泣いたらすぐ抱っこでいい?赤ちゃんへのメリットデメリット
生まれたばかりの赤ちゃんはとっても可愛いですよね。泣いているとついつい抱っこして泣き止ませたくなってしまいます。
でも、あまり抱っこばかりしていると泣き止まない子になる、などと言われ不安に思っているママも多いのでは。
抱っこは赤ちゃんにとってマイナスな面もあるのでしょうか。抱っこのメリットデメリットについて考えていきます。
赤ちゃんはなぜ泣くの?そして、抱っこをすると泣き止むわけ
赤ちゃんが泣くと、ママはすぐに飛んでいって抱っこして泣き止ませようとします。そしてママに抱っこしてもらうと、赤ちゃんは笑顔になって泣き止むことが多いです。
でも布団に戻すとまた泣き出してしまう事も多いのでまた抱っこしなくてはいけません。この繰り返しでへとへとになってしまう新米ママは本当に多いと思います。
毎日長時間泣き止まない赤ちゃんには本当に参ってしまいますよね。
では、赤ちゃんがこんなにも泣いてしまう原因はいったいどこにあるのでしょうか。
赤ちゃんには自分でできることがあまりありません。お腹がすいてもおむつが濡れても眠くなっても、言葉で訴えることが出来ませんよね。
お腹がすいてもおむつが濡れていても赤ちゃんは気持ちが悪いものですね。自分は今気持ちが悪いんだ、ということを”泣く”という行動で示すのです。
そして不愉快さを取り除きたいと思うのと同時に、赤ちゃんは抱っこをして欲しくて泣いているという場合もあります。
抱っこをしてもらうことは、赤ちゃんにとってとても気持ちのよいことなのです。なので、抱っこして欲しいという欲求が赤ちゃんにとってはとても強いのです。
生後まもない赤ちゃんは、まだまだママのお腹の中にいたときの感覚が抜けません。お腹の中にいるとき赤ちゃんは全身をすっぽりと包まれています。
この状態は、赤ちゃんにとってとても心地よい状態なのです。
抱っこされているとき、赤ちゃんはママパパの腕にすっぽりと包んでもらっています。
私が子供を産んだ時に、赤ちゃんというのはお腹の中にいた時のママのにおいを覚えているものですと病院の看護師さんから伺いました。
ママに抱っこされていると、ママのにおいを身近に感じることが出来ますから、よりお腹の中の記憶が呼び起こされるのですね。
だから赤ちゃんは抱っこが気持ちいいのです。お母さんの心拍数を感じながらゆっくりと睡眠の世界に落ちていける。これが充実した親子関係の始まりになるのです。
抱っこのメリットは3つ!赤ちゃんの目線で考える
赤ちゃんは抱っこが大好きです。赤ちゃんをたくさん抱っこしてあげるのにはどのような効果があるのでしょうか。
抱っこをされている赤ちゃん目線で見ていくと、主に3つのメリットが見えてきます。
- 人との触れ合いを感じる手段
- ママとの大切なコミニケーション方法の1つ
- 心の中に人への安心や信頼感が育っていく
1つずつ見ていきましょう。
赤ちゃんは抱っこによって、人との触れ合いを感じています
赤ちゃんは弱い弱い存在です。自分一人で生きていくことがほとんど出来ません。だからたくさんの人に支えられて一緒に日々を過ごしています。
子供のころから毎日たくさん抱っこしてもらうということは、それだけたくさん人との関係性を作っていくということになりますね。
大きくなってからも生活の中で人との関わりは欠かせないものです。小さな赤ちゃんの頃から抱っこしてもらうことで、人と触れ合うということを学んで行くのです。
また月齢が進んでくると激しい夜泣きが始まってしまうことも新米ママを悩ませるものです。夜泣きが始まったら一度ベッドから起こして抱っこをすることが多いと思います。
その時赤ちゃんは、お母さんが傍に居てくれる事に気付きます。
夜泣きで不安定な気持ちになっている赤ちゃんは抱っこされることでよりママとの触れ合いを感じるのです。
抱っこされてママのお顔が見えて、安心してまたねんねが出来るようになります。赤ちゃんにとって抱っこによる体と体の触れ合いは、人生最初の喜び体験なのです。
ママと赤ちゃんがコミュニケーションをとる大切な手段
自分の力では何も出来ない赤ちゃんは、お腹がすいたりおしめが濡れたりする不快感を訴えるために泣く、という方法を使うのです。
赤ちゃんが不快がって泣くと、それに気づいたママはすぐに飛んできて抱っこしてくれますね。これはママと赤ちゃんのコミュニケーションなのです。
