることが多いので、もし外出先でトイレを使ったり、電車のつり革などを触ったらしっかり手洗いをするようにしましょう。
お子さんの保育園や学校などで、流行性結膜炎になったお友達が居る場合は、家に帰ってからも手の清潔を心がけることが大切です。
また外出している時に、むやみに手で目を触らないように注意してください。原因となるウイルスはどこに付着しているか分かりません。
咽頭結膜熱…別名プール熱
夏によく流行る目の感染症なのでプール熱とも呼ばれます。プールに行っている時にもらうことが多いのでこのような呼び名がついているのです。
- 原因となるウイルス
-
アデノウイルスというウイルスで、6月から7月にかけて活発に働きます。ですので夏休みの時期に子供に流行りやすくなるのです。
目やにが多く出たり目が充血したりする他にも、かゆみ、高熱が出る、また腹痛、下痢といった風邪のような症状を出すこともあります。
こちらの病気も、人の手から手への接触感染で感染ってしまうことが多いので、やはりこまめな手洗いが重要なケアの方法になります。
細菌性結膜炎…ウイルス原因の結膜炎よりは感染力は弱め!
ウイルスではなく細菌を原因とした感染症で、大量の目やにが出る原因となります。
- 原因となる細菌
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インフルエンザ菌、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌 などです。
細菌性結膜炎は、ウイルスを原因とした結膜炎に比べて感染力が強くありません。
しかし、人から人へ移っていく心配は少ないのですが小さなお子さんは別です。
まだ免疫力が弱い小さなお子さんの場合は、身近に感染源となる細菌を持った人がいると簡単にうつってしまうことがあるので注意しましょう。
細菌による感染力は低いのですが、他の風邪に罹っているときや体力が落ちているときには感染しやすくなります。
体調が悪い時に感染の疑いのある人と接触した、あるいは接触した疑いのある場合には早めの休息をとり、手の清潔を保つように心がけましょう。
アレルギー性結膜炎…アレルゲン物質が引き起こす!
ウイルス、細菌以外の目やにの原因としてアレルギー性結膜炎というものもあります。これはアレルギーを引き起こすアレルゲン物質による目の病気です。
例えば、花粉などが目に入ることで目の免疫活動が活発になりすぎてしまい、死んだ細胞が目やにとして大量に外に出されるという症状を言います。
また、まつ毛が目に入るなどの原因でアレルギー反応を起こし大量の目やにが出てしまうこともあります。そのためにも洗顔などで目の清潔に気を配りましょう。
アレルギー性結膜炎を予防するためには、アレルゲン物質となる花粉が多く飛散する季節のケアが大切です。専用のゴーグルを着用したりマスクや人口涙液などを用意しましょう。
ハウスダストなどが原因になって、アレルギー反応を起こす場合もあるので、家の中を清潔に保ち定期的な換気を行うことも大切です。
先天性鼻涙管閉塞症…涙が上手く排出されず、管内で感染症を引き起こす病気
眼球は涙腺で作られる涙によって常にうるおいが保たれている状態です。涙腺で作られた涙は通常鼻涙管という管を通って鼻から外に出ていきます。
しかし鼻涙管が、膜のようなもので蓋をされてしまっている状態で生まれてくるお子さんもいます。
このような症状を先天性鼻涙管閉塞症といいます。
この状態になると眼球に溜まった涙が上手く外に排出されていかないために、管の中で感染症を起こして大量の目やにが出る原因になるのです。
新生児涙嚢炎とも言われ、赤ちゃんのころから起こります。もし生後すぐのころから目やにが多く出て止まらない場合は鼻涙管の詰まりを疑ってみることが必要でしょう。
鼻涙管閉塞症の場合、家庭で出来る処置としてマッサージがあります。詰まった管の通りを良くする意味で行います。
管の詰まりがひどい場合には、ブジーという針金状の治療具を使って管の通りを正常にするのですが、一度通った鼻涙管が再び詰まってしまった時にはマッサージを試してみましょう。
鼻涙管マッサージの仕方
- 手の指の爪は切って清潔にしておく
- お子さんの目と目の間にある鼻涙管を親指と人差し指で挟む
- 10回を目安に優しく押して刺激する
- 膿が出てきた場合は清潔な布で拭き取る
- 終わったら点眼薬でケアする
- マッサージした後の手も消毒する
小さな赤ちゃんにマッサージをする場合には、嫌がって目を傷つけてしまうこともあるかもしれませんので、機嫌が悪い時には無理に行わないようにしましょう。
