妊婦はアトピーが悪化しやすい…妊娠中でもできる痒みの対処法
妊娠中はつわりや腰痛、むくみなどの様々な体のトラブルに悩まされますが、アトピーが悪化するケースも多々あります。
それでなくても今までのように思うように体を動かせないことに加えて、痒みとの闘いはかなり辛く気分も落ち込み気味になりますね。
使用できる薬やお腹の赤ちゃんへの遺伝の心配など、精神的にも負担がかかるでしょう。
妊婦がアトピー性皮膚炎を発症する原因や症状、悪化させない対処法などアトピーについて、先輩ママの意見も併せて見ていきましょう。
この記事の目次
アトピーの原因について
アトピーとは、アレルギー反応を起こすアレルゲンという物質に体が反応し、皮膚湿疹や喘息、鼻炎などを発症しやすい体質のことをいいます。
中でも湿疹が肌に現れるアトピー性皮膚炎の略称として使われており、アトピー性皮膚炎を発症する原因は遺伝的要素と環境的要素が関係しています。
- 遺伝的要因
- 両親や祖父母など家族にアトピーを持っている人がいたり、体内でIgE抗体ができやすいアレルギー体質を元々持っている
- 環境的要因
- 食べ物やダニ・ハウスダストなどのアレルゲン、肌に合わない石鹸の使用などの環境により発症また悪化する
妊娠中はアトピーが悪化しやすい…原因は様々
元々アトピーを持っている人が妊娠すると、妊娠前はアトピーの症状が治まっている人でも発症したり湿疹やかゆみが悪化することがあります。
妊娠中はつわりや流産の心配から始まり、体の変化の不安、体重管理などの様々なマイナートラブルに加え、アトピーの悪化はストレスがよりかかりますね。
なぜ妊娠するとアトピーがひどくなるのでしょうか。
以下の理由が考えられますが、それだけ赤ちゃんを宿すということは女性の体質を変えたり、生活環境や気持ちの上での変化が大きいのです。
- 妊娠によるホルモンバランスの乱れ
- つわりなどで食生活が偏るため
- 体質が変わるため食物アレルギーが発症する
- 妊娠により様々なストレスを抱えることで重度化する
- 便秘などの腸内環境の乱れが皮膚トラブルにつながる
かゆみを我慢するのは想像以上に大変なことですね。
妊娠中のアトピーの症状
様々な部位に発症する痒みや、掻いたことによる皮膚の痛みは、経験者でないとわからない辛さがあるでしょう。
妊娠中のアトピーには主に三つの症状があげられます。
- 妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)
- 妊娠中期から後期にかけ、お腹周り・手足の外側・腕・胸・背中などに細かく盛り上がった湿疹ができ、強いかゆみを伴いアトピーが発症、悪化するもの
- 妊娠性疱疹(にんしんせいほうしん)
- 水を持った赤い湿疹で水疱瘡のような皮膚症状となる
- 妊娠性皮膚掻痒(にんしんせいひふそうようしょう)
- ホルモンの影響で皮膚が乾燥し、胸の周囲のかゆみが強く乳首や乳輪の皮がむけることも…。出産後の母乳に影響がないかも心配となります。
他にも先輩ママの辛い経験の声をまとめました。
- かゆみが一日中続く
- 首まで真っ赤になる
- 乾燥して肌の表面が白い粉を吹く
- 乾燥して黒くカサブタ状になる
- 顔がガサガサで赤くなる
- 頭からフケのように皮膚が取れてくる
- 掻きむしり過ぎて出血する
- まぶたまで腫れて目が開かない
- 異常な数のシミ・ソバカスができ色素沈着が目立つ
妊婦はアトピーの薬を使ってもいいの?
アトピーに効く皮膚外用薬と言えばステロイド(副腎皮質ホルモン)です。比較的強い塗り薬なので、妊娠前には使っていた人も多いでしょう。
また内服薬では、かゆみを抑える効果がある抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬が中心になります。
では、妊娠中でも今まで通りに外用薬や内服薬を常用しても良いのでしょうか。
産婦人科医が処方する外用薬の使用がおすすめ!
妊娠前に使っていた外用薬を医者に相談なく使用し続けることは危険です。
顔の赤みなどに効くとされているプロトピックは、ステロイドと同じ免疫抑制系の強めの薬です。
これを妊娠期間中に使用すると副作用が強く、お腹の赤ちゃんに支障をきたす可能性があるという研究結果が出ています。
だからと言って今まで使っていた塗り薬を自己判断でやめてしまうと、数日でアトピーが悪化する場合も…。
基本的には妊娠中のステロイドの使用は問題ないとされており、産科では弱いステロイド外用薬が出されることが多いでしょう。
内服薬は基本的にやめましょう!
内用薬は1日20㎎までなら問題ないという定義もありますが、全ての妊婦さんの安全性は確立されていません。
飲み薬は体内に入るので、産婦人科でも胎児の影響を考え処方されないことが多いでしょう。
妊娠後期には、柴苓湯(サイレイトウ)などの漢方薬なら問題ないという声もありますが、心配であれば先生に相談してからが安心ですね。
妊娠中にアトピーがひどくならないためにできる予防法
薬を患部に塗布する以外に、プレママが日常生活でケアできる対処法もいくつかあります。
できるだけ悪化させないよう、予防に心掛けましょう。
- ①肌のスキンケアを怠らない!