ママは赤ちゃんを抱っこしながらどうしたのかな? オッパイがほしいのかな? オムツかな?と赤ちゃんの気持ちを探りますろうとするものです。
そしてギャン泣きしている赤ちゃんの様子をみながら、母乳をあげてみたりオムツを替えてみたりします。
こうして対策を取っていきながら、赤ちゃんとママの心の交流が始まるのですね。赤ちゃんは泣いて訴えた後、抱っこして不快感を取り除いてもらうと泣き止みます。
この流れを繰り返して、赤ちゃんは大切なママとの心の交流を覚えるようになります。
言葉を使っていなくても、赤ちゃんとママは会話をしているようなものなのですね。
赤ちゃんの心の中に、人への安心信頼感が育っていきます
お腹が空いたり、おむつが気持ち悪くなったりして泣いた赤ちゃんが、抱っこしてもらってお世話をしてもらうことで、「自分の要求が叶えてもらえた」という満足を得られます。
そして要求を叶えてくれた人に対しては、「この人なら自分の要求を叶えてくれるんだ」という信頼感が育っていくのです。
赤ちゃんの時に芽生えるこの信頼感は、自分の存在がしっかりと認められている!自分は大切にされているんだ!という自己肯定感を育むために不可欠なものです。
自己肯定感を得られれば、「自分は大丈夫」「この世の中で生きていける」という自信につながります。
たとえママのそばから離れられず、すぐにママに泣いて要求していたとしてもそのことが自立を妨げることにはなりません。
「自分は大切にされている」「もう自分は大丈夫」と思えた時、子供は安心してママのそばから離れていくことができるようになります。
大切にされていると感じられることは、成長していく赤ちゃんの心の土台になります。家で言うと基礎というべきものです。
基礎とは普段見えないものですが、困難なシーンなどでこの基礎がしっかりしているかしていないかが出てきます。
例えば地震などの自然災害が起きた時に、基礎のしっかりした家なら持ちこたえられますよね。
それと同じで、心の中に人への安心感・信頼感という基礎がしっかり育っている赤ちゃんは、困難なシーンにも負けない強い子に育っていくのです。
泣いている赤ちゃんを放っておくと、心のトラブルを抱えてしまうかも…
泣くたびに抱っこをするということについてのメリットを見てきました。では泣いている時に放って置かれたら、赤ちゃんはどんな気持ちになるものでしょうか。
あまり抱っこをされずに過ごしてきた赤ちゃんに、起こりうる問題の可能性を見ていきましょう。
赤ちゃんは触れ合いを求めたり、おっぱいが欲しいことやオムツが気持ち悪いことを泣き声で訴えています。でも泣いても誰も来なかったらどうでしょうか。
赤ちゃんは「自分の要求は叶えてもらえないのだ」と思ってしまいます。そして泣いたって仕方がないのだと思うようになります。
そうなると赤ちゃんはだんだん泣かなくなっていく可能性があります。
ママにとっては静かになって助かるわ、と思ってしまうかもしれません。でもこんな様子の赤ちゃんは実はとても要注意です。心配な心のトラブルの入口になるかもしれません。
そういう赤ちゃんは呼びかけてもなんの反応もしなくなり、一見大人しくて手がかからない子に見えますが、成長の上ではとても不安な状態です。
そうならないための対処法としては、赤ちゃんが泣き続けている時には出来るだけ早くそばに行って抱き上げて抱っこであやしてあげるのがよいでしょう。
抱っこし過ぎると抱き癖がついてしまうという考え方について
泣いても抱っこばかりしていてはだめ、と考えているママも多いものです。
泣いたらすぐに抱っこするから、癖になって余計泣きやまなくなるのだと言われたことがありませんか。
それは抱き癖と呼ばれるものです。しかし、抱っこばかりしていると本当に我慢が出来なくなったり泣き止まないようになってしまうのでしょうか。
ママたちを悩ませる抱き癖に関すること
「泣いてる子供をすぐに抱き上げて何が悪いんだろう?」と、一見不思議にも思えるこの疑問ですが、ママたちを悩ませる理由は大きく二つあるようです。
- 「泣いたらすぐ抱っこをしているとわがままになる」と言われている
- 「泣いたらすぐに来てくれると思うから、いつまでたっても泣き止まないのだ。」と言われる
でも本当にそうなのでしょうか?