急性涙嚢炎、慢性涙嚢炎
涙腺で作られた涙が、目から排出されていく途中に溜まる袋のことを”涙嚢”と言います。
急性涙嚢炎とは、先天性閉塞など何らかの理由で鼻涙管が詰まってしまうために起こる感染症です。
涙嚢炎には急性のものと慢性のものがあります。
- 急性涙嚢炎:目の充血や目やにの増加が急に起こる。
- 慢性涙嚢炎:涙嚢炎の症状がなかなか改善せずに長く続くこと。
鼻涙管が詰まってしまう原因は良くわかっていません。涙が過剰に作られているためと考えられますが、何故涙の量が増えてしまうのかはまだ分からないようです。
あるいは蓄膿症のように、鼻の中が詰まって涙が正常に排出されないために、涙嚢も詰まって涙が溜まってしまうのではと考えられています。
このような症状は、お年寄りや赤ちゃんなどに多く見られるようです。特に小さな子供さんは自分で目の不調を訴えられませんから辛いことでしょう。
鼻涙管が詰まってしまうと、涙嚢に溜まった涙が外に出られなくなって細菌に感染してしまい、この時免疫反応として大量の目やにが出るのです。
急性涙嚢炎はその多くが軽症で済むのですが、慢性になると目の下が赤く腫れて痛みを生じます。
腫れている箇所には膿が溜まっているので、手で触れないように気をつけましょう。
原因が細菌による感染症なので、涙嚢炎の治療は抗生物質が用いられます。しかし腫れが酷い場合には、患部を切開して中に溜まった膿を出してしまう処置も必要になってくるようです。
朝に目やにが多いのは、夜に目が老廃物を外に出せないから
特に子供の場合は、朝起きた時に目やにがたくさん出て困るという場合があります。
目が開かないほどびっしりと目やにが張り付いてしまっている…どうすればいいのか朝からあたふたしてしまいますよね。何故、目やには朝起きる時に大量に出やすいのでしょうか?
目の老廃物は普段は、鼻涙管通して目頭や鼻から排出されています。
昼間起きている間は、涙を通して要らなくなった老廃物などが外に出ていくのですね。しかし夜眠っている間はこの働きが阻害されている状態です。
目を閉じているので、上手く老廃物や免疫細胞が退治したウイルスや細菌の残骸が外に出ていけないのです。
よって、夜の間に溜まったこうした反応物質が朝に目やにとなって大量に目にこびりついてしまうという訳なのです。
気になる時は行きつけの小児科に相談しましょう
目やにがたくさん出て心配な場合は眼科を受診したほうがいいのかな、と考えてしまいがちですが、どちらかというと小児科の方がおすすめです。
小さなお子さんの目やにの原因は様々なものが考えられます。中でも先天性鼻涙管閉塞の場合には小児科での判断が不可欠です。
また目の症状の他にも、細菌やウイルスの反応で身体の他の箇所にも影響が出ていることもあります。
発熱や喉の痛みなどがある時は、いきつけの小児科に相談するのがよいでしょう。
お子さんの普段の様子をよくわかってくれている先生に診てもらいましょう。目の病気ではなく普通の風邪によって目やにが多いこともあるので、まずはやはり小児科に行くことが適しています。
眼科と小児科どっちを受診すればいい?症状を見て決めましょう
お子さんの病気は、基本的に小児科に相談することが一番なのですが、時には症状が重篤化して小児科の投薬治療では間に合わないこともあります。
涙嚢炎の説明部分で述べましたが、目に膿が溜まって腫れを起こしている場合には外科的に切開しなくてはいけない場合もあるので、眼科を受診する方がよいでしょう。
小児科を受診しても目やにの量が落ち着かなかったり、明らかに目が腫れてしまって充血が酷い場合など、症状の重さが心配な場合は眼科に行ってみましょう。
先天性鼻涙管閉塞の場合にも、やはり専門的な処置をしてもらう必要がありますから、眼科を受診する方が適しています。
ただし判断は素人がすることは難しいですし、小さなお子さんは病院を怖がりがちなので、まずは慣れている小児科に相談、様子を見て眼科に行くのがよいと思われます。
目やにが多く出るときの家庭での対処法3つ
お子さんが目やにをたくさん出している時は、感染性の目の病気が原因として疑われます。その場合家族にもうつってしまう危険性があります。
もしそれがママパパや他の兄弟へ伝染ってしまうと、そこから更に職場や学校に感染が広がってしまう危険があります。
- 感染している子供と同じタオルを使わない
- 子供が使っている布団に目やにがつかないようにする
- 目にはりついてしまった目やにの取り方をしっかりとマスター!