- 無添加石鹸などでこまめに優しく肌を洗い、清潔を保ちましょう。汗をかいたらそのままにせずシャワーを浴びるだけでも違います。
- ②水分の拭き取りは押さえるように!
- 体を拭くときはタオルで押さえるようにして水分を拭き取ると、患部に刺激を与えずに拭き取ることができます。
- ③保湿は必ず忘れずに!
- アトピーには肌の乾燥が大敵です。洗ったあとは必ず保湿クリームなどで皮膚バリアをすることを習慣づけましょう。
- ④紫外線に注意!
- 妊娠中は適度な日光に当たることは必要ですが、日焼けをすると肌のかゆみが増します。夏だけでなくオールシーズンで紫外線の当たり過ぎには気をつけましょう。
- ⑤こまめな掃除と換気もしよう!
- アトピーはハウスダストやダニなどの外的要因が刺激となって悪化する事があります。部屋の掃除やこまめな換気、布団干しも大切ですね。
- ⑥ストレスを抱えすぎない!
- 仕事や家事、二人目妊娠のママは上の子の育児でのイライラなどストレスを溜めてしまうこともアトピーが悪化する原因となります。上手なストレス発散を心がけましょう。
- ⑦過剰に心配しすぎない!
- このまま産後もアトピーが治らなかったらどうしよう、赤ちゃんに遺伝したらどうしよう、など心配しても仕方ないことを過剰に心配することも良くない要因の一つです。
- ⑧和食中心の食生活を!
- 栄養摂取に配慮し偏らない食生活が大切!外食やコンビニ食は避け、肉料理などの動物性たんぱく質を控え、野菜や魚中心の生活を心がけると体重管理にもなり一石二鳥です。
- ⑨衣類にも配慮を忘れずに!
- 肌につく下着や洋服はコットン、麻、ウール100%を選び、患部が皮膚に付かないようにゆったりした通気性の良い服を着るように心がけましょう。
- ⑩お化粧は一旦ストップ!
- アトピーは目や口まわりに湿疹が出たり、顔全体が赤くなることも…。顔に症状がある場合はお化粧は控えましょう。
- ⑪患部を冷やす!
- ほてりがかゆみの原因となることもあります。患部に保冷剤を当てたり冷たい水道水をかけるなど冷やすことも効果的です。
- ⑫爪は毎日とぐ!
- 長い爪や短くても尖った爪は搔きむしりの皮膚疾患につながります。掻いても皮膚のダメージを少なくするため、爪は毎日丸くとぎましょう!
こうして乗り切った先輩ママの対処法!
妊娠中のアトピーに悩まされた先輩ママはたくさんいます。
どうしたら予防になるか、これ以上悪化しないには?!先輩ママが試行錯誤して乗り切った体験談を紹介しましょう。
- ワセリンが離せなかった!
- 私はワセリンの効き目が抜群でした。ワセリンと保湿!これだけでだいぶ楽になったのを覚えています。
- 腹巻オンリーで就寝!
- 布団に入って体が温まるとかゆみが増すので、室内温度を調整し腹巻だけして布団はかけずに寝ていました。
- 夜寝るときは手袋!
- どうしても寝てるときに無意識に搔きむしり傾向に。手袋の材質や形、外れないように工夫をしたミトンをつけて寝ていました。肘までの長さの手袋がベストです。
- どくだみ健康茶で乗り切った!
- どくだみ茶はアトピーの発症予防効果があり、ノンカフェインなので妊婦にも安心と聞き、日々飲んでいたら二人目妊娠の時はひどいアトピーは出ませんでした。
- アイスノンでひたすら冷やした!
- 百均などで売ってるアイスノンを常備し、痒くなったり痛い患部をとにかく冷やしていました。お腹だけは冷やさないように注意です!
- 洗剤や肌着へのこだわり!
- お風呂で使うボディソープからシャンプー、洗濯の洗剤、肌着の材質までとことんアトピーに悪いものは除去!エアコンで室内の温度も調整し極力汗をかかないように徹底しました。
アトピーはお腹の赤ちゃんに遺伝する?
子どものアレルギー発症率は、両親共にアレルギー疾患を持っていると約50%、どちらか一方だと約30%、アレルギーのない場合は約10%と言われています。
生まれた子がアトピーの発症リスクを低めるため、卵アレルギーなどは持たない妊婦が卵や乳製品などの食物制限をした研究成果があります。
結果、妊婦が食物制限を行うことで胎児のアレルギー体質を予防できる十分な根拠がないことがわかりました。
むしろ食事制限による妊婦の栄養不良や胎児の成長障害が心配となるようです。
アトピーは遺伝だけでなく、ダニ・ハウスダストや食べ物からもアレルギー反応を起こすいわば花粉症と同じようなもの!
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適宜な薬を使いストレスを溜めない生活を!
妊婦中は妊娠周期ごとに変わる自分自身の体の悩みに加え、お腹の赤ちゃんの心配も増えかなりデリケートに…。
強い薬を飲めないもう少しの我慢!赤ちゃんに会ったら、きっと辛い痒さも吹き飛ぶでしょう!
医師に相談した適宜な外用薬を使って、日々の過ごし方にも注意をし、余計な心配をせずに前向きなマタニティライフを心掛けてくださいね。



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