抱き癖という考え方は変わってきています
「抱き癖がつくから泣いても放っておきなさい」と言って、抱き癖がつくことを心配しているのは祖母世代であることが多いです。
泣くたびに抱いているとそのせいで癖が付いていつまでも泣き止まないようになってしまう。自立させるためには泣いても一人にさせておきなさいという考え方です。
確かにおばあちゃん世代の子育ては、子どもの数も多かったので一人一人の子どもに割ける時間も少なかったことでしょう。
ですから自然に一人で置いておかれる時間が長くなる赤ちゃんは、泣いても誰も来てくれないのが分かってきますからでだんだん大人しくなっていくのです。
その経験があるおばあちゃんは、泣いても一人で居させていたから我慢強い、良い子になったんだと考えるのでしょう。
しかし、抱き癖に対する考え方は変わってきています。
保健師さんや保育園の先生など子育ての専門家は、今、抱き癖への不安を語ることはありませんし、私が読んだ育児書の中でも抱き癖に関する注意はありませんでした。
小さい頃からの抱っこによるママや家族と触れ合いが、赤ちゃんの心の成長を支えていることが分かってきたからです。
抱っこをしないから我慢強い子供になる、とは言えないようです。むしろ赤ちゃんの頃しっかり抱っこされた経験を持つ子供ほど自立する心も育っていくようなのです。
抱っこにも仕方によってはデメリット面がある!
赤ちゃんにとって抱っこしすぎることのデメリットというものはあるのでしょうか?また、抱っこをしてばかりだと赤ちゃんの心と身体にどんな影響が現れるのでしょう。
- 抱っこの仕方によって現れる可能性があるデメリット
- 赤ちゃんにとって不快な刺激になることも…
- 赤ちゃんの体力作りを妨げてしまうことも…
- 抱っこしなくちゃ!というママのストレスが赤ちゃんに伝わってしまう
詳しく見ていきます。
赤ちゃんにとって不快な刺激になっている
抱っこしても抱っこしても赤ちゃんがなかなか泣き止んでくれない場合もあります。ミルクを飲ませてもおしめを替えても泣き止まない。こんなにがんばっているのにどうして?