家族内で感染が広がらないように、家族がどのように気をつけたらよいのか見てきましょう。
感染している子供と同じタオルを使わない
目やにが出ているお子さんが使ったタオルやハンカチには、病気の原因となるウイルスや細菌がついています。
目の病気に罹って目やにが多く出ているお子さんの使ったタオルを、他の家族が使わないように気をつけましょう。
タオルに付いている菌など病気の原因物質が、他の家族の手などに付着して、そこから目に入ると感染が広がってしまいます。
また接触感染の心配もありますから外から、お子さんが家に帰ってからの”手洗い”を徹底することも感染を防ぐ意味で大切です。
お子さんが使ったタオルのケアの方法
- 使ったらすぐに洗濯を心がける。
- 煮沸、塩素系の洗剤を使う。
こうすればタオルについた菌やウイルスを除去することにつながるので、 家族に病気が感染ってしまうことを防げるでしょう。
子供が使っている布団に目やにがつかないようにする
目の病気に罹っているお子さんが寝ている間に、布団に病気の原因となるウイルスや細菌がついてしまうこともあります。
そしてそこから近くで寝ている他の兄弟に感染してしまうという危険もあるので、お子さんの布団や枕のカバーの清潔を保つことも感染を防ぐ意味で重要です。
布団カバーなどを毎日洗濯するのはたいへんですから、枕カバーにタオルを使ったり、掛ふとんの首の辺にタオルをあてがうなどの工夫をしてみてください。
目にはりついてしまった目やにの取り方
お子さんは目やにが出ると自分の手で取ろうとしてしまいます。
しかし手で取ろうとすると、細菌やウイルスが付着して他の場所へと広がってしまいます。目やにが大量に出る時は、無理に取ろうとせずにママがケアしてあげましょう。
- 清潔なティッシュペーパーやガーゼ、濡らしたタオル、綿棒などを使う。
- まず目の真ん中辺から目頭の方へまぶたを拭う。
- 同じく目の真ん中辺りから目尻のほうへまぶたを拭う。
- 使ったティッシュや綿棒はすぐ処分する。
- 目やにが硬い場合は蒸しタオルで温めてから拭きとる。
朝起きたときに目が開かなくて、自分で触ろうとしてしまうお子さんは多いと思います。
なので、朝起こしてあげるときに、まず目やにの確認をしてケアする習慣をつけるといいですね。
大切な目を守るために目やにの対処を考えましょう
目やには誰でも出やすいものと軽く思っていると、以外に深刻な病気だったりして心配なことがあります。
たかが目やに、されど目やになんですね。
特にウイルス性の結膜炎が原因で目やにが多い場合には、症状が落ち着いたあとでも角膜が濁ってしまうという後遺症が残ることもあるのです。
後遺症が残ると、最悪の場合目が見えづらくなってしまったり、光りが乱反射して見えるなど視力に影響が残ってしまうことがあるのです。
これからの生活が大切なお子さんですから、目に障害が残ったりするととても心配ですよね。また感染性のものについては、お友達にうつしてしまう可能性もあります。
目は生活していく上でも特に大切な身体の器官です。目の病気で視力が制限されている状態は、本人も過ごしにくくストレスを感じている状態だと思います。
目の感染症は、基本的に接触感染することが多いので、普段からの手洗いを習慣つけておくことは病気をもらわないためにとても大切です。
また規則正しい生活を身に付けることで、体力をつけて感染に負けない身体を作ることも病気にかからないために意味のあることです。
大切なお子さんの目を守ってあげるためにも、目やにをあなどってはいけない、という意識を常に持っていてください。
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チビゅさん
鼻涙管マッサージの仕方の1が恐ろしい。
手の指は切りたくないのですが… -
無記名さんさん
わろた