実は生まれたばかりの赤ちゃんは、自分がどうして泣いているのか分からない状態で泣いていることがあると言われています。
ママのお腹のなかとはあまりにも環境が違ってしまったので、自分に何が起こってどこにいるのかすぐには理解できていないためと言われています。
自分がどうして泣いているのか分からない状態の赤ちゃんを抱っこすると、赤ちゃんは抱っこされたこと自体が何故なのか分からないのでますます混乱してしいます。
赤ちゃんが泣き続けてなかなか落ち着かないときは、赤ちゃんの気持ちをリセットするために、抱っこを一旦やめてみて、ママがあえて離れてみるということを試してみましょう。
一息入れるつもりで試してみてください。
赤ちゃんの体力づくりを妨げてしまうことも…
小学校に入っても授業中に椅子に座っていることができなくてばたばた動き回る子供が多くなっていると聞きます。
子供を見ていただいている保健師さんから、それは赤ちゃんの頃からの体力不足も一因かもしれないと伺ったことがあります。
首が据わっていなくて自由に動けない赤ちゃんでも、大きな声を出して泣くことで肺や腹筋をしっかりと働かせます。これも立派な運動なのです。
大きな声でギャン泣きされると、お世話をしている身としては大きな悩みなのですが、これは赤ちゃんが体力作りをしている時間でもあります。
泣き止ませたいと思って一生懸命抱っこをしていると、せっかく身体を使って体力をつけようとしている赤ちゃんにとってよくない面もあるのですね。
抱っこしないと!というストレスが溜まり、赤ちゃんにも伝わってしまうかも
赤ちゃんにとって抱っこは気持ちのいいことだから、泣いているのに放っておくのは赤ちゃんが可愛そう…そう思って必死で抱っこしようとしていませんか?
特にマンションにお住まいの方はご近所に迷惑をかけてしまうのが心配ですから、どうにか泣き止んで欲しいと思うことでしょう。
泣かせっぱなしにしないですぐ抱っこしなくちゃ!そんなふうに追い詰められて余裕をなくしているママの精神状態は、実は赤ちゃんにダイレクトに伝わるものなのです。
せっかく抱っこしてもらっていても肝心のママがストレスをためてイライラしていたら赤ちゃんも嬉しくないですよね。
ママがイライラしていると赤ちゃんも不安になります。不安になるともっと泣くのでママは泣き止まない赤ちゃんに対し、さらにストレスを溜めてしまいます。
特に男の子の赤ちゃんは体重が重たくなりがちなので、ずっと抱っこしているのは手も痛くなってくるので体力的に厳しいですよね。身体の疲れも大きなストレスとなります。
抱っこ紐やスリングを使うといくらか楽になれますし、夜間の夜泣きの時には旦那と交代で休憩を取れるように話し合っておくなど、抱っこをすることで疲れすぎない工夫をしてみましょう。
育児はママ一人だけの仕事ではないのですから、祖母や他の家族も赤ちゃんと一緒になって生活出来る家庭になっていくといいですね。
抱っこで育もう!赤ちゃんとの素敵な関係
ママが自分を見て笑ってくれているというのが赤ちゃんにとって一番嬉しいことです。泣いた後抱っこされたらほっとします。それで赤ちゃんはママがそばに居てくれることを感じています。
これは生まれたばかりの小さな赤ちゃんが、これから生きていく世界の中で安心を得ていくために不可欠なものです。抱っこをしてもらうことは赤ちゃんにとってたくさんのメリットがあるのです。
でもママがくたくたになるまで抱っこをすると赤ちゃんにも辛さが伝わっていきます。
それは避けたいことですよね。抱っこしてもらうことは赤ちゃんとママの人間関係を作っていく最初の作業です。
大切なのは、抱っこしていることが楽しいとママが感じられることです。赤ちゃんを抱っこするのが嬉しい、幸せ、という気持ちになれるように工夫してみてください。
もしそんな気持ちになれない中で抱っこをしなくちゃしなくちゃというプレッシャーを感じているなら、決して無理はしないでください。
ちょっとくらい離れる程度なら赤ちゃんはゆるしてくれますよ。
すぐに抱っこの要求に応えてあげらずに「ごめんね。」と言ったり、手が離せずに「ちょっと待っててね。」と伝えることも立派なコミュニケーションです。
泣いたらすぐに応えてあげる方法の1つとして、「泣いたら抱っこをしてあげる」があるのです。
ママが笑ったら赤ちゃんも笑う。それが二人にとって理想的な関係です。抱っこは赤ちゃんとママとの素敵な関係づくりです。
今出来る範囲で向き合うことから始めて行きましょう。